製品名 コレアジン錠12.5mg

一般名
Tetrabenazine
薬効分類
中枢神経薬(その他)
 >ハンチントン病治療薬
価格
12.5mg1錠:395.9円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • ハンチントン病に伴う舞踏運動

用法・用量

  • 通常、成人にはテトラベナジンとして1日量12.5mg(12.5mgの1日1回投与)から経口投与を開始し、以後症状を観察しながら1週毎に1日量として12.5mgずつ増量し、維持量を定める。その後は、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は100mgとする。
    なお、1日量が25mgの場合は1日2回、1日量が37.5mg以上の場合には1日3回に分けて投与することとし、1回最高投与量は37.5mgとする。
禁忌

【警告】

  • うつ病・うつ状態、自殺念慮、自殺企図が発現又は悪化することがあるので、本剤を投与する場合には、個々の患者における治療上の有益性と危険性を慎重に判断した上で投与を開始し、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、患者及びその家族等に対して、関連する症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡するよう指導すること(「禁忌」、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 自殺念慮、自殺企図のある患者、不安定なうつ病・うつ状態の患者[症状を悪化させることがある。]
  • 重篤な肝機能障害のある患者[代謝が遅延し、作用が増強されるおそれがある。]
  • MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者(「3.相互作用」の項参照)
  • レセルピンを投与中あるいは投与中止後3週間以内の患者(「3.相互作用」の項参照)
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
うつ病・うつ状態(5%以上)、自殺念慮、自殺企図(頻度不明)
うつ病・うつ状態、自殺念慮、自殺企図があらわれることがあるので、患者の状態に十分注意し、これらの症状があらわれた場合には減量や中止を検討すること。
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。
本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
注意

