製品名 タラモナール静注

一般名
Fentanyl Citrate
Droperidol
薬効分類
鎮痛・解熱薬
 >麻薬性鎮痛薬
価格
2mL1管:521円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 手術、検査および処置時の全身麻酔並びに局所麻酔の補助

用法・用量

  • 導入麻酔剤として投与する場合

    • 通常成人タラモナール静注0.1~0.2mL/kgを緩徐に静注するかまたはブドウ糖液等に希釈して点滴静注する。
  • 麻酔維持のために追加投与する場合

    • 通常成人初回量の1/4~1/2量を必要に応じて緩徐に静注するかまたはブドウ糖液等に希釈して点滴静注する。
  • 局所麻酔の補助として投与する場合

    • 局所麻酔剤投与10~15分後に通常成人タラモナール静注0.1mL/kgを緩徐に静注する。
  • なお、患者の年齢・症状に応じて適宜増減する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 筋弛緩剤の使用が禁忌の患者(「副作用」の項参照)
  • ドロペリドール又はフェンタニルクエン酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 頭部外傷、脳腫瘍等による昏睡状態のような呼吸抑制を起こしやすい患者[フェンタニル投与により重篤な呼吸抑制が起こることがある。]
  • 痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣を誘発することがある。]
  • 外来患者[麻酔前後の管理が行き届かない。]
  • 重篤な心疾患を有する患者[重篤な副作用が生じる可能性がある。]
  • QT延長症候群のある患者[QT延長が発現したとの報告がある。]
  • 2歳以下の乳児・小児[安全性が確立していない。]
  • 喘息患者[気管支収縮が起こることがある。]
副作用
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
依存性(頻度不明)
モルヒネ様の薬物依存を起こすことがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
呼吸抑制(1.78%)、無呼吸(頻度不明)
呼吸抑制、無呼吸があらわれることがある。
術中の場合は補助呼吸、調節呼吸を、また、術後の場合は麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)の投与又は補助呼吸等の処置を行うこと。
換気困難(頻度不明)
筋強直に伴う換気困難がみられることがある。
このような場合には筋弛緩剤(スキサメトニウム塩化物水和物等)の投与及び人工呼吸等の処置を行うこと。
血圧降下(2.04%)
血圧降下がみられることがある。
このような場合には輸液を行い、更に必要な場合は昇圧剤(アドレナリンを除く)の投与を行うこと。
なお、本剤を腰椎麻酔、硬膜外麻酔に併用すると、更に血圧降下を招くおそれがあるので、このような場合には慎重に投与すること。
不整脈(頻度不明)、期外収縮(頻度不明)、QT延長(頻度不明)、心室頻拍(頻度不明)、心停止(頻度不明)
不整脈、期外収縮、QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心停止があらわれることがある。
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
筋強直(0.1%未満)、間代性痙攣(頻度不明)、興奮(0.1%未満)、幻覚(頻度不明)、譫妄(頻度不明)
筋強直、間代性痙攣、興奮、幻覚、譫妄があらわれることがある。
チアノーゼ(0.52%)
チアノーゼがあらわれることがある。
悪性症候群(頻度不明)
ドロペリドール投与により悪性症候群が発現したとの報告があるので、体温上昇、筋硬直、不安、混乱、昏睡、CK(CPK)上昇等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。ダントロレン、ブロモクリプチン、ECTが効果的であったとの報告がある。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。]
慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
MAO阻害剤の投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
肝障害、腎障害のある患者[血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する。]
パーキンソン病等錐体外路系疾患の患者[過量投与により錐体外路症状を呈することがある。]
不整脈のある患者[徐脈を起こすことがある。]
β-遮断剤を使用中の患者(「相互作用」の項参照)
心疾患のある患者[QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)が発現したとの報告がある。]
poor risk状態の患者(適宜減量すること。)[錐体外路系症状等の副作用が発現し易い。]
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
肥満の患者[実体重に基づき投与した場合、過量投与となり呼吸抑制が発現するおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
褐色細胞腫の患者[異常な血圧上昇を起こすことがある。]

重要な基本的注意

本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔剤と同様、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、麻酔医の管理の下に使用すること。
呼吸管理が十分に行える麻酔時(麻酔の補助並びに麻酔の維持の目的)以外には使用しないこと。
麻酔を行う際にはあらかじめ絶食をさせておくこと。
麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。
麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。
麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
麻酔前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具を手もとに準備しておくことが望ましい。

