製品名 レキップCR錠2mg
レキップCR錠8mg
個人契約のトライアルまたはお申込みで全コンテンツが閲覧可能
- 一般名
- Ropinirole Hydrochloride
- 薬効分類
-
パーキンソン病・認知症治療薬>ドパミンアゴニスト:非麦角系
- 価格
-
2mg1錠:222.8円/錠
8mg1錠:760.2円/錠
- 製薬会社
-
- 製造販売元:グラクソ・スミスクライン株式会社
-
効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- パーキンソン病
用法・用量
- 通常、成人にはロピニロールとして1日1回2mgから始め、2週目に4mg/日とする。以後経過観察しながら、必要に応じ、2mg/日ずつ1週間以上の間隔で増量する。いずれの投与量の場合も1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量16mgを超えないこととする。
- 禁忌
-
【警告】
- 前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。(「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照)
【禁忌】次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 副作用
-
- 突発的睡眠、極度の傾眠
- 前兆のない突発的睡眠(1.8%)、極度の傾眠(頻度不明注1))があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
- 幻覚、妄想、興奮、錯乱、譫妄
- 幻覚(13.7%)、妄想、興奮、錯乱(頻度不明注1))、譫妄(0.6%)等の精神症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
- 悪性症候群(0.3%)
- 本剤の投与後、減量後又は中止後に、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。なお、投与継続中にも同様の症状があらわれることがある。
- 注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
- 注意
-
慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往のある患者[症状が増悪又は発現しやすくなることがある。]
- 重篤な心疾患又はその既往歴のある患者[本剤は薬理作用から心拍数低下を起こす可能性がある。]
- 低血圧症の患者[症状が悪化することがある。]
- 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者[本剤は主として腎臓で排泄される。また、これらの患者での使用経験はなく安全性は確立されていない。なお、血液透析を受けている患者に対して、透析による用量調節の必要性はない。]
- 肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝される。また、これらの患者での使用経験はなく安全性は確立されていない。重度の肝障害のある患者では、維持用量が決定するまではより低用量の用量調節が可能な速放錠である「レキップ錠0.25mg、同1mg、同2mg」を用いることも考慮すること。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
- 突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されていることから、患者には突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。なお、海外において突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。(「副作用」の項参照)
- 起立性低血圧がみられることがあるので、本剤の投与は少量から始め、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の徴候や症状が認められた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
- 本剤を他の抗パーキンソン剤と併用した場合、ジスキネジー、幻覚、錯乱等の副作用が発現しやすくなる可能性があるため、これらの副作用があらわれた場合には減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「副作用」の項参照)
- 本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等の悪性症候群があらわれることがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等の症状を特徴とする)があらわれることがある。(「副作用」の項参照)
- レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
- 本剤は24時間かけて有効成分を放出し、溶解するよう設計されているので、腸切除の既往、人工肛門造設術、下痢等の影響で、本剤の消化管内滞留時間が短くなったと考えられる場合、又は糞便中に本剤の残留物が確認された場合には、本剤の効果が十分に得られないおそれがある。
