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ビジクリア配合錠

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 大腸内視鏡検査の前処置における腸管内容物の排除

用法・用量

  • 通常、成人には大腸内視鏡検査開始の4~6時間前から本剤を1回あたり5錠ずつ、約200mLの水とともに15分毎に計10回(計50錠)経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 重篤な事象として、急性腎障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)があらわれることがある。このような事象が発現した場合には、永続的な腎機能障害に至ることが多く、また、長期にわたり透析が必要となることもあるため、予め十分な問診・観察を行い、以下の高リスクに該当する患者への投与は、慎重に行うこと。特に、高血圧症の高齢者には投与しないこと。[2.1、2.2、8.3、9.1.1-9.1.3、9.2.1、9.2.2、9.8.1、9.8.2、11.1.1参照]
    • ・高齢者
    • ・高血圧症の患者
    • ・循環血液量の減少、腎疾患、活動期の大腸炎のある患者
    • ・腎血流量・腎機能に影響を及ぼす薬剤(利尿剤、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、NSAIDs等)を使用している患者
  • 1.2 重篤な不整脈やけいれん等の有害事象が発生するおそれがあるので、本剤の適用に際しては、以下の点について予め十分確認してから投与すること。[2.3、2.4、8.5、9.1.5-9.1.8、11.1.2、11.1.3参照]
    • ・心疾患、腎疾患、電解質異常(脱水、又は利尿剤使用に伴う二次性電解質異常など)を疑わせる所見のないこと
    • ・電解質濃度に影響を及ぼし得る薬剤を服用中でないこと
    • ・QT延長をきたすおそれのある薬剤を服用中でないこと
    • ・血清電解質濃度が正常値であること
  • 1.3 類薬において、腸管内圧上昇による腸管穿孔が認められていることから、排便、腹痛等の状況を確認しながら、慎重に投与するとともに、腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について慎重に検討すること。特に、腸閉塞を疑う患者には問診、触診、直腸診、画像検査等により腸閉塞でないことを確認した後に投与するとともに、腸管狭窄、高度な便秘、腸管憩室のある患者では注意すること。[2.6-2.8、8.6、9.1.9-9.1.11、9.8.4参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者、急性リン酸腎症のある患者[1.1、9.2.1参照]
  • 2.2 高血圧症の高齢者[1.1、9.8.1参照]
  • 2.3 うっ血性心不全又は不安定狭心症の患者[心不全症状や狭心症状を悪化させるおそれがある。][1.2参照]
  • 2.4 QT延長症候群、重篤な心室性不整脈を有する患者[QT延長や重篤な心室性不整脈症状を悪化させるおそれがある。][1.2参照]
  • 2.5 腹水を伴う疾患を合併する患者[リン酸ナトリウムの過度の吸収を促すおそれがある。]
  • 2.6 胃腸管閉塞症又は胃腸管閉塞症の疑いのある患者[腸管穿孔を起こすおそれがある。また、リン酸ナトリウムの過度の吸収を促すおそれがある。][1.3参照]
  • 2.7 腸管穿孔又は腸管穿孔の疑いのある患者[腹膜炎その他重篤な合併症を起こすおそれがある。][1.3参照]
  • 2.8 中毒性巨大結腸症の患者[穿孔を引き起こし腹膜炎、腸管出血を起こすおそれがある。][1.3参照]
  • 2.9 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高血圧症の患者(高齢者を除く)
急性腎障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。[1.1参照]
9.1.2 循環血流量の減少(脱水等)のある患者
急性腎障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。[1.1参照]
9.1.3 腎血流量・腎機能に影響を及ぼす薬剤(利尿剤、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、NSAIDs等)を使用している患者
急性腎障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。[1.1参照]
9.1.4 慢性炎症性腸疾患が急性増悪している患者
リン酸又はナトリウムの吸収が亢進されるおそれがある。
9.1.5 急性心筋梗塞及び心臓手術(冠動脈バイパス手術等)の既往のある患者
血清電解質変動により、不整脈を発現するおそれがある。[1.2参照]
9.1.6 基礎心疾患(弁膜症、心筋症、不整脈等)のある患者
血清電解質変動により、不整脈を発現するおそれがある。[1.2参照]
9.1.7 過去に心筋症、QT延長及び不整脈のコントロールができなかったことのある患者
血清電解質変動により、不整脈を発現するおそれがある。[1.2参照]
9.1.8 けいれん発作の既往がある患者及びけいれん発作のリスクが高い患者(三環系抗うつ薬など発作の閾値を低下させる薬剤を使用している患者、アルコールやベンゾジアゼピンの退薬症状(禁断症状)がある患者)
血清電解質変動により、けいれん発作を発現するおそれがある。[1.2参照]
9.1.9 高度な便秘の患者
腸閉塞、腸管穿孔等を起こすおそれがある。[1.3参照]
9.1.10 腹部手術歴のある患者
腸閉塞、腸管穿孔等を起こすおそれがある。[1.3参照]
9.1.11 過去の大腸内視鏡検査やX線造影検査により腸管狭窄や腸管憩室が認められ、臨床症状を呈している患者
腸閉塞、腸管穿孔等を起こすおそれがある。[1.3参照]
9.1.12 薬物過敏症の既往歴のある患者
発疹、斑状丘疹状皮疹、アレルギー性浮腫等があらわれるおそれがある。
9.1.13 糖尿病用薬を投与中の患者
糖尿病用薬の投与は検査当日の食事摂取後より行うこと。食事制限により低血糖を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者、急性リン酸腎症のある患者
投与しないこと。吸収されたリンの排泄が遅延し、血中リン濃度の上昇が持続するおそれがある。腎機能障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)を悪化させるおそれがある。[1.1、2.1参照]
9.2.2 腎機能障害のある患者(透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者、急性リン酸腎症のある患者を除く)
リン酸又はナトリウムの排泄が遅延し、腎機能障害の悪化や、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。[1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
9.8.1 高血圧症の高齢者には投与しないこと。急性腎障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等があらわれることがある。[1.1、2.2参照]
9.8.2 リン酸ナトリウムは大部分が腎により排泄されるため、腎機能が低下している高齢者では、急性腎障害等の重篤な腎疾患があらわれることがある。[1.1参照]
9.8.3 本剤投与前に腎機能及び血清電解質の検査を実施することが望ましい。腎機能等が低下していることが多く、急性腎障害等の重篤な腎疾患があらわれることがあり、また、電解質異常が起こりやすい。めまい、ふらつき、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。臨床試験では、「心電図異常及び心臓障害」の発現頻度が高齢者では21.1%(15/71例)と、非高齢者の11.2%(53/474例)と比較して高い傾向が認められている。
9.8.4 腸管穿孔、腸閉塞を起こした場合、より重篤な転帰をたどることがある。[1.3、8.6参照]

