製品名 アピドラ注ソロスター

一般名
Insulin Glulisine(Genetical Recombination)
薬効分類
糖尿病治療薬
 >インスリン
価格
300単位1キット:2173円/キット

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • インスリン療法が適応となる糖尿病

用法・用量

  • 通常、成人では1回2~20単位を毎食直前に皮下注射するが、中間型又は持効型溶解インスリン製剤と併用することがある。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、中間型又は持効型溶解インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4~100単位である。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 低血糖症状を呈している患者
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
低血糖
低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。
なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を経口摂取し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を経口摂取すること。
経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に投与するか、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与すること。
低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがあるので、経過観察を継続して行うことが必要である。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明注)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外で自発報告されている副作用のため頻度不明。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明注)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外で自発報告されている副作用のため頻度不明。
注意

次の患者には慎重に投与すること

インスリン需要の変動が激しい患者
手術、外傷、感染症等の患者
妊婦[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
次に掲げる低血糖を起こしやすい患者又は状態
重篤な肝又は腎機能障害
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
下痢、嘔吐等の胃腸障害
飢餓状態、不規則な食事摂取
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
血糖降下作用を増強する薬剤との併用[「3.相互作用」の項参照]
低血糖を起こすと事故につながるおそれがある患者(高所作業、自動車の運転等の作業に従事している患者等)
自律神経障害のある患者[低血糖の自覚症状が明確でないことがある]
インスリン製剤の使用上最も重要なことは、適応の決定と患者教育である。日常の糖尿病治療のためにインスリンを使用する場合、その注射法及び低血糖に対して患者自らも対処できるように十分指導すること。また、皮下からの吸収及び作用の発現時間は、投与部位、血流、体温、運動量等により異なるため、適切な注射法についても患者教育を十分行うこと。さらに、本剤の使用にあたっては、必ず添付の取扱説明書を読むよう指導すること。また、すべての器具の安全な廃棄方法についても十分指導すること。
2型糖尿病においては急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
低血糖を起こすことがあるので、注意すること。特に、食事を摂取しなかったり、予定外の激しい運動を行った場合、低血糖を引き起こしやすい。低血糖が無処置の状態で続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させること。[「4.副作用」の項参照]
インスリンの用量が不足した場合、高血糖を起こすことがあるので、注意すること。高血糖が無処置の状態で続くと悪心、嘔吐、眠気、潮紅、口渇、頻尿、脱水、食欲減退、呼気のアセトン臭、ケトアシドーシス、昏睡等を起こし、重篤な転帰をとるおそれがあるので、適切な処置を行うこと。
急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
他のインスリン製剤から本剤への変更により、インスリン用量の変更が必要になる可能性がある。用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある。
