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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、アシネトバクター属
      ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る
  • <適応症>

    • 深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎

用法・用量

  • 通常、成人には、チゲサイクリンとして初回用量100mgを30~60分かけて点滴静脈内投与、以後12時間ごとに50mgを30~60分かけて点滴静脈内投与する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5.効能又は効果に関連する注意」、「7.用法及び用量に関連する注意」、「8.重要な基本的注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 テトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 高度の肝機能障害のある患者
半減期の延長が報告されている。[7.2、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験において、骨の着色、胎児の体重減少(骨化遅延を伴う)が認められている。また、骨格異常の発現率の増加(ラットでは12mg/kg/日:臨床曝露量の3.4倍に相当、ウサギでは4mg/kg/日:臨床曝露量の0.8倍に相当)が認められている。
なお、胎児の歯牙形成期に本剤を投与した場合、歯牙の着色を起こすおそれがある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。
9.7 小児等
9.7.1 小児等(18歳以下)を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがある。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
8.2 海外第III相及び第IV相臨床試験の計13比較対照試験を集計して解析した結果、本剤投与群での死亡率が高かった。本剤と死亡との関連性は明らかではない。本剤投与の際はリスク・ベネフィットを考慮すること。[17.3.1参照]
8.3 本剤投与に際しては、患者又はその家族に本剤のリスク・ベネフィットを十分に説明してから投与すること。
8.4 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1参照]
・事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.5 本剤の投与により急性膵炎を発現することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し、腹痛、嘔吐、アミラーゼ等の膵酵素の上昇等の症状に注意すること。[11.1.4参照]
8.6 悪心・嘔吐が高頻度で発現し、投与中止に至ることもあることから、本剤投与中は患者の状態を十分に観察すること。
8.7 AST、ALTの上昇を伴う肝障害、黄疸があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2参照]
8.8 抗菌薬の使用は、非感受性菌(真菌を含む)の過剰増殖を促進する可能性があるので、治療中は、患者を注意深く観察し、治療中に重複感染が発現した場合には、適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製法
1バイアルに生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液5.3mLを加え、静かに回転させながら溶解する(溶解した液5mL中にチゲサイクリン50mgを含む)。初回投与の際には2バイアルからそれぞれ5mLを、2回目以降の投与の際には1バイアルから5mLをとり、バイアルの溶解に用いた注射液で希釈して通常100mLとし、点滴静脈内投与する。ただし、注射用水は等張とならないので使用しないこと。
溶解後は、速やかに希釈すること。溶解後の液の色は黄色~だいだい色である。
14.1.2 希釈時
希釈した液のチゲサイクリンの濃度が1.5mg/mLを超えないこと。希釈後は、速やかに使用すること。
14.1.3 配合変化
本剤は次の薬剤とは配合禁忌である。
アムホテリシンB、アムホテリシンBリポソーム製剤、ジアゼパム、オメプラゾール
14.2 薬剤投与時の注意
本剤と他の薬剤を同一の輸液チューブにより連続注入する場合には、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を本剤の投与前後に輸液チューブ内に流すこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、次のことに注意すること。
・本剤の投与期間は5~14日間が推奨されるが、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に本剤の継続投与が必要か否かを判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
・28日間を超えて投与した場合の本剤の有効性及び安全性は確立されていない。
