製品名 ストラテラカプセル5mg
ストラテラカプセル10mg
ストラテラカプセル25mg
ストラテラカプセル40mg

一般名
Atomoxetine Hydrochloride
薬効分類
中枢神経薬(その他)
 >AD/HD治療薬
価格
5mg1カプセル:272.5円/カプセル
10mg1カプセル:324.7円/カプセル
25mg1カプセル:409.5円/カプセル
40mg1カプセル:461.2円/カプセル

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

用法・用量

  • 18歳未満の患者

    • 通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kgより開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量した後、1日1.2~1.8mg/kgで維持する。
      ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日2回に分けて経口投与する。
      なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと。
  • 18歳以上の患者

    • 通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80~120mgで維持する。
      ただし、1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日1回又は1日2回に分けて経口投与する。
      なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mgを超えないこと。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[「相互作用」の項参照]
  • 重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。「重要な基本的注意」「その他の注意」の項参照]
  • 褐色細胞腫又はその既往歴のある患者[急激な血圧上昇及び心拍数増加の報告がある。]
  • 閉塞隅角緑内障の患者[散瞳があらわれることがある。]
副作用
肝機能障害、黄疸、肝不全(頻度不明)
肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(頻度不明)
血管神経性浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注意

次の患者には慎重に投与すること

肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)]
腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
痙攣発作又はその既往歴のある患者[痙攣をおこすことがある。]
心疾患(QT延長を含む)又はその既往歴のある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]
先天性QT延長症候群の患者又はQT延長の家族歴のある患者[QT延長を起こすおそれがある。]
高血圧又はその既往歴のある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]
脳血管障害又はその既往歴のある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]
起立性低血圧の既往歴のある患者[本剤の投与による起立性低血圧の報告がある。]
下記の精神系疾患のある患者[行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。]
精神病性障害、双極性障害
排尿困難のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対して、本剤の治療上の位置づけ及び本剤投与による副作用発現等のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用方法について指導すること。
本剤を長期間投与する場合には、必要に応じて休薬期間を設定するなどして、定期的に有用性の再評価を実施すること。
臨床試験で本剤投与中の小児患者において、自殺念慮や関連行動が認められているため、本剤投与中の患者ではこれらの症状の発現について注意深く観察すること。[「その他の注意」の項参照]
攻撃性、敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性、敵意の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動、敵意の発現又は悪化について観察すること。[「その他の注意」の項参照]
通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往がない患者において、幻覚等の精神病性又は躁病の症状が報告されている。このような症状の発現を認めたら、本剤との関連の可能性を考慮すること。投与中止が適切な場合もある。
眠気、めまい等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に、血圧及び心拍数(脈拍数)を測定すること。[「禁忌」「慎重投与」「その他の注意」の項参照]