本剤は無色澄明な液剤であるため、持効型溶解インスリンアナログ製剤等と間違えないよう患者に十分な指導を行うこと。
投与時
本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。
本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
本剤のカートリッジ中にインスリン製剤を補充したり、他のインスリン製剤を混合しないこと。
本剤のカートリッジの内壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられた場合、又は液が変色した場合は使用しないこと。
本剤のカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
1本を複数の患者に使用しないこと。
投与部位
皮下注射は、腹部、上腕部、大腿部等に行うが、同一部位内で投与する場合は前回の注射場所より2~3cm離して注射すること。
投与経路
静脈内に投与しないこと。ただし、皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
保存時
使用前は凍結を避け、2~8℃で遮光保存すること。
使用中は本剤を冷蔵庫に保存しないこと。
その他
使用開始後4週間は安定である。[使用時の安定性試験(25℃)に基づく。]
本剤の血糖降下作用は速効型インスリンと同等であるが、作用発現は速効型インスリン製剤より速い。本剤は食直前(15分以内)に投与すること[【薬物動態】の項及び【臨床成績】の項3.参照]。
経口血糖降下剤から本剤に変更する場合及び経口血糖降下剤と併用する場合
投与にあたっては低用量から開始するなど、本剤の作用特性[【薬物動態】の項及び【臨床成績】の項2.参照]を考慮の上投与すること。
経口血糖降下剤と併用する場合は、経口血糖降下剤の投与量及び投与スケジュールの調整が必要になることがある。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。
一般的に高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすいので、用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期、授乳期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。
成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化するので、定期的に検査を行うなどして投与すること。[小児の臨床試験成績は【臨床成績】の項4.参照]
単回皮下投与後の血清中濃度および血糖降下作用
成人1型糖尿病患者
日本人の成人1型糖尿病患者男女15例に、本剤、インスリン リスプロ又は速効型インスリン0.2単位/kgを腹部に単回皮下投与し、血清中インスリン濃度及び血糖降下作用(正常血糖クランプ法によるグルコース注入率)の経時的推移について検討した。本剤及びインスリン リスプロは、速効型インスリンに比べて吸収(T20%-AUC:20%血清中インスリン濃度時間曲線下面積到達時間)及び作用発現(T20%-AUC:20%グルコース利用量到達時間)が速く、最高血清中インスリン濃度(Cmax)及び投与後2時間の区間グルコース利用量(AUC(0-2h))が大きいこと、並びに、作用持続時間(GIRが2mg/min/kg以上の値を維持した時間)が短いことが示された。
日本人成人1型糖尿病患者にアピドラ注、インスリン リスプロ又は速効型インスリンを単回皮下投与したときの血清中インスリン濃度(左図;平均値)及び血糖降下作用(右図;平均値)の経時的推移
血清中インスリン濃度Cmax
(μU/mL)※1
AUC(0-clamp end)
(μU・min/mL)※1
T20%-AUC
(min)※2※4
Tmax
(min)※3※5
アピドラ注131.7(19.5%)17354.2(8.7%)41.5(±7.3)50
インスリン リスプロ159.5(27.1%)21325.7(20.5%)49.6(±11.6)40
速効型インスリン110.0(33.9%)21402.5(19.2%)71.1(±13.8)40
グルコース注入率AUC(0-2h)
(mg/kg)※2
AUC(0-clamp end)
(mg/kg)※2
T20%-AUC
(min)※2※4
Tmax
(min)※3
Duration of action
(min)※3
アピドラ注428.7(±153.2)1399.5(±357.6)93.0(±16.8)110304
インスリン リスプロ417.3(±201.0)1470.8(±390.9)101.0(±17.5)177286
速効型インスリン344.8(±155.9)1717.4(±487.0)124.3(±21.0)198393
※1:幾何平均(CV%)※2:算術平均(±SD)※3:中央値※4:AUC(0-clamp end)に対して20%相当のAUCに到達するまでの時間(被験者毎に分単位で算出)※5:投与後10、20、30、40、50、60、70、80、90、120、150、180、240、300、360、480分時点の測定値に基づく
