製品名 ヴォリブリス錠2.5mg

一般名
Ambrisentan
薬効分類
昇圧・心不全・冠動脈・末梢血管疾患薬
 >エンドセリン拮抗薬
価格
2.5mg1錠:5050.3円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 肺動脈性肺高血圧症

用法・用量

  • 通常、成人にはアンブリセンタンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じて1日10mgを超えない範囲で適宜増量する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 重度の肝障害のある患者[重度の肝障害のある患者における使用経験がない。また、類薬で重篤な肝障害を起こしたとの報告がある。]
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「重要な基本的注意」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
貧血(12.0%)
貧血(ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
体液貯留(4.0%)
体液貯留があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤に起因するものか、基礎疾患の心不全によるものか原因を確認し、本剤の投与中止、利尿剤の投与など適切な処置を行うこと。
心不全(頻度不明注1)
体液貯留に関連し、心不全があらわれることがあるので、異常が認められた場合には心不全の原因を確認し、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(頻度不明注1)
間質性肺炎が発現又は増悪することがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。本剤の投与後に間質性肺炎の発現又は増悪が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
注意

次の患者には慎重に投与すること

投与開始前のアミノトランスフェラーゼ(AST(GOT)、ALT(GPT))のいずれかが基準値上限の3倍を超える患者[肝機能障害を増悪させるおそれがある。]
中等度の肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(「重要な基本的注意」、「薬物動態」の項参照)。]
重度の貧血の患者[貧血が悪化するおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。]
重度の腎障害のある患者[重度の腎障害のある患者における本剤の使用経験が少ない。]
間質性肺炎の患者[間質性肺炎が増悪することがある(「重大な副作用」の項参照)。]
エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)の投与時に肝酵素上昇が認められているため、本剤の投与開始前に必ず肝機能検査を実施し、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回肝機能検査を実施すること。本剤投与中に、臨床的に顕著なアミノトランスフェラーゼ(AST(GOT)、ALT(GPT))上昇、肝障害の徴候を伴うアミノトランスフェラーゼ上昇、又は黄疸が発現した場合には本剤の投与を中止すること。
本剤を含むERAの投与によりヘモグロビン減少及びヘマトクリット減少が起こる可能性があり、貧血に至った症例があるため、投与開始前及び投与開始1ヵ月後に血液検査を実施すること。また、その後も定期的に検査を実施することが望ましい(「重大な副作用」の項参照)。
肺静脈閉塞性疾患を有する患者では、心血管系の状態を著しく悪化させるおそれがあるため、本剤を投与しないことが望ましい。また、本剤の投与により急性肺水腫の徴候が見られた場合は、肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮すること。
本剤の投与に際し、妊娠する可能性のある女性には以下について指導し、必要に応じて妊娠検査を行うこと。
妊娠中に本剤を服用した場合の胎児に及ぼす危険性
本剤の投与開始後は確実な避妊法を用いること
妊娠した場合若しくはその疑いがある場合には、医師に直ちに連絡すること
本剤の国内臨床試験において鼻出血など出血の副作用が認められているので、出血の危険因子を有する患者に本剤を投与する際には、出血の危険性に注意すること。
特発性肺線維症(IPF)を対象とした海外臨床試験において、本剤投与によりIPFの病態増悪リスクの増加の可能性が示されている。肺の線維化を伴う肺動脈性肺高血圧症の患者に本剤を投与する際は、肺線維症の治療に精通した呼吸器科医に相談するなど、本剤投与によるリスクとベネフィットを考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること(「その他の注意」の項参照)。