本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので、本剤を心血管障害のある患者に投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討すること。また、患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、若しくはその可能性が示唆される患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。[「禁忌」「慎重投与」「その他の注意」の項参照]
小児において本剤の投与初期に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。本剤の投与中は患児の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくないときは減量又は投与の中断等を考慮すること。[「小児等への投与」の項参照]
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
眼球刺激性があるため、カプセル剤を開けて服用しないよう指導すること。カプセル内容物が眼球に付着した場合はすぐに水で洗浄し、医師に相談するよう指導すること。また、手やその他の付着した可能性のある箇所は、すぐ水で洗浄するよう指導すること。
CYP2D6阻害作用を有する薬剤を投与中の患者又は遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすいおそれがあるため、投与に際しては忍容性に問題がない場合にのみ増量するなど、患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること。[「相互作用」及び「薬物動態」の項参照]
中等度(Child-Pugh Class B)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の50%に減量すること。また、重度(Child-Pugh Class C)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の25%に減量すること。[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
6歳未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。[「臨床成績」の項参照]
AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM注))等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
注)Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
高齢者に対する有効性及び安全性は確立していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)において胎盤通過性が認められている。]
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において乳汁中への移行が認められている。]
低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児に対する有効性及び安全性は確立していない。[6歳未満の小児等を対象とした試験は、実施されていない。]
投与初期に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。[「重要な基本的注意」の項参照]
<CYP2D6の遺伝子型の解析>
本臨床評価に際し、CYP2D6活性を遺伝子型により分類し、不活性型アレルをホモで有する場合を不活性(Poor Metabolizer、PM)、それ以外を通常活性(Extensive Metabolizer、EM)と定義した。日本人ではPMの割合が少ないことから、EMを更に細分化し、CYP2D6の活性が低下した遺伝子が関連するIntermediate Metabolizer(IM)を定義した。
≪遺伝子に基づいたCYP2D6分類≫
CYP2D6
表現型
CYP2D6
表現型の詳細分類
CYP2D6遺伝子型注1)
(アレル/アレル)
PMPM不活性型/不活性型
EMUM(Ultra rapid Metabolizer)通常活性型/通常活性型注2)
EM通常活性型/通常活性型
IM通常活性型/活性低下型
通常活性型/不活性型
活性低下型/活性低下型
活性低下型/不活性型
注1)通常活性型:1(野生型)2,35活性低下型:9,10,17,29,41不活性型:3,4,5,6,7,8,11,12,14/14A,15,19,20,21,36,40注2)通常活性型を3以上有する場合
血漿中濃度
単回投与
CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン10、40、90又は120mgを単回経口投与注)したときの最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度曲線下面積(AUC)は、投与量に比例して増加した。
≪CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン10、40、90又は120mgを単回経口投与したときの血漿中アトモキセチン濃度(標準偏差)≫
