製品名 オングリザ錠2.5mg
オングリザ錠5mg

一般名
Saxagliptin Hydrate
薬効分類
糖尿病治療薬
 >DPP-4阻害薬
価格
2.5mg1錠:84.1円/錠
5mg1錠:126.2円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 2型糖尿病

用法・用量

  • 通常、成人にはサキサグリプチンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて2.5mgを1日1回経口投与することができる。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤を投与すべきでない。]
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
副作用
低血糖(0.5%)
本剤の投与により低血糖があらわれることがある。スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤との併用では重篤な低血糖症状があらわれ、特にスルホニルウレア剤では意識消失を来す例も報告されていることから、これらの薬剤と併用する場合は、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。低血糖症状が認められた場合は、糖質を含む食品等を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時はブドウ糖を投与すること。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「相互作用」の項参照)
急性膵炎(頻度不明
急性膵炎があらわれることがあるので、膵炎の症状について説明し、観察を十分に行うこと。もし、持続的な激しい腹痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
過敏症反応(頻度不明
アナフィラキシー、血管浮腫及び皮膚剥脱等の重篤な過敏症反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腸閉塞(0.5%未満)
腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「慎重投与」の項参照)
類天疱瘡(頻度不明
類天疱瘡があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
*:自発報告又は海外において認められた副作用
注意