8.重要な基本的注意

8.1 飲水について注意すること
8.1.1 本剤を服用する際の飲水について
本剤の用法を超えた大量の水を摂取することにより、低ナトリウム血症を発現し、けいれん、意識喪失が引き起こされるおそれがある。また、飲水量が不十分な場合、他の有効な下剤と同様、過度の体液喪失から循環血液量減少をきたすことがある。飲水量が不十分、嘔吐又は利尿剤の使用により脱水が増悪する場合がある。
8.1.2 検査前日から本剤服用前、本剤服用後の飲水について
大腸内視鏡検査の前処置により、脱水状態があらわれることがあるので、検査前日から本剤服用前、本剤服用後は適度に水分摂取させること。
8.2 副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるようにすること。
8.3 重篤な急性腎障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)があらわれることがあるので、大腸内視鏡検査実施後に、腎機能低下を疑わせる所見(浮腫、尿量減少、持続する全身倦怠感等)があらわれた場合には、速やかに受診するよう指導すること。[1.1、11.1.1参照]
8.4 リン酸ナトリウムを主成分とした下剤または浣腸剤の追加投与は行わないようにすること。
8.5 本剤の投与によりQT延長をきたした症例が認められた。このような症例では、電解質異常(低カリウム血症及び低カルシウム血症など)との関連性が指摘されている。また、本剤を投与する際、以下の薬剤を投与中の患者でないことを予め確認すること(特に低カリウム血症を誘発する薬剤には注意が必要である。)。[1.2参照]
8.5.1 電解質濃度に影響を及ぼし得る薬剤
・低カリウム血症を誘発する薬剤(インスリン、β刺激薬、副腎皮質ホルモン、ループ利尿剤、チアジド系利尿剤等)
・低ナトリウム血症を誘発する薬剤(血糖降下剤、向精神薬、抗けいれん薬、ループ利尿剤、チアジド系利尿剤等)
・高リン血症を誘発する薬剤(緩下剤(リン酸ナトリウム含有製剤)、輸液(リン含有製剤)、ビスホスホネート系製剤、成長ホルモン、甲状腺ホルモン等)
8.5.2 QT延長をきたすおそれのある薬剤(抗不整脈薬、三環系抗うつ薬、向精神薬等)
8.6 類薬において、腸管内圧上昇による腸管穿孔が認められていることから、投与に際しては次の点に留意すること。特に高齢者の場合は十分観察しながら投与すること。[1.3、9.8.4参照]
8.6.1 患者の日常の排便状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。
8.6.2 本剤の投与により排便があった後も腹痛、嘔吐が継続する場合には、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。
8.7 けいれん発作の既往のない患者において、まれではあるが全身性強直性間代性発作又は意識喪失があらわれることがある。電解質異常(低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、低マグネシウム血症など)及び低血漿浸透圧に関連したけいれん発作は、電解質の補正・補液によって回復した。
8.8 海外でまれではあるが、リン酸ナトリウム含有製剤の使用に関連した重篤な不整脈が報告されている。
8.9 本剤による腸管洗浄が経口投与された薬剤の吸収を妨げる可能性があるので、投与時間等に注意すること。また、薬剤の吸収阻害が臨床上重大な問題となる薬剤を投与中の患者については、院内で十分観察しながら投与すること。
8.10 海外でリン酸ナトリウム含有製剤の投与による大腸粘膜のアフタ性潰瘍が大腸内視鏡所見として認められており、本剤の投与もこうした病変を引き起こすおそれがある。本剤を炎症性腸疾患の既往例または疑診例に投与する場合、本所見を考慮すること。
8.11 大腸内視鏡所見において本剤由来の不溶成分(主に添加剤であるステアリン酸マグネシウム)を認めることがある。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤を服用する際の水