≪CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチンを単回経口投与したときのアトモキセチンの薬物動態学的パラメータ[算術平均値(CV%)]≫
投与量AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)注1)
T1/2
(hr)注2)
CL/F
(L/hr)
10mg(n=22)0.574(70.2)110.53(33.2)1.25
(0.50~2.00)
3.46
(1.85~6.61)
22.93(43.0)
40mg(n=21)2.51(68.5)478.36(33.5)1.00
(0.50~4.00)
4.12
(2.09~7.06)
21.18(47.0)
90mg(n=20)5.30(54.2)920.03(33.1)1.75
(0.50~6.00)
4.01
(2.16~7.03)
20.50(39.3)
120mg(n=19)6.43(37.5)1086.23(30.6)1.00
(0.50~4.00)
4.27
(2.86~6.23)
21.43(38.7)
注1)Tmax:中央値(範囲)注2)T1/2:算術平均値(範囲)
反復投与
CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン1回40mg又は60mgを1日2回7日間反復経口投与注)したときの血漿中濃度は、初回投与約1時間後にそれぞれCmax427.34ng/mL及び615.52ng/mLに達した。反復投与開始から約24時間で定常状態に達すると予測され、反復投与時において最終投与約1時間後にCmax604.52ng/mL及び874.33ng/mLに達した。
≪CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチンを反復経口投与したときのアトモキセチンの薬物動態学的パラメータ[算術平均値(CV%)]≫
投与量投与AUC0-12
(μg・hr/mL)
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)注1)
40mg(n=10)初回1.95(38.3)427.34(33.9)1.25
(0.50~2.00)
40mg(n=10)反復2.47(42.0)注2)604.52(35.3)1.00
(0.50~1.50)
60mg(n=10)初回3.14(41.6)615.52(32.3)1.00
(1.00~2.00)
60mg(n=9)反復3.73(41.8)注2)874.33(26.2)1.00
(0.50~2.00)
注1)Tmax:中央値(範囲)注2)AUC0-t
成人と患児の薬物動態比較(外国人での成績)
CYP2D6 EM健康成人と患児(7~14歳)の薬物動態を比較した結果を示した。患児と成人のCmax(投与量を体重で補正)及び消失半減期は同程度であることが示された。体重補正したクリアランスと分布容積にも両者間で大きな違いは認められなかった。
≪CYP2D6 EM AD/HD患児群とCYP2D6 EM健康成人群(臨床薬理試験統合解析)のアトモキセチンの薬物動態学的パラメータの比較(最小二乗幾何平均値)≫
集団Cmax注1)
(ng/mL)/(mg/kg)
Cmax,ss注1)
(ng/mL)/(mg/kg)
T1/2(hr)CL/F
(L/hr/kg)
Vz/F
(L/kg)
患児EM5125243.190.4352.01
成人EM5696673.560.3521.82
注1)体重当たりの投与量で補正した。
吸収(外国人での成績)
CYP2D6 EM及びPM健康成人における絶対的生物学的利用率はそれぞれ約63%及び94%であった。
分布
アトモキセチン静脈内投与後の分布容積は0.85L/kg(CYP2D6 EM健康成人)及び0.91L/kg(CYP2D6 PM健康成人)であり、主に全体液中に広く分布すると考えられた(外国人での成績)。
アトモキセチン濃度150~3000ng/mLの範囲において、in vitroヒト血漿蛋白結合率は約98%であり、主にアルブミンに結合する。
代謝
アトモキセチンは主に薬物代謝酵素CYP2D6によって代謝される。主要酸化代謝物は4-ヒドロキシ体であり、これはすぐにグルクロン酸抱合化される。4-ヒドロキシ体はアトモキセチンとほぼ同等のノルアドレナリン取り込み阻害作用を有するが血漿中濃度は非常に低い。4-ヒドロキシ体は主にCYP2D6により生成されるが、CYP2D6活性が欠損していても、他の数種のCYP酵素から低速ながら生成される(外国人での成績)。また、CYP2D6活性が欠損した被験者から得たヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験では、アトモキセチンとCYP2D6阻害剤を併用しても4-ヒドロキシ体生成に対して阻害は認められなかった。ヒト肝ミクロソーム及び培養肝細胞を用いたin vitro試験により、アトモキセチンはCYP1A2又はCYP3Aを誘導しないこと、CYP1A2、CYP3A、CYP2D6又はCYP2C9を阻害しないことが確認された。
排泄(外国人での成績)
健康成人統合解析におけるアトモキセチンの平均消失半減期は、CYP2D6 EM及びPMでそれぞれ3.6時間及び20.6時間であった。
