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サンディミュン点滴静注用250mg

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記の臓器移植における拒絶反応の抑制

    • 腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
  • ○骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制

用法・用量

  • 本剤は日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液で100倍に希釈して点滴静注する。
  • <腎移植、骨髄移植、心移植、肺移植、膵移植>

    • 通常、移植1日前からシクロスポリンとして1日量3~5mg/kgを投与する。内服可能となった後はできるだけ速やかに経口投与に切り換える。
  • <肝移植、小腸移植>

    • 通常、移植1日前からシクロスポリンとして1日量4~6mg/kgを投与する。内服可能となった後はできるだけ速やかに経口投与に切り換える。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 臓器移植における本剤の投与は、免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 タクロリムス(外用剤を除く)、ピタバスタチン、ロスバスタチン、ボセンタン、アリスキレン、アスナプレビル、バニプレビル、グラゾプレビル、ペマフィブラートを投与中の患者[10.1参照]
  • 2.3 肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを服用中の患者[9.2、9.3、10.2参照]
  • 2.4 生ワクチンを接種しないこと[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ患者[11.1.1参照]
9.1.2 薬物過敏症の既往歴のある患者[11.1.1参照]
9.1.3 膵機能障害のある患者
膵機能が悪化するおそれがある。
9.1.4 高血圧症の患者
血圧の上昇及び症状の悪化が報告されている。
9.1.5 感染症のある患者
免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。
9.1.6 悪性腫瘍又はその既往歴のある患者
免疫抑制により進行又は再発するおそれがある。
9.1.7 肝炎ウイルスキャリアの患者
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能が悪化するおそれがあるため、慎重に投与すること。また、コルヒチンを服用中の患者には投与しないこと。[2.3、10.2参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能が悪化し、本剤の代謝あるいは胆汁中への排泄が遅延するおそれがあるため、慎重に投与すること。また、コルヒチンを服用中の患者には投与しないこと。[2.3、10.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で催奇形作用、また、難産及び周産期死亡が報告されている。ヒトで胎盤を通過することが報告されている。妊娠中に本剤を投与された女性において、早産及び児への影響(低出生体重、先天奇形)の報告がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行するとの報告がある。
9.7 小児等
適応患者の選択を慎重に行い、投与する際には患者の状態を十分に観察すること。低出生体重児、新生児又は乳児に対する臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 腎・肝・膵機能障害等の副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血球数算定、クレアチニン、BUN、ビリルビン、AST、ALT、アミラーゼ、尿検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2、11.1.3、11.1.8参照]
8.2 感染症の発現又は増悪に十分注意すること。[11.1.5参照]
8.3 他の免疫抑制剤と併用する場合は、過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇、悪性リンパ腫発生の可能性があるので、十分注意すること。[10.2、11.1.12参照]
8.4 本剤の投与により副腎皮質ホルモン剤維持量の減量が可能であるが、副腎皮質ホルモン剤の副作用の発現についても引き続き観察を十分に行うこと。
8.5 血圧上昇があらわれることがあり、可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症に至ることがあるので、定期的に血圧測定を行い、血圧上昇があらわれた場合には、降圧剤治療を行うなど適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]
8.6 低マグネシウム血症により中枢神経系障害があらわれることがあるので、特に移植直後は血清マグネシウム値に注意し、マグネシウム低下がみられた場合にはマグネシウムを補給するなど、適切な処置を行うこと。
8.7 まれにショック等の重篤な過敏反応の発現がみられるので、発現を予測するため、投与に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。少量注入開始後は、患者の状態をよく観察し、異常が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置をとること。[11.1.1参照]
8.7.1 投与に際しては0.1%アドレナリン注射液及び酸素吸入の用意をし、少なくとも投与開始後30分間は継続して十分に観察し、その後も頻回に観察すること。