次の患者には慎重に投与すること

うつ病・うつ状態又はその既往のある患者、自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある(「2.重要な基本的注意」の項参照)。]
QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)、QT延長を起こしやすい患者(著明な徐脈等の不整脈又はその既往のある患者、低カリウム血症又は低マグネシウム血症のある患者等)[QT間隔が過度に延長するおそれがある。]
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。]
肝機能障害のある患者[代謝が遅延し、作用が増強されるおそれがある。]
重篤な腎機能障害のある患者[排泄が遅延するおそれがある。]
本剤の投与によりうつ病・うつ状態の発現又は悪化、また、認知機能の悪化があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、患者及びその家族等に対し十分に説明を行うとともに、治療上の有益性が危険性を上回っていることを常に確認し、投与の継続が適切であるかどうかを定期的に判断すること。
うつ病・うつ状態、自殺念慮、自殺企図等の精神症状があらわれることがあるので、関連する症状があらわれた場合には、本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
患者及びその家族等にうつ病・うつ状態の発現又は悪化、自殺念慮や自殺企図、攻撃性、易刺激性等の行動の変化があらわれることのリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
アカシジア及びパーキンソニズム等があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には、本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
プロラクチン上昇があらわれることがあるので、月経異常、乳汁漏出又は性欲減退等が認められた場合には、本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
嚥下障害が発現又は悪化するおそれがあり、肺炎、気管支炎に至ることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
鎮静、傾眠等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
投与は「用法・用量」に従い低用量から始め、抑うつ症状、アカシジア及びパーキンソニズム等の発現について観察を十分に行い、忍容性をみながら慎重に増量し、患者ごとに適切な維持量を定めること(「2.重要な基本的注意」の項参照)。
CYP2D6阻害作用を有する薬剤を投与中の患者又は遺伝的にCYP2D6の活性が欠損している患者(Poor Metabolizer)又はCYP2D6の活性が低い患者(Intermediate Metabolizer)では、本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすいおそれがあるため、投与に際しては、忍容性に問題がない場合にのみ徐々に増量する等、患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること(「3.相互作用」、「薬物動態」の項参照)。
本剤の効果はハンチントン病に伴う舞踏運動の改善に限定されており、舞踏運動以外の症状改善は期待できないことに留意すること。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与する場合には注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
血中濃度
単回投与
健康成人男子17例にテトラベナジン(TBZ)12.5、25及び50mgを空腹時単回経口投与したとき、テトラベナジンは速やかに吸収され、投与0.6~0.7時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に達し、投与後4時間以降は血漿中より検出されなかった。循環血液中の活性代謝物であるα-HTBZ及びβ-HTBZ並びに主要代謝物である9-デスメチルβ-HTBZはそれぞれ投与0.8~1.3時間後、1.1~1.3時間後及び1.3~1.7時間後にCmaxに達した。これら代謝物のCmax及びAUC0-∞には用量直線性が認められた。
投与量
(mg)
例数測定対象Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
12.56TBZa)0.6±0.40.7±0.3b)0.7c)1.7c)
α-HTBZ21.4±7.61.3±0.44.9±1.596.4±58.2
β-HTBZ12.4±9.41.3±0.63.2±1.742.7±49.4
9-デスメチルβ-HTBZ7.8±2.61.6±0.512.5±2.392.9±18.0
256TBZa)1.3±1.60.7±0.3b)0.7±0.2d)3.3±2.3d)
α-HTBZ48.8±7.31.2±0.35.2±0.8214.7±49.6
β-HTBZ29.7±14.61.3±0.33.7±1.485.7±39.4
9-デスメチルβ-HTBZ17.2±2.51.7±0.511.1±1.8198.8±29.6
505TBZa)3.6±3.40.6±0.21.1±0.34.3±3.3
α-HTBZ92.3±10.60.8±0.34.5±0.9341.7±81.9
β-HTBZ45.2±9.51.1±0.23.8±1.2119.9±32.8
9-デスメチルβ-HTBZ40.1±9.61.3±0.39.5±0.7379.9±28.8
平均値±標準偏差a:参考値、b:5例、c:1例、d:3例
(注)本剤の承認された1回最高投与量は37.5mgである。
反復投与
健康成人24例にテトラベナジン25mgを空腹時1日1回5日間反復経口投与したとき、血漿中HTBZ(α-HTBZとβ-HTBZ)濃度が定常状態にあると予測される5日目のAUC0-24(551.64±738.62ng・hr/mL)は、1日目のAUC0-∞(538.37±828.47ng・hr/mL)の約1.1倍であった。t1/2は1日目及び5日目でそれぞれ約5.4時間及び約6.4時間であり、大きな違いは認められなかった。(外国人でのデータ)
食事の影響
健康成人25例にテトラベナジン25mgを空腹時あるいは高脂肪高カロリー食摂取30分後に単回経口投与したとき、α-HTBZ及びβ-HTBZのCmax及びAUCに顕著な差はなく、食事の影響は認められなかった。(外国人でのデータ)
Cmax
(ng/mL)
Tmaxa)
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-t
(ng・hr/mL)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
α-HTBZ
空腹時32.2±13.01.006.82±2.42b)175±76.4196±97.5b)
食後30.6±10.02.005.98±1.83197±83.9215±105
β-HTBZ
空腹時18.4±14.11.503.40±2.10c)89.5±105102±134c)
食後17.5±12.12.503.50±1.76b)97.8±114107±146b)
平均値±標準偏差a:中央値、b:23例、c:22例
分布