適用上の注意

アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
本剤が皮膚に触れた場合には、水で洗い流すこと。フェンタニルの皮膚からの吸収が増加する可能性があるため、石けん、アルコール等は使用しないこと。
本剤の用法・用量は、患者の感受性、全身状態、手術々式、麻酔方法等に応じてきめるが、一般に行われている方法を示すと次のとおりである。
導入麻酔剤として
アトロピン硫酸塩水和物など通常の前投薬に引き続き、本剤の1回量を緩徐に静注(点滴静注が可)する。なお症例により、同時に、GO、GOF等の吸入麻酔やチアミラール等の静注用全身麻酔剤の併用も行われる。
麻酔維持に
本剤単独、又はチアミラールとの併用、GOとの併用が行われ、また必要によりスキサメトニウム塩化物水和物、d-ツボクラリン等筋弛緩剤も併用される。
なお追加投与の時期としては一般に、麻酔深度の低下、すなわち血圧の上昇、脈拍数の増加、体動、不穏、発汗等の症状の現われた時点をもって一応の指標とする。また追加投与に関して本剤の構成成分の一つであるフェンタニルは、ドロペリドールに比し作用持続が短いため、長時間を要する手術に当っては、鎮痛効果の低下が招来され、また覚醒の速やかなることが望ましいなどの理由から、原則としては本剤投与で維持せず、フェンタニルのみを適宜追加し、維持する方法がとられる。
局所麻酔の補助として
メピバカインなどによる持続硬膜外麻酔の補助として本剤を併用する。(症例によっては、全身麻酔や気管内挿管を必要としないで手術可能な例もある。)

高齢者への投与

減量するなど注意すること。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
本剤は胎盤を通過するため、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制があらわれることがある。また、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれることがある。
マウス及びラットにフェンタニルを投与した試験(0.08・0.15・0.3mg/kg/日 6日間連続 腹腔内)において、マウス及びラット0.15・0.3mg/kg投与群で生児平均体重の低下が、またマウスで骨格(肋骨、胸椎骨)奇形、外形異常(口蓋裂、眼瞼開存)、ラットで骨格(頸骨、尾椎骨)奇形の発生を予測する結果が得られている。
マウスにドロペリドールを投与した試験(15・40mg/kg妊娠7日目から6日 腹腔内)において、40mg/kg投与群に骨格(胸椎骨、肋骨)異常、生児平均体重の減少が認められている。

薬物動態

フェンタニル
血漿中濃度
健康男子5例に3H-フェンタニル6.4μg/kgを静注投与した場合、フェンタニルの血漿中濃度は投与後60分以内に急速に低下し、投与量の約98%が消失した。その後は徐々に低下した。
また、AUC(0-8)は平均約551ng/mL・minを示し、半減期は平均約3.6時間であった。(外国人のデータ)
健康人3H-フェンタニル6.4μg/kg静注投与時血漿中濃度
代謝・排泄
健康男子5例に3H-フェンタニル6.4μg/kgを静注投与した場合、72時間以内に投与量の約85%が代謝物として尿糞中に排泄され、未変化体は8%未満であった。(外国人のデータ)
薬物代謝酵素
フェンタニルは主に肝臓で代謝され、主代謝物はノルフェンタニルである。また、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝試験において、フェンタニルはCYP3A4によりノルフェンタニルに代謝されるとの報告がある。
ドロペリドール
血漿中濃度
健康男子3例に3H-ドロペリドール5mgを静注投与した場合、ドロペリドールの血漿中濃度は投与後30分で約30ng/mLに低下し、以後緩やかに漸減した。
投与後96時間以内に投与量の約75%相当の代謝物及び1%未満の未変化体が尿中に排泄された。
また、健康男子9例に3H-ドロペリドール5mgを筋注投与した場合、吸収は速く、その血漿中濃度の推移は静注と類似していた。(外国人のデータ)
(参考:動物)
分布
ラットに3H-ドロペリドール1.6mg/kgを皮下注し、臓器中の放射活性を測定した結果、肝・腎では投与後30分、血液その他の臓器では15分後に最高値を示し、いずれの臓器においても急速に低下し、蓄積傾向は認められなかった。