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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防

用法・用量

効能又は効果用法及び用量
治療成人ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。
小児10歳以上
10歳未満ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。
予防成人ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。また、20mgを1日1回、2日間吸入投与することもできる。
小児10歳以上
10歳未満ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。[5.1-5.4参照]
  • 1.2 インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者
本剤は、夾雑物として乳蛋白を含む乳糖水和物を使用しており、アナフィラキシーがあらわれたとの報告がある。
9.1.2 慢性呼吸器疾患(気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等)を有する患者
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。インフルエンザウイルス感染症により気道過敏性が亢進することがあり、気管支攣縮や呼吸機能低下がみられた例が報告されている。[11.1.2参照]
9.1.3 基礎疾患(糖尿病を含む慢性代謝性疾患、慢性腎機能障害、慢性心疾患)を有する患者、あるいは免疫低下状態の患者等
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。使用経験が少ない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 本剤を適切に吸入投与できると判断された場合にのみ投与すること。
9.7.2 幼児へ投与する場合には、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
9.7.3 低出生体重児、新生児又は乳児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。[16.6.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 抗インフルエンザウイルス薬の服薬の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。
異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、1)異常行動の発現のおそれがあること、2)自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。[11.1.3参照]
8.2 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[5.2参照]
8.3 本剤投与後に失神やショック症状があらわれたとの報告がある。この失神やショック症状はインフルエンザウイルス感染症に伴う発熱、脱水等の全身状態の悪化に加え、本剤を強く吸入したこと又は長く息を止めたことが誘因となった可能性及び本剤による可能性がある。患者には使用説明書に記載されている吸入法を十分に理解させ、くつろいだ状態(例えば座位等)で吸入するよう指導すること。[11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用すること。[7.1参照]
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 患者又は保護者には添付の使用説明書を渡し、空の容器によるデモンストレーションも含めて使用方法を指導すること。
14.2.2 本剤は防湿のためアルミ包装されているので、吸入の直前にアルミ包装を開封すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤は、1容器あたりラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを含有し、薬剤が2ヵ所に充填されているので、次表のとおり吸入投与すること。[14.1参照]
治療予防
成人及び10歳以上の小児2容器(計4ヵ所)単回投与の場合
2容器(計4ヵ所)
2日間投与の場合
1回あたり1容器(1回あたり2ヵ所)
10歳未満の小児1容器(2ヵ所)1容器(2ヵ所)
<治療>
7.2 症状発現後、可能な限り速やかに投与を開始することが望ましい。症状発現から48時間を経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
<予防>
7.3 次の点を注意して使用すること。
・インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始する。接触から48時間を経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない。
・本剤の服用開始から10日以降のインフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は確認されていない。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 本剤はC型インフルエンザウイルス感染症には効果がない。[1.1参照]
5.2 本剤は細菌感染症には効果がない。[1.1、8.2参照]
.<治療>
5.3 抗ウイルス薬の投与が全てのA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療に必須ではないことを踏まえ、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。[1.1参照]
<予防>
5.4 原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である次の者を対象とする。[1.1参照]
・高齢者(65歳以上)
・慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
・代謝性疾患患者(糖尿病等)
・腎機能障害患者

