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クラリスロマイシン錠50mg小児用「杏林」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○一般感染症

    • <適応菌種>

      • 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、百日咳菌、カンピロバクター属、クラミジア属、マイコプラズマ属
    • <適応症>

      • 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱、百日咳
  • ○後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症

    • <適応菌種>

      • 本剤に感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
    • <適応症>

      • 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症

用法・用量

  • <一般感染症>

    • 通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり10~15mg(力価)を2~3回に分けて経口投与する。
      レジオネラ肺炎に対しては、1日体重1kgあたり15mg(力価)を2~3回に分けて経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症>

    • 通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg(力価)を2回に分けて経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 ピモジド、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、スボレキサント、ロミタピドメシル酸塩、タダラフィル〔アドシルカ〕、チカグレロル、イブルチニブ、イバブラジン塩酸塩、ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)、ルラシドン塩酸塩、アナモレリン塩酸塩、フィネレノン、イサブコナゾニウム硫酸塩を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.3 肝臓又は腎臓に障害のある患者でコルヒチンを投与中の患者[9.2.1、9.3.1、10.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 他のマクロライド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 心疾患のある患者、低カリウム血症のある患者
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動をおこすことがある。[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.2.1 腎機能障害患者でコルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状が報告されている。[2.3、10.2参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害を悪化させることがある。[11.1.3参照]
9.3.1 肝機能障害患者でコルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状が報告されている。[2.3、10.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で、母動物に毒性があらわれる高用量において、胎児毒性(心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等)が報告されている。なお、国外における試験で次のような報告がある。SD系ラット(15~150mg/kg/日)及びCD-1系マウス(15~1,000mg/kg/日)において、それぞれ母動物に毒性があらわれる最高用量でラット胎児に心血管系異常並びにマウス胎児に口蓋裂が認められた。また、サル(35~70mg/kg/日)において、母動物に毒性があらわれる70mg/kg/日で9例中1例に低体重の胎児がみられたが、外表、内臓、骨格には異常は認められなかった。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
なお、動物実験(ラット)の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移した。
9.7 小児等
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下しており、高い血中濃度が持続するおそれがある。[16.6.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。[7.2、7.5参照]
8.2 血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少、無顆粒球症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<一般感染症>
7.1 小児の1日投与量は成人の標準用量(1日400mg)を上限とすること。
7.2 免疫不全など合併症を有さない軽症ないし中等症のレジオネラ肺炎に対し、1日400mg分2投与することにより、通常2~5日で症状は改善に向う。症状が軽快しても投与は2~3週間継続することが望ましい。また、レジオネラ肺炎は再発の頻度が高い感染症であるため、特に免疫低下の状態にある患者などでは、治療終了後、更に2~3週間投与を継続し症状を観察する必要がある。なお、投与期間中に症状が悪化した場合には、速やかにレジオネラに有効な注射剤(キノロン系薬剤など)への変更が必要である。[8.1参照]
