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ジスロマック細粒小児用10%

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、マイコプラズマ属
  • <適応症>

    • 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、中耳炎

用法・用量

  • 小児には、体重1kgあたり10mg(力価)を1日1回、3日間経口投与する。
    ただし、1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 心疾患のある患者
QT延長、心室性頻脈(Torsade de pointesを含む)を起こすことがある。[11.1.8参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 高度な肝機能障害のある患者
投与量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。肝機能を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 白血球数減少が認められることがあるので、顆粒球数(好中球数)減少も合わせて十分観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、必要があれば、他の抗菌薬に切り替えた上、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。承認時に、小児で白血球数減少が認められたのは442例中33例で、このうち9例において好中球数が1000/mm3以下に減少した。白血球数減少が認められた症例の多くは、投与開始7日後あるいは8日後の検査日において回復がみられた。[11.1.9、11.2参照]
9.7.3 下痢が認められた場合には症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。承認時の小児における下痢の発現頻度は、2歳未満(124例中8例)では2歳以上(602例中6例)と比べて高い。[11.2参照]
9.7.4 市販後の自発報告において、小児における興奮の報告が成人に比べて多い傾向が認められている。[11.2参照]
9.8 高齢者
患者の一般状態に注意して投与すること。アジスロマイシン経口剤の一般感染症の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがある。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認すること。
8.2 アナフィラキシー・ショックがあらわれるおそれがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。[11.1.1参照]
8.3 本剤の使用にあたっては、事前に患者に対して、次の点を指導すること。[11.1.2参照]
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え、粘膜(口唇、眼、外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状]があらわれた場合には、服用を中止し、ただちに医師に連絡すること。
・服用終了後においても上記症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡すること。
8.4 アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
調剤時につぶした場合には、苦味が発現することがあるので、避けることが望ましい。
14.2 薬剤交付時の注意
本剤は小児が確実に服用できるように主薬の苦味を防ぐためのコーティングが施してあるので、水又は牛乳等の中性飲料で速やかに服用すること。
なお、酸性飲料(オレンジジュース、乳酸菌飲料及びスポーツ飲料等)で服用したり、噛んで服用した場合には、苦味が発現することがあるので、避けることが望ましい。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 分包製品の場合
体重換算による服用量の概算は、次表のとおりである。
体重15~25kg26~35kg36~45kg46kg~
1日あたりの服用量
(包数)
200mg(力価)
(2包)
300mg(力価)
(3包)
400mg(力価)
(4包)
500mg(力価)
(5包)
7.2 外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤500mg(力価)を1日1回3日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約7日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与期間は3日間とする。
7.3 4日目以降においても臨床症状が不変もしくは悪化の場合には、医師の判断で適切な他の薬剤に変更すること。[16.7.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、中耳炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 小児患者
小児患者16例(1~9歳)にアジスロマイシン懸濁剤注)10mg/kgを3日間反復経口投与したとき、最終投与後の最高血清中濃度(Cmax)は0.31μg/mLであり、血清中濃度・時間曲線下面積(AUC0~24)は2.35μg・hr/mLであった(外国人データ)。