健康成人にアトモキセチン1回20mgを1日2回5日反復経口投与注)した後に、14C標識アトモキセチン20mgを単回経口投与したときの放射能は、CYP2D6 EMでは投与後168時間以内に投与量の約96%が尿中にほとんど代謝物として排泄され、糞中には約2%が排泄された。
CYP2D6 PMでは、投与後264時間以内に投与した放射能の約80%が尿中にほとんど代謝物として排泄され、糞中には約17%が排泄された。また、尿中から回収された放射能のうち、未変化体は約1%(EM)及び約2%(PM)であり、主代謝物の4-ヒドロキシアトモキセチン-O-グルクロン酸抱合体は84%(EM)及び31%(PM)であった。
≪外国人健康成人男性に14C-アトモキセチン20mgを単回経口投与後の放射能の累積排泄率(%)[算術平均値±標準誤差]≫
尿尿糞
EM(n=4)注1)95.81±2.161.67±0.3297.48±1.92
PM(n=3)注2)79.92±2.3916.91±2.5096.83±1.09
注1)14C-アトモキセチン投与後168時間まで採取した検体で評価注2)14C-アトモキセチン投与後264時間まで採取した検体で評価
食事の影響(外国人での成績)
CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン40mg又は60mgを空腹時又は食後に単回経口投与注)したとき、高脂肪食摂取によって空腹時に比べCmaxは37%減少し、Tmaxは約2時間遅延したが、AUCには差は認められなかった。CYP2D6 EM患児における母集団薬物動態解析の結果では、食事によるCmaxの減少は9%であった。
腎機能障害時の血漿中濃度(外国人での成績)
CYP2D6 EMの成人腎不全患者にアトモキセチン20mgを単回経口投与注)したとき、末期腎不全患者において、健康成人に比較して64%のAUCの増大が認められたが、体重で補正した投与量に換算することによって、その差は24%になった。
≪健康成人と成人腎不全患者のアトモキセチンの薬物動態学的パラメータ(最小二乗幾何平均値)≫
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)/(mg/kg)注1)
Cmax
(ng/mL)
Cmax
(ng/mL)/(mg/kg)注1)
健康成人(n=6)0.4692.2686.0415
腎不全患者(n=6)0.7692.8092.2336
注1)体重当たりの投与量で補正した。
肝機能障害時の血漿中濃度(外国人での成績)
CYP2D6 EMの成人肝硬変患者にアトモキセチン20mgを単回経口投与注)したとき、中等度(Child-Pugh Class B)及び重度(Child-Pugh Class C)肝硬変患者において、それぞれ健康成人と比較してAUCが約2倍及び約4倍に増大した。
≪健康成人と成人肝硬変患者のアトモキセチンの薬物動態学的パラメータ[算術平均値(CV%)]≫
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)注1)T1/2(hr)注2)CL/F(L/hr/kg)
健康成人(n=10)0.706(67.9)142(36.0)1.02(0.50~1.55)4.26(2.35~8.03)0.506(53.5)
中等度肝硬変患者(n=6)1.17(36.7)116(55.2)3.27(0.50~6.00)11.0(7.85~17.9)0.208(28.1)
重度肝硬変患者(n=4)2.73(63.0)126(44.8)5.98(0.50~12.02)16.0(7.21~26.3)0.155(78.5)
注1)Tmax:中央値(範囲)注2)T1/2:算術平均値(範囲)
CYP2D6遺伝子多型の薬物動態に及ぼす影響
外国のPM健康成人では、EM健康成人に比較して、定常状態の本剤の平均血漿中濃度(Cav,ss)が約10倍、定常状態のCmax,ssが約5倍高値であった。
≪外国人健康成人における臨床薬理試験統合解析から得られたアトモキセチンの薬物動態学的パラメータ(幾何平均値(被験者間CV%))≫
遺伝子型Cav,ss
(ng/mL)/(mg/kg)注1)
Cmax,ss
(ng/mL)/(mg/kg)注1)
Tmax(hr)注2)T1/2(hr)CL/F(L/hr/kg)
EM(n=223)249(58.5)667(41.3)1.00(0.50,2.00)3.56(27.5)0.352(55.7)
PM(n=28)2540(14.0)3220(11.3)2.50(1.00,6.00)20.6(17.3)0.0337(18.8)
注1)体重当たりの投与量で補正した。注2)Tmax:中央値(10パーセント点,90パーセント点)
日本人において、EMを更に3つに分類した場合(UM、EM及びIM注1))、IM注1)のAUCの算術平均値はEM注1)に比べて約1.4倍高値であった。なお、日本人にはUMは該当がなかった。
≪日本人CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン120mgを単回経口投与したときのアトモキセチンの薬物動態学的パラメータ[算術平均値(CV%)]≫
遺伝子型AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
T1/2(hr)注2)
EM注1)(n=5)4.95(39.4)861(23.3)3.87(2.85-4.87)
IM注1)(n=14)6.96(34.4)1170(28.9)4.41(3.04-6.23)
注1)表≪遺伝子に基づいたCYP2D6分類≫CYP2D6表現型の詳細分類に従って分類した。注2)T1/2:算術平均値(範囲)
