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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
  • ○骨巨細胞腫

用法・用量

  • <多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変>

    • 通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを4週間に1回、皮下投与する。
  • <骨巨細胞腫>

    • 通常、デノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回、皮下投与する。

禁忌 

【警告】

  • <効能共通>

    • 1.1 本剤の治療開始後数日から、重篤な低カルシウム血症があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されている。本剤の投与に際しては、頻回に血液検査を行い、観察を十分に行うこと。本剤による重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、血清補正カルシウム値が高値でない限り、カルシウム及びビタミンDの経口補充のもとに本剤を投与すること。[7.2参照]
    • 1.2 重度の腎機能障害患者では低カルシウム血症を起こすおそれが高いため、慎重に投与すること。[9.2.1参照]
    • 1.3 本剤投与後に低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの経口投与に加えて、緊急を要する場合には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。[11.1.1参照]
  • <骨巨細胞腫>

    • 1.4 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、骨巨細胞腫の診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低カルシウム血症の患者又は低カルシウム血症を起こすおそれのある患者
低カルシウム血症が発現又は増悪するおそれがある。[8.2参照]
9.1.2 肺転移を有する骨巨細胞腫患者
気胸が発現するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
低カルシウム血症を起こすおそれがある。本剤の第III相臨床試験では、クレアチニンクリアランス値が30mL/min未満の重度腎疾患患者及び透析の必要な末期腎不全患者は対象から除外されている。[1.2、17.3.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
動物実験では、サルに妊娠20日から分娩時まで本剤(50mg/kg/4週)を皮下投与した結果、死産の増加、出生児の分娩後死亡の増加、骨・歯の異常、末梢リンパ節の欠損が認められた。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有用性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤を投与した若齢サルにおいて、骨端成長板の異常が認められた。RANKL注)を阻害すると、ラット新生児の骨成長及び歯の萌出が抑制されることが示されている。[5.1参照]
注)RANKL:receptor activator for nuclear factor-κB ligand
9.7.2 骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者において、本剤治療中止後(数週間から数ヵ月後)に、急性腎障害、悪心・嘔吐等の臨床症状を伴う重篤な高カルシウム血症が発現した例が報告されている。[5.1参照]
9.8 高齢者
一般に、生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤はプラリアと同一成分(デノスマブ)を含むため、本剤投与中の患者にはプラリアの投与を避けること。
8.2 低カルシウム血症があらわれることがあるので、本剤投与開始前に、血清カルシウム、リン等の血清電解質濃度を測定すること。血清補正カルシウム値を確認し、低カルシウム血症が認められた場合には、低カルシウム血症を是正した後に、本剤の投与を開始すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.3 治療開始後数日から、低カルシウム血症があらわれることがある。本剤投与後は、患者の状態に注意し、頻回に血清カルシウム、リン等の血清電解質濃度を測定すること。[11.1.1参照]
8.4 顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあり、本剤の長期投与により顎骨壊死の発現率の増加が認められている。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。[11.1.2参照]
8.5 本剤又はビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、本剤の投与開始後にこのような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]
<多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変>
8.6 本剤の投与は、がん治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
冷蔵保存(2~8℃)下から室温に戻した後、使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 皮下注射は、上腕、大腿又は腹部に行うこと。
14.2.2 投与の際には、27ゲージの注射針の使用が推奨される。
14.2.3 注射針が血管内に刺入していないことを確認すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤によるグレード3又は4の副作用が発現した場合、グレード1以下に回復するまで休薬を考慮すること(グレードはCTCAEに準じる)。
7.2 本剤による重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、血清補正カルシウム値が高値でない限り、毎日少なくともカルシウムとして500mg(骨巨細胞腫の場合は600mg)及び天然型ビタミンDとして400IUの投与を行うこと。ただし、腎機能障害患者では、ビタミンDの活性化が障害されているため、腎機能障害の程度に応じ、ビタミンDについては活性型ビタミンDを使用するとともに、カルシウムについては投与の必要性を判断し、投与量を適宜調整すること。[1.1、17.1.1-17.1.5参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<骨巨細胞腫>
5.1 骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。[9.7.1、9.7.2、17.1.4、17.1.5参照]
5.2 患者の年齢、体重等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4、17.1.5参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)日本人乳癌骨転移患者に本剤60mg及び180mg注)を単回皮下投与したときの血清中デノスマブ濃度推移を図に、薬物動態パラメータを表に示す。血清中デノスマブのCmax及びAUCは、60~180mgの用量範囲でほぼ用量に比例して増加した。
単回皮下投与時の血清中濃度推移
血清中デノスマブの薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
nCmax
(ng/mL)
Tmaxa)
(日)
AUC0-t
(μg・日/mL)
t1/2,β
(日)
6067,730±3,1308(7~28)351±14424.7±2.44b)
180631,100±14,90010(4~28)1,320±64029.1±7.15b)
mean±SDa)中央値(最小値~最大値)b)n=5
(2)健康な日本人閉経後女性に本剤0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0mg/kg注)を単回皮下投与したとき、デノスマブは0.03~3.0mg/kgの用量範囲で非線形の薬物動態を示したが、1.0及び3.0mg/kgではCmax及びAUCはほぼ用量に比例して増加した。
血清中デノスマブの薬物動態パラメータ
投与量
(mg/kg)
nCmax
(ng/mL)
Tmaxa)
(日)
AUC0-t
(μg・日/mL)
0.03699.6±25.87.00(7~10)2.06±0.53
0.16492±16612.0(7~21)15.2±6.7
0.361,910±65814.0(7~21)84.3±20.1
1.068,690±2,17014.0(10~21)481±131
3.0627,400±7,88014.0(14~42)1,790±650
mean±SDa)中央値(最小値~最大値)
注)本剤の承認された用量は、120mgである。
16.1.2 反復投与
(1)日本人乳癌骨転移患者に本剤120mgを4週間に1回皮下投与したとき、血清中デノスマブ濃度トラフ値は投与6ヵ月後までに定常状態に達し(6ヵ月時点の平均値:約24,200ng/mL)、定常状態において約2倍の累積を示した。
4週間に1回皮下投与時の血清中濃度トラフ値の推移
(2)日本人骨巨細胞腫患者に本剤120mgを第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回、皮下投与したとき、血清中デノスマブ濃度トラフ値は投与1ヵ月後までに定常状態に達した(1ヵ月時点の平均値:約29,600ng/mL、6ヵ月時点の平均値:約26,700ng/mL)。
第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回皮下投与時の血清中濃度トラフ値の推移
16.2 吸収
健康な成人、低骨密度又は骨粗鬆症の閉経後女性及びがん患者に本剤を皮下投与したときの絶対バイオアベイラビリティは約62%であった(日本人及び外国人データ)注)
注)母集団薬物動態解析による推定値
16.3 分布
サルに125I標識した本剤1mg/kgを単回皮下投与したとき、組織中の放射活性は、投与部位と腋窩リンパ節を除き、血清中より低かった。血清に次いで鼠径リンパ節、脾臓、卵巣及び肺に高い放射活性が認められた。分布に関する明らかな性差は認められなかった。
16.4 代謝
本剤はヒトIgG2サブクラスに属するモノクローナル抗体であることから、他の免疫グロブリンと同様に生体内での異化により消失すると推察される。
16.5 排泄
サルに125I標識した本剤1mg/kgを単回皮下投与したとき、投与された放射能は投与後56日までに77.9%が尿中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)腎機能正常者12例及び腎機能障害患者43例(軽度腎疾患13例、中等度腎疾患13例、重度腎疾患9例、透析の必要な末期腎不全患者8例)に本剤60mg注)を単回皮下投与したとき、血清中デノスマブのCmax及びAUCに、腎機能障害の程度による明らかな差異は認められなかった(外国人データ)。[17.3.1参照]
注)本剤の承認された用量は、120mgである。
(2)重度腎疾患患者及び透析の必要な末期腎不全患者それぞれ16例に本剤120mgを第1日、第29日に皮下投与したとき、両群間で血清中デノスマブのCmax及びAUCに、明らかな差異は認められなかった(外国人データ)。[17.3.1参照]