8.7.2 本剤の添加剤であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する医薬品でショックの発現が報告されているので、留意すること。また、ポリオキシエチレンヒマシ油を含有する他の製剤で高脂血症がみられたとの報告がある。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 輸液容器・輸液セットの使用時
(1)ポリ塩化ビニル(PVC)製の輸液容器・輸液セットの使用は避けること。シクロスポリンはポリ塩化ビニル製の容器・器具に吸着し、また、本剤に含まれるポリオキシエチレンヒマシ油によってポリ塩化ビニルの可塑剤であるジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が溶出する。
(2)ポリカーボネート製の輸液セットの使用はできるだけ避けること。使用する場合には、三方活栓や延長チューブ等のコネクター部の監視を十分に行い、ひび割れが確認された場合は、直ちに新しい製品と交換すること。本剤はポリオキシエチレンヒマシ油及びエタノールを含有しているため、ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、通常の100倍希釈で、1日目よりそのコネクター部にひび割れが生じるおそれがある。これにより液漏れ等が発生し、必要な投与量が確保されない可能性がある。なお、濃度が高いほどひび割れは発生しやすく、また過度な締め付け及び増し締め等は、ひび割れの発生を助長する要因となる。
14.1.2 シリンジポンプ使用時
本剤をシリコンオイルが塗布されたシリンジ内で希釈しないこと。本剤の希釈液がシリコンオイルと接することで浮遊物がみられたとの報告がある。
14.1.3 滴下制御方式の輸液ポンプ使用時
滴下制御方式の輸液ポンプを使用すると、ポンプの設定値より実際の液量が少なくなるので、正確な投与を行うには、適正な流量に補正する必要がある。本剤の添加物であるポリオキシエチレンヒマシ油の界面活性作用により、点滴筒内の一滴の大きさが小さくなると考えられる。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 過量投与による副作用の発現及び低用量投与による拒絶反応の発現等を防ぐため、血中トラフ値(trough level)の測定を頻回に行い、投与量を調節すること。
7.2 臓器移植において、3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して投与量を調節すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
重症腎不全患者4例にシクロスポリンを1回点滴静注し、高速液体クロマトグラフ(HPLC)法により測定した結果、全血中濃度は注入終了時に最高値に達し、その値は769~2,331ng/mL(3.5mg/kgを投与した3例の平均は1,801ng/mL)であった。平均全血中半減期は、0.10(α相)、1.08(β相)、15.8(γ相)時間であった(外国人のデータ)。
重症腎不全患者(1例)における1回点滴静注後の血中濃度
16.4 代謝
シクロスポリンは主としてチトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝され、主要代謝物はモノヒドロキシ体、ジヒドロキシ体、N-脱メチル体であった(外国人のデータ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
生ワクチン
(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
[2.4参照]
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
タクロリムス(外用剤を除く)
(プログラフ)
[2.2参照]
本剤の血中濃度が上昇することがある。また、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので併用しないこと。本剤の代謝が阻害されること及び副作用が相互に増強されると考えられる。
ピタバスタチン
(リバロ)
ロスバスタチン
(クレストール)
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇(ピタバスタチン:Cmax6.6倍、AUC4.6倍、ロスバスタチン:Cmax10.6倍、AUC7.1倍)し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、横紋筋融解症等の重篤な副作用が発現するおそれがある。本剤により、これらの薬剤の血漿中の濃度が上昇する。
ボセンタン
(トラクリア)
[2.2参照]
ボセンタンの血中濃度が急激に上昇したとの報告があり、副作用が発現するおそれがある。また、本剤の血中濃度が約50%低下したとの報告がある。本剤が、ボセンタンのCYP3A4による代謝を阻害すること及び輸送蛋白質を阻害し肝細胞への取り込みを阻害することにより、ボセンタンの血中濃度が上昇すると考えられる。また、ボセンタンはCYP3A4を誘導するため、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下すると考えられる。
アリスキレン
(ラジレス)
[2.2参照]
アリスキレンの血中濃度が上昇するおそれがある。空腹時の併用投与によりアリスキレンのCmaxが約2.5倍、AUCが約5倍に上昇した。本剤のP糖蛋白阻害によりアリスキレンのP糖蛋白を介した排出が抑制されると考えられる。
アスナプレビル
(スンベプラ)
[2.2参照]
アスナプレビルの治療効果が減少するおそれがある。本剤の有機アニオントランスポーター阻害により、これらの薬剤の肝取込みが抑制されると考えられる。
バニプレビル
(バニヘップ)
グラゾプレビル
(グラジナ)
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤の有機アニオントランスポーター阻害により、これらの薬剤の肝取込みが抑制されると考えられる。
ペマフィブラート
(パルモディア)
[2.2参照]
ペマフィブラートの血中濃度が上昇したとの報告がある。本剤の有機アニオントランスポーター及びCYP3A阻害により、ペマフィブラートの血中濃度が上昇すると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
