製品名 ツルバダ配合錠

一般名
Emtricitabine
Tenofovir Disoproxil Fumarate
薬効分類
抗ウイルス薬
 >抗HIV薬
価格
1錠:3864.6円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常,成人には1回1錠(エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として300mgを含有)を1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
禁忌

【警告】

  • B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
腎不全又は重度の腎機能障害(0.3%)
腎機能不全,腎不全,急性腎障害,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害が現れることがあるので,定期的に検査を行う等,観察を十分に行い,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。
膵炎(0.1%)
膵炎が現れることがあるので,血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
乳酸アシドーシス(頻度不明)注3)
乳酸アシドーシスが現れることがあるので,このような場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
注3)エムトリシタビン製剤又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の臨床試験,市販後の調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

腎機能障害のある患者[中等度及び重篤な腎機能障害のある患者では,エムトリシタビン及びテノホビルの血中濃度が上昇する(「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。]

重要な基本的注意

本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
本剤を含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されているので,乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
本剤投与前にクレアチニンクリアランス,尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また,本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察し,腎機能障害のリスクを有する患者には血清リンの検査も実施すること。腎毒性を有する薬剤との併用は避けることが望ましい。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において,骨粗鬆症が現れ,大腿骨頚部等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の試験において,144週間の投与により腰椎と大腿骨頚部の骨密度の減少が見られている。骨密度の減少した患者の大部分は,投与開始後24~48週目にかけて発現し,以降は144週目まで持続していた。
核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は,NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する併用療法と比べて,概して効果が低いことが報告されているので,本剤と他のNRTI1成分のみによる治療で効果が認められない場合には他の組み合わせを考慮すること。
本剤の有効成分であるエムトリシタビンの薬剤耐性を含むウイルス学的特性はラミブジンと類似しているので,本剤とラミブジンを含む製剤を併用しないこと。また,ラミブジン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず,HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合,ラミブジン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を本剤に変更することのみで効果の改善は期待できない。
アジア系人種におけるエムトリシタビン製剤の薬物動態は十分検討されていないが,少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において,Cmaxの上昇を示唆する成績が得られているので,HBV感染症合併患者を含め,副作用の発現に注意すること。
エムトリシタビン製剤の臨床試験において皮膚変色が発現し,その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤はエムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の固定用量を含有する配合剤であるので,エムトリシタビン又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の個別の用法・用量の調節が必要な患者には,個別のエムトリシタビン製剤(エムトリバカプセル200mg)又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(ビリアード錠300mg)を用いること。なお,エムトリシタビン製剤及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の使用にあたっては,それぞれの製品添付文書を熟読すること。
本剤の成分を含む製剤と併用しないこと。また,テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
腎機能障害のある患者では,エムトリシタビン製剤及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の薬物動態試験においてエムトリシタビンとテノホビルの血中濃度が上昇したとの報告があるので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする(外国人における薬物動態試験成績による)。
クレアチニンクリアランス(CLcr)投与方法
50mL/min以上本剤1錠を1日1回投与
30~49mL/min本剤1錠を2日間に1回投与
30mL/min未満又は血液透析患者本剤は投与せず,エムトリシタビン製剤及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤により,個別に用法・用量の調節を行う

高齢者への投与

本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている。]
本剤服用中は授乳を中止させること。[エムトリシタビン及びテノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた動物実験(ラット)において,テノホビルの乳汁中への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(18歳未満の患者に対する使用経験がない)。