平衡透析法により、テトラベナジン、α-HTBZ、β-HTBZのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は、テトラベナジンが82~85%、α-HTBZが60~68%、β-HTBZが59~63%であった。
有色ラットにおいて、テトラベナジンのメラニン含有組織(眼、有色毛及びブドウ膜)への親和性が示唆された。
代謝(薬物代謝酵素)
テトラベナジンはカルボニル還元酵素により活性代謝物であるα-HTBZ及びβ-HTBZへ代謝される。その他、チトクロームP450(CYP1A2)などで水酸化やデスメチル化を受けることが示唆されている。α-HTBZは、CYP2D6及びCYP1A2により9-デスメチルα-HTBZと10-デスメチルα-HTBZへ代謝され、一部はCYP3A4の代謝を受けることが示唆された。β-HTBZはCYP2D6により9-デスメチルβ-HTBZや10-デスメチルβ-HTBZなどに代謝され、一部はCYP3A4による水酸化を受けることが示唆された。テトラベナジンを投与されたヒトの血漿中及び尿中には、これらの代謝物の硫酸抱合体やグルクロン酸抱合体が存在することが確認された。
排泄
健康成人男子6例に、14C標識したテトラベナジン25mgを単回経口投与したとき、投与後216時間までに尿中及び糞中から回収された総放射能は投与量の87.5%であった。その内訳は尿中が75.4%、糞中が12.1%であり、主要排泄経路は尿中であった。(外国人でのデータ)
健康成人男子17例にテトラベナジン12.5mg、25mg及び50mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後24時間までに、α-HTBZ、β-HTBZ及び9-デスメチルβ-HTBZはそれぞれ投与量の0.6~1.1%、0.3~0.7%及び1.8~2.1%が尿中に排泄された。テトラベナジンは尿中に検出されなかった。
(注)本剤の承認された1回最高投与量は37.5mgである。
肝機能障害患者における薬物動態
軽度又は中等度の肝機能障害(Child-Pughスコア:5~9)患者及び健康成人各12例に、テトラベナジン(TBZ)25mgを空腹時単回経口投与したとき、健康成人では多くの測定時点において血漿中のテトラベナジンは定量限界未満であったのに対して、肝機能障害患者ではテトラベナジンのCmaxは43.8ng/mLを示し、活性代謝物(α-HTBZとβ-HTBZ)のTmax及びt1/2は健康成人に比べて延長し、AUC0-tは増加した。また、肝機能障害患者では、Child-Pughスコアの増加に伴ってテトラベナジン及び活性代謝物(α-HTBZとβ-HTBZ)のAUC0-tは増加し、t1/2は延長した。(外国人でのデータ)
Cmax
(ng/mL)
Tmaxa)
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-t
(ng・hr/mL)
TBZ
健康成人b)
肝機能障害患者43.8±35.3c)1.00c)17.5±7.81d)151±109c)
α-HTBZ
健康成人35.0±11.21.006.10±2.40182±96.0
肝機能障害患者30.5±15.01.7510.1±5.53e)247±114
β-HTBZ
健康成人18.8±9.831.003.68±1.4381.6±71.2
肝機能障害患者17.4±12.81.758.42±6.09d)107±51.7
平均値±標準偏差a:中央値、b:多くの測定時点において定量限界未満であり算出できず、c:9例、d:8例、e:11例
腎機能障害患者における薬物動態
テトラベナジンとその代謝物の薬物動態に及ぼす腎機能障害の影響については検討されていない。
CYP2D6遺伝子多型の薬物動態
テトラベナジン(TBZ)の活性代謝物α-HTBZ及びβ-HTBZはCYP2D6の基質であることが示されている。健康成人男子17例にテトラベナジン12.5、25及び50mgを空腹時単回経口投与したとき、CYP2D6のIntermediate Metabolizer(IM)におけるα-HTBZ及びβ-HTBZのCmax及びAUC0-∞はExtensive Metabolizer(EM)よりいずれも高値を示し、9-デスメチルβ-HTBZのCmax及びAUC0-∞は低値を示した。血漿中α-HTBZ、β-HTBZ及び9-デスメチルβ-HTBZ濃度はCYP2D6表現型によって影響されることが示唆された。
TBZ投与量(mg)CYP2D6表現型例数Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
α-HTBZ
12.5EM519.0±5.41.3±0.44.5±1.275.2±29.4
IM133.21.07.1202.4
25EM546.8±6.01.2±0.34.9±0.5204.2±47.5
IM159.11.06.5267.1
50EM592.3±10.60.8±0.34.5±0.9341.7±81.9
β-HTBZ
12.5EM59.0±5.11.4±0.72.5±0.923.0±12.5
IM129.21.06.2141.0
25EM524.1±5.11.3±0.33.5±1.571.2±19.2
IM158.01.04.5158.2
50EM545.2±9.51.1±0.23.8±1.2119.9±32.8
9-デスメチルβ-HTBZ
12.5EM58.6±1.71.6±0.511.7±1.495.1±19.3
IM13.61.516.382.1
25EM517.9±2.01.8±0.410.6±1.3205.2±28.1
IM113.41.013.9166.9
50EM540.1±9.61.3±0.39.5±0.7379.9±28.8
平均値±標準偏差TBZ50mg投与群のIM(1例)は薬物動態解析除外例。
(注)本剤の承認された1回最高投与量は37.5mgである。
相互作用
薬剤トランスポータ(P-糖蛋白質)に関連した相互作用
健康成人12例に、テトラベナジン50mgとP-糖蛋白質の基質であるジゴキシン0.25mgを併用したとき、テトラベナジンはジゴキシンの薬物動態に影響を与えなかった。(外国人でのデータ)
In vitro試験から、テトラベナジン及びα-HTBZはP-糖蛋白質の基質ではないが、β-HTBZは基質であることが示唆された。
(注)本剤の承認された1回最高投与量は37.5mgである。
CYP2D6阻害薬との相互作用
健康成人30例に、強力なCYP2D6阻害薬であるパロキセチン20mgの反復投与時(血漿中濃度が定常状態のとき)にテトラベナジン50mgを併用投与したとき、テトラベナジンを単独投与したときに比べ、α-HTBZ及びβ-HTBZのCmaxはそれぞれ約1.4倍、約2.4倍に、AUC0-∞はそれぞれ約3.2倍、約8.9倍に増加した。t1/2は、α-HTBZで約2倍、β-HTBZで約3倍遅延した。(外国人でのデータ)
(注)本剤の承認された1回最高投与量は37.5mgである。
QT/QTc間隔に及ぼす影響
健康成人51例に、テトラベナジン25、50mg、モキシフロキサシン400mg又はプラセボを空腹時に単回経口投与したとき、投与後2.5時間における、QTcI間隔の時間を一致させたベースラインからの変化量のプラセボとの差はモキシフロキサシン400mg投与時で12.5msec延長したのに対し、テトラベナジン25mg及び50mg投与時ではそれぞれ3.6msec及び7.7msec延長した。また、50mg投与時の90%信頼区間の上限は10.4msecであり、10msecを上回っていたことから、テトラベナジンはモキシフロキサシンと比較して程度は小さいものの、QTc間隔を延長する可能性が示唆された。(外国人でのデータ)
(注)本剤の承認された1回最高投与量は37.5mgである。