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エディロールカプセル0.5μg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 骨粗鬆症

用法・用量

  • 通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳婦[9.5、9.6参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高カルシウム血症のおそれのある患者(悪性腫瘍のある患者、原発性副甲状腺機能亢進症の患者等)
血清カルシウム値を更に上昇させるおそれがある。[7.、8.1、8.2、10.2、11.1.1参照]
9.1.2 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者[8.3、11.1.3参照]
9.2 腎機能障害患者
血清カルシウム値を更に上昇させ、高カルシウム血症となるおそれがある。[7.、8.1、8.2、10.2、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合には、問診及び妊娠検査により妊娠していないことを確認すること。また、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。本剤投与中に妊娠が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットでは胎児の骨格異常及び出生児の腎臓の変化が0.125μg/kg/日(曝露量は臨床推奨用量での曝露量の6.8倍相当)で、出生児の外形異常(四肢、手根の異常)が0.5μg/kg/日(27.0倍相当)で認められている。ウサギでは外形異常(頭蓋裂、口蓋裂、矮小児)が0.3μg/kg/日で認められている。[2.、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ラットで、乳汁中へ移行することが報告されている。ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、出生児の腎臓の変化等が認められている。[2.参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定し、異常が認められた場合には直ちに休薬し、適切な処置を行うこと。腎機能障害、悪性腫瘍、原発性副甲状腺機能亢進症等の高カルシウム血症のおそれのある患者では、投与初期に頻回に血清カルシウム値を測定するなど、特に注意すること。[7.、8.2、9.1.1、9.2、10.2、11.1.1参照]
8.2 高カルシウム血症に関連する症状(倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等)の発現が認められた場合は、血清カルシウム値を測定するなどして慎重に経過観察を行うこと。[7.、8.1、9.1.1、9.2、10.2、11.1.1参照]
8.3 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者等においては、高カルシウム尿症により病態が悪化するおそれがあるため、尿中カルシウム値を定期的に測定し、高カルシウム尿症が認められた場合は休薬あるいは減量するなど、適切な処置を行うこと。[9.1.2、11.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 瓶入り包装品を分包する場合、服用時以外薬袋から薬を出さないよう、及び直接光の当たる場所に薬を置かないよう指導すること。[20.参照]

