製品名 リシノプリル錠5mg「日医工」
リシノプリル錠10mg「日医工」
リシノプリル錠20mg「日医工」
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- 一般名
- Lisinopril Hydrate
- 薬効分類
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降圧薬>ACE阻害薬
- 価格
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5mg1錠:10.1円/錠
10mg1錠:10.6円/錠
20mg1錠:17.5円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:日医工株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 高血圧症
- 下記の状態で,ジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合
- 慢性心不全(軽症~中等症)
用法・用量
高血圧症
- 通常,成人にはリシノプリル(無水物)として10~20mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい。
- 通常,6歳以上の小児には,リシノプリル(無水物)として,0.07mg/kgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
- 通常,成人にはリシノプリル(無水物)として10~20mgを1日1回経口投与する。
慢性心不全(軽症~中等症)
- 本剤はジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。
通常,成人にはリシノプリル(無水物)として5~10mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,腎障害を伴う患者では初回用量として2.5mgから投与を開始することが望ましい。
- 本剤はジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
- デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。](「相互作用」の項参照)
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシーを発現することがある。](「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
- アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。](「重要な基本的注意」の項参照)
- 副作用
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- (頻度不明)
- 血管浮腫
- 呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,アドレナリン注射,気道確保等適切な処置を行うこと。
- 腹痛,嘔気,嘔吐,下痢等を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全
- 急性腎不全があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には,減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
- 高カリウム血症
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。
- 膵炎
- 膵炎があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),天疱瘡様症状
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),天疱瘡様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 溶血性貧血,血小板減少
- 溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害,黄疸
- AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。
- 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
- 低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 重篤な腎機能障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
- 脳血管障害のある患者[過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
- 高血圧症及び慢性心不全(軽症~中等症)共通
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては,腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること。
- 高カリウム血症の患者においては,高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること。
また,腎機能障害,コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では,高カリウム血症が発現するおそれがあるので,血清カリウム値に注意すること。
- アリスキレンを併用する場合,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお,eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については,治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
- 降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業・自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 手術前24時間は投与しないことが望ましい。
- 高血圧症の場合
- 本剤の投与によって,特に次の患者では,初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので,投与は少量より開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
- 重症の高血圧症患者
- 血液透析中の患者
- 利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤の投与を開始した患者)(「相互作用」の項参照)
- 厳重な減塩療法中の患者
- 過度の血圧低下により心筋梗塞,又は脳血管障害の危険性のある患者においては投与は少量より開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
- 本剤の投与によって,特に次の患者では,初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので,投与は少量より開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
- 慢性心不全(軽症~中等症)の場合
- ジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤で十分な効果が認められない症例にのみ,本剤を追加投与すること。なお,本剤の単独投与での有用性は確立されていない。
- 重症の慢性心不全に対する本剤の有用性は確立されていない(使用経験が少ない)。
- 初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので,血圧等の観察を十分に行うこと。特に次の患者では,投与は少量より開始し,血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。
- 腎障害のある患者
- 利尿剤投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 厳重な減塩療法中の患者
- 低ナトリウム血症の患者
- 低血圧の患者
- 過度の血圧低下により心筋梗塞,又は脳血管障害の危険性のある患者
- カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン,トリアムテレン等),カリウム補給剤を併用すると,血清カリウム値が上昇することがあるので,血清カリウム値に注意すること。(「相互作用」の項参照)
- 大動脈弁狭窄症又は閉塞性肥大型心筋症のある患者では過度の血圧低下を来し,症状を悪化させるおそれがあるので観察を十分に行うこと。
適用上の注意
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
- クレアチニンクリアランスが30mL/分以下,又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では,投与量を半量にするか,もしくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。[排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。(「慎重投与」の項参照)]
- 6歳以上の小児に投与する場合には1日20mgを超えないこと。
高齢者への投与
- 高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので,低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
- 慢性心不全患者の場合は,2.5mgから投与を開始することが望ましい。
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので,BUN,クレアチニンの上昇等,腎機能の低下に注意すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また,投与中に妊娠が判明した場合には,直ちに投与を中止すること。[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症,胎児・新生児の死亡,新生児の低血圧,腎不全,高カリウム血症,頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮,頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。また,海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で,妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において,胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。]
- 授乳中の婦人に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には,授乳を中止させること。[動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]
小児等への投与
- 低出生体重児,新生児,乳児又は6歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 糸球体ろ過量が30mL/分/1.73m2未満の小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
薬物動態
- 生物学的同等性試験
- リシノプリル錠10mg「日医工」と標準製剤を,クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(リシノプリルとして10mg)を健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中リシノプリル濃度を測定し,得られた薬物動態パラメータ(AUC,Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果,log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり,両剤の生物学的同等性が確認された。
また,「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき,リシノプリル錠5mg「日医工」及びリシノプリル錠20mg「日医工」は,標準製剤と溶出挙動が等しく,生物学的に同等とみなされた。- <リシノプリル錠10mg「日医工」>
判定パラメータ 参考パラメータ AUC0→48
(ng・hr/mL)Cmax
(ng/mL)Tmax
(hr)t1/2
(hr)リシノプリル錠10mg「日医工」 617.8±187.9 42.21±14.14 6.6±0.9 9.80±1.88 標準製剤
(錠剤,10mg)633.9±233.8 43.08±17.94 6.6±0.9 9.66±1.71 (1錠投与,Mean±S.D.,n=20)
- 血漿中濃度並びにAUC,Cmax等のパラメータは,被験者の選択,体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
- 溶出挙動
- リシノプリル錠5mg「日医工」,リシノプリル錠10mg「日医工」及びリシノプリル錠20mg「日医工」は,日本薬局方医薬品各条に定められたリシノプリル錠(5mg錠,10mg錠,20mg錠)の溶出規格に適合していることが確認されている。