製品名 アイノフロー吸入用800ppm

一般名
Nitric Oxide
薬効分類
昇圧・心不全・冠動脈・末梢血管疾患薬
 >一酸化窒素
価格


製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の改善
  • 心臓手術の周術期における肺高血圧の改善

用法・用量

  • 新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の改善

    • 出生後7日以内に吸入を開始し、通常、吸入期間は4日間までとする。なお、症状に応じて、酸素不飽和状態が回復し、本治療から離脱可能となるまで継続する。
    • 本剤は吸入濃度20ppmで開始し、開始後4時間は20ppmを維持する。
    • 酸素化の改善に従い、5ppmに減量し、安全に離脱できる状態になるまで吸入を継続する。
  • 心臓手術の周術期における肺高血圧の改善

    • 小児

      • 本剤は吸入濃度10ppmで吸入を開始し、十分な臨床効果が得られない場合は20ppmまで増量することができる。
    • 成人

      • 本剤は吸入濃度20ppmで吸入を開始し、十分な臨床効果が得られない場合は40ppmまで増量することができる。
    • 症状に応じて、血行動態や酸素化が改善し、本治療から離脱可能となるまで継続する。なお、吸入期間は7日間程度までとする。
    • 離脱の際には、血行動態及び酸素化の改善に従い、5ppmまで漸減する。その後さらに漸減し、安全に離脱できる状態になるまで吸入を継続する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 生命維持のために右-左シャントに完全に依存している心疾患を有する患者[右-左シャントの血流を減少させることにより血行動態が悪化し、致命的になるおそれがある。]
副作用
メトヘモグロビン血症
本剤投与中にメトヘモグロビン血症があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「適用上の注意」の項参照]
徐脈
本剤投与中に徐脈がときにあらわれることがある(2例/224例、0.9%1)ので、このような場合は、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心停止
本剤投与中に心停止がときにあらわれることがある(1例/224例、0.4%1)ので、このような場合は、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重篤なビリルビン血症
本剤投与中に重篤なビリルビン血症がときにあらわれることがある(1例/224例、0.4%1)ので、このような場合は、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
気胸
本剤投与中に気胸がときにあらわれることがある(1例/224例、0.4%1)ので、このような場合は、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1:頻度については海外臨床試験(CINRGI及びINO-01/02試験)より算出した。
注意

