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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 潰瘍性大腸炎(重症を除く)、クローン病

用法・用量

  • <潰瘍性大腸炎>

    • 通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mgを3回に分けて食後経口投与するが、寛解期には、必要に応じて1日1回の投与とすることができる。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。
      ただし、活動期には、必要に応じて1日4,000mgを2回に分けて投与することができる。
    • 通常、小児にはメサラジンとして1日30~60mg/kgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。
  • <クローン病>

    • 通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mg~3,000mgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
    • 通常、小児にはメサラジンとして1日40~60mg/kgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な腎障害のある患者[9.2.1参照]
  • 2.2 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
  • 2.4 サリチル酸エステル類又はサリチル酸塩類に対する過敏症の既往歴のある患者[交叉アレルギーを発現するおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 サラゾスルファピリジンに対する過敏症のある患者
本剤をサラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に投与したところ、国内の臨床試験で39例中3例(7.7%)、外国において43例中2例(4.7%)に同様のアレルギー症状が認められた。そのため、サラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に本剤を投与する場合は注意すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。腎障害がさらに悪化するおそれがある。[2.1参照]
9.2.2 腎機能の低下している患者(重篤な腎障害のある患者を除く)
排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。[7.3、8.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害がさらに悪化するおそれがある。[2.2参照]
9.3.2 肝機能の低下している患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。[7.3、8.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外において新生児に血液疾患(白血球減少症、血小板減少症、貧血)が起きることが報告されている。なお、メサラジンの動物実験(ラット)では催奇形性は認められていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている(外国人データ)。また、国内及び海外において乳児に下痢が起きることが報告されている。
9.7 小児等
専門医の管理下で安全性と治療の有益性を考慮した上で本剤を使用すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量(例えば750mg/日)から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。[7.3参照]