薬剤交付時
以下の点について指導すること。
本剤はPTPシートから取り出して服用すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
PTPシートからの取り出しは、裏のラベルを剥がした後、指の腹で押し出すこと。
シクロスポリンと併用する場合には、本剤は1日1回5mgを上限として投与すること(「併用注意」の項参照)。
WHO機能分類クラスIVの患者における有効性及び安全性は確立していない。
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので注意すること。[海外臨床試験において、末梢性浮腫の多くは軽度から中等度であったが、高齢者では発現する可能性が高く、重症例が多い傾向が示唆された。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[ラット及びウサギにおいて本剤の催奇形性(ラット及びウサギでは下顎・舌・口蓋の異常、さらにラットでは心室中隔欠損、動脈幹遺残、甲状腺及び胸腺の異常、底蝶形骨過剰骨化、左臍動脈)が認められている。]
本剤投与中は授乳を避けさせること。[授乳動物(ラット)において出生児の生存率低下がみられたことから、乳汁に移行する可能性がある。]
小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
血漿中濃度
健康成人
日本人健康成人男性に本剤2.5mg、5mg又は10mgを単回経口投与した時、本剤は速やかに吸収され、投与後2~2.5時間(中央値)に最高血漿中濃度(Cmax)に達した。Cmax及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は用量の増加にほぼ比例して増加した。消失半減期(t1/2)は約10~19時間であった。
図-1 空腹時単回投与後の血漿中アンブリセンタン濃度の推移(平均値±標準偏差)
表-1 空腹時単回投与後の薬物動態パラメータ
投与量(例数)Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC0-∞(ng・h/mL)t1/2(h)
2.5mg(n=11)178.7±32.052.5(1.0-4.0)1438.8±372.6010.0±3.62
5mg(n=11)362.0±42.532.0(1.0-4.0)2944.5±608.5513.6±4.83
10mg(n=12)766.8±90.682.0(1.0-4.0)6894.1±1612.5018.8±10.98
平均値±標準偏差、tmaxは中央値(範囲)
また、本剤10mgを空腹時又は食後(標準的な朝食)単回経口投与した時、食後投与では空腹時投与と比較し、Cmaxは約17%低下したが、AUC0-48、最高血漿中濃度到達時間(tmax)及びt1/2には影響は認められなかった。
表-2 空腹時又は食後単回経口投与後の薬物動態パラメータ
投与量(例数)Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC0-48(ng・h/mL)t1/2(h)
10mg(n=12)
空腹時
766.8±90.682.0(1.0-4.0)6437.3±1487.6818.8±10.98
10mg(n=12)
食後
637.1±102.652.5(1.5-4.0)6251.9±1389.9619.9±11.20
平均値±標準偏差、tmaxは中央値(範囲)
PAH患者
日本人PAH患者に本剤5mgを1日1回12週間反復経口投与した時、投与後4時間にCmaxに達し、t1/2は11時間であった。定常状態におけるAUC0-24は8337.4ng・h/mL、Cmaxは674.3ng/mLであった。
また、本剤5mg及び10mgを投与した時の定常状態時における投与前及び投与後2~4時間の血漿中アンブリセンタン濃度は表-3のとおりであった。
表-3 本剤5mg及び10mg投与時の血漿中アンブリセンタン濃度(定常状態)
投与群(症例数)血漿中アンブリセンタン濃度(ng/mL)
投与前投与2~4時間後
5mg(n=28)147.8±157.2635.2±260.7
10mg(n=17)263.3±265.51083.2±318.9
平均値±標準偏差
血漿蛋白結合率
本剤(0.2~20μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率はin vitroで98.8%であった。また、本剤は主にアルブミンと結合し(96.5%)、一部はα1-酸性糖蛋白質と結合した。
代謝酵素
