薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
糖尿病用薬 インスリン製剤 ビグアナイド系薬剤 α-グルコシダーゼ阻害剤 チアゾリジン系薬剤 DPP-4阻害剤 GLP-1受容体作動薬 SGLT2阻害剤 [11.1.1参照] | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 作用機序が異なる薬理作用の相加作用による血糖降下作用の増強による。 |
アルドース還元酵素阻害剤 エパルレスタット | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | in vitro試験結果から、エパルレスタットとの併用により、本剤の血漿中濃度が最大で1.5倍に上昇する可能性が報告されている。 |
ピラゾロン系消炎剤 スルピリン水和物 等 | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 血中蛋白との結合抑制、腎排泄抑制、肝代謝抑制による。 |
サリチル酸製剤 アスピリン 等 | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 血中蛋白との結合抑制、サリチル酸製剤の血糖降下作用による。 |
フィブラート系薬剤 クロフィブラート ベザフィブラート 等 | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制による。 |
ミコナゾール フルコナゾール ホスフルコナゾール | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制による。 |
プロベネシド | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 腎排泄抑制による。 |
クマリン系薬剤 ワルファリンカリウム | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 肝代謝抑制による。 |
サルファ剤 スルファメトキサゾール 等 | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制による。 |
クロラムフェニコール | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 肝代謝抑制による。 |
β-遮断剤 プロプラノロール塩酸塩 等 モノアミン酸化酵素阻害剤 | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | 肝における糖新生の抑制及び末梢におけるインスリン感受性の増強により血糖が低下する。 |
タンパク同化ホルモン剤 | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | タンパク同化ホルモン剤が糖尿病患者のみに起こる血糖降下作用に加えて代謝抑制・排泄遅延説がある。 |
テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン塩酸塩 ミノサイクリン塩酸塩 等 | 低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。 | インスリン感受性促進による。 |
アドレナリン | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | 末梢でのグルコースの取り込み抑制及び肝での糖新生の促進により、血糖値を上昇させる。 |
副腎皮質ホルモン メチルプレドニゾロン 等 | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | 肝での糖新生促進、末梢組織でのインスリン感受性低下による。 |
ニコチン酸 | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | 肝でのブドウ糖の同化抑制による。 |
卵胞ホルモン エチニルエストラジオール 等 | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | 機序不明 コルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化等が考えられる。 |
イソニアジド | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | 糖質代謝の障害による血糖値上昇及び耐糖能異常による。 |
ピラジナミド | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | 機序不明 血糖値のコントロールが難しいとの報告がある。 |
フェノチアジン系薬剤 クロルプロマジン塩酸塩 等 | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | インスリン遊離抑制、副腎からのアドレナリン遊離による。 |
利尿剤 チアジド系 クロルタリドン 等 | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | 血清カリウムの低下、インスリンの分泌障害、組織におけるインスリンの感受性低下による。 |
フェニトイン | 経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。 食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。 併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。 | インスリン分泌を直接抑制する。 |
甲状腺ホルモン 乾燥甲状腺 等 | 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する。 | 血糖コントロール条件が変わることがある。 |