投与量(mg/kg)Cmax(μg/mL)AUC0~24(μg・hr/mL)
100.31±0.262.35±1.90
注)国内で承認されている小児用製剤は細粒剤及びカプセル剤である。
16.1.2 健常成人男子
(1)単回投与
健常成人男子6名にアジスロマイシン錠500mg(力価)を単回経口投与したときのCmaxは0.58μg/mLであり、血清中濃度は多相性の消失を示した。投与後48~168時間の消失半減期(t1/2)は61.9時間であった。
(2)反復投与
健常成人男子6名にアジスロマイシン錠500mg(力価)を1日1回3日間反復経口投与した場合、初回投与及び最終投与後の血清中濃度に差はみられず、蓄積は認められなかった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健常成人男子8名にアジスロマイシン錠500mg(力価)をクロスオーバー法により、空腹時又は食後に単回経口投与した場合の体内動態パラメータには有意差は認められず、アジスロマイシンの吸収に及ぼす食事の影響はないものと考えられる。
16.3 分布
16.3.1 組織内濃度
手術予定患者にアジスロマイシン経口剤500mg(力価)を経口投与した際の投与後12時間~8日目の各種組織内濃度の検討では、いずれの組織においても、血清中濃度が消失後も数日にわたって高い組織内濃度が維持された(外国人データ)。
なお、アジスロマイシンのヒトにおける全身クリアランス及び分布容積はそれぞれ10mL/min/kg及び33.3L/kgと報告されており、分布容積が大きく、組織へ移行しやすいことが示されている。
図 手術予定患者にアジスロマイシン経口剤500mg(力価)を経口投与後の血清及び組織内濃度
(組織内濃度:平均値±標準偏差、n=2~35)
(血清中濃度:平均値、n=10)
16.3.2 アジスロマイシンはヒト多形核白血球及びマウスマクロファージ等の食細胞への良好な移行が認められた。
アジスロマイシンが移行した食細胞が感染組織に遊走することにより、感染組織では非感染組織に比べて高い薬剤濃度が得られることが動物(マウス)試験で認められている。
16.3.3 血清蛋白結合率
アジスロマイシンのヒト血清蛋白との結合率は12.2~20.3%(in vivo、超遠心法)であった。
16.4 代謝
アジスロマイシンのチトクロームP450による代謝は確認されていない。
16.5 排泄
16.5.1 健常成人男子6名にアジスロマイシン錠500mg(力価)を単回経口投与したとき、投与後168時間までの尿中に未変化体として投与量の9%が排泄された。
健常成人男子の尿及び患者の胆汁中代謝物について検討した結果、いずれもほとんどは未変化体で、代謝物として脱メチル体、脱クラジノース体が確認された。アジスロマイシンは胆汁、消化管分泌を介して、未変化体としてほとんど糞中に排泄される。
16.5.2 ラットに14C-標識アジスロマイシン20mg/kgを単回経口投与したとき、投与後168時間までに投与量の80.3%が糞中に、13.3%が尿中に排泄され、また投与後72時間までに投与量の3.1%が呼気中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度及び中等度の肝機能障害患者(成人)16例にアジスロマイシンカプセル注)500mg(力価)を単回経口投与したとき、健常成人男子に比べて、Cmaxが増加し、t1/2が延長する傾向が認められたが、有意差は認められなかった。また尿中排泄率においても有意差は認められなかった(外国人データ)。
注)国内で承認されている成人用製剤は錠剤及び注射剤である。
16.6.2 腎機能障害患者
腎機能障害患者(成人)17例にアジスロマイシン錠500mg(力価)を単回経口投与したとき、アジスロマイシンの体内動態は健常成人と有意差は認められなかった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 他のマクロライド系薬剤において、下記薬剤による相互作用が報告されている。
(1)テオフィリン、ミダゾラム、トリアゾラム、カルバマゼピン、フェニトイン
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。
(2)エルゴタミン含有製剤
四肢の虚血を起こすことがある。
16.7.2 他の抗菌剤との相互作用
アジスロマイシンと他の抗菌剤との相互作用に関しては、これまでの国内又は外国における臨床試験成績から、マクロライド系、ペニシリン系、キノロン系、テトラサイクリン系、セフェム系及びカルバペネム系抗菌剤との間で相互作用によると考えられる有害事象の報告はない。[7.3参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)アジスロマイシンの最高血中濃度低下の報告がある。機序不明
ワルファリン国際標準化プロトロンビン比上昇の報告がある。マクロライド系薬剤はワルファリンの肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、ワルファリンの作用が増強することがあるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
シクロスポリンシクロスポリンの最高血中濃度の上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある。マクロライド系薬剤はシクロスポリンの主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、シクロスポリンの血中濃度が上昇することがあるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