免疫抑制剤
ムロモナブCD3(OKT3)
抗胸腺細胞免疫グロブリン(ATG)製剤等
[8.3参照]
過度の免疫抑制が起こることがある。共に免疫抑制作用を有するため。
ホスカルネット
アムホテリシンB
アミノ糖系抗生物質
ゲンタマイシン
トブラマイシン等
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
シプロフロキサシン
バンコマイシン
ガンシクロビル
フィブラート系薬剤
ベザフィブラート
フェノフィブラート等
腎障害があらわれやすくなるので、頻回に腎機能検査(クレアチニン、BUN等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる。
メルファラン注射剤腎障害があらわれやすくなるので、頻回に腎機能検査(クレアチニン、BUN等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。機序は不明である。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
ジクロフェナク
ナプロキセン
スリンダク
インドメタシン等
腎障害があらわれやすくなるので、頻回に腎機能検査(クレアチニン、BUN等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
ジクロフェナク
ナプロキセン
スリンダク
インドメタシン等
高カリウム血症があらわれるおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
アミオダロン
カルシウム拮抗剤
ジルチアゼム
ニカルジピン
ベラパミル
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
ジョサマイシン等
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
クロラムフェニコール
アゾール系抗真菌剤
フルコナゾール
イトラコナゾール等
ノルフロキサシン
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
サキナビル等
コビシスタットを含有する製剤
卵胞・黄体ホルモン剤
ダナゾール
ブロモクリプチン
アロプリノール
フルボキサミン
イマチニブ
ダサチニブ
テラプレビル
シメプレビル
スチリペントール
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。
また、本剤の血中濃度が高い場合、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので、患者の状態を十分に観察すること。
代謝酵素の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
メトクロプラミド本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。
また、本剤の血中濃度が高い場合、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので、患者の状態を十分に観察すること。
胃腸運動が亢進し、胃内容排出時間が短縮されるため、本剤の吸収が増加すると考えられる。
胆汁酸製剤本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。
また、本剤の血中濃度が高い場合、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので、患者の状態を十分に観察すること。
本剤は脂溶性薬剤であるため、胆汁酸と混和することにより吸収が増加すると考えられる。
アセタゾラミド
カルベジロール
ヒドロキシクロロキン
メトロニダゾール
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。
また、本剤の血中濃度が高い場合、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので、患者の状態を十分に観察すること。
機序は不明である。
グレープフルーツジュース本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤服用時は飲食を避けることが望ましい。グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。
リファンピシン
チクロピジン
抗てんかん剤
フェノバルビタール
フェニトイン
カルバマゼピン
モダフィニル
デフェラシロクス
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。特に、移植患者では拒絶反応の発現に注意すること。これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
オクトレオチド
ランレオチド
パシレオチド
プロブコール
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。特に、移植患者では拒絶反応の発現に注意すること。これらの薬剤が本剤の吸収を阻害すると考えられる。
テルビナフィン本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。特に、移植患者では拒絶反応の発現に注意すること。機序は不明である。
エトラビリン本剤の血中濃度に影響を与える可能性があるため、注意して投与すること。エトラビリンの代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度に変化が起こることがある。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。セイヨウオトギリソウにより誘導された代謝酵素が本剤の代謝を促進すると考えられる。
副腎皮質ホルモン剤高用量メチルプレドニゾロンとの併用により本剤の血中濃度上昇及び痙攣の報告がある。また、プレドニゾロンのクリアランスを低下させるとの報告もある。相互に代謝を阻害すると考えられる。