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<効能共通>
11.1.1 低カルシウム血症(5.6%)
QT延長、痙攣、テタニー、しびれ、失見当識等の症状を伴う低カルシウム血症があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されている。低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの経口投与に加えて、緊急を要する場合には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。[1.3、8.2、8.3参照]
11.1.2 顎骨壊死・顎骨骨髄炎(1.8%)[8.4参照]
11.1.3 アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.4 大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折(頻度不明)[8.5参照]
11.1.5 治療中止後の多発性椎体骨折(頻度不明)
11.1.6 重篤な皮膚感染症(0.1%)
重篤な蜂巣炎等の皮膚感染症があらわれることがあるので、発赤、腫脹、疼痛、発熱等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
<骨巨細胞腫>
11.1.7 治療中止後の高カルシウム血症(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
血液貧血白血球減少、血小板減少
皮膚発疹、そう痒症、皮膚乾燥、脱毛症、多汗症、湿疹扁平苔癬
代謝低リン酸血症高カルシウム血症、低マグネシウム血症
精神神経系頭痛めまい、不眠症、錯感覚、味覚異常、感覚鈍麻、嗜眠、末梢性感覚ニューロパチー、錯乱
循環器高血圧、動悸、心不全、不整脈
呼吸器呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、気胸
消化器悪心、下痢、食欲減退、嘔吐、便秘、歯の障害(歯痛、歯膿瘍等)腹痛、歯肉障害(歯肉痛、歯肉炎等)、消化不良、口内乾燥、鼓腸、口内炎
筋骨格系関節痛、筋肉痛、骨痛、背部痛、顎痛、四肢痛筋骨格痛、筋痙縮、頸部痛、脊椎痛
肝臓ALT上昇、AST上昇、ALP上昇
腎臓血中クレアチニン増加腎機能障害
その他疲労、無力症、発熱、注射部位反応(疼痛、そう痒感、血腫等)インフルエンザ様疾患、疼痛、末梢性浮腫、体重減少、胸痛、ほてり、悪寒、上気道感染、倦怠感、尿路感染、視力障害、粘膜の炎症、体重増加、骨髄炎、流涙増加、白内障、薬物過敏症
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