本剤を服用する際は、水とすること。なお、ミネラルウォーター及びお茶での服用は可とする。
14.2.2 排便
本剤服用後の排便は、服用開始後、約1時間30分頃から始まり、約2時間30分間持続する。服用開始後4時間(240分)以降には、大腸内視鏡検査が実施可能となる。なお、服用開始約3時間30分後には排泄液がほぼ透明となる。
14.3 薬剤投与後の注意
本剤の7日間以内の再投与は行わない。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 大腸内視鏡検査前日の夕食は翌日の経口投与開始12時間前までに終了させ、夕食後は、大腸内視鏡検査終了まで絶食(水分[水、お茶等]摂取のみ可)とする。
7.2 本剤の服用に要する時間は、2時間30分である。また、本剤は排泄液の状態で服用継続の可否を判断するのではなく、用法・用量に従い、規定用量を服用すること。
7.3 海外で類薬の投与により、著明な体液移動、高度の電解質異常、及び不整脈をきたし死亡に至ったとの報告がある。このような所見は、腎不全又は腸管穿孔を有する症例の他、誤用又は過量投与の症例で認められているので本剤の投与の際には用法・用量を遵守すること。
7.4 高齢者に投与する際には、1回あたりの5錠を小分けし、15分間をかけて約200mLの水で投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性18例を対象として、絶食下で、本剤1回5錠(リン酸ナトリウム塩として5g)を15分間隔で、計10回投与した後の血清中無機リン濃度は下記のとおりであった。
本剤を50錠経口投与後の血清中無機リン濃度推移
Tmax(hr)Cmax(mg/dL)AUC0-24hr(mg・hr/dL)t1/2(hr)
3.7±0.59.06±1.27122.18±12.156.8±2.4
(Mean±S.D.,n=18)

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 急性腎障害・急性リン酸腎症(頻度不明)
重篤な事象として、急性腎障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)があらわれることがある。[1.1、8.3参照]
11.1.2 低カルシウム血症(頻度不明)
テタニー、しびれ、ピリピリ感、筋力低下、意識障害等を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、この様な症状があらわれた場合には、電解質補正等の適切な処置を行うこと。[1.2参照]
11.1.3 低ナトリウム血症(頻度不明)
嘔吐等によって低ナトリウム血症をきたし、意識障害、けいれん等があらわれることがあるので、この様な症状があらわれた場合には、電解質補正等の適切な処置を行うこと。[1.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症発疹
消化器悪心腹部膨満感、嘔吐肛門不快感、腹痛
循環器心電図変化(T波逆転)心室性期外収縮、心電図変化(T波振幅減少)
肝臓血清ビリルビン上昇、AST上昇直接ビリルビン上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇Al-P上昇
腎臓BUN上昇、尿蛋白陽性血清クレアチニン上昇
血液白血球数減少白血球数増加
代謝・電解質血清カリウム低下、血清リン低下、トリグリセリド上昇血清リン上昇、血清カルシウム低下血清カリウム上昇、血清ナトリウム上昇、血清クロール上昇、尿酸上昇、コレステロール上昇血清カルシウム上昇
精神神経系頭痛、感覚減退(しびれ)めまい、さむけ、気分不快
その他倦怠感、尿糖陽性、口渇脱力感
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