ドセタキセル
パクリタキセル
本剤又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。代謝酵素を競合することにより、本剤又はこれらの薬剤の代謝が阻害される可能性がある。
レテルモビル本剤又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。レテルモビルのCYP3A阻害により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤の有機アニオントランスポーター阻害によりレテルモビルの血中濃度が上昇する可能性がある。
エゼチミブ本剤又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。機序は不明である。
オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル本剤又はパリタプレビルの血中濃度が上昇する可能性があるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。リトナビルのCYP3A4阻害及びパリタプレビルの有機アニオントランスポーター阻害により本剤の血中濃度が上昇すると考えられる。本剤の有機アニオントランスポーター、乳癌耐性蛋白及びP糖蛋白阻害により、パリタプレビルの血中濃度が上昇すると考えられる。
コルヒチン
[2.3、9.2、9.3参照]
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には血中濃度を参考に投与量を調節すること。機序は不明である。
コルヒチン
[2.3、9.2、9.3参照]
コルヒチンの血中濃度が上昇し、コルヒチンの作用が増強するおそれがあるので、患者の状態を十分に観察すること。なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者にはコルヒチンを投与しないこと。本剤のP糖蛋白阻害によりコルヒチンの血中濃度が上昇することがある。
トルバプタン
チカグレロル
レンバチニブ
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。本剤のP糖蛋白阻害によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ダビガトラン
エドキサバン
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強するおそれがある。本剤のP糖蛋白阻害によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リファキシミンリファキシミンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。本剤のP糖蛋白、CYP3A4、有機アニオントランスポーター阻害によりリファキシミンの血中濃度が上昇することがある。
リオシグアトリオシグアトの血中濃度が上昇するおそれがある。P糖蛋白及び乳癌耐性蛋白阻害によりリオシグアトの血中濃度が上昇することがある。
グレカプレビル・ピブレンタスビルこれらの薬剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。本剤の有機アニオントランスポーター、P糖蛋白及び乳癌耐性蛋白阻害により、これらの薬剤の血中濃度が上昇すると考えられる。
レパグリニドレパグリニドの血中濃度が上昇し、血糖降下作用が増強するおそれがある。本剤が、レパグリニドのCYP3A4による代謝を阻害すること及び輸送蛋白質を阻害し肝細胞への取り込みを阻害することにより、レパグリニドの血中濃度が上昇すると考えられる。
カスポファンギンカスポファンギンのAUCが増加したとの報告がある。また、併用により一過性のAST及びALTの増加が認められたとの報告がある。本剤が投与されている患者へのカスポファンギンの投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみとし、併用する場合は、肝酵素の綿密なモニタリングを考慮すること。本剤がカスポファンギンの肝細胞への取り込みを抑制することによると考えられる。
HMG-CoA還元酵素阻害剤
シンバスタチン
プラバスタチン等
筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とした急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、患者の状態を十分に観察すること。HMG-CoA還元酵素阻害剤の血中からの消失が遅延すると考えられる。
ジゴキシンジゴキシンの血中濃度が上昇することがあるので、ジゴキシンの血中濃度を参考に投与量を調節するなどジギタリス中毒に注意すること。ジゴキシンの腎からの排泄を抑制すると考えられる。
ジゴキシン高カリウム血症があらわれるおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
アンブリセンタン本剤との併用によりアンブリセンタンの血中濃度が上昇しAUCが約2倍になるとの報告がある。機序は不明である。
テオフィリンテオフィリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、テオフィリンの血中濃度を参考に投与量を調節すること。機序は不明である。
不活化ワクチン
不活化インフルエンザワクチン等
ワクチンの効果が得られないおそれがある。免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
ニフェジピン歯肉肥厚があらわれやすい。歯肉肥厚の副作用が相互に増強されると考えられる。
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン等
エプレレノン
カリウム製剤
ACE阻害剤
アンジオテンシンII受容体拮抗剤
β-遮断剤
ヘパリン
高カリウム血症があらわれるおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
利尿剤
チアジド系利尿剤
フロセミド等