薬物動態

<日本人における成績>
吸収及び消失
日本人健康成人男性6例に本剤1錠を空腹時に経口投与した場合,エムトリシタビンの血漿中濃度は投与1.9±0.7時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ2,330±692ng/mL,10,845±1,241ng・hr/mLであった。エムトリシタビンの消失は二相性を示し,最終相の半減期は,12.0±2.1時間であり,投与48時間後までの累積尿中排泄率は79±6%であった。
また,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の活性成分であるテノホビルの血漿中濃度は投与1.1±0.5時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ233±62.4ng/mL,1,972±229ng・hr/mLであった。テノホビルの消失は二相性を示し,最終相の半減期は,16.4±1.3時間であり,投与48時間後までの累積尿中排泄率は21±3%であった。
<外国人における成績>
吸収
生物学的同等性
健康成人志願者39例を対象として空腹時単回投与により検討した結果,本剤1錠と,エムトリシタビン製剤(200mg)1カプセル及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg)1錠の併用とは生物学的に同等であった。
エムトリシタビン製剤又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤単独投与での薬物動態
エムトリシタビン製剤
エムトリシタビンの血漿中濃度は,エムトリシタビン製剤(200mg)単回経口投与後1~2時間後にCmaxに達した。エムトリシタビン製剤(200mg)経口投与後のエムトリシタビンの血漿中半減期は約10時間であった(表1)。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤
テノホビルの血清中濃度は,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg)経口投与後1.0±0.4時間後にCmaxに達した。テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg)単回経口投与後のテノホビルのβ相半減期は約17時間であった(表1)。
表1 成人単回単独投与時のエムトリシタビン又はテノホビルの薬物動態パラメータ
エムトリシタビンテノホビル
空腹時の生物学的利用率(%)注5)92(83.1-106.4)25(NC注6)-45.0)
β相半減期(hr)注5)10(7.4-18.0)注7)17(12.0-25.7)
Cmax(μg/mL)注8)1.8±0.7注7)0.30±0.09
AUC(μg・hr/mL)注8)10.0±3.1注7)2.29±0.69
CL/F(mL/min)注8)302±941,044±115
CLrenal(mL/min)注8)213±89243±33
注5):中央値(範囲)注6):算出不能注7):定常状態での値注8):平均値±標準偏差
食事の影響
本剤を高脂肪食(784kcal,約58%が脂肪由来)と共に服用した場合,テノホビルのTmaxは約0.75時間延長し,AUCは約35%,Cmaxは約16%上昇した。また,本剤を軽食(373kcal,約20%が脂肪由来)と共に服用したときも同様の変化(Tmaxが約0.75時間延長,AUCが約34%上昇,Cmaxが約14%上昇)が認められた。
また,本剤を高脂肪食又は軽食と共に服用した場合,エムトリシタビンのAUC及びCmaxは,影響を受けなかった。
分布
エムトリシタビン
ヒト血漿蛋白に対する結合率は,0.02~200μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず4%未満であった。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
ヒト血漿蛋白に対する結合率は0.01~25μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず0.7%未満であった。
代謝
エムトリシタビン
ヒト肝ミクロソームを用いた各種検討において,2%未満の代謝物が検出された。14C-エムトリシタビンを単回投与したところ,投与量の13%の代謝物がヒト尿中に検出された。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
経口投与後,速やかにテノホビルに代謝され,その後,細胞内でテノホビル二リン酸に代謝された。in vitro試験において,テノホビル ジソプロキシル及びテノホビルはいずれもチトクロームP450の基質ではないことが示された。
排泄
エムトリシタビン
健康被験者にエムトリシタビン200mgを反復投与後14C-エムトリシタビンを単回投与したところ,投与量の86%は尿中に,14%は糞中に回収された。腎クリアランスが推定クレアチニンクリアランスを上回ったことから,糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方による排泄が示唆された。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
HIV-1感染症患者にテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg1日1回食後反復経口投与したところ,投与量の32%(テノホビル換算)が24時間以内に尿中に排泄され,テノホビルを静脈内投与した場合は,投与量の70~80%が72時間までに,テノホビルとして尿中に排泄された。腎クリアランスは推定クレアチニンクリアランスを超えていると考えられたことから,糸球体ろ過と尿細管への能動輸送による腎排泄が示唆された。
腎不全患者
本剤による腎不全患者を対象とした臨床試験成績は得られていないため,エムトリシタビン製剤(200mg)又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg)の単独投与での成績を示す。クレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/min未満の患者あるいは透析を必要とする末期腎不全患者では,エムトリシタビンとテノホビルのCmaxとAUCがそれぞれ上昇した(表2,表3)。
なお,エムトリシタビン製剤(200mg)単回投与時には,投与1.5時間以内に開始した3時間の血液透析(血液流量400mL/min,透析液流量600mL/min)により投与量の約30%が除去された。また,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg)単回投与時には4時間の血液透析(テノホビルの除去率は54%)により投与量の約10%が除去された。
