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エクストラニール腹膜透析液、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 慢性腎不全患者における腹膜透析

用法・用量

  • 腹膜透析治療において1日1回のみ使用すること。通常、成人には1日3~5回交換のうち1回の交換において本剤1.5~2Lを腹腔内に注入し、8~12時間滞液し、効果期待後に排液除去すること。本剤以外の交換にはブドウ糖含有腹膜透析液を用いること。
    なお、注入量及び滞液時間は、症状、血液生化学値、体液平衡、年齢、体重等を考慮し適宜増減する。注入及び排液速度は、通常300mL/分以下とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • トウモロコシデンプン由来物質に対し、過敏症の既往のある患者[本剤に含まれるイコデキストリンは、トウモロコシデンプンから得られた物質であるため]
  • 糖原病の患者[マルターゼ欠損のため]
  • 横隔膜欠損のある患者[胸腔へ移行し、呼吸困難が誘発されるおそれがある]
  • 腹部に挫滅傷又は熱傷のある患者[挫滅又は熱傷の治癒を妨げるおそれがある]
  • 高度の腹膜癒着のある患者[腹膜の透過効率が低下しているため]
  • 尿毒症に起因する以外の出血性素因のある患者[出血により蛋白喪失が亢進し、全身状態が悪化するおそれがある]
  • 乳酸代謝障害の疑いのある患者[乳酸アシドーシスが誘発されるおそれがある]

注意 

次の患者には慎重に投与すること

腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患の疑いのある患者[腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患が悪化又は誘発されるおそれがある]
腹部手術後の患者[手術部位の治癒を妨げるおそれがある]
ジギタリス治療中の患者[ジギタリス中毒が誘発されるおそれがある]
食事摂取が不良の患者[栄養状態が悪化するおそれがある]
腹部ヘルニアのある患者[腹部ヘルニアが悪化するおそれがある]
腰椎障害のある患者[腰椎障害が悪化するおそれがある]
憩室炎のある患者[憩室炎が腹膜炎合併の原因となるおそれがある]
人工肛門使用患者[細菌感染を起こすおそれがある]
利尿剤を投与している患者[水及び電解質異常が誘発されるおそれがある]
高度の換気障害のある患者[胸腔圧迫により換気障害が悪化するおそれがある]
高度の低蛋白血症のある患者[低蛋白血症が悪化するおそれがある]
ステロイド服用患者及び免疫不全患者[易感染性であるため]
注入液、排液の出納に注意すること。
本剤の投与初期は、水分摂取量及び透析液の組合せによる除水量の管理に十分注意すること。
本剤の投与開始は、医療機関において医師により、又は医師の直接の監督により実施すること。通院、自己投与は、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を施したのち、医師自らの管理指導の下に実施すること。
本剤使用時に発疹等の皮膚反応が生じ、症状が継続もしくは悪化する場合には、本剤の使用を中止し、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
腹膜炎を合併することがあるので、本剤の投与にあたっては特に清潔な環境下で無菌的操作により行うと共に次のことに注意すること。
腹膜カテーテルの管理及び腹膜カテーテル出口部分の状態には十分注意すること。
腹膜炎が発生すると排液が濁るので、その早期発見のために、毎排液後、液の混濁状態を確認すること(腹膜炎発生時の液の混濁状態は正常排液2,000mLに対して牛乳1mLを添加した液の混濁状態を参考とすることができる)。排液の混濁が認められた場合、直ちに医師に報告すること。医師は抗菌薬投与の必要性を考慮すること。
本剤使用時に原因不明の排液混濁が認められた場合、直ちに本剤の使用を中止すること。使用中止により排液混濁が消失した場合、注意深い観察下においてのみ使用を再開すること。再開後に、再び原因不明の排液混濁が認められる場合は、本剤の使用を中止し、再投与しないこと。
長期の腹膜透析実施において被嚢性腹膜硬化症(EPS)を合併することがあるので、発症が疑われたら直ちにCAPDを中止し、血液透析に変更すること。発症後は、経静脈的高カロリー輸液を主体とした栄養補給を行い、腸管の安静を保つ。嘔吐がある場合は胃チューブにより胃液を持続吸引する。本症は必ずイレウス症状を伴うが、診断には次の臨床症状、血液検査所見及び画像診断が参考になる。
臨床症状
低栄養、るいそう、下痢、便秘、微熱、血性排液、局所性又はびまん性の腹水貯留、腸管ぜん動音低下、腹部における塊状物触知、除水能の低下、腹膜透過性の亢進
血液検査所見
末梢白血球数の増加、CRP陽性、低アルブミン血症、エリスロポエチン抵抗性貧血、高エンドトキシン血症
画像診断:X線検査、超音波検査、CT検査
定期的に血液生化学検査及び血液学的検査等を実施すること。特に、本剤使用時には血清ナトリウム及びクロール値の低下並びにアルカリホスファターゼ値の上昇が認められるので注意すること。
本剤を投与されている患者の血糖値の測定には、イコデキストリンやマルトースの影響を受ける旨添付文書に記載されている血糖測定用試薬及び測定器は使用しないこと。[偽高値を示すことがあり、インスリン投与が必要な患者においては、インスリンの過量投与につながり低血糖を来すおそれがある。「6.臨床検査に及ぼす影響」の項参照]
静脈内に投与しないこと。
下痢、腹痛、悪寒等の予防のため、本剤をあらかじめ体温程度に温めてから注入すること。
本剤はカリウムを含まないため、血清カリウム値が正常あるいは低値の場合、またジギタリス治療中の患者では症状に応じて本剤中のカリウム濃度が1~4mEq/Lになるように補正して使用すること。
インスリン依存性糖尿病の患者は本剤投与開始後、インスリンの用量の変更が必要となることがある。血糖値の定期的なモニターを行い、インスリンの用量を必要に応じて調整すること。
インスリンの投与経路として腹腔内投与は認められておらず、本剤との混合によりインスリンの力価が変動するため、インスリンを本剤と混合して投与しないこと。
1日1回のみ使用とすること。
本剤は1.36及び2.27%ブドウ糖含有腹膜透析液使用時に比べ、限外濾過量が増加するため、脱水症状を起こすことがないよう、本剤処方時は本剤と組み合わせて使用するブドウ糖含有腹膜透析液のブドウ糖濃度を併せて見直すこと。
本剤及びブドウ糖含有腹膜透析液それぞれの貯留時間と除水量の関係を十分理解し、透析液を選択及び処方すること。ただし、本剤の使用は1日1回のみである。(【薬効薬理】の項参照)
CAPD用腹膜透析液における用法・用量の範囲で適正に処方し、溢水と透析不足の原因となる食事内容やカテーテルトラブル等を排除したうえでこれらの症状が改善されない患者に本剤を適用するときは、必ず腹膜平衡試験(PET)等必要な検査を行いCAPD治療中止対象患者でないことを確認すること。また、本剤適用後も定期的に腹膜平衡試験(PET)を実施し、必要に応じCAPDの一時中止等の処置をとること。この際、「硬化性被嚢性腹膜炎(SEP)予防のためのCAPD中止基準指針」が参考になる。
妊婦又は授乳婦に対する安全性は確立されていないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、あるいは授乳婦には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立されていない。
海外データでは、本剤2Lを腹膜透析療法施行中の慢性腎不全患者13例に12時間、単回腹腔内貯留した時、血漿中総デキストリン濃度は速やかに上昇し、腹腔内貯留開始後12.8時間で最高値に到達した。血漿中総デキストリンの消失半減期は、12時間の貯留終了後15.2時間であった(下表)。反復投与による蓄積性は認められなかった。
単回腹腔内貯留時の血漿中総デキストリン濃度パラメータ
(平均値±標準誤差、n=13)
クリアランス(L/hr)Tmaxa)(hr)Cmaxb)(g/L)AUCc)(g・hr/L)T1/2d)(hr)
1.0946±0.141312.77±0.152.2949±0.1647125.28±13.4315.20±0.89
a)12時間の貯蓄開始後Cmax時間b)血漿中最高濃度c)血漿中濃度曲線下面積d)12時間の貯蓄終了後血漿中濃度半減期到達時間

