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ベラプロストNa錠20μg「オーハラ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善
  • ○原発性肺高血圧症

用法・用量

  • <慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善>

    • 通常、成人には、ベラプロストナトリウムとして1日120μgを3回に分けて食後に経口投与する。
  • <原発性肺高血圧症>

    • 通常、成人には、ベラプロストナトリウムとして1日60μgを3回に分けて食後に経口投与することから開始し、症状(副作用)を十分観察しながら漸次増量する。増量する場合には、投与回数を1日3~4回とし、最高用量を1日180μgとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、上部消化管出血、尿路出血、喀血、眼底出血等)[出血を増大するおそれがある。]
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 月経期間中の患者
出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.2 出血傾向並びにその素因のある患者
出血傾向を助長するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎機能障害(血清クレアチニン2.5mg/dL以上)のある患者
曝露量(AUC)が増加するおそれがある。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
<原発性肺高血圧症>
8.2 本剤の有効成分は「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。
8.3 「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」から本剤へ切り替える場合には、「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」の最終投与時から12時間以上が経過した後に、本剤をベラプロストナトリウムとして原則1日60μgを3回に分けて食後に経口投与することから開始すること。また、「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」と同用量の本剤に切り替えると、過量投与になるおそれがあるため注意すること。[16.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<原発性肺高血圧症>
原発性肺高血圧症は薬物療法に対する忍容性が患者によって異なることが知られており、本剤の投与にあたっては、投与を少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

<原発性肺高血圧症>
5.1 原発性肺高血圧症と診断された患者にのみ使用すること。
5.2 本剤は経口投与であるため、重症度の高い患者等では効果が得られにくい場合がある。循環動態あるいは臨床症状の改善が見られない場合は、注射剤や他の治療に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にベラプロストナトリウム100μg注)を経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。
Cmax(pg/mL)tmax(h)t1/2(h)
4401.421.11
n=8
健康成人にベラプロストナトリウム40μgを食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。
Cmax(pg/mL)tmax(h)AUC0-6(pg・h/mL)
228.4±94.61.3±0.6462±144
n=12、平均値±SD
なお、健康成人にベラプロストナトリウム徐放錠(120μg又は180μg)を食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。[8.3参照]
ベラプロストナトリウム徐放錠投与量Cmax(pg/mL)tmax(h)AUC0-48(pg・h/mL)MRT0-48(h)
120μg(n=12)178.5±74.33.2±1.01076±3228.4±2.7
180μg(n=12)264.5±112.93.9±1.11989±84710.7±1.6
平均値±SD
16.1.2 反復投与
健康成人にベラプロストナトリウム50μg注)を1日3回10日間経口反復投与したときの最高血漿中未変化体濃度は0.3~0.5ng/mLであり、反復投与による蓄積性は認められなかった。
16.1.3 生物学的同等性試験
ベラプロストNa錠20μg「オーハラ」とドルナー錠20μgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ベラプロストナトリウムとして20μg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
nAUC0→360(pg・min/mL)Cmax(pg/mL)tmax(min)t1/2(min)
ベラプロストNa錠20μg「オーハラ」2019086.87±8171.53284.42±125.0327.0±10.460.3±36.3
ドルナー錠20μg2019595.09±8261.76310.24±132.6626.3±10.753.8±23.9
(平均値±S.D.)
血漿中ベラプロストナトリウム濃度の推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
血清蛋白結合率は約90%であった(in vitro)。
16.4 代謝
ベラプロストナトリウムは、ヒトにおいて主にβ-酸化、15位水酸基の酸化及び13位二重結合の水素化、グルクロン酸抱合により代謝された。また、ベラプロストナトリウムは、CYP2C8によって添加量の約3%とわずかに代謝されたが、他のCYP分子種(1A2、2A6、2B6、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4、4A11)では代謝されなかった(in vitro)。CYP分子種(1A2、2A6、2C8、2C9、2C19、2D6、3A4)のいずれに対しても阻害を認めず、また、CYP分子種(1A2、2C9、2C19、3A4)のいずれに対しても、その活性を誘導しなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人12人にベラプロストナトリウム50μg注)を経口単回投与したときの24時間後までの尿中未変化体排泄量は2.8μgであり、β-酸化体は5.4μgであった。未変化体及びβ-酸化体は、グルクロン酸抱合体としても排泄される。なお、排泄量における遊離体の割合はそれぞれ14%、70%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者、中等度腎機能障害患者及び高度腎機能障害患者を対象にベラプロストナトリウム40μgを食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであり、腎機能正常者と比較し、高度腎機能障害患者でAUC0-24が増加する傾向が認められた。[9.2.1参照]
Cmax(pg/mL)tmax(h)t1/2(h)AUC0-24(pg・h/mL)
腎機能正常者
(Scr<1.3mg/dL)
141.28±76.982.77±1.501.46±0.30404.15±185.75
中等度腎機能障害患者
(1.3≦Scr<2.5mg/dL)
132.33±85.702.02±0.851.27±0.62308.18±117.71
高度腎機能障害患者
(Scr≧2.5mg/dL)
148.55±60.133.15±2.161.55±0.39682.83±189.27
Scr:血清クレアチニンn=8(※:n=7)、平均値±SD
注)本剤の承認された用量は、慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善では1日120μg、原発性肺高血圧症では1日60~180μgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝血剤
ワルファリン

抗血小板剤
アスピリン
チクロピジン

血栓溶解剤
ウロキナーゼ
出血傾向を助長することがある。相互に作用を増強することがある。
プロスタグランジンI2製剤
エポプロステノール
ベラプロスト注)
エンドセリン受容体拮抗剤
ボセンタン
血圧低下を助長するおそれがあるので、血圧を十分に観察すること。相互に作用を増強することが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 出血傾向(頻度不明)
脳出血、消化管出血、肺出血、眼底出血があらわれることがある。
11.1.2 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
血圧低下、頻脈、顔面蒼白、嘔気等が認められた場合には投与を中止すること。
11.1.3 間質性肺炎(頻度不明)
11.1.4 肝機能障害(頻度不明)
黄疸や著しいAST、ALTの上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.5 狭心症(頻度不明)
11.1.6 心筋梗塞(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
出血傾向出血傾向、皮下出血、鼻出血
血液貧血、白血球増多好酸球増多、血小板減少、白血球減少
過敏症発疹、湿疹、そう痒蕁麻疹、紅斑
精神・神経系頭痛眠気、ふらつきめまい、立ちくらみ、もうろう状態、しびれ感、振戦、不眠、浮遊感
消化器系下痢、嘔気、食欲不振、腹痛嘔吐、口渇、胃不快感上腹部痛、胃潰瘍、胃障害、胸やけ
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇ビリルビン上昇、Al-P上昇黄疸
腎臓BUN上昇血尿頻尿
循環器系顔面潮紅ほてり、のぼせ動悸、潮紅血圧低下、頻脈
その他トリグリセライド上昇倦怠感、疼痛、関節痛、息苦しさ、耳鳴、発汗、冷汗浮腫、胸部不快感、胸痛、発熱、熱感、顎痛、気分不良、背部痛、頸部痛、脱毛、咳嗽、筋痛、脱力感
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