製品名 スープレン吸入麻酔液
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- 一般名
- Desflurane
- 薬効分類
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鎮静薬(麻酔薬含む)>全身吸入麻酔薬
- 価格
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1mL:42.5円/mL
- 製薬会社
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- 製造販売元(輸入元):バクスター株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 全身麻酔の維持
用法・用量
- 通常、成人には、デスフルランとして3.0%の濃度で開始し、適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、濃度を調節する。通常、成人では、亜酸化窒素の併用の有無にかかわらず、デスフルランとして7.6%以下の濃度で外科的手術に適切な麻酔深度が得られる。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤又は他のハロゲン化麻酔剤に対する過敏症の既往歴のある患者
- 悪性高熱の既往歴又は血族に悪性高熱の既往歴のある患者[悪性高熱があらわれやすいとの報告がある。]
- 副作用
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- 悪性高熱(頻度不明)
- 高炭酸ガス血症の初期症状、筋硬直、頻脈、頻呼吸、チアノーゼ、不整脈及び血圧変動等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウム水和物の静脈内投与、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正等適切な処置を行うこと。なお、本症については麻酔後にもみられることがあるので、患者の状態に注意すること。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。
- 高カリウム血症(頻度不明)
- 重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、筋ジストロフィー(特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー)が潜在する患者やスキサメトニウム塩化物水和物が併用されている場合に発生しやすいので注意すること。
- 重篤な不整脈(頻度不明)
- 心停止、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤の減量又は中止等適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症(頻度不明)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)増加、血中・尿中ミオグロビン増加等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による重篤な高カリウム血症、急性腎不全の発症に注意すること。
- ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
- ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下等異常があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
- 肝壊死、肝細胞融解性肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)等の著しい増加を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、短期間内に反復投与した場合、その頻度が増すとの報告がある。また、本剤と他のハロゲン化麻酔剤との間に交叉過敏性のあることが報告されている。
- 喉頭痙攣(頻度不明)
- 喉頭痙攣により換気困難な状況に陥る可能性がある。異常が認められた場合には、持続的気道陽圧、筋弛緩剤の使用等適切な処置を行うこと。特に、ラリンジアルマスク等の声門上器具使用中に喉頭痙攣が出現し、換気困難となった症例が報告されているため、注意すること。
- 注意
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次の患者には慎重に投与すること
- 脳に器質的障害のある患者[脳脊髄液圧を用量依存的に増加させるおそれがある。]
- 冠状動脈疾患のある患者[心拍数増加や血圧上昇をきたすことがあるため、十分な観察を行い、本剤の急激な増量を避けること。]
- 心疾患及び心電図異常のある患者[心停止、高度徐脈、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動があらわれるおそれがある(「重大な副作用3)」の項参照)。]
- 肝・胆道疾患のある患者[肝・胆道疾患が増悪するおそれがある。]
- 高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照。]
- 筋ジストロフィーのある患者[悪性高熱、重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれるおそれがある(「重大な副作用1)、4)」の項参照)。]
- スキサメトニウム塩化物水和物の静脈内投与により筋硬直がみられた患者[悪性高熱、重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれるおそれがある(「重大な副作用2)」の項参照)。]
- アドレナリン含有製剤を投与中の患者[併用により心筋のアドレナリンに対する感受性が亢進することが知られており、頻脈、不整脈等を起こすおそれがある(「3.相互作用」の項参照)。]
- 本剤の使用に際しては、麻酔技術に熟練した医師が、専任で患者の全身状態を注意深く監視すること。
- 本剤投与中は気道を確保し、血圧及び心拍数の変動に注意して呼吸・循環に対する観察・対応を怠らないこと。
- 麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
- 麻酔の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
- 本剤は気道刺激性が強いため、全身麻酔の維持にのみ使用し、導入には使用しないこと([臨床成績]の項参照)。
- 高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいので慎重に投与すること。
- 妊婦・授乳婦に対する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 子宮筋を弛緩させる可能性があるので、産科麻酔に用いる場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内臨床試験では使用経験がない)。
- 海外臨床試験において、幼児(6歳以下)のフェイスマスク又はラリンジアルマスクを用いた麻酔の維持に本剤を用いた場合、咳嗽、喉頭痙攣、分泌亢進等の呼吸器系の副作用が多く認められ、特に深麻酔下でラリンジアルマスクを抜去した場合にこれらの副作用があらわれやすいと報告されている。
- 日本人における薬物動態
- 日本人手術患者6例にデスフルラン6.0%を30分間吸入したとき、FA/FI(吸入濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、吸入開始3分後では0.702、吸入開始30分後では0.890に達した。また、FA/FA0(吸入中の最終終末呼気濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、吸入終了5分後では0.169、吸入終了30分後では0であった。また、血中デスフルラン濃度は終末呼気濃度(FA)とほぼ同様の推移を示し、吸入開始3分後にCmaxの8割程度に上昇し、その後は一定で推移した。
- 日本人におけるデスフルランの吸入開始後のFA/FIの推移
- 日本人におけるデスフルランの吸入終了後のFA/FA0の推移
- 日本人におけるデスフルランの吸入開始から手術終了時までのFA及び血中濃度の推移
- 外国人における薬物動態
- 外国健康成人8例に70%亜酸化窒素を30分間吸入後、65%亜酸化窒素併用下でデスフルラン2.0%、イソフルラン0.4%及びハロタン0.2%を30分間吸入したとき、吸入開始30分後のFA/FI(吸入濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、デスフルラン0.91、イソフルラン0.74、ハロタン0.58であり、デスフルランではイソフルラン及びハロタンと比べて高かった。また、吸入終了5分後のFA/FA0(吸入中の最終終末呼気濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、デスフルラン0.12、イソフルラン0.22、ハロタン0.25であり、デスフルランではイソフルラン及びハロタンと比較して低かった。
- 代謝・排泄
- デスフルランはほとんど代謝を受けずに呼気中に排泄される。