7.3 レジオネラ肺炎の治療において単独で使用することが望ましいが、患者の症状に応じて併用が必要な場合には以下の報告を参考に併用する薬剤の特徴を考慮し選択すること。
7.3.1 中等症以上の患者にリファンピシンと併用し有効との報告がある。
7.3.2 in vitro抗菌力の検討において、本剤とレボフロキサシン又はシプロフロキサシンとの併用効果(相乗ないし相加作用)が認められたとの報告がある。
<後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症>
7.4 国内外の最新のガイドライン等を参考に併用療法を行うこと。
7.5 臨床的又は細菌学的な改善が認められた後も継続投与すべきである。[8.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<一般感染症:咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
小児に5mg(力価)/kgを、また健康成人に200mg、400mg(力価)を空腹時単回経口投与したときの平均血清中濃度及び各パラメータの値は以下のようであった。
測定法Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC(μg・hr/mL)
小児(n=6)5mg/kgHPLC未変化体1.051.41.83.54
HPLC代謝物0.981.43.25.37
成人(n=8)200mgBioassay1.161.94.048.98
成人(n=8)400mgBioassay2.242.74.3620.30
16.1.2 生物学的同等性試験
クラリスロマイシン錠50mg小児用「杏林」とクラリシッド錠50mg小児用をクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(クラリスロマイシンとして100mg(力価))健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-10(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
クラリスロマイシン錠50mg小児用「杏林」1325.4±188.9291.0±49.32.04±0.263.12±1.03
クラリシッド錠50mg小児用1288.0±263.2292.7±35.22.54±0.453.08±0.99
(Mean±S.D.,n=12)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
健康成人において、クラリスロマイシン錠剤(250mg)を経口投与した場合(2回測定)とクラリスロマイシンラクトビオン酸塩を静脈内投与した場合の薬物速度論的パラメータを比較検討した。その結果、未変化体のバイオアベイラビリティは52、55%であったが、初回通過効果によって生成される活性代謝物(14位水酸化体)を含めたパラメータ解析結果から、クラリスロマイシンは経口投与後ほぼ完全に吸収されていることが示唆された(海外データ)。
16.2.2 食事の影響
小児に10mg(力価)/kgを単回経口投与したときの血清中濃度には、食事の影響がほとんど認められなかった。
16.3 分布
健康成人における唾液、また、患者における喀痰、気管支分泌物等への移行性を測定した結果、それぞれの組織への移行は良好で、血清中濃度と同等もしくはそれ以上の濃度を示した。また、皮膚、扁桃、上顎洞粘膜等の組織中濃度はほとんどの例で血清中濃度を大きく上まわった。なお、ヒト血清蛋白結合率は42~50%であった(in vitro)。
16.4 代謝
ヒトにおける主代謝物は14位水酸化体であり、血清中には未変化体とほぼ同量存在した。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、クラリスロマイシンは主としてCYP3Aで代謝されることが報告されている。[10.、16.7.1参照]
16.5 排泄
小児患者に5mg(力価)/kgを単回経口投与し、Bioassayで測定したところ、投与後6時間までに投与量の25.8%が尿中へ排泄された。
なお、健康成人に200mg(力価)を空腹時に単回経口投与したところ、尿中には主に未変化体及び活性代謝物の14位水酸化体が認められた。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能正常者と種々な程度の腎機能障害者に200mg(力価)を空腹時単回経口投与し、クレアチニンクリアランス(Ccr)とその体内動態との関係を検討した結果、腎機能の低下に伴ってCmaxの上昇、T1/2の延長及びAUCの増加が認められた(測定法:Bioassay)。[9.2参照]
クレアチニンクリアランス(mL/min)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC(μg・hr/mL)
Ccr≒100(n=5)2.021.242.388.89
Ccr≒50(n=5)2.151.895.7421.69
Ccr≒30(n=5)2.550.964.6918.73
Ccr≒5(n=5)3.541.486.1336.89
16.6.2 高齢者
重篤な基礎疾患のない66~82歳(平均72.2歳)の女性3名に200mg(力価)を空腹時単回経口投与し、その体内動態を検討した結果、健康成人と比べるとTmax、T1/2はほぼ同様であったが、Cmax、AUCは明らかに高かった(測定法:Bioassay)。[9.8参照]
Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC(μg・hr/mL)
高齢者(n=3)3.722.34.219.20
16.7 薬物相互作用
16.7.1 CYP3A、P-gpに対する阻害作用を有する。[10.、16.4参照]
16.7.2 テオフィリン
健康成人男性にテオフィリンを400mg及びクラリスロマイシンを300mg併用した結果、併用5日目でテオフィリンの血清中濃度はCmaxで1.26倍、AUCで1.19倍上昇し、クリアランスは16.4%減少したが統計的に有意差は認められなかった。
また、気管支喘息患児にテオフィリンを300~600mg/dayで1日分2経口投与し、更にクラリスロマイシン600mg/dayを1日分2併用投与した結果、併用7日目においてテオフィリンの血清中濃度は有意な上昇を示した。[10.2参照]