ネルフィナビルアジスロマイシン錠の1200mg投与で、アジスロマイシンの濃度・時間曲線下面積(AUC)及び平均最高血中濃度の上昇の報告がある。機序不明
ジゴキシンアジスロマイシンとの併用により、ジゴキシン中毒の発現リスク上昇の報告がある。P-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、ジゴキシンの血中濃度が上昇することを示唆した報告があるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
ベネトクラクスベネトクラクスの効果が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。機序は不明であるが、ベネトクラクスの血中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等を起こすことがある。また、アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから、これらの副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。[8.2参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用はアジスロマイシンの投与中又は投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意すること。また、アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから、これらの副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。[8.3参照]
11.1.3 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
11.1.4 肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)、肝不全(頻度不明)
11.1.5 急性腎障害(頻度不明)
乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 偽膜性大腸炎(頻度不明)、出血性大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等があらわれた場合にはただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)、好酸球性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8 QT延長(頻度不明)、心室性頻脈(Torsade de pointesを含む)(頻度不明)
QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。[9.1.2参照]
11.1.9 白血球減少(頻度不明)、顆粒球減少(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)[9.7.2参照]
11.1.10 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上a)0.1~1%未満a)0.1%未満a)頻度不明
皮膚発疹蕁麻疹、そう痒症、アトピー性皮膚炎増悪光線過敏性反応、紅斑、水疱、皮膚剥離、多形紅斑、寝汗、多汗症、皮膚乾燥、皮膚変色、脱毛
血液好酸球数増加白血球数減少b)血小板数増加、好塩基球数増加、顆粒球数減少b)、血小板数減少貧血、リンパ球数減少、ヘモグロビン減少、白血球数増加、プロトロンビン時間延長
血管障害潮紅、血栓性静脈炎
循環器血圧低下、動悸、血圧上昇
肝臓ALT増加AST増加、ALP増加、γ-GTP増加、LDH増加血中ビリルビン増加肝機能検査異常
腎臓BUN増加、尿中蛋白陽性クレアチニン増加、腎臓痛、排尿困難、尿潜血陽性、頻尿
消化器下痢c)腹痛、悪心、嘔吐、腹部不快感、腹部膨満便秘、口内炎、消化不良、食欲不振、口唇のあれ、黒毛舌、舌炎、舌苔、腹鳴舌変色、口・舌のしびれ感、おくび、胃炎、口内乾燥、唾液増加、膵炎、鼓腸放屁、アフタ性口内炎、口腔内不快感、消化管障害、口唇炎
精神・神経系頭痛、めまい、傾眠、感覚鈍麻、不眠症失神、痙攣、振戦、激越d)、嗅覚異常、無嗅覚、神経過敏、不安、錯感覚、攻撃性、灼熱感、味覚異常
感染症カンジダ症真菌感染、胃腸炎、咽頭炎、皮膚感染、肺炎、β溶血性レンサ球菌感染、膣炎
結膜炎、眼瞼浮腫、霧視、ぶどう膜炎、眼痛、視力障害
筋骨格系筋肉痛、関節痛、頚部痛、背部痛、四肢痛、関節腫脹
呼吸器咳嗽、呼吸困難鼻出血、アレルギー性鼻炎、くしゃみ、ラ音、気管障害、低音性連続性ラ音、鼻部障害、鼻閉、鼻漏、羊鳴性気管支音、痰貯留、嗄声
耳痛、難聴、耳鳴、聴力低下、耳の障害
生殖器精巣痛、不正子宮出血、卵巣嚢腫
代謝血中カリウム増加、血中カリウム減少脱水、血中重炭酸塩減少、低カリウム血症
その他発熱、口渇、気分不良、倦怠感、浮遊感胸痛、無力症、浮腫、低体温、不整脈、咽喉頭異物感、局所腫脹、粘膜異常感覚、疼痛、疲労

a)250mg錠、カプセル、細粒の承認時の臨床試験と市販後の使用成績調査を合わせた発現頻度。
b)[9.7.2参照]
c)[9.7.3参照]
d)[9.7.4参照]

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