次の患者には慎重に投与すること

中等度以上の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「その他の注意」及び「薬物動態」の項参照)
心不全(NYHA分類III~IV)のある患者(「その他の注意」の項参照)
スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤を投与中の患者[低血糖のリスクが増加するおそれがある。](「重要な基本的注意」、「相互作用」及び「重大な副作用」の項参照)
次に掲げる患者又は状態[低血糖を起こすおそれがある。]
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者[腸閉塞を起こすおそれがある。](「重大な副作用」の項参照)
本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤と併用する場合は、低血糖のリスクを軽減するため、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。(「慎重投与」、「相互作用」及び「重大な副作用」の項参照)
本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
低血糖症状、めまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
中等度以上の腎機能障害患者では、排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するため、2.5mgに減量すること。(「薬物動態」の項参照)
血清クレアチニン(mg/dL)クレアチニンクリアランス(Ccr,mL/min)投与量
中等度以上の腎機能障害患者男性:>1.4
女性:>1.2
<502.5mg、1日1回
*クレアチニンクリアランスに相当する換算値(年齢60歳、体重65kg)
本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多いので、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。また、患者の腎機能障害の程度に応じて適切な用量調節を行うこと。(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[動物試験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
ラット及びウサギを用いた本剤単独投与による生殖毒性試験においては、催奇形性も母動物毒性も認められていないが、メトホルミンとの併用投与による生殖毒性試験において、ラットでは本剤との関連性は不明であるが胎児に催奇形性(頭蓋脊椎破裂)が、ウサギでは母動物毒性(致死、流産)が認められた。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
血漿中濃度
単回投与
健康成人(23例)に本剤1、2.5、5mgを空腹時単回経口投与した時のサキサグリプチンの血漿中濃度推移と薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。また、主要活性代謝物はそれぞれ図1及び表2に示す。(本剤の承認された用量は1日1回5mg又は2.5mgである。)
図1 空腹時単回経口投与時のサキサグリプチン及び主要活性代謝物の平均血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
表1 空腹時単回経口投与時のサキサグリプチンの血漿中薬物動態パラメータ
投与量Cmax
(ng/mL)
AUC
(ng・h/mL)
tmax
(h)
t1/2,z
(h)
1mg(n=7)4.8±1.218.8±3.80.8(0.5、2.0)6.0±2.1
2.5mg(n=8)9.8±2.741.4±10.20.8(0.5、2.0)6.8±0.8
5mg(n=8)18.7±3.478.6±25.60.8(0.5、2.0)6.5±1.0
平均値±標準偏差、tmax:中央値(最小値、最大値)
表2 空腹時単回経口投与時の主要活性代謝物の血漿中薬物動態パラメータ
投与量Cmax
(ng/mL)
AUC
(ng・h/mL)
tmax
(h)
t1/2,z
(h)
1mg(n=7)6.8±1.950.9±7.61.5(1.0、2.0)10.8±0.7
2.5mg(n=8)21.0±5.6148.1±28.92.0(1.0、3.0)9.4±0.8
5mg(n=8)44.4±12.2267.9±65.71.5(0.8、3.0)8.6±1.3
平均値±標準偏差、tmax:中央値(最小値、最大値)
また、2型糖尿病患者に本剤5mgを朝食前単回経口投与した時、本剤は速やかに吸収され、血漿中のサキサグリプチンは投与後0.8時間で最高血漿中濃度に到達し、消失半減期は7.0時間であった。一方、血漿中の主要活性代謝物は投与後1.0時間で最高血漿中濃度に到達し、消失半減期は7.0時間であった
反復投与
健康成人(8例)に本剤10mgを1日1回7日間朝食前反復投与した時及び2型糖尿病患者(20例)に本剤5mgを1日1回14日間反復投与した時、Cmax、AUCτ及びCminから算出したサキサグリプチン及び主要活性代謝物の累積係数の平均値は約1であり、反復投与による累積はほとんど認められなかった。(本剤の承認された用量は1日1回5mg又は2.5mgである。)
食事の影響
健康成人(25例)に本剤5mgを食後に単回経口投与した時、空腹時と比較して、サキサグリプチンのCmaxは7.7%減少し、AUCは14.0%増加した(表3)
表3 食後単回経口投与時のサキサグリプチンの血漿中薬物動態パラメータ
投与量Cmax
(ng/mL)
AUC
(ng・h/mL)
tmax
(h)
t1/2,z
(h)
空腹時34.5±9.898.5±16.00.5(0.3、2.0)6.6±1.2
食後32.0±9.1112.2±16.61.0(0.5、2.0)6.5±1.1
平均値±標準偏差、tmax:中央値(最小値、最大値)
蛋白結合率
平衡透析法により測定したところ、サキサグリプチン及び主要活性代謝物の非結合型分率はほぼ100%であり、ヒト血清中蛋白にほとんど結合しなかった
代謝酵素
サキサグリプチンはヒト肝ミクロゾームチトクロームP450の分子種のうち、主としてCYP3A4/5により代謝される(in vitro
サキサグリプチン及び主要活性代謝物はいずれもin vitroでCYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4を阻害せず、CYP1A2、2B6、2C9及び3A4を誘導しなかった