次の患者には、慎重に投与すること

在胎期間34週未満の患者[脳室内出血、肺出血があらわれることがある。〔「副作用」の項参照〕]
本剤は、肺高血圧の治療に十分な経験を持つ医師が使用すること。投与に際しては緊急時に十分な措置ができる医療機関で行うこと。
新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の治療において、本剤の使用によっても酸素化の改善が認められない場合は、体外式膜型人工肺(ECMO)等の救命療法を考慮すること。
本剤の効果を最大限に発揮するため、十分な呼吸循環管理等を行うこと。
離脱の際には、吸気中NO濃度、吸気中NO2濃度、PaO2、血中メトヘモグロビン(MetHb)濃度等のモニタリング項目の他、新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の治療の場合、心エコー検査による右-左シャント消失の確認等、血行動態の評価も参考にすること。
心臓手術の周術期における肺高血圧の治療の場合、本剤による治療は、循環動態及び酸素化の緻密なモニタリング下で行うこと。
本剤は、吸気中NO濃度、吸気中NO2濃度、PaO2、血中MetHb濃度をモニターしながら投与すること。
血中MetHb濃度は、本剤吸入開始後1時間以内に測定し、以降12時間以内は頻回に測定すること。また、24時間以降は少なくとも1日毎に測定すること。
本剤の吸入濃度は吸気回路の患者近位で測定すること。吸気中NO2濃度及び吸気中酸素濃度についても同じ場所でアラームがついたモニタリング装置を用いて測定すること。
血中MetHb濃度が2.5%を超える場合は、本剤吸入濃度の減量又は投与を中止すること。その後も改善がみられない場合には、必要に応じてビタミンC、メチレンブルー又は輸血で対処すること。
吸気中NO2濃度は、可能な限り定常状態において0.5ppm未満を維持すること。濃度が0.5ppmを超えた場合は、一酸化窒素ガス管理システムを点検し、原因を精査すること。可能であれば本剤又はFiO2を減量すること。
本剤治療の不慮の中断を避け、適時に交換できるように本剤の容器残圧を表示し、予備の薬剤を用意しておくこと。吸引、患者の搬送及び救急蘇生法などの用手換気でも本剤を使用できるようにしておくこと。
NO2の吸入を防ぐため、使用開始時には必ず圧力調整器や一酸化窒素ガス管理システム等の中の空気を本剤で置換すること。圧力調整器や一酸化窒素ガス管理システムの使用にあたっては、それぞれの取扱説明書や添付文書を参照すること。
停電や一酸化窒素ガス管理システムの故障に備え、補助発電機による電力供給や予備の医療機器が利用できるようにしておくこと。
<両効能共通>
本剤を用いる場合は、専用の一酸化窒素ガス管理システム(アイノベント、アイノフローDS又はアイノベント/アイノフローDSと同等以上の性能を有する装置)を用いること。[「適用上の注意」の項参照]
本剤の吸入濃度は、小児では20ppm、成人では40ppmを超えないこと。吸入濃度がこれらを超えると、メトヘモグロビン血症発生及び吸入二酸化窒素(NO2)濃度増加の危険性が増加する。
本剤の投与を急に終了又は中止すると、肺動脈圧の上昇又は酸素化の悪化がみられることがある。肺動脈圧の上昇又は酸素化の悪化は本剤に反応しない患者においてもみられることがある。
<新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の改善>
本剤吸入開始時の吸入酸素濃度(FiO2)は1.0である。
吸入開始後4時間以降に動脈血酸素分圧(PaO2)>60mmHg又は経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)>92%になれば本剤の吸入濃度を5ppmに減量していく。
FiO2を減量し、FiO2=0.4~0.6でPaO2>70mmHgになるまで本剤の吸入濃度は5ppmで維持する。
離脱の際は、臨床的に安定していることを確認し、本剤を徐々に減量しながら慎重に終了する。終了前にはFiO2を0.1増量してもよい。[「重要な基本的注意」の項参照]
投与中止の際は、本剤の吸入濃度を1ppmまで徐々に減量すること。1ppm投与中、酸素化に変化がみられない場合はFiO2を0.1増量のうえ、本剤を中止し、患者の状態を十分に観察すること。酸素化が悪化する場合は本剤を5ppmで再開し、12~24時間後に本治療の中止を再考すること。
<心臓手術の周術期における肺高血圧の改善>
本剤の効果は速やかに発現し、投与後5~20分で肺動脈圧の低下及び酸素化の改善がみられる。用いた用量で十分な効果が得られない場合、投与後10分間以上あけて、増量することができる。本剤投与後30分間経過し、血行動態や酸素化の改善が見られない場合は、本剤の投与中止を検討すること。
離脱の際は、本剤の吸入濃度を1ppmまで徐々に減量すること。1ppmで血行動態及び酸素化が安定している場合、12時間毎に離脱を試みること。
<両効能共通>
肺低形成を有する患者における安全性及び有効性は確立していない。
重度の多発奇形を有する患者における安全性及び有効性は確立していない。
<新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の改善>
本剤は臨床的又は心エコーによって診断された、新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全患者にのみ使用すること。
先天性心疾患を有する患者(動脈管開存、微小な心室中隔欠損又は心房中隔欠損は除く)における安全性及び有効性は確立していない。
<心臓手術の周術期における肺高血圧の改善>
在胎期間34週未満の早産児における安全性及び有効性は確立していない。
術前投与時の安全性及び有効性は確立していないため、リスク・ベネフィットを勘案し、本剤適用の要否を慎重に判断すること。
高齢者に対する安全性は確立していない。
妊婦、産婦、授乳婦等に対する安全性は確立していない。
新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の改善
国内臨床試験では、出生後21日齢未満(出生後7日未満に吸入開始し、最長14日まで)の新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全について試験が行われた。海外臨床試験では、出生後7日まで(生後96時間以内に開始し、最長96時間又は生後7日までのどちらか早い時期まで)の新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全について、及び出生後17日齢未満(出生後72時間以内に開始し最長14日間)の新生児について試験が行われた。
心臓手術の周術期における肺高血圧の改善
国内臨床試験では、10歳以下の心臓手術を受ける小児患者について試験が行われた。
吸入されたNOは肺血管から血中に移行すると、速やかにヘモグロビンと結合しニトロシルヘモグロビンを形成し、酸化により硝酸塩及び亜硝酸塩に代謝不活化される。吸入量の73±5%が硝酸塩として尿中に排泄される。形成されたニトロシルヘモグロビンも酸化により、速やかにMetHbに変換される。このようにNOの代謝は速やかにおこるため、NO自体の血中濃度を直接測定するのは困難である。しかし、NOにより産生される血中MetHb濃度がNOの代替指標となると考えられ、海外および国内の試験では、血中MetHb濃度が測定されている。
<海外薬物動態試験結果>
新生児遷延性肺高血圧症と診断された新生児患者では本剤の吸入濃度が高いほど血中MetHb濃度は増加し、本剤を80ppm吸入した36例中13例(36%)で血中MetHb濃度が7%を超えた。血中MetHb濃度が7%を超えた患者から得られた血中MetHb濃度のピーク到達時間は平均10.5±9.5時間であった。
<国内薬物動態試験結果>
新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の国内臨床試験では本剤を20ppmから開始したが、血中MetHb濃度は全11例で2%を超えることはなかった。心臓手術の周術期における肺高血圧の治療のため10~20ppmの用量で実施した国内臨床試験では、血中MetHb濃度は全18例で2%を超えることはなかった。