16.薬物動態

16.1 血中濃度
<成人>
健康成人男性16例にラニナミビルオクタン酸エステルとして20mg又は40mgを単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
ラニナミビルの血漿中濃度推移
血漿中ラニナミビルの薬物動態パラメータ
投与量例数Cmax(ng/mL)Tmaxa)(hr)AUC0-tz(ng・hr/mL)t1/2(hr)
20mg819.0±3.14.0(3.0~6.0)558.0±96.466.6±9.1
40mg838.3±9.84.0(3.0~6.0)1080±15674.4±19.3
平均値±標準偏差a)中央値(最小値~最大値)
<小児>
4~12歳の小児のインフルエンザウイルス感染症患者19例にラニナミビルオクタン酸エステルとして20mg又は40mgを単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿中濃度は次のとおりであった。
ラニナミビルの血漿中濃度
投与量例数投与1時間後投与4時間後投与24時間後投与144時間後
20mg812.0±8.117.6±10.05.3±2.70.5±0.8
40mg1121.7±7.732.7±10.09.6±3.02.0±1.1
平均値±標準偏差単位:ng/mL
16.3 分布
16.3.1 組織移行
健康成人男性35例にラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿、肺胞粘液及び肺胞マクロファージ中濃度推移並びに薬物動態パラメータの推定値は次のとおりであった。
ラニナミビルの血漿、肺胞粘液及び肺胞マクロファージ中濃度推移
各測定時点5例(ただし、0.25時間、2時間、3.5時間後の血漿中濃度は35例)
注)血漿中濃度は0.25時間後で1例、168時間後で2例、240時間後で4例が定量下限未満であった。
ラニナミビルの薬物動態パラメータの推定値
試料Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUClast(ng・hr/mL)t1/2(hr)
血漿25.453.582645.7
肺胞粘液3.51×1034.088.1×103358.5
肺胞マクロファージ143×1038.011.2×106211.0
ラットに14C-ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を単回経気管投与したところ、放射能は主な標的組織である気管や肺に高濃度に認められ、肺中放射能濃度は消失半減期23.2時間で推移した。放射能は中枢神経系(脳・脊髄)にはほとんど認められなかった。
16.3.2 蛋白結合率(超遠心法)
ヒト血漿蛋白結合率は、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物では67~70%、活性代謝物ラニナミビルでは0.4%以下であった(in vitro)。
16.4 代謝
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、吸入投与後、気管及び肺において加水分解により活性代謝物ラニナミビルに変換されると推測される。
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物及びラニナミビルは、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝試験で主要なチトクロームP450分子種(1A2、2C9、2C19、2D6及び3A4)に対して阻害を示さなかった。また、ヒト培養肝細胞にて、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物及びラニナミビルによるチトクロームP450分子種(1A2、3A4)の誘導は認められなかった。
16.5 排泄
健康成人男性8例にラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与したとき、活性代謝物ラニナミビルの投与144時間後までの累積尿中排泄率は投与量の23.1%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
クレアチニンクリアランス(CLcr)値により規定された腎機能低下者13例にラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与したところ、活性代謝物ラニナミビルのt1/2に変化は認めず、AUC0-infは、腎機能正常者と比較して、軽度(CLcr:50~80mL/min)、中等度(CLcr:30~50mL/min)及び重度(CLcr:30mL/min未満)の腎機能低下者でそれぞれ1.1倍、2.0倍、4.9倍であった。
16.6.2 高齢者
健康な高齢者(65歳以上)6例にラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与したところ、非高齢者(20~45歳)と比較して、活性代謝物ラニナミビルのTmax及びt1/2に変化は認めず、Cmaxが0.5倍、AUC0-infが0.8倍であった。[9.8参照]
注)本剤の承認された1回の最大用量は、20mg(10歳未満の小児)及び40mg(成人及び10歳以上の小児)である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗等があらわれることがある。本剤投与後に失神やショック症状があらわれた場合には、患者に仰臥位をとらせ安静を保つとともに、補液を行うなど適切な処置を行うこと。[8.3参照]
11.1.2 気管支攣縮(頻度不明)、呼吸困難(頻度不明)[9.1.2参照]
11.1.3 異常行動(頻度不明)
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.4 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5%以上0.5%未満頻度不明
過敏症蕁麻疹発疹、紅斑、そう痒
消化器下痢胃腸炎、悪心、嘔吐、腹痛、口内炎、腹部膨満、食欲減退、腹部不快感
精神神経系めまい、頭痛
呼吸器咳嗽(むせ)
血液白血球数増加
肝臓ALT上昇肝機能異常、AST上昇、γ-GTP上昇
泌尿器尿蛋白
その他CRP上昇、尿中ブドウ糖陽性
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