- 本剤の有効成分は速放錠である「レキップ錠0.25mg、同1mg、同2mg」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。また、レキップ錠(速放錠)から本剤へ切り替える場合には、翌日から切り替え可能であるが、十分に患者の状態を観察すること。切り替えに際しては、「臨床成績」の項を参考に用量を選択すること。
適用上の注意
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
- 服用時
- 本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用するよう指導すること。
用法用量に関連する使用上の注意
- 本剤の投与は「用法・用量」に従い少量から始め、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行い、忍容性をみながら慎重に増量し患者ごとに適切な維持量を定めること。また、本剤投与中止後再投与する場合にも少量から開始することを考慮すること。
- 一般に空腹時投与において悪心、嘔吐等の消化器症状が多く発現する可能性があるため、食後投与が望ましい。
- 本剤はできるだけ同じ時間帯に服用するよう指導すること。
高齢者への投与
- 臨床試験において高齢者に幻覚等の精神症状が多くみられたので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で胎児毒性(体重減少、死亡数増加及び指の奇形)が報告されている。]
- 授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[臨床試験で本剤投与後に血漿中プロラクチン濃度の低下が認められたため、乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
- 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
薬物動態
- 血中濃度
- L-dopa製剤非併用のパーキンソン病患者にレキップCR錠2~16mgを普通食摂食後に反復経口投与した時の血漿中ロピニロールのトラフ濃度はほぼ用量比例的に増加した。投与量で補正した血漿中ロピニロール濃度は投与後7時間にCmax(1.63±0.46ng/mL/mg)に達し、AUC0-24は28.28±7.88ng・hr/mL/mgであった。また、薬物動態に食事の影響はみられなかった。
- 表-1 L-dopa製剤非併用パーキンソン病患者に本剤2~16mgを普通食摂食後に反復経口投与した時の血漿中ロピニロールのトラフ濃度
投与量(mg) 例数(n) トラフ濃度(ng/mL) 2 61 1.81±1.76 4 58 3.53±1.75 6 1 3.82 8 61 7.60±5.51 10 17 9.77±3.24 12 12 11.97±7.21 14 9 12.58±5.59 16 12 15.47±8.29 平均値±標準偏差 - 図-1 L-dopa製剤非併用時のパーキンソン病患者にレキップCR錠8~16mgを反復経口投与した時の血漿中ロピニロール濃度推移(投与量で補正)
- 表-2 L-dopa製剤非併用のパーキンソン病患者にレキップCR錠8~16mgを反復経口投与した時の血漿中ロピニロールの薬物動態パラメータ(投与量で補正)
投与条件 Cmax(ng/mL/mg) AUC0-24(ng・hr/mL/mg) 摂食後 1.63±0.46 28.28±7.88 絶食下 1.64±0.61 28.91±10.37 平均値±標準偏差(n=10)
- 早期パーキンソン病患者にレキップCR錠の8mgを1日1回4~7日間経口投与した時の定常状態におけるTmaxの中央値は約6時間であり、レキップ錠(速放錠)の2.5mgを1日3回4~7日間経口投与した時の血漿中ロピニロールの曝露量に対するレキップCR錠の相対的バイオアベイラビリティは88%以上であった(外国人のデータ)。
- L-dopa製剤非併用のパーキンソン病患者にレキップCR錠2~16mgを普通食摂食後に反復経口投与した時の血漿中ロピニロールのトラフ濃度はほぼ用量比例的に増加した。投与量で補正した血漿中ロピニロール濃度は投与後7時間にCmax(1.63±0.46ng/mL/mg)に達し、AUC0-24は28.28±7.88ng・hr/mL/mgであった。また、薬物動態に食事の影響はみられなかった。
- 代謝・排泄
- 健康成人男性にロピニロール0.1、0.2及び0.4mgを単回経口投与した時の投与後24時間までのロピニロール及び主代謝物の尿中排泄率は以下のとおりであった。
- 表-3 健康成人男性にロピニロール0.1~0.4mgを投与した時の尿中排泄率(投与量に対する%:ロピニロール換算)
投与量(mg) ロピニロール 主代謝物 合計 0.1 6.4±2.9 35.3±11.2 41.7±12.1 0.2 9.7±5.8 40.3±13.9 50.0±13.2 0.4 3.3±0.9 39.3±6.4 42.6±6.5 平均値±標準偏差(n=9)
- 健康成人男性に、14C標識体0.6mgを単回経口投与した時の投与後48時間までの総放射能排泄率は、尿中に86.1±3.1%、糞中に0.6±0.5%(n=4)であった(外国人のデータ)。
- 健康成人男性にロピニロール0.1、0.2及び0.4mgを単回経口投与した時の投与後24時間までのロピニロール及び主代謝物の尿中排泄率は以下のとおりであった。
- その他の薬物速度論的パラメータ
- 血漿蛋白結合率
- 35~42%(in vitro)