高尿酸血症及びこれに伴う痛風があらわれやすいので、血中尿酸値に注意すること。高尿酸血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
ブロナンセリン
ナルフラフィン
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。代謝酵素の競合により、これらの薬剤の代謝が阻害されると考えられる。
エベロリムスエベロリムスのバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある。本剤の用量を変更する際には、エベロリムスの用量調節も行うこと。代謝酵素の競合により、エベロリムスの代謝が阻害されると考えられる。
エベロリムスエベロリムスが本剤の腎毒性を増強するおそれがある。機序は不明である。
ミコフェノール酸モフェチルミコフェノール酸モフェチルの血中濃度が低下したとの報告がある。ミコフェノール酸モフェチルの腸肝循環が阻害され血中濃度が低下すると考えられる。
アメナメビルアメナメビルの血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。機序は不明である。
外用活性型ビタミンD3製剤
タカルシトール
カルシポトリオール
血清カルシウム値が上昇する可能性がある。本剤による腎機能低下があらわれた場合に、活性型ビタミンD3による血清カルシウム値上昇がよりあらわれやすくなると考えられる。
エルトロンボパグエルトロンボパグの血中濃度が低下したとの報告及び高値を示したとの報告がある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.7参照]
11.1.2 腎障害(5%以上)
腎機能障害は本剤の副作用として高頻度にみられる。主な発現機序は用量依存的な腎血管収縮作用によると考えられ、通常、減量又は休薬により回復する。BUN上昇、クレアチニン上昇を示し腎血流量減少、糸球体濾過値の低下がみられる。尿細管機能への影響としてカリウム排泄減少による高カリウム血症、尿酸排泄低下による高尿酸血症、マグネシウム再吸収低下による低マグネシウム血症がみられる。また、器質的な腎障害(尿細管萎縮、細動脈病変、間質の線維化等)があらわれることがある。移植後の大量投与や、腎疾患のある患者への使用あるいは腎毒性のある薬剤[10.1、10.2参照]との併用により起こりやすい。なお、腎移植後にクレアチニン、BUNの上昇がみられた場合は、本剤による腎障害か拒絶反応かを注意深く観察し、鑑別する必要がある。[8.1参照]
11.1.3 肝障害、肝不全(1%~5%未満)
肝機能障害、黄疸等の肝障害、肝不全があらわれることがあるので、AST、ALT、ALP、LDH、ビリルビンの上昇等の異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[8.1参照]
11.1.4 可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症等の中枢神経系障害(1%未満)
全身痙攣、意識障害、失見当識、錯乱、運動麻痺、小脳性運動失調、視覚障害、視神経乳頭浮腫、不眠等の症状があらわれた場合には、CT、MRIによる画像診断を行うとともに、本剤を減量又は中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等適切な処置を行うこと。[8.5参照]
11.1.5 感染症(1%~5%未満)
細菌、真菌あるいはウイルスによる重篤な感染症(肺炎、敗血症、尿路感染症、単純疱疹、帯状疱疹等)を併発することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。強力な免疫抑制下では急激に重症化することがある。[8.2参照]
11.1.6 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 BKウイルス腎症(頻度不明)
11.1.8 急性膵炎(1%未満)
初期症状として上腹部の激痛、発熱、血糖上昇、アミラーゼ上昇等があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1参照]
11.1.9 血栓性微小血管障害
溶血性尿毒症症候群(HUS:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする)(1%未満)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少、微小血管性溶血性貧血、腎機能障害、精神神経症状を主徴とする)(頻度不明)等の血栓性微小血管障害があらわれることがある。
11.1.10 溶血性貧血、血小板減少(各1%未満)
11.1.11 横紋筋融解症(1%未満)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.12 悪性腫瘍(1%未満)
他の免疫抑制剤と併用する場合に、過度の免疫抑制により悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患、悪性腫瘍(特に皮膚)の発現の可能性が高まることがある。[8.3参照]
ネオーラル内用液・カプセル、サンディミュン内用液・カプセル・注射液に関する使用成績調査を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1%~5%未満1%未満頻度不明
過敏症発疹
循環器血圧上昇
血液貧血、白血球減少
消化器悪心・嘔吐消化管潰瘍、腹痛、胃部不快感、食欲不振、下痢、腹部膨満感
皮膚多毛脱毛、ざ瘡
精神神経系振戦頭痛、しびれ、めまい、眠気、異常感覚、末梢神経障害片頭痛
代謝異常糖尿・高血糖、高尿酸血症、高脂血症高カリウム血症、低マグネシウム血症、体液貯留
感覚器耳鳴、難聴視力障害
筋骨格系ミオパシー、筋痛、筋脱力、筋痙攣、関節痛下肢痛
その他歯肉肥厚出血傾向(鼻出血、皮下出血、消化管出血、血尿)、熱感、のぼせ、発熱、けん怠感、浮腫、体重増加、女性化乳房月経障害、良性頭蓋内圧亢進症

ネオーラル内用液・カプセル、サンディミュン内用液・カプセル・注射液に関する使用成績調査を含む。

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