本剤1モルと速効型インスリン1モルの血糖降下作用は同等であり、同一用量単位は等価であることが示されている。
小児1型糖尿病患者(外国人データ)
外国人の小児1型糖尿病患者男女20例(7~11歳の児童10例、12~16歳の青少年10例)に、本剤又は速効型インスリン0.15単位/kgを、標準食の食直前(食事開始前2分以内)に、腹部に単回皮下投与し、血清中インスリン濃度及び食後血糖値の経時的推移について検討した。本剤は、速効型インスリンに比べて最高血清中インスリン濃度到達時間(Tmax)が短く、最高血清中インスリン濃度(Cmax)が高いこと、本剤投与下の食後血糖値は、速効型インスリン投与下に比べて全般的に低く推移することが示された。
血清中インスリン濃度Cmax
(μU/mL)※1
AUC(0-6h)
(μU・min/mL)※1
Tmax
(min)※3
アピドラ注57.8(32.2%)8361.2(28.2%)54
速効型インスリン32.7(49.9%)7051.8(38.7%)66
食後血糖値GLUmax
(mg/dL)※2※4
AUC(0-2h)
(mg・h/dL)※2※5
AUC(0-6h)
(mg・h/dL)※2※5
Tmax
(min)※3※4
アピドラ注298.1±82.6178.7±102.7640.9±421.3120.0
速効型インスリン351.8±69.8262.9±88.4800.9±316.3120.0
※1:幾何平均(CV%)※2:算術平均(±SD)※3:中央値※4:投与後4時間までのデータ※5:ベースラインによる補正値
腎機能障害を有する非糖尿病被験者(外国人データ)
外国人の腎機能の程度が異なる非糖尿病成人被験者男女24例に、本剤又は速効型インスリン0.15単位/kgを、それぞれ標準食の食直前(食事開始前2分以内)及び食前(食事開始15分前)に腹部に単回皮下投与し、血清中インスリン濃度及び食後血糖値の経時的推移について検討した。本剤の血清中インスリン濃度推移及び本剤投与下の食後血糖値の経時的推移は、腎機能の程度によらず同様であることが示された。
血清中インスリン濃度Cmax
(μU/mL)※1
AUC(0-5h)
(μU・min/mL)※1
Tmax
(min)※3
アピドラ注
腎機能正常A
107.8(29.8%)13120.1(29.1%)55.9
アピドラ注
中等度腎機能障害B
131.1(29.2%)18412.2(19.4%)57.5
アピドラ注
重度腎機能障害C
107.8(15.1%)16911.9(15.6%)67.8
速効型インスリン
腎機能正常A
112.1(46.7%)16081.0(43.9%)71.8
速効型インスリン
中等度腎機能障害B
103.1(42.3%)17514.3(30.0%)80.3
速効型インスリン
重度腎機能障害C
116.3(33.7%)19437.4(28.9%)76.5
食後血糖値GLUmax
(mg/dL)※2※4
AUC(0-2h)
(mg・h/dL)※2※4
AUC(0-5h)
(mg・h/dL)※2※4
Tmax
(min)※3
アピドラ注
腎機能正常A
114.0±14.2173.5±32.9320.8±130.345.0
アピドラ注
中等度腎機能障害B
128.0±20.2197.1±27.8424.3±51.737.5
アピドラ注
重度腎機能障害C
131.3±23.6194.8±30.4409.5±105.145.0
速効型インスリン
腎機能正常A
115.0±24.0180.8±39.5352.8±115.760.0
速効型インスリン
中等度腎機能障害B
135.0±30.6205.0±21.3439.6±82.890.0
速効型インスリン
重度腎機能障害C
139.3±38.2212.3±49.9410.8±126.482.5
※1:幾何平均(CV%)※2:算術平均(±SD)※3:中央値※4:血糖値の換算;mg/dL=mmol/L×18A:クレアチニンクリアランス>80mL/minB:クレアチニンクリアランス30~50mL/minC:クレアチニンクリアランス<30mL/min
投与部位による比較(外国人データ)
外国人の健康成人男性16例に、本剤0.1単位/kgを腹部、上腕部又は大腿部に単回皮下投与、並びに本剤0.1単位/kgを静脈内投与した。本剤の皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、それぞれ腹部73%、上腕部71%及び大腿部68%であり、正常血糖クランプに要した総グルコース利用量は皮下投与部位によらず同様であることが示された。
食事と投与のタイミング(外国人データ)
外国人の成人1型糖尿病患者男女21例に、本剤0.15単位/kgを標準食の食直前(食事開始前2分以内)又は食直後(食事開始15分後)に、速効型インスリン0.15単位/kgを食前(食事開始30分前)に、それぞれ腹部に単回皮下投与したところ、食後血糖値がピークに到達するまでの時間は、本剤の食直前投与で48分、食直後投与で45分、速効型インスリンの食前投与で115分であった。
外国人成人1型糖尿病患者にアピドラ注を食直前(左上図)又は食直後(右上図)に単回皮下投与あるいは速効型インスリンを食前(左下図)に単回皮下投与したときの食後血糖値の経時的推移