製品名 アポカイン皮下注30mg

一般名
Apomorphine Hydrochloride Hydrate
薬効分類
パーキンソン病・認知症治療薬
 >ドパミンアゴニスト:非麦角系
価格
30mg3mL1筒:7766円/筒

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • パーキンソン病におけるオフ症状の改善(レボドパ含有製剤の頻回投与及び他の抗パーキンソン病薬の増量等を行っても十分に効果が得られない場合)

用法・用量

  • パーキンソン病におけるオフ症状の発現時に皮下投与する。通常、成人にはアポモルヒネ塩酸塩として1回1mgから始め、以後経過を観察しながら1回量として1mgずつ増量し、維持量(1回量1~6mg)を定める。その後は、症状により適宜増減するが、最高投与量は1回6mgとする。
禁忌

【警告】

  • 前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあるので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明すること。本剤投与中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 重度の肝機能不全患者(Child-Pugh class C等)
副作用
突発的睡眠(頻度不明注))、傾眠(21.2%)
前兆のない突発的睡眠、傾眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
QT延長(頻度不明注))、失神(頻度不明注)
QT延長、失神があらわれることがあるので、このような場合には、投与中止等の適切な処置を行うこと。
狭心症(1.0%)
狭心症(血圧の低下および薬効による身体運動増加による)があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
血圧低下(7.1%)、起立性低血圧(4.0%)
血圧低下、起立性低血圧があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
幻視(6.1%)、幻覚(1.0%)、幻聴(1.0%)、妄想(1.0%)
幻視、幻覚、幻聴、妄想があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
注)外国で報告されており、国内でも発生が予測される副作用
注意

