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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記の新生児、乳児および幼児におけるRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染による重篤な下気道疾患の発症抑制

    • RSウイルス感染流行初期において

      • ○在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児
      • ○在胎期間29週~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児
      • ○過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児
      • ○24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児および幼児
      • ○24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児
      • ○24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児および幼児

用法・用量

  • パリビズマブ(遺伝子組換え)として体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に投与する。なお、注射量が1mLを超える場合には分割して投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者[8.1、11.1.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血小板減少症あるいはその他の凝固障害等により出血傾向のある患者
止血を確認できるまで投与部位を押さえるなど慎重に投与すること。出血により重篤な状態を招くおそれがある。
9.1.2 急性感染症又は発熱性疾患のある患者
中等度から重度の急性感染症又は発熱性疾患がある場合は、本剤の投与による有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合を除き、本剤の投与を延期すること。一般に、軽度上気道感染症等の軽度な発熱性疾患は本剤の投与延期の理由とはならない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与により、重篤な過敏症を発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1、11.1.1参照]
8.2 過去に抗生物質等の筋肉内注射により、筋拘縮症が発現したとの事例が報告されているので、投与に際しては、適用上の注意を守り、特に組織、神経に対する影響には十分注意しながら慎重に投与すること。[14.2.1-14.2.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 感染性疾患の伝播を避けるため、必ず使い捨ての注射針および注射筒を使用し、また再使用しないこと。
14.1.2 本剤を希釈しないこと。
14.1.3 本剤を振ったり、激しくかき回したりしないこと。
14.1.4 バイアルのキャップを取り去り、ゴム栓をエタノール綿等で清拭すること。
14.1.5 本剤は保存剤を含有していないため、バイアルからの採取後は速やかに投与すること。
14.1.6 バイアルからの採取は一回のみとし、残液は廃棄すること。バイアルに注射針を再度刺通しないこと。
14.1.7 他の薬剤との混合注射をしないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 筋肉内、好ましくは大腿前外側部に注射する。臀筋への投与は坐骨神経を損傷する危険性があるため、避けること。[8.2参照]
14.2.2 神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。[8.2参照]
14.2.3 同一部位への反復注射は行わないこと。[8.2参照]
14.2.4 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。[8.2参照]

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与液量は以下による。
1回投与液量(mL)=体重(kg)×15mg/kg÷100mg/mL
7.2 本剤投与中に患者がRSウイルスに感染した場合においても、再感染による重篤な下気道疾患の発症を抑制するためにRSウイルスの流行期間中は本剤を継続投与することが推奨される。
7.3 心肺バイパス施行により本剤の血中濃度が低下するので、心肺バイパス施行後は前回投与から1ヵ月を経過していなくても速やかに本剤の投与を行うことが望ましい。
以後、その投与を基点とし、通常どおりの間隔で投与すること。[16.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の投与に際しては、学会等から提唱されているガイドライン等を参考とし、個々の症例ごとに本剤の適用を考慮すること。
5.2 既に発症したRSウイルス感染症に対する本剤の治療効果は確立されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
<早産(在胎期間35週未満、6ヵ月齢未満)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢未満)>
国内における早産(在胎期間35週未満、6ヵ月齢未満)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢未満)を対象にした臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内2回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および2回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は以下のとおりであった。
表1 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
初回投与後30日目(n=31)50.5±17.5
2回目投与後30日目(n=31)76.8±17.6
(数値は平均値±SD)
<先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)>
国内における先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし5回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は以下のとおりであった。
表2 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
初回投与後30日目(n=67)57.2±11.7
4回目投与後30日目(n=67)90.2±23.7
(数値は平均値±SD)
<免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)>
国内における免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし7回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は以下のとおりであった。
表3 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
初回投与後30日目(n=28)59.0±12.9
4回目投与後30日目(n=26)91.8±40.6
(数値は平均値±SD)
<早産(6ヵ月齢以下)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)>
海外における早産(6ヵ月齢以下)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象とした臨床試験(本剤5、10、15mg/kgを30日間隔で2回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)では、本剤の平均血清中濃度推移および投与後30日目の平均血清中濃度は以下のとおりであった。
図1 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度推移
表4 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
5mg/kg10mg/kg15mg/kg
初回投与後30日目12.5±2.4
(n=9)
48.5±5.4
(n=6)
49.2±3.6
(n=39)
2回目投与後30日目20.2±3.5
(n=10)
65.9±12.7
(n=4)
69.4±4.3
(n=37)
(数値は平均値±SE)
本剤は投与後7日までに最大に達し、以降穏やかに血中から消失した。初回投与30日後の平均血清中濃度は5mg/kg投与で12.5μg/mL(4.2~26.2μg/mL)、10mg/kg投与で48.5μg/mL(28.7~65.7μg/mL)、15mg/kgで49.2μg/mL(13.5~132.0μg/mL)であり、10~15mg/kgで目標濃度である30μg/mLを上回った。消失半減期は18.1~43.8日であった。
※承認を受けた用法及び用量は体重1kgあたり15mgを筋肉内に投与である。
<24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児>
24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児を対象とした海外臨床試験(15mg/kgを30日間隔で計5回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)での平均血清中濃度(トラフ値)は2回目投与前(1回目投与後)が55.5±19μg/mL、5回目投与前(4回投与後)が90.8±35μg/mLであった(n=639)。また、そのうち投与期間中に心肺バイパスを伴う開心術を行った症例(n=139)の平均血清中濃度は、バイパス前98.0±52μg/mLからバイパス後41.4±33μg/mLと58%減少した。[7.3参照]
<健康成人>
健康成人を対象とした並行群間比較試験での凍結乾燥注射製剤と注射液製剤(それぞれパリビズマブ3mg/kgを30日毎に計2回筋肉内および15mg/kgを単回静脈内投与)の血清中パリビズマブ濃度推移は同様であった(各n=12、外国人データ)。
※承認を受けた用法及び用量は体重1kgあたり15mgを筋肉内に投与である。
<6ヵ月齢以下の早産児>
6ヵ月齢以下の早産児(n=153)を対象としたクロスオーバー試験(パリビズマブ15mg/kg筋肉内投与)では凍結乾燥注射製剤と注射液製剤のトラフ値は同等であった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 薬物相互作用に関する臨床試験は実施されていない。
海外における第III相臨床試験において、プラセボ投与群および本剤投与群の患者はいずれも同様の割合で通常の小児予防接種ワクチン、インフルエンザワクチン、気管支拡張剤、副腎皮質ステロイドの投与を受けていたが、副作用発現率の上昇は認められなかった。なお、日本脳炎ウイルスワクチンおよびBCGワクチンとの併用投与に関する知見は得られていない。
16.7.2 本剤はRSウイルスに特異的に作用するため、ワクチン接種による免疫応答を妨げないと考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
観察を十分行い、チアノーゼ、冷汗、血圧低下、呼吸困難、喘鳴、頻脈等があらわれた場合には投与を中止し、エピネフリン(1:1000)の投与による保存的治療等の適切な処置を行うこと。[2.1、8.1参照]
11.1.2 血小板減少(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1%以上0.1%未満頻度不明
精神神経系神経過敏傾眠痙攣
消化器下痢、嘔吐
循環器不整脈、頻脈、徐脈
呼吸器喘鳴、呼吸困難、咳、上気道感染、鼻炎、鼻漏肺炎、細気管支炎
血液白血球減少
皮膚発疹真菌性皮膚炎、湿疹
肝臓肝機能検査値異常
その他発熱、注射部位反応、疼痛、ウイルス感染悪寒、哺乳障害、中耳炎
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