7.用法及び用量に関連する注意

血清カルシウム値を定期的に測定し、高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬すること。休薬後は、血清カルシウム値が正常域まで回復した後に、1日1回0.5μgで投与を再開すること。なお、本剤1日1回0.5μg投与による骨折予防効果は確立していないため、漫然と投与を継続せず、患者の状態に応じ、1日1回0.75μgへの増量又は他剤による治療への変更を考慮すること。[8.1、8.2、9.1.1、9.2、10.2、11.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
<健康成人>
16.1.1 単回投与
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、血清中エルデカルシトール濃度は投与後3.4±1.2hにCmax99.8±12.7pg/mLに達した後、t1/253.0±11.4hで消失した。AUClastは3,947±580pg・h/mLであった(Mean±SD,n=31)。
0.75μg単回経口投与時の健康成人男性における薬物濃度推移
16.1.2 反復投与
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを1日1回14日間経口投与したとき、14回目投与時の血清中エルデカルシトール濃度は投与後6.0±2.8hにCmax243.5±28.2pg/mLに達した後、t1/248.7±4.9hで消失した。AUC24hは4,964±597pg・h/mLであった(Mean±SD,n=10)。
また、健康成人男性にエルデカルシトールとして0.1~1.0μgを1日1回15日間経口投与注1)したとき、血清中エルデカルシトール濃度は、いずれの投与量においても投与13日後には定常状態に達していた。定常状態における薬物動態パラメータは、Cmax、Cmin、AUC24hともに投与量に比例して増加し、t1/2は投与量によらず一定であり、エルデカルシトールの薬物動態は0.1~1.0μgの投与量の範囲内で線形であった。
反復投与により薬物動態パラメータに変化は認められなかった。
注1)承認された用法及び用量は、「通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。」である。
<原発性骨粗鬆症患者>
16.1.3 反復投与
原発性骨粗鬆症患者にエルデカルシトールとして0.5、0.75、1.0μgを1日1回48週間経口投与後注1)の定常状態における血清中エルデカルシトール濃度は、投与量の増加に伴い比例的に増加した。
定常状態時の血清中エルデカルシトール濃度
投与群12週後24週後48週後合計注2)
0.5μg238.1±80.9
(n=49)
249.7±64.4
(n=48)
246.0±136.3
(n=44)
244.5±96.8
(N=141)
0.75μg339.7±108.8
(n=54)
351.5±95.3
(n=52)
306.2±150.1
(n=47)
333.4±119.8
(N=153)
1.0μg514.3±674.5
(n=53)
469.9±135.2
(n=51)
401.3±140.2
(n=45)
465.0±417.1
(N=149)
(Mean±SD)血清中エルデカルシトール濃度の単位:pg/mLn:例数、N:集計に用いた測定ポイント数注2)投与12週後、24週後、48週後の集計
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、薬物動態に食事の影響は認められなかった。
食事の有無における単回経口投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(pg/mL)AUClast(pg・h/mL)
空腹時投与注3)100.42±11.024,094±445
食後投与注4)95.37±8.893,879±577
(Mean±SD,n=15)注3)10時間以上絶食後投与注4)食事摂取30分後投与
16.3 分布
16.3.1 母集団薬物動態解析
健康成人男性、閉経後女性及び原発性骨粗鬆症患者の計882例において母集団薬物動態解析を実施した。見かけの分布容積は10.5Lであった。
16.3.2 蛋白結合
ヒト血清に1~100ng/mLの濃度範囲でエルデカルシトールを添加したときの蛋白結合率は94.2~96.2%であり濃度によらず一定であった。また、蛋白結合率に性差は認められなかった(in vitro)。
16.4 代謝
エルデカルシトールをラットに投与したとき、血漿中には主に未変化体が認められ、2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び24位の水酸化体も認められた。ラット、イヌ、サル及びヒトの肝ミクロソームを用いた試験におけるエルデカルシトールの主代謝物は2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び3-hydroxypropyloxy基のアルコールの酸化体であり、種差は認められず、エルデカルシトール主代謝酵素はヒト肝臓のCYPではなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを1日1回14日間経口投与したとき、エルデカルシトール及びその代謝物の尿中への排泄は認められなかった。雄性ラットに3Hで標識したエルデカルシトールを単回経口投与したとき、投与7日後までに投与放射能の2.63%が尿中に、55.89%が糞中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者における薬物動態
肝機能障害患者10例(Child-Pugh分類 ClassA:8例、ClassB:2例)にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。[9.3.1参照]
肝機能障害患者と健康成人男性における単回経口投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(pg/mL)AUClast(pg・h/mL)
肝機能障害患者
(Child-Pugh分類 ClassA)
99.7±19.13,622±731
肝機能障害患者
(Child-Pugh分類 ClassB)
73.9(63.1,84.6)2,936(2,622,3,250)
健康成人男性99.8±12.73,947±580
Child-Pugh分類 ClassA:n=8、健康成人男性:n=31(Mean±SD)Child-Pugh分類 ClassB:n=2〔Mean(Min,Max)〕
16.6.2 腎機能及びその他の因子が薬物動態に及ぼす影響
臨床試験から得られたクレアチニンクリアランス(CLcr)、年齢及び性別ごとの血清中エルデカルシトールトラフ濃度を以下に示す。
「16.3.1 母集団薬物動態解析」に示した母集団薬物動態解析の結果、CLcr、体重、年齢及び性別は見かけの全身クリアランスに影響を与える因子ではなかった。
臨床試験から得られたCLcr、年齢、性別の各分類の血清中エルデカルシトールトラフ濃度
因子エルデカルシトール投与量、投与期間血清中エルデカルシトールトラフ濃度(pg/mL)
(n=例数、N=測定ポイント数)
CLcr(mL/min)注5)10以上30未満0.75μg144週間384.3±145.7(N=17)
30以上60未満322.9±114.8(N=331)
60以上70未満304.8±89.4(N=19)
70以上254.2±81.6(N=15)
年齢75歳未満0.75μg144週間302.3±101.0(N=232)
75歳以上352.5±129.1(N=150)
性別男性1.0μg注1)、15日間316.1±96.3注6)(n=6)
男性1.0μg注1)、14日間289.6±114.1注7)(n=22)
女性1.0μg注1)、12週間260.4±55.6注8)(N=80)
(Mean±SD)注5)血清クレアチニン値を用いCockcroft-Gault法により算出注6)投与13、14、15日目及び15日目の投与後24時間の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出注7)投与13、14日目及び14日目の投与後24時間の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出注8)投与2、4、8、12週後の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出
16.7 薬物相互作用
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μg又はプラセボを1日1回14日間経口投与したとき、CYP3A4の基質であるシンバスタチン及びその代謝物の薬物動態パラメータの幾何平均の比(反復投与後/反復投与前)及び90%信頼区間は、以下のとおりであった。
エルデカルシトールがシンバスタチン及びその代謝物の薬物動態に及ぼす影響
指標薬投与群幾何平均の比(反復投与後/反復投与前)
[90%信頼区間]
AUClastCmax
シンバスタチンプラセボ0.964
[0.6903-1.3468]
1.158
[0.8766-1.5306]
エルデカルシトール0.848
[0.6743-1.0654]
0.809
[0.6669-0.9826]
シンバスタチン代謝物(オープンアシド体)プラセボ0.874
[0.7535-1.0136]
0.958
[0.7526-1.2185]
エルデカルシトール0.929
[0.7178-1.2029]
0.894
[0.6302-1.2684]
(n=10)
ヒト肝細胞ならびにヒト肝ミクロソームを用いた検討において、エルデカルシトールによる臨床上薬物相互作用を惹起するCYPの誘導及び阻害は認められなかった(in vitro)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス製剤
ジゴキシン 等
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。
カルシウム製剤
乳酸カルシウム
炭酸カルシウム