8.重要な基本的注意

8.1 メサラジンにより過敏症状(発熱、腹痛、下痢、好酸球増多等)が発現することがあり、また、潰瘍性大腸炎・クローン病が悪化することがあるため、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[2.3参照]
8.2 間質性腎炎が報告されているため、投与中はクレアチニン等の腎機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること。[9.2.2、11.1.3参照]
8.3 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査を行うこと。[11.1.4参照]
8.4 肝炎、肝機能障害、黄疸が報告されているため、投与中はAST、ALT等の肝機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること。[9.3.2、11.1.5参照]
8.5 膵炎があらわれることがあるので、投与期間中は血清アミラーゼの検査を行うこと。[11.1.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう患者に指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は二分割して服用可能であるが、放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
14.3 薬剤投与後の注意
本剤のコーティング剤のエチルセルロースは水に不溶のため、糞便中に白いものがみられることがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 1日4,000mgへの増量は、再燃寛解型で中等症の潰瘍性大腸炎患者(直腸炎型を除く)に対して行うよう考慮すること。[17.1.2参照]
7.2 1日4,000mgを、8週間を超えて投与した際の有効性は確立していないため、患者の病態を十分観察し、漫然と1日4,000mgの投与を継続しないこと。
7.3 本剤をメサラジン注腸剤又は坐剤と併用する場合には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝又は腎機能の低下している患者並びに高齢者等への投与に際しては適宜減量するなど、十分に注意すること。併用時に異常が認められた場合には、減量又は中止する等の適切な処置を行うこと。[9.2.2、9.3.2、9.8参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 ペンタサ錠及びメサラジン原薬の単回経口投与
健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度推移は図1、薬物動態パラメータは表1のとおりであった。
図1 ペンタサ錠又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度
表1 ペンタサ錠又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に単回経口投与したときの未変化体の薬物動態パラメータ
ペンタサ錠(n=5)メサラジン原薬(n=5)
Cmax(ng/mL)1,448.6±586.420,733.7±2,744
Tmax(hr)2.3±0.50.8±0.1
T1/2(hr)6.4±0.74.5±0.4
平均値±標準誤差
16.1.2 ペンタサ錠1回1,000mg、1日3回7日間反復経口投与
健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を1日3回、7日間反復経口投与したとき血漿中の未変化体及び代謝物であるN-アセチルメサラジン(アセチル体)濃度はともに4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められなかった。
16.1.3 ペンタサ錠1回2,000mg、1日2回6日間反復経口投与
健康成人にメサラジンとして2,000mg(ペンタサ錠250mg 8錠)を1日2回、6日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。
また、血漿中の未変化体及びアセチル体濃度はともに4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められなかった。
表2 ペンタサ錠1回2,000mgを1日2回6日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
未変化体アセチル体
測定時期1日目(n=6)6日目(n=6)1日目(n=6)6日目(n=6)
Cmax(ng/mL)7,189.5±5,093.17,242.0±3,334.57,676.0±4,671.47,385.3±3,142.5
Tmax(hr)2.8±0.83.0±0.93.0±0.92.8±0.8
T1/2(hr)6.0±3.85.3±1.47.9±2.75.8±1.4
AUC(ng・hr/mL)23,065.7±12,961.4#130,563.7±10,722.4#244,063.7±18,400.0#156,552.5±14,999.3#2
平均値±標準偏差#1:AUC0-24#2:AUC0-72
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を食後単回経口投与したとき、空腹時に比ベ未変化体及びアセチル体の血漿中濃度推移が低下する傾向を示したが、投与後96時間までの尿中及び糞中への排泄率に差はなかった。
16.3 分布
蛋白結合率はメサラジンで約70%、アセチル体で約88%であった(in vitro)。
16.4 代謝
メサラジンは全身に分布するN-アセチルトランスフェラーゼによって生体内でアセチル体に代謝される。
16.5 排泄
健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を食後単回経口投与したとき、96時間後の尿中排泄率は、28.4%(アセチル体として27.7%)であり、糞中排泄率は50.0%(アセチル体として23.5%)であった。
健康成人にメサラジンとして2,000mg(ペンタサ錠250mg 8錠)を1日2回、6日間反復経口投与したとき、尿中排泄は投与開始後4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められず、144時間後までの累積尿中排泄率は34.7%(アセチル体として25.6%)であった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
利尿剤
フロセミド
スピロノラクトン
トリクロルメチアジド等
ステロイド剤
プレドニゾロン
ベタメタゾン
デキサメタゾン等
臨床検査値(尿量、尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオン)の変動に注意する。動物実験(ラット)で、メサラジンの大量投与(300mg/kg)により、尿量及びこれらイオンの排泄増加がみられる。
アザチオプリン
メルカプトプリン
骨髄抑制があらわれるおそれがある。本剤は、チオプリンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するなど、これらの薬剤の代謝を阻害するとの報告がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺疾患(頻度不明)
間質性肺疾患(好酸球性肺炎、肺胞炎、肺臓炎、間質性肺炎等)が報告されているので、発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常等があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
11.1.2 心筋炎(0.1%未満)注)、心膜炎(頻度不明)、胸膜炎(頻度不明)
胸水、胸部痛、心電図異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.3 間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能低下、急性腎障害(いずれも頻度不明)[8.2参照]
11.1.4 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症(いずれも頻度不明)、血小板減少症(0.1%未満)注)[8.3参照]
11.1.5 肝炎(0.1%未満)注)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(0.1%未満)注)
肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.6 膵炎(0.1%未満)注)[8.5参照]
11.1.7 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.8 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
注)副作用の発現頻度は、国内の臨床試験及び製造販売後調査の結果を合わせて算出した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上0.1~1%未満0.1%未満頻度不明
皮膚発疹、そう痒感、丘疹紅斑、蕁麻疹脱毛
消化器下痢腹痛、血便、下血、アミラーゼ上昇、嘔気、腹部膨満感、食欲不振、便秘、口内炎粘液便、嘔吐舌・口腔内・胃内容物・便等の変色(黒色等)
肝臓AST・ALT・γ-GTP・Al-P・ビリルビンの上昇等の肝機能異常
腎臓クレアチニン・尿中NAG・尿中ミクログロブリンの上昇・尿蛋白等の腎機能異常尿着色
血液白血球減少、好酸球増多、貧血
その他発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感浮腫、筋肉痛、CK上昇むくみ、末梢神経障害、めまい、胸部痛、頚部痛、ループス様症候群、CRP上昇

注)副作用の発現頻度は、国内の臨床試験及び製造販売後調査の結果を合わせて算出した。

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