薬物相互作用
蛋白結合率の高い薬剤との併用(in vitro試験)
アトモキセチンは、治療濃度のアセチルサリチル酸、ジアゼパム、フェニトイン、ワルファリンのヒト血漿蛋白結合率に影響を及ぼさなかった。同様に上記薬剤は、アトモキセチンのヒト血漿蛋白結合率に影響を及ぼさなかった。
メチルフェニデートとの併用(外国人での成績)
CYP2D6 EM健康成人にメチルフェニデート60mgを1日1回5日間経口投与し、アトモキセチン60mgを3、4、5日目に1日2回3日間経口投与注)したとき、アトモキセチンとメチルフェニデートの併用により、メチルフェニデート単剤投与時に認められた心拍数及び収縮期・拡張期血圧への影響は増強しなかった。
吸入サルブタモールとの併用(外国人での成績)
CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン80mgを1日1回経口投与時注)の定常状態で、サルブタモール200μgを吸入投与したとき、アトモキセチンと吸入サルブタモール併用により心拍数及び血圧への影響が認められたが、わずかであった。アトモキセチン存在下及び非存在下で吸入サルブタモールを反復投与した後も心拍数は変化しなかった。
サルブタモール静脈内投与との併用(外国人での成績)
CYP2D6 EM健康成人においてアトモキセチン60mgを1日2回5日間経口投与注)し、サルブタモールを1、3、5日目に5μg/minの流速で2時間かけて静脈内投与したとき、サルブタモール静脈内投与に起因する心拍数及び収縮期血圧を含む心血管変化に増強が認められた。
CYP2D6阻害剤との併用(外国人での成績)
CYP2D6 EMの健康成人にパロキセチン20mgを1日1回経口投与時の定常状態で、アトモキセチン20mgを1日2回反復経口投与注)したとき、パロキセチンとの併用により、定常状態におけるアトモキセチンのCmax及びAUCはそれぞれ約3.5倍及び約6.5倍に増加し、そのときの血中濃度はCYP2D6 PM健康成人に本剤を単剤投与したときの血中濃度と同程度であった。
≪アトモキセチン単剤又はパロキセチンと併用投与したときのアトモキセチンの薬物動態パラメータ(最小二乗幾何平均値)≫
AUC0-12
(μg・hr/mL)
Cmax(ng/mL)T1/2(hr)
アトモキセチン単剤(n=21)0.771733.92
パロキセチン併用(n=14)5.0161210.0
CYP2D6 EM健康成人にフルオキセチン(国内未承認)60mgを1日1回で7日間経口投与、次に20mgを1日1回14日間投与、最後に20mg1日1回とアトモキセチン(10、45、75mg)1日2回を15日間投与注)したとき、EM被験者では、フルオキセチンを併用することによりPM被験者に近いアトモキセチンの血漿中濃度が認められた。
胃のpHに影響する薬剤との併用(外国人での成績)
CYP2D6 EM健康成人にアトモキセチン40mg単回経口投与注)、あるいはオメプラゾール80mg又はマグネシウム/アルミニウム水酸化物20mLを併用投与したとき、アトモキセチンの生物学的利用率は変化しなかった。
ミダゾラムとの併用(外国人での成績)
CYP2D6 PM健康成人にアトモキセチン60mgを1日2回12日間経口投与注)し、CYP3A4の基質であるミダゾラム5mgを単回経口投与したとき、ミダゾラムのCmaxとAUC0-∞は約16%増加したが被験者内変動に含まれるものであった。
エタノールとの併用(外国人での成績)
CYP2D6 EM健康成人及びCYP2D6 PM健康成人にアトモキセチン40mgを1日2回5日間経口投与注)し、エタノール2.0mL/kg(0.6mg/kg)を単回経口投与したとき、疲労スケール、複合鎮静スコア、継続的注意力で示されるエタノールの中枢作用をアトモキセチンは増強も減弱もしなかった。
QT間隔に対する作用(外国人での成績)
CYP2D6 PM健康成人(131例)に、アトモキセチン20mg、アトモキセチン60mg、プラセボをそれぞれ1日2回反復経口投与注)、モキシフロキサシン400mg(陽性対照)単回経口投与の4期クロスオーバーのtQT試験を行った。血中アトモキセチン濃度の上昇に伴いわずかにQTcM間隔(時点を一致させたベースラインからのQT間隔変化量を応答変数、時間を一致させたベースラインからのRR間隔変化量、時間、治療及び時間×治療を固定効果、被験者、被験者×時間及び被験者×治療を変量効果とする混合効果モデルにより算出した)の延長が認められたが、臨床使用で想定される最高血中濃度においてもアトモキセチンのQTc間隔に対する影響はプラセボと比較して臨床的に意義のある差ではなかった。
≪QTcMの時点を一致させたベースラインからの変化量の最小二乗平均値のプラセボとの差の最大値≫
投与量投与後時間
(hr)
プラセボとの差
[90%信頼区間](msec)
アトモキセチン20mgBID20.5[-1.2,2.2]
アトモキセチン60mgBID24.2[2.5,6.0]
モキシフロキサシン400mg注1)44.8[3.3,6.4]
QTcM:統計モデルによる補正QT間隔注1)モキシフロキサシンの血漿中濃度は予想よりも低く、そのためにQTc間隔の延長も少なかった。QTcFのモキシフロキサシンとプラセボとの差は、モキシフロキサシンの血漿中濃度と線形性があると報告されており、本試験の回帰直線の傾きは0.00395msec/(ng/mL)と、報告値の0.0039msec/(ng/mL)と同程度であり、分析感度が保証された。
注)本剤の承認された用法・用量は「用法・用量」の項参照。