7.2 高度な肝機能障害のある患者では、初回100mgを投与した後、12時間後からの投与では25mgに投与量を減らすなど慎重に投与し、投与期間中は臨床症状を注意深く観察すること。[9.3.1、16.6.1参照]
7.3 本剤は緑膿菌に対して抗菌活性を示さないため、緑膿菌との重複感染が明らかである場合、抗緑膿菌作用を有する抗菌薬と併用すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の使用は、β-ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系のうち2系統以上に耐性を示した菌株であり、抗菌活性を示す他剤が使用できない場合にのみ使用すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
日本人健康成人における単回及び反復静脈内投与後のチゲサイクリンの薬物動態パラメータを表に示す。
日本人健康成人にチゲサイクリンを60分かけて単回点滴静脈内投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与量(mg)例数Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC(0-∞)(μg・h/mL)
2580.204±0.05068.2±3.80.823±0.361
5080.400±0.051415.7±4.31.93±0.437
10080.931±0.14224.3±5.55.03±0.798
注:消失相の血清中濃度が定量限界未満となった影響で、25及び50mg群で半減期が短く、AUCが低値となった。
日本人健康成人にチゲサイクリンを12時間ごとに30分かけて反復点滴静脈内投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与1日目(単回投与)
投与量(mg)例数Cmax(μg/mL)AUC(0-12)(μg・h/mL)
2580.476±0.09880.610±0.141
5080.964±0.1361.40±0.159
10082.27±0.3283.24±0.373
日本人健康成人にチゲサイクリンを12時間ごとに30分かけて反復点滴静脈内投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与10日目(反復投与後定常状態時)
投与量(mg)例数Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC(0-12)(μg・h/mL)
2580.618±0.078854.4±16.01.78±0.173
5081.12±0.12760.7±23.43.26±0.937
100/50a)71.42±0.21349.2±11.34.17±0.849
a:100mgの初回投与後、12時間ごとに50mgを投与
16.3 分布
チゲサイクリン濃度(0.1~1.0μg/mL)におけるチゲサイクリンのin vitro血漿蛋白結合率は約71~89%であった。
健康被験者にチゲサイクリン100mgを投与後12時間ごとに50mgを30分かけて点滴静脈内投与し、定常状態時の血清中濃度及び組織中の薬物濃度を測定した。組織中のAUCは血清中AUCと比較して、肺胞細胞では77.5倍(n=30)、気道上皮被覆液では1.32倍(n=30)、皮膚水疱内液中では0.74倍(n=10)であった。
また、組織摘出予定の被験者にチゲサイクリン100mgを単回投与し、各組織中の薬物濃度を測定した。チゲサイクリン投与4時間後(脳脊髄液のみ投与1時間後)の各組織中濃度の血清に対する比は、胆嚢では38倍(n=6)、肺では3.7倍(n=5)、大腸では2.3倍(n=6)、関節滑液では0.58倍(n=5)、骨では0.35倍(n=5)、脳脊髄液では0.055倍(n=11)であった(外国人データ)。
16.4 代謝
チゲサイクリンはほとんど代謝されない。ヒト肝ミクロソーム、肝スライス及び肝細胞を用いたチゲサイクリンのin vitro試験において、生成された代謝物はごくわずかであった。14C-チゲサイクリンを投与した健康成人において、尿中及び便中に回収された主要な14C-標識物質はチゲサイクリンであったが、グルクロニド、N-アセチル代謝物及びチゲサイクリンのエピマーも存在した(いずれも投与量の10%以下)(外国人データ)。
16.5 排泄
14C-チゲサイクリン投与後の便中及び尿中の総放射能の回収率は、胆汁中/便中が59%、尿中が33%であった。チゲサイクリンの主要な排泄経路は、未変化体チゲサイクリンの胆汁中排泄であり、副次的経路はグルクロン酸抱合及び未変化体チゲサイクリンの腎排泄であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者における血中濃度
肝機能障害患者と健康成人にチゲサイクリンを単回投与し比較した試験において、軽度肝機能障害患者(Child-Pugh A)10例では薬物動態は変化しなかった。しかし、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh B)10例では、チゲサイクリンの全身クリアランスが25%低下、チゲサイクリンの半減期が23%延長し、重度肝機能障害患者(Child-Pugh C)5例では、チゲサイクリンの全身クリアランスが55%低下、チゲサイクリンの半減期が43%延長した(外国人データ)。[7.2、9.3.1参照]