本剤はin vitroでUDP-グルクロン酸転移酵素のUGT1A9、UGT2B7及びUGT1A3によりグルクロン酸抱合され、その他に、チトクロームP450(CYP)で酸化的に代謝される。CYPによる代謝には主にCYP3A4、一部にCYP2C19及びCYP3A5が関与する。
排泄
外国人健康成人男性を対象に2H及び14C標識した本剤を単回経口投与した時の主要排泄経路は糞中であり、投与量の約40%が未変化体、約21%が4-水酸化体として糞中に排泄された。また、尿中には、投与量の約4%が未変化体、約18%が未変化体のグルクロン酸抱合体及び4-水酸化体のグルクロン酸抱合体として排泄された。
肝障害患者における薬物動態
肝障害患者における本剤の薬物動態は検討されていない。
本剤は、UGT及びCYPで代謝されるため、肝障害患者では、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
腎障害患者における薬物動態
腎障害患者における本剤の薬物動態は検討されていない。
本剤の主要排泄経路は糞中であるため、腎障害患者では、本剤の血中濃度が上昇する可能性は低い。
年齢・性別
外国人健康成人及びPAH患者における母集団薬物動態解析の結果から、年齢及び性別は本剤の薬物動態に大きな影響を与えなかった。
相互作用
代謝酵素に及ぼす影響
非臨床試験において、本剤は第I及びII相代謝酵素を阻害・誘導しなかったことから、本剤がこれらの代謝酵素で代謝される薬剤の体内動態に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。
薬剤トランスポーターに及ぼす影響
本剤はin vitroでP-糖蛋白質及びorganic anion transporting polypeptide(OATP)の基質である。また、本剤はin vitroでP-糖蛋白質、sodium taurocholate co-transporting polypeptide(NTCP)、OATP、bile salt export pump(BSEP)及びラットのmulti-drug resistance protein-2(Mrp2)を阻害しなかった。これらのことから、本剤を上記トランスポーターの基質薬剤と併用投与しても併用薬の肝臓での取り込み及び排出を阻害しないと考えられる。
CYP3A4に対する誘導の検討(外国人データ)
健康成人を対象に本剤がCYP3A4を誘導する可能性について尿中6β-ヒドロキシコルチゾール濃度を指標として検討した結果、本剤はCYP3A4を誘導しなかった。
他剤との併用試験(外国人データ)
シルデナフィル
健康成人男女に、本剤10mgとシルデナフィル20mgを併用投与した時、本剤の薬物動態にシルデナフィルは影響を与えなかった。また、本剤はシルデナフィルの薬物動態に影響を与えなかった。
タダラフィル
健康成人男女に、本剤10mgとタダラフィル40mgを併用投与した時、本剤の薬物動態にタダラフィルは影響を与えなかった。また、本剤はタダラフィルの薬物動態に影響を与えなかった。
ワルファリン
健康成人男女に、本剤10mgとワルファリン25mgを併用投与した時、本剤の薬物動態にワルファリンは影響を与えなかった。また、本剤はワルファリン(S-体、R-体)の薬物動態に影響を与えなかった。
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)
健康成人男性に、ケトコナゾール400mg反復投与時に本剤10mgを併用した結果、本剤のCmax及びAUCは非併用時に比べ、それぞれ約20%及び35%増加した。
ジゴキシン
健康成人男性に、本剤10mg反復投与時にジゴキシン0.5mgを併用した結果、本剤はジゴキシンの薬物動態に影響を与えなかった。
経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg及びノルエチステロン1mg含有)
健康成人女性に、本剤10mg反復投与時に経口避妊薬を併用した結果、本剤はエチニルエストラジオール及びノルエチステロンの薬物動態に影響を与えなかった。
シクロスポリン
健康成人男女に、本剤5mg反復投与時にシクロスポリン100~150mgを併用した結果、定常状態における本剤のAUCは約2倍となった。シクロスポリン100~150mgを反復投与時に本剤5mgを併用した結果、本剤は定常状態におけるシクロスポリンの薬物動態に影響を与えなかった。
リファンピシン
健康成人男女に、本剤10mg反復投与時にリファンピシン600mgを併用した結果、リファンピシン併用初期には本剤のAUCの一過性の増加(約2倍)が認められたが、リファンピシンを8日間併用投与後には、リファンピシンは本剤の薬物動態に影響を与えなかった。
オメプラゾール
オメプラゾールによる血漿中未変化体濃度及び薬物動態に与える影響を評価するため、PAH患者での長期第III相試験における薬物動態データを用いてpost-hoc解析を行ったところ、オメプラゾール併用投与群と非併用投与群で差は認められなかった。