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ピモジド
〔オーラップ〕
[2.2、16.7.1参照]
QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の心血管系副作用が報告されている。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
〔クリアミン〕
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
[2.2、16.7.1参照]
血管攣縮等の重篤な副作用をおこすおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
スボレキサント
〔ベルソムラ〕
[2.2、16.7.1参照]
スボレキサントの血漿中濃度が顕著に上昇し、その作用が著しく増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
ロミタピドメシル酸塩
〔ジャクスタピッド〕
[2.2、16.7.1参照]
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
タダラフィル
〔アドシルカ〕
[2.2、16.7.1参照]
左記薬剤のクリアランスが高度に減少し、その作用が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
チカグレロル
〔ブリリンタ〕
[2.2、16.7.1参照]
チカグレロルの血漿中濃度が著しく上昇するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
イブルチニブ
〔イムブルビカ〕
[2.2、16.7.1参照]
イブルチニブの作用が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
イバブラジン塩酸塩
〔コララン〕
[2.2、16.7.1参照]
過度の徐脈があらわれることがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)
〔ベネクレクスタ〕
[2.2、16.7.1参照]
腫瘍崩壊症候群の発現が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
ルラシドン塩酸塩
〔ラツーダ〕
[2.2、16.7.1参照]
ルラシドンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
アナモレリン塩酸塩
〔エドルミズ〕
[2.2、16.7.1参照]
アナモレリンの血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
フィネレノン
〔ケレンディア〕
[2.2、16.7.1参照]
フィネレノンの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
イサブコナゾニウム硫酸塩
〔クレセンバ〕
[2.2、16.7.1参照]
イサブコナゾールの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジゴキシン
[16.7.1参照]
嘔気、嘔吐、不整脈等が報告されているので、ジゴキシンの血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、投与量を調節する等の適切な処置を行うこと。本剤の腸内細菌叢に対する影響により、ジゴキシンの不活化が抑制されるか、もしくはP-gpを介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、その血中濃度が上昇する。
スルホニル尿素系血糖降下剤
グリベンクラミド
グリクラジド
グリメピリド 等
低血糖(意識障害に至ることがある)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、ブドウ糖の投与等の適切な処置を行うこと。機序は不明である。左記薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
カルバマゼピン
テオフィリン
アミノフィリン水和物
シクロスポリン
タクロリムス水和物
エベロリムス
[16.7.1、16.7.2参照]
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、左記薬剤の血中濃度の推移等に注意し、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
アトルバスタチンカルシウム水和物
シンバスタチン
ロバスタチン(国内未承認)
[16.7.1参照]
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う横紋筋融解症が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
腎機能障害のある患者には特に注意すること。
本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
コルヒチン
[2.3、9.2.1、9.3.1、16.7.1参照]
コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状(汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
ベンゾジアゼピン系薬剤
(CYP3Aで代謝される薬剤)
〔トリアゾラム
ミダゾラム 等〕
非定型抗精神病薬
(CYP3Aで代謝される薬剤)
〔クエチアピンフマル酸塩
アリピプラゾール
ブロナンセリン 等〕
ジソピラミド
トルバプタン
エプレレノン
エレトリプタン臭化水素酸塩
カルシウム拮抗剤
(CYP3Aで代謝される薬剤)
〔ニフェジピン
ベラパミル塩酸塩 等〕
リオシグアト
ジエノゲスト
ホスホジエステラーゼ5阻害剤
〔シルデナフィルクエン酸塩
タダラフィル
〔シアリス、ザルティア〕等〕
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム
ドセタキセル水和物
アベマシクリブ
オキシコドン塩酸塩水和物
フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩[16.7.1参照]
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
なお、トルバプタンにおいては、本剤との併用は避けることが望ましいとされており、やむを得ず併用する場合においては、トルバプタンの用量調節を特に考慮すること。
本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病)
[16.7.1参照]
ベネトクラクスの副作用が増強するおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
抗凝固剤
(CYP3Aで代謝され、P-gpで排出される薬剤)
〔アピキサバン
リバーロキサバン〕
[16.7.1参照]
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。本剤のCYP3A及びP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝及び排出が阻害される。
抗凝固剤
(P-gpで排出される薬剤)
〔ダビガトランエテキシラート
エドキサバントシル酸塩水和物〕
[16.7.1参照]
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。本剤のP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の排出が阻害される。
イトラコナゾール
HIVプロテアーゼ阻害剤
〔リトナビル
ロピナビル・リトナビル
ダルナビル エタノール付加物 等〕
[16.4、16.7.1参照]
本剤の未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性がある。
また、イトラコナゾールの併用においては、イトラコナゾールの血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。
異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
本剤と左記薬剤のCYP3Aに対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される。
リファブチン
エトラビリン
[16.4、16.7.1参照]
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。
また、本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇し、本剤の作用が減弱する可能性がある。
異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
また、左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
リファンピシン
エファビレンツ
ネビラピン
[16.4、16.7.1参照]
本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤の作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
天然ケイ酸アルミニウム本剤の吸収が低下するとの報告がある。左記薬剤の吸着作用によるものと考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、痙攣、発赤等があらわれることがある。
11.1.2 QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動(いずれも頻度不明)
QT延長等の心疾患のある患者、低カリウム血症のある患者においては特に注意すること。[9.1.2参照]
11.1.3 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがある。[9.3参照]
11.1.4 血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少、無顆粒球症(いずれも頻度不明)[8.2参照]
11.1.5 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 PIE症候群・間質性肺炎(いずれも頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7 偽膜性大腸炎、出血性大腸炎(いずれも頻度不明)
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれることがある。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.9 痙攣(頻度不明)
痙攣(強直間代性、ミオクロヌス、意識消失発作等)があらわれることがある。
11.1.10 急性腎障害、尿細管間質性腎炎(いずれも頻度不明)
乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.11 IgA血管炎(頻度不明)
11.1.12 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
頻度は承認時の国内臨床試験及び製造販売後の使用成績調査の合算に基づいている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<一般感染症>