肝機能障害患者にチゲサイクリン100mgを60分かけて単回点滴静脈内投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与群例数Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC(0-∞)(μg・h/mL)CL(L/h)
健康成人230.981±0.53618.7±7.23.75±1.3229.8±11.3
軽度肝機能障害患者100.865±0.38219.1±5.43.84±1.8131.2±13.9
中等度肝機能障害患者100.914±0.55123.0±5.05.64±3.4222.1±9.3
重度肝機能障害患者51.21±0.41426.8±6.17.66±1.5313.5±2.7
16.6.2 腎機能障害患者における血中濃度
重度腎機能障害患者6例(クレアチニンクリアランス<30mL/分)、血液透析の2時間前にチゲサイクリンを単回投与した末期腎疾患患者4例、血液透析後にチゲサイクリンを単回投与した末期腎疾患患者4例、及び健康成人6例の比較を行った。いずれの腎機能障害患者群においてもチゲサイクリンの薬物動態に大きな影響は認められず、血液透析によりチゲサイクリンは除去されなかった(外国人データ)。
腎機能障害患者にチゲサイクリン100mgを60分かけて単回点滴静脈内投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与群例数Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC(0-∞)(μg・h/mL)CL(L/h)
健康成人60.604±0.24327.3±5.23.33±0.70931.1±5.9
重度腎機能障害患者60.605±0.16626.8±7.04.76±1.8123.4±7.6
末期腎疾患患者(透析前)40.982±0.16117.8±3.64.15±0.45824.3±2.8
末期腎疾患患者(透析後)40.940±0.34231.8±19.23.93±1.0226.9±7.8
16.6.3 高齢者投与時の血中濃度
健康高齢者28例(n=15、65~75歳;n=13、年齢>75歳)、及び健康非高齢者18例(18~50歳)にチゲサイクリンを単回投与した結果、高齢者と非高齢者の薬物動態は同様であった(外国人データ)。
高齢者にチゲサイクリン100mgを60分かけて単回点滴静脈内投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
年齢例数Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC(0-∞)(μg・h/mL)CL(L/h)
18~50歳男性90.861±0.15422.3±15.34.22±2.0328.5±11.8
女性81.03±0.15817.1±8.45.11±1.3120.6±4.8
65~75歳男性80.900±0.17419.5±3.14.32±0.68923.8±4.3
女性70.993±0.26916.5±4.15.12±1.1620.4±4.7
75歳超男性81.02±0.11219.0±5.05.47±0.90118.7±3.0
女性51.09±0.14721.2±12.55.27±1.1119.6±3.6

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝血剤
ワルファリン等
本剤との併用によりR-ワルファリン、S-ワルファリンのAUCがそれぞれ68%、29%上昇した。
併用する場合には、プロトロンビン時間又は他の血液凝固系検査値のモニタリングを行うこと。
機序不明
経口避妊薬
ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等
本剤との併用により経口避妊薬の効果を減弱させるおそれがある。本剤は腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.4参照]
11.1.2 重篤な肝障害(頻度不明)
肝不全、黄疸、AST・ALT・Al-Pの著しい上昇等重篤な肝障害があらわれることがある。[8.7参照]
11.1.3 血小板減少症(頻度不明)
重篤な血小板減少症があらわれることがある。
11.1.4 急性膵炎(0.2%)[8.5参照]
11.1.5 偽膜性大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがある。
11.1.6 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1~10%未満1%未満頻度不明
血液プロトロンビン時間延長、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)延長プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)増加低フィブリノゲン血症
代謝・栄養障害低蛋白血症、低血糖
精神神経系頭痛、浮動性めまい
循環器静脈炎血栓性静脈炎
呼吸器肺炎
肝臓ALT上昇、AST上昇、ビリルビン血症黄疸胆汁うっ滞
消化器悪心(26.4%)、嘔吐(18.1%)、下痢血清中アミラーゼ増加、腹痛、食欲不振、消化不良
腎臓BUN増加
皮膚発疹、そう痒重症皮膚反応
投与部位注射部位炎症、注射部位疼痛、注射部位反応、注射部位浮腫、注射部位静脈炎
その他治癒異常
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