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イブプロフェン錠100mg「タイヨー」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛

    • 関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑)
  • 手術並びに外傷後の消炎・鎮痛
  • 下記疾患の解熱・鎮痛

    • 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

用法・用量

  • 効能・効果[1]及び[2]の場合

    • イブプロフェンとして、通常、成人は1日量600mgを3回に分けて経口投与する。小児は、5~7歳1日量200~300mg、8~10歳1日量300~400mg、11~15歳1日量400~600mgを3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
  • 効能・効果[3]の場合

    • 通常、成人にはイブプロフェンとして、1回量200mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大600mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)[プロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防御能の低下により、消化性潰瘍を悪化させることがある]
  • 重篤な血液の異常のある患者[副作用として血液障害があらわれることがあるので、血液の異常を更に悪化させるおそれがある]
  • 重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある]
  • 重篤な腎障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させるおそれがある]
  • 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能不全が更に悪化するおそれがある]
  • 重篤な高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を更に上昇させるおそれがある]
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発することがある]
  • ジドブジンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
  • 妊娠後期の女性(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること]
消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある]
血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある]
出血傾向のある患者[血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがある]
肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させるおそれがある]
腎障害又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量が低下している患者[腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある]
心機能異常のある患者[心機能異常を悪化させるおそれがある]
高血圧症のある患者[血圧を上昇させるおそれがある]
過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では喘息発作を誘発することがある]
全身性エリテマトーデス(SLE)の患者[SLE症状(腎障害等)を悪化させるおそれがある。また、無菌性髄膜炎があらわれることがある。]
混合性結合組織病(MCTD)の患者[無菌性髄膜炎があらわれることがある]
潰瘍性大腸炎の患者[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある]
クローン氏病の患者[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある]
高齢者及び小児(「重要な基本的注意」及び「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
薬物療法以外の療法も考慮すること。
急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること。
原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
原因療法があればこれを行うこと。
患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う幼小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

高齢者への投与

高齢者では副作用があらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠後期には投与しないこと。[妊娠後期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。また、他の解熱鎮痛消炎剤を妊娠後期0に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)が起きたとの報告がある。]
妊婦(妊娠後期以外)又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。マウスの高用量(60mg/kg以上)投与群で着床数及び生児数の抑制が認められている。]
授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[母乳中へ移行することが認められている]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

薬物動態

生物学的同等性試験
イブプロフェン錠100mg「タイヨー」
イブプロフェン錠100mg「タイヨー」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(イブプロフェンとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
(平均±標準偏差、n=14)
投与量(mg)AUC0-24(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
イブプロフェン錠100mg「タイヨー」10033.61±9.537.53±2.482.6±0.92.13±0.57
標準製剤(錠剤、100mg)10032.15±9.117.38±2.761.9±0.61.82±0.35
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
イブプロフェン錠200mg「タイヨー」
イブプロフェン錠200mg「タイヨー」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(イブプロフェンとして200mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
(平均±標準偏差、n=20)
投与量(mg)AUC0-10(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
イブプロフェン錠200mg「タイヨー」20058.32±16.0615.39±3.782.28±1.021.86±0.33
標準製剤(錠剤、200mg)20057.72±13.4215.22±3.101.98±0.981.86±0.25
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
溶出性
イブプロフェン錠100mg「タイヨー」及びイブプロフェン錠200mg「タイヨー」の溶出性は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められた規格に適合していることが確認されている。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジドブジン
レトロビル
血友病患者において出血傾向が増強したとの報告がある。機序は不明である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること。本剤がワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる。
アスピリン製剤(抗血小板剤として投与している場合)アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。本剤が血小板シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる。
抗凝血剤
ワルファリン等
抗血小板剤
クロピドグレル等
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
フルボキサミン
パロキセチン
消化管出血が増強されるおそれがある。相互に作用を増強すると考えられる。
リチウム製剤
炭酸リチウム
リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告があるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること。本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる。
チアジド系利尿薬
ヒドロクロロチアジド
ループ利尿薬
フロセミド
これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある。本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、水・ナトリウムの体内貯留が生じるためと考えられる。
ACE阻害剤
エナラプリル等
β遮断剤
プロプラノロール等
降圧作用が減弱するおそれがある。本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、血管拡張作用及び水・ナトリウムの排泄が抑制されるためと考えられる。
タクロリムス水和物急性腎不全があらわれたとの報告がある。本剤のプロスタグランジン合成阻害作用による腎障害がタクロリムス水和物の腎障害を助長するためと考えられる。
ニューキノロン系抗菌剤
エノキサシン水和物等
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で併用により痙攣があらわれたとの報告がある。ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる。
メトトレキサートメトトレキサートの作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること。本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる。
コレスチラミン本剤の血中濃度が低下するおそれがある。コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であり、消化管内で本剤と結合して本剤の吸収が遅延・抑制されると考えられる。
スルホニル尿素系血糖降下剤
クロルプロパミド
グリベンクラミド
血糖降下作用を増強(低血糖)することがあるので、用量を調節するなど注意すること。本剤がこれらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、遊離型薬剤が増加するためと考えられる。
CYP2C9阻害作用を有する薬剤
ボリコナゾール
フルコナゾール
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害するためと考えられる。

重大な副作用 

(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少
再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、胃腸出血、潰瘍性大腸炎
消化性潰瘍、胃腸出血、潰瘍性大腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群
急性腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜炎
無菌性髄膜炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、項部硬直、発熱、頭痛、嘔気・嘔吐あるいは意識混濁等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[特にSLE又はMCTDの患者に発現しやすい]
肝機能障害、黄疸
肝機能障害[黄疸、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇等]、劇症肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
喘息発作
喘息発作を誘発することがあるので、喘鳴、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

頻度不明
血液注)血小板機能低下(出血時間の延長)
消化器食欲不振、嘔気・嘔吐、胃部不快感、腹痛、消化不良、下痢、口渇、口内炎、腹部膨満感、便秘
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、黄疸注)
過敏症注)発疹、そう痒感、蕁麻疹、湿疹、紫斑
感覚器霧視等の視覚異常注)、難聴、耳鳴、味覚異常
精神神経系頭痛、眠気、めまい、不眠、抑うつ
循環器血圧上昇、動悸、血圧低下
その他浮腫、倦怠感、発熱、鼻出血

注)発現した場合には投与を中止すること。

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