重大な副作用 

心・血管障害
急激な脱水による循環血液量減少、低血圧、ショック等があらわれることがあるので、このような場合には本剤の投与を中止し、輸血、生理食塩液、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
被嚢性腹膜硬化症(EPS)
被嚢性腹膜硬化症(EPS)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。[「2.重要な基本的注意(6)」の項参照]

その他の副作用 

副作用が認められた場合には、投与の中止等必要に応じて適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
精神神経系筋痙攣、浮動性めまい、錯感覚、味覚消失、頭痛、構語障害、運動過多、不安、神経過敏、思考異常
消化器口内乾燥、腹痛、口渇、腹膜炎、血性排液、下痢、消化不良、悪心、嘔吐、便秘、胃腸障害、鼓腸、腹部膨満、胃炎、腸閉塞、胃潰瘍
循環器頻脈、心臓血管疾患、低血圧、高血圧
呼吸器肺水腫、呼吸困難、肺障害、咳嗽増悪、しゃっくり
血液貧血、白血球増加症、好酸球増加症
内分泌系副甲状腺障害
皮膚発疹皮膚障害、皮膚乾燥、皮膚潰瘍、湿疹、そう痒症、剥脱性皮膚炎、爪の障害、乾癬、水疱性皮膚炎、顔面浮腫
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
腎臓腎臓痛、尿量減少
代謝・栄養低ナトリウム血症、低クロール血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低蛋白血症、高血糖、食欲不振、脱水、循環血液量減少、循環血液量増加、低血糖症
その他筋痛、頚部痛、耳鳴、無力症、胸痛、疼痛、浮腫、末梢性浮腫、倦怠感、発熱、せつ、感染、損傷、カテーテル機能不全、β2ミクログロブリン増加、血液浸透圧上昇、体重減少、体重増加
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