排泄(参考:一部外国人による成績)
日本人健康成人(8例)に本剤5mgを空腹時単回投与したときのサキサグリプチン及び主要活性代謝物の投与後24時間までの尿中排泄率は、それぞれ15.8%及び22.2%であった。また、サキサグリプチンの腎クリアランスは10.61L/h(177mL/min)であり、サキサグリプチンの腎排泄には、能動的な尿細管分泌の関与が推定される
サキサグリプチンは、腎臓及び肝臓の両経路により排泄される。外国人健康成人(6例)に14C標識した本剤50mgを単回投与したとき、投与後168時間までに投与放射能の75%が尿中に排泄され、22%が糞中に排泄された。尿中に排泄されたサキサグリプチン及び主要活性代謝物の割合は、投与放射能のそれぞれ24%及び36%であった。一方、糞中に排泄されたのは大部分がサキサグリプチンの酸化代謝物であり、サキサグリプチンの割合は投与量の約0.5%であった
in vitroにおいて、サキサグリプチンと主要活性代謝物は、有機アニオントランスポーター(OATP1B1、OATP1B3、OAT1、OAT3)、有機カチオントランスポーター(OCT1、OCT2)、及びペプチドトランスポーター(PEPT1、PEPT2)の基質とならない。また、サキサグリプチンはP糖蛋白の基質であるが、主要活性代謝物はP糖蛋白の基質ではない
腎機能障害患者(参考:外国人による成績)
腎機能の程度が異なる成人(40例)に本剤10mgを単回経口投与したときのサキサグリプチンのAUCは、腎機能正常者に比べて、軽度(Ccr:50~80mL/min)、中等度(Ccr:30~50mL/min)、重度(Ccr:30mL/min未満)の腎機能障害患者でそれぞれ1.2倍、1.4倍、2.1倍になった。主要活性代謝物のAUCは、腎機能正常者に比べて、軽度、中等度、重度の腎機能障害患者でそれぞれ1.7倍、2.9倍、4.5倍になった。
また、血液透析によりサキサグリプチン及び主要活性代謝物は体循環から除去され、4時間の血液透析により投与量のそれぞれ4%及び19%が除去された。
肝機能障害患者(参考:外国人による成績)
肝機能の程度が異なる成人(36例)に本剤10mgを単回経口投与したときのサキサグリプチンのAUCは、肝機能正常者に比べて、軽度(Child-Pugh分類A)、中等度(Child-Pugh分類B)、重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者でそれぞれ10%、38%、77%増加した。一方、主要活性代謝物のAUCは、肝機能正常者に比べて、軽度、中等度、重度の肝機能障害患者でそれぞれ22%、7%、33%低下した。
サキサグリプチン及び主要活性代謝物のCmaxには肝機能障害による明らかな影響はみられなかった。サキサグリプチンのCmaxは、肝機能正常者に比べて軽度、中等度、重度肝機能障害患者でそれぞれ8%増加、2%増加及び6%低下した。一方、主要活性代謝物のCmaxは、肝機能正常者に比べて、軽度、中等度、重度の肝機能障害患者でそれぞれ18%、16%、59%低下した。
高齢者(参考:外国人による成績)
健康な高齢者(65歳以上)(28例)及び若年者(18~40歳))(28例)に本剤10mgを単回経口投与したときの高齢者におけるサキサグリプチンのCmax及びAUCは、若年者に比べてそれぞれ23%及び59%高かった。一方、高齢者における主要活性代謝物のCmaxは、若年者に比べて7%低く、AUCは35%高かった。
薬物間相互作用(参考:外国人による成績)
ジルチアゼム、ケトコナゾール(CYP3A4/5阻害剤)
健康成人に本剤とジルチアゼム又はケトコナゾールを併用投与したとき、サキサグリプチン及び主要活性代謝物の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。モル換算したサキサグリプチンと主要活性代謝物の総曝露量(AUC)の上昇はジルチアゼム併用で平均21%、ケトコナゾール併用で平均13%であった。
併用薬併用薬用量本剤用量幾何平均値の比(併用時/非併用時)
サキサグリプチン主要活性代謝物
CmaxAUCCmaxAUC
ジルチアゼム(n=12)360mg/日
1日1回、9日間
10mg単回投与1.63[1.40,1.90]2.09[1.97,2.23]0.57[0.50,0.64]0.66[0.61,0.71]
ケトコナゾール(n=15)400mg/日
1日2回、9日間
100mg単回投与1.62[1.47,1.80]2.45[2.30,2.60]0.05[0.05,0.06]0.12[0.10,0.13]
幾何平均値の比[90%信頼区間]
リファンピシン(CYP3A4/5誘導剤)
健康成人に本剤とリファンピシンを併用投与したとき、サキサグリプチン及び主要活性代謝物の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。モル換算したサキサグリプチンと主要活性代謝物の総曝露量(AUC)の低下は平均27%であった。
併用薬併用薬用量本剤用量幾何平均値の比(併用時/非併用時)
サキサグリプチン主要活性代謝物
CmaxAUCCmaxAUC
リファンピシン(n=13)600mg/日
1日1回、6日間
5mg単回投与0.47[0.38,0.57]0.24[0.21,0.27]1.39[1.23,1.56]1.03[0.97,1.09]
幾何平均値の比[90%信頼区間]
DPP-4活性阻害率のAUC24hにリファンピシン併用による影響は認められなかった。
その他の薬剤との併用
健康成人に本剤とメトホルミン、グリベンクラミド、ピオグリタゾン、ジゴキシン、シンバスタチン、オメプラゾール、Maalox Max又はファモチジンをそれぞれ併用投与したとき、サキサグリプチンのAUCに併用による影響は認められなかった。サキサグリプチンのCmaxは、メトホルミンを併用投与したとき21%低下し、Maalox Maxを併用投与したとき26%低下した。メトホルミン、ジゴキシン又はシンバスタチンをそれぞれ併用したとき、主要活性代謝物の薬物動態に併用による影響は認められなかった。
また、健康成人に本剤とメトホルミン、グリベンクラミド、ピオグリタゾン、ジゴキシン、シンバスタチン、ジルチアゼム、ケトコナゾール又はOrtho-cyclen**をそれぞれ併用投与したとき、併用薬剤の薬物動態に影響は認められなかった。
†:単回投与の場合はAUC、反復投与の場合はAUCτを用いた。
*:水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シメチコンを含有(国内未承認)
**:エチニルエストラジオール、ノルゲスチメートを含有(国内未承認)