表2 腎機能障害を有する患者におけるエムトリシタビン製剤(200mg)の単回投与後の薬物動態パラメータ
CLcr(mL/min)例数投与前のCLcr平均値(mL/min)Cmax(μg/mL)AUC(μg・hr/mL)CL/F(mL/min)CLrenal(mL/min)
>806107±212.2±0.611.8±2.9302±94213.3±89.0
50-80659.8±6.53.8±0.919.9±1.1168±10121.4±39.0
30-49640.9±5.13.2±0.625.1±5.7138±2868.6±32.1
<30522.9±5.32.8±0.733.7±2.199±629.5±11.4
透析を必要とする末期腎不全患者<3058.8±1.42.8±0.553.2±9.964±12
平均値±標準偏差算出不能:-
表3 腎機能障害を有する患者におけるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg)の単回投与後の薬物動態パラメータ
CLcr(mL/min)例数Cmax(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)CL/F(mL/min)CLrenal(mL/min)
>803335.5±31.82,184.5±257.41,043.7±115.4243.5±33.3
50-8010330.4±61.03,063.8±927.0807.7±279.2168.6±27.5
30-498372.1±156.16,008.5±2,504.7444.4±209.8100.6±27.5
<30(12-28)注9)11601.6±185.315,984.7±7,223.0177.0±97.143.0±31.2
平均値±標準偏差注9)CLcrが10mL/min未満で,透析を行っていない患者における薬物動態は検討されていない。
薬物相互作用
本剤による薬物相互作用試験は実施されていないため,エムトリシタビン製剤又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤による成績を示す。
エムトリシタビン製剤及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の併用投与と,両製剤の単独投与とを比較したところ,エムトリシタビン及びテノホビルの定常状態の薬物動態に変化は認められなかった。
エムトリシタビン製剤の薬物相互作用
臨床使用量で血漿中に認められた濃度の14倍まで濃度を上昇させても,エムトリシタビンはヒトチトクロームP450分子種(CYP1A2,CYP2A6,CYP2B6,CYP2C9,CYP2C19,CYP2D6及びCYP3A4)によるin vitro薬物代謝を阻害しなかった。エムトリシタビンはグルクロン酸抱合を担う酵素(ウリジン-5'-二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼ)を阻害しなかった。これらのin vitro実験結果及び確認されているエムトリシタビンの排泄経路を考慮すると,ヒトチトクロームP450を介するエムトリシタビンと他の薬剤との相互作用が生じる可能性は低い。健康成人志願者を対象にエムトリシタビンとテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩,インジナビル,サニルブジン及びジドブジンとの併用における薬物動態の評価を行った。併用薬がエムトリシタビンの薬物動態に及ぼす影響及びエムトリシタビンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表4,5に示す。
表4 併用薬投与時のエムトリシタビン(エムトリシタビン製剤投与)の薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量エムトリシタビンの用量例数他剤併用時/非併用時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg1日1回7日間200mg1日1回7日間1720上昇(12上昇~29上昇)
インジナビル800mg1回200mg1回12
サニルブジン40mg1回200mg1回6
ジドブジン300mg1日2回7日間200mg1日1回7日間27
不変:⇔,算出不能:-
表5 エムトリシタビン製剤投与時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量エムトリシタビンの用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg1日1回7日間200mg1日1回7日間17
インジナビル800mg1回200mg1回12
サニルブジン40mg1回200mg1回6
ジドブジン300mg1日2回7日間200mg1日1回7日間2717上昇(0上昇~38上昇)13上昇(5上昇~20上昇)
不変:⇔,算出不能:-
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の薬物相互作用
In vivoにおいて認められる濃度よりもはるかに高濃度(約300倍)において,テノホビルはヒトチトクロームP450分子種(CYP3A4,CYP2D6,CYP2C9又はCYP2E1)を阻害しなかったが,CYP1Aをわずかに(6%)阻害した。
テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と本剤を併用した場合,この排泄経路における競合によりテノホビル又は併用薬の血中濃度が上昇する可能性がある。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤と主な薬剤との併用による,薬物動態への影響を下表に示す(表6及び表7)。
また,表8にテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤とジダノシンとの相互作用を示す。
表6 併用薬投与時のテノホビル(テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤300mg1日1回投与)の薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量例数他剤併用時/非併用時のテノホビルの薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アバカビル300mg1回8
ラミブジン150mg1日2回,7日間15
ジダノシン(腸溶剤)400mg1回25
ジダノシン(制酸剤含有)250あるいは400mg注10)1日1回,7日間14