[7.、8.1、8.2、9.1.1、9.2、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
ビタミンD及びその誘導体
アルファカルシドール
カルシトリオール

[7.、8.1、8.2、9.1.1、9.2、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。相加作用による。
PTH製剤
テリパラチド 等
PTHrP製剤
アバロパラチド酢酸塩
[7.、8.1、8.2、9.1.1、9.2、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。相加作用による。
マグネシウムを含有する製剤
酸化マグネシウム
炭酸マグネシウム
高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。他のビタミンD誘導体と同様に腸管でのマグネシウムの吸収を促進させると考えられる。
マグネシウムを含有する製剤
酸化マグネシウム
炭酸マグネシウム
ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがある。血中マグネシウムの増加により代謝性アルカローシスが持続するため、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高カルシウム血症(1.5%注1))[7.、8.1、8.2、9.1.1、9.2、10.2参照]
11.1.2 急性腎障害(頻度不明)
血清カルシウム上昇を伴った急性腎障害があらわれることがある。
11.1.3 尿路結石(0.9%)[8.3、9.1.2参照]
注1)補正血清カルシウム値が11.0mg/dLを超える場合を高カルシウム血症として集計

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上2%未満頻度不明
消化器便秘、胃不快感、口渇、胃炎嘔気、下痢、腹痛
精神神経系浮動性めまい、味覚異常
肝臓γ-GTP上昇、AST上昇、ALT上昇、LDH上昇
腎臓クレアチニン上昇、BUN上昇、尿中血陽性、尿中蛋白陽性
代謝尿中カルシウム増加(20.3%)、血中カルシウム増加(15.0%注2)血中尿酸増加、Al-P上昇
血液ヘモグロビン減少、白血球数減少、貧血、ヘマトクリット減少、赤血球数減少
皮膚発疹、そう痒症
その他耳鳴浮腫

注2)補正血清カルシウム値が10.4mg/dLを超え11.0mg/dL以下の場合を集計

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