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒感
精神神経系めまい
頭痛
幻覚
失見当識
意識障害
せん妄
躁病
眠気
振戦
しびれ(感)
錯感覚
不眠
感覚器味覚異常(にがみ等)耳鳴
聴力低下
嗅覚異常
消化器悪心
嘔吐
胃部不快感
腹部膨満感
腹痛
下痢
食欲不振
軟便
口内炎
舌炎
口渇
口腔内びらん
胸やけ
歯牙変色
舌変色
血液好酸球増多
肝臓AST上昇
ALT上昇
γ-GTP上昇
LDH上昇
Al-P上昇
筋・骨格筋肉痛
その他倦怠感
浮腫
カンジダ症
発熱
動悸
CK上昇
脱毛
頻尿
低血糖

頻度は承認時の国内臨床試験及び製造販売後の使用成績調査の合算に基づいている。

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症>

5~10%未満1~5%未満頻度不明
精神神経系不眠症頭痛
めまい
激越
神経過敏症
感覚異常
痙攣
妄想
幻覚
運動過多
躁病反応
偏執反応
末梢神経炎
精神病
感覚器味覚減退味覚倒錯
難聴
耳鳴
味覚喪失
結膜炎
皮膚発疹そう痒感
斑状丘疹状皮疹
ざ瘡
帯状疱疹
紫斑皮疹
光線過敏性反応
発汗
消化器下痢悪心
食欲不振
腹痛
嘔吐
逆流性食道炎
鼓腸放屁
消化不良
便秘
おくび
口渇
舌炎
舌変色
血液白血球減少
貧血
再生不良性貧血
好中球減少
骨髄機能不全
肝臓肝機能異常γ-GTP上昇
Al-P上昇
AST上昇
ALT上昇
胆汁うっ滞性黄疸
肝炎
ビリルビン上昇
腎臓急性腎障害BUN上昇
クレアチニン上昇
生殖器子宮頸部上皮異形成腟カンジダ症
筋・骨格筋肉痛
関節痛
その他高脂血症
トリグリセリド上昇
高尿酸血症
低カリウム血症
徐脈
無力症
アミラーゼ上昇
カンジダ症
疼痛
しゃっくり
発熱
胸痛
さむけ
酵素上昇

頻度は承認時の国内臨床試験及び製造販売後の使用成績調査の合算に基づいている。

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