インジナビル800mg1日3回,7日間1314上昇(3低下~33上昇)
ロピナビル/リトナビル400/100mg1日2回,14日間2432上昇(25上昇~38上昇)51上昇(37上昇~66上昇)
エファビレンツ600mg1日1回,14日間29
アタザナビル400mg1日1回,14日間3314上昇(8上昇~20上昇)24上昇(21上昇~28上昇)22上昇(15上昇~30上昇)
アデホビルピボキシル10mg1回22
エムトリシタビン200mg1日1回,7日間17
ネルフィナビル1,250mg1日2回,14日間29
サキナビル/リトナビル1,000/100mg1日2回,14日間3523上昇(16上昇~30上昇)
ダルナビル/リトナビル300/100mg1日2回1224上昇(8上昇~42上昇)22上昇(10上昇~35上昇)37上昇(19上昇~57上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注11)90/400mg1日1回,10日間2447上昇(37上昇~58上昇)35上昇(29上昇~42上昇)47上昇(38上昇~57上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注12)90/400mg1日1回,10日間2364上昇(54上昇~74上昇)50上昇(42上昇~59上昇)59上昇(49上昇~70上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注13)90/400mg1日1回,14日間1579上昇(56上昇~104上昇)98上昇(77上昇~123上昇)163上昇(132上昇~197上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注14)90/400mg1日1回,10日間1432上昇(25上昇~39上昇)40上昇(31上昇~50上昇)91上昇(74上昇~110上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注15)90/400mg1日1回,10日間2961上昇(51上昇~72上昇)65上昇(59上昇~71上昇)115上昇(105上昇~126上昇)
不変:⇔,未算出:-注10)体重60kg未満:250mg,60kg以上:400mg注11)アタザナビル/リトナビル+エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた薬物動態試験注12)ダルナビル/リトナビル+エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた薬物動態試験注13)エファビレンツ/エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた薬物動態試験注14)エムトリシタビン/リルピビリン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた薬物動態試験注15)ドルテグラビル+エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表7 テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg1日1回)投与時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アバカビル300mg1回812上昇(1低下~26上昇)
ラミブジン150mg1日2回,7日間1524低下(34低下~12低下)
経口避妊薬エチニルエストラジオール/ノルゲスチメート1日1回,7日間20
インジナビル800mg1日3回,7日間1211低下(30低下~12上昇)
ロピナビル/リトナビル400/100mg1日2回,14日間24
エファビレンツ600mg1日1回,14日間30
アタザナビル400mg1日1回,14日間3421低下(27低下~14低下)25低下(30低下~19低下)40低下(48低下~32低下)
アタザナビル/リトナビル300/100mg1日1回,42日間1028低下(50低下~5上昇)25低下注16)(42低下~3低下)23低下注16)(46低下~10上昇)
リバビリン600mg1回22
アデホビルピボキシル10mg1回22
エムトリシタビン200mg1日1回,7日間1720上昇(12上昇~29上昇)
ネルフィナビル1,250mg1日2回,14日間29
M8代謝物1,250mg1日2回,14日間29
サキナビル1,000/100mg1日2回,14日間3222上昇(6上昇~41上昇)29上昇(12上昇~48上昇)47上昇(23上昇~76上昇)
リトナビル23上昇(3上昇~46上昇)
ダルナビル300/100mg1日2回1216上昇(6低下~42上昇)21上昇(5低下~54上昇)24上昇(10低下~69上昇)
不変:⇔,算出不能:-注16)HIV感染症患者において,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤にアタザナビル300mg及びリトナビル100mgを併用した場合,アタザナビルのAUC及びCminは,アタザナビル400mgを単独投与した場合と比較してそれぞれ2.3倍及び4倍上昇した。
表8 テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(300mg1日1回)併用時のジダノシンの薬物動態パラメータ変化率
ジダノシンの用量/投与方法注17)テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の投与方法注17)例数ジダノシン空腹時400mg投与時に対する薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUC
制酸剤含有製剤400mg注18)1日1回,7日間空腹時
ジダノシン投与後1時間
1428上昇(11上昇~48上昇)44上昇(31上昇~59上昇)
腸溶剤空腹時400mg,1回食後
ジダノシン投与後2時間
2648上昇(25上昇~76上昇)48上昇(31上昇~67上昇)
食後400mg,1回ジダノシンと同時投与2664上昇(41上昇~89上昇)60上昇(44上昇~79上昇)
空腹時250mg,1回食後
ジダノシン投与後2時間
2811低下(22低下~3上昇)
空腹時250mg,1回ジダノシンと同時投与2814上昇(0~31上昇)
食後250mg,1回ジダノシンと同時投与2829低下(39低下~18低下)11低下(23低下~2上昇)
不変:⇔注17)食後投与の食事は軽食(約373kcal,20%が脂肪由来)注18)体重60kg以下の症例4例含む(ジダノシンは250mg投与)
エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。