次の患者には慎重に投与すること

幻覚等の精神症状又はそれらの既往歴のある患者[症状が増悪又は発現しやすくなることがある。]
重篤な心血管系疾患又はそれらの既往歴のある患者[血圧の低下により冠状動脈や脳の虚血状態を悪化させるおそれがある。]
肝障害又は腎障害のある患者[血中濃度上昇により副作用が発現しやすくなるおそれがある。](「薬物動態」の項参照)
不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者又はQT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者[本剤の投与によりQTが延長する可能性がある。](「重要な基本的注意」、「相互作用」、「重大な副作用」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
低体重の患者[血中濃度上昇により副作用が発現しやすくなるおそれがある。]
突発的睡眠、傾眠がみられることがある。海外において、突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の睡眠のような前兆を認めなかった例が報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明すること。本剤投与中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
海外において本剤を投与した患者で、QT延長、失神、突然死が報告されている。特にQT延長症候群の患者や電解質異常(低カリウム血症等)のある患者、うっ血性心不全の患者、QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者又は高用量の本剤を投与中の患者では、重篤な不整脈の発現に注意して観察を十分に行うこと。(「慎重投与」、「相互作用」、「重大な副作用」の項参照)
血圧低下及び起立性低血圧がみられることがあるので、めまい、ふらつき、立ちくらみ等の症状が認められた場合には、必要に応じて減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。まれに急激な血圧低下によると考えられる失神を起こすことがあるので、このような場合には、必要に応じて投与中止等の適切な処置を行うこと。
幻覚、錯乱等の精神症状、ジスキネジー等の副作用が発現することがあるため、これらの副作用があらわれた場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
自己投与の適用については、パーキンソン病治療に対する十分な経験を有する医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。適用後、自己投与の継続が困難な場合には、直ちに投与中止等の適切な処置を行うこと。
ラット及びマウスを用いたがん原性試験において、投与部位の腫瘍(肉腫、線維腫)の増加が報告されている。投与開始に先立ち、患者又はその家族に投与局所における腫瘍発生のリスクを十分に説明すること。また、投与中に結節、腫瘤等の皮膚の異常が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導すること。(「その他の注意」の項参照)
保存時
使用開始後も室温に保存し、14日以内に使用すること。
投与時
本剤は皮下投与でのみ使用し、注射部位を上腕、大腿、腹部として、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰り返し注射しないこと。
その他
本剤は、必ず専用の注入器を用いて使用すること。
在宅自己注射を行う前に、専用の注入器の取扱説明書を読む機会を患者に設け、使用方法について十分に理解を得ること。
本剤のカートリッジの薬液中に浮遊物がみられる場合や、使用中に液が変色した場合は使用しないこと。
本剤のカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
本剤のカートリッジに薬液を補充してはならない。
1本のカートリッジを複数の患者に使用しないこと。
各投与の間には、少なくとも2時間の間隔をおくこと。
1日の投与回数の上限は5回とする。[日本人で1日5回を超えた投与の使用経験が少ない。]
本剤の投与は「用法・用量」に従い、少量から始め、消化器症状(悪心、嘔吐等)、傾眠、血圧等の観察を十分に行い、慎重に増量して維持量を定めること。消化器症状(悪心、嘔吐等)が認められた場合は、必要に応じて制吐剤(ドンペリドン等)の使用も考慮すること。
注射部位に硬結、そう痒等が認められることがあるので、投与ごとに注射部位を変えること。(「適用上の注意」の項参照)
本剤は、オン状態では既存の治療薬で自立的活動が可能であるが、オフ状態では自立的活動が制限され、日常生活に支障をきたす患者に対して使用すること。
高齢者では、血中濃度が上昇するおそれがある。また、臨床試験において高齢者に血圧低下等の副作用の発現率が高い傾向が認められているので注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい。[妊娠中の婦人に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。なお、動物実験(ラット)で胚あるいは胎児への移行が報告されている。また、動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、出生児の低体温、削痩、生存率の低下及び体重の低値が認められている。]
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で母乳中への移行が認められている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
血中濃度
単回投与
健康成人男性にドンぺリドン(制吐剤)併用下で、本剤1、2及び3mgを単回皮下投与した場合、血漿中アポモルヒネ濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである(測定法:LC/MS/MS法)。
薬物動態パラメータ
投与量
(例数)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
T1/2
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
1mg
(n=5)
3.330±1.2350.267±0.0910.768±0.1993.448±1.067
2mg
(n=6)
7.826±2.3200.336±0.1110.694±0.2507.223±1.682
3mg
(n=6)
11.95±3.700.278±0.0860.989±0.13012.722±2.355
mean±S.D.
反復投与
パーキンソン病患者8名にドンペリドン(制吐剤)併用下で、本剤2~6mgを2時間ごとに3回反復皮下投与した場合、いずれの患者でも蓄積性は認められなかった。
また、パーキンソン病患者54名に各患者の維持用量(本剤1~6mg)を1~5回/日で12~52週間反復皮下投与した場合、各患者の投与後20~40分の血漿中アポモルヒネ濃度(Cmax)は反復投与期間中を通して大きな変化は認められなかった。
用量比例性
パーキンソン病患者89名に本剤を反復皮下投与して維持用量を決定し、維持用量(1~6mg)群別に1mgから維持用量までの用量比例性を検討した。いずれの維持用量群においても投与後20~40分の血漿中アポモルヒネ濃度(Cmax)は投与量に比例して増加した。
維持用量3mg群(22名)における投与量とCmaxの関係
血漿蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は90.4~93.6%であった。
代謝、排泄
健康成人6名にtrimethobenzamide注)(制吐剤)併用下で、14C標識アポモルヒネ塩酸塩2mgを単回皮下投与したとき、投与後144時間までに投与放射能の91.3%(尿中86.7%、糞中4.56%)が排泄された。投与後0.5時間の血漿中には未変化体が約8%認められた。主代謝物は硫酸抱合体(約83%)であった。尿中に未変化体は認められず、主代謝物は硫酸抱合体であった(外国人のデータ)。
肝障害患者における薬物動態
健康成人及び肝障害(Child-Pugh分類による中等度の肝障害(7名)及び重度の肝障害(1名))患者にtrimethobenzamide注)(制吐剤)併用下で、本剤3mgを単回皮下投与した場合、薬物動態パラメータは下記のとおりである。肝障害患者のCmax及びAUC0-∞は、健康成人に比べて約25%及び約10%高い値を示した(外国人のデータ)。
薬物動態パラメータ
投与対象
(例数)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
T1/2
(h)
CL/F
(L/h)
健康成人
(n=8)
3.854±1.7310.645±0.2716.971±1.1671.029±0.237531.9±266.5
肝障害患者
(n=8)
4.848±2.1570.604±0.3177.833±2.2310.969±0.356501.5±277.8
mean±S.D.
腎障害患者における薬物動態
健康成人及び腎障害(クレアチニンクリアランス推定値に基づく中等度の障害)患者にtrimethobenzamide注)(制吐剤)併用下で、本剤2mg(健康成人4名及び腎障害患者1名)又は3mg(健康成人4名及び腎障害患者7名)を単回皮下投与した場合、薬物動態パラメータは下記のとおりである。腎障害患者のCmax及びAUC0-∞は、健康成人に比べて約50%及び約16%高い値を示した(外国人のデータ)。
薬物動態パラメータ
投与対象
(例数)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
T1/2
(h)
CL/F
(L/h)
健康成人
(n=8)
4.967±1.8770.560±0.1787.723±2.0310.941±0.429422.2±153.8
腎障害患者
(n=8)
7.777±3.4980.490±0.2828.982±2.7770.828±0.334361.7±104.3
*:2mgを投与した健康成人及び腎障害患者については3mg投与換算値mean±S.D.
注)国内未承認