製品名 グラクティブ錠12.5mg
グラクティブ錠25mg
グラクティブ錠50mg
グラクティブ錠100mg

一般名
Sitagliptin Phosphate Hydrate
薬効分類
糖尿病治療薬
 >DPP-4阻害薬
価格
12.5mg1錠:58.4円/錠
25mg1錠:71.2円/錠
50mg1錠:132.4円/錠
100mg1錠:197円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 2型糖尿病

用法・用量

  • 通常、成人にはシタグリプチンとして50mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者〔輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤を投与すべきでない。〕
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者〔インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。〕
副作用
アナフィラキシー反応
アナフィラキシー反応(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「禁忌」の項参照)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「禁忌」の項参照)
低血糖
経口糖尿病用薬との併用で低血糖注)(グリメピリド併用時5.3%、ピオグリタゾン併用時0.8%、メトホルミン併用時0.7%、ボグリボース併用時0.8%、ナテグリニド又はミチグリニド併用時6.5%)があらわれることがある。また、インスリン製剤併用時に低血糖注)(17.4%)が多くみられている。特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。したがって、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬と併用する場合には、これらの薬剤の減量を検討すること。また、他の糖尿病用薬を併用しない場合でも低血糖注)(1.0%)が報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」及び「臨床成績」の項参照)
注):低血糖症として報告された発現頻度である。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性腎障害
急性腎障害(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性膵炎
急性膵炎(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。海外の自発報告においては、出血性膵炎又は壊死性膵炎も報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)
間質性肺炎
間質性肺炎(頻度不明)があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
腸閉塞
腸閉塞(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「慎重投与」の項参照)
横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症(頻度不明)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少
血小板減少(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
類天疱瘡
類天疱瘡(頻度不明)があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
※:自発報告あるいは海外において認められている。
注意

次の患者には慎重に投与すること

中等度腎機能障害又は重度腎機能障害のある患者、血液透析又は腹膜透析を要する末期腎不全の患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)
他の糖尿病用薬(特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬)を投与中の患者〔併用により低血糖を起こすことがある。(「重要な基本的注意」、「相互作用」、「重大な副作用」及び「臨床成績」の項参照)〕
次に掲げる低血糖を起こすおそれのある患者又は状態
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
高齢者
腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者〔腸閉塞を起こすおそれがある。(「重大な副作用」の項参照)〕
本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加する。インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬による低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤と併用する場合には、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬の減量を検討すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重大な副作用」及び「臨床成績」の項参照)
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意の上、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
腎機能障害のある患者では本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)
急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。(「重大な副作用」、「その他の副作用」の項参照)
低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。
本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
本剤は主に腎臓で排泄されるため、腎機能障害のある患者では、下表を目安に用量調節すること。(「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)
腎機能障害クレアチニンクリアランス(mL/分)
血清クレアチニン値(mg/dL)
通常投与量最大投与量
中等度30≦Ccr<50
男性:1.5<Cr≦2.5
女性:1.3<Cr≦2.0
25mg1日1回50mg1日1回
重度、末期腎不全Ccr<30
男性:Cr>2.5
女性:Cr>2.0
12.5mg1日1回25mg1日1回
※:クレアチニンクリアランスに概ね相当する値
末期腎不全患者については、血液透析との時間関係は問わない。
高齢者では腎機能が低下していることが多い。高齢者では腎機能に注意し、腎機能障害がある場合には適切な用量調節を行うこと。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を考慮すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)において、1,000mg/kg/日(臨床での最大投与量100mg/日の約100倍の曝露量に相当する)経口投与により、胎児肋骨の欠損、形成不全及び波状肋骨の発現率の軽度増加が認められたとの報告がある。〕
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕
小児等に対する本剤の安全性及び有効性は確立していない(使用経験がない)。
血漿中濃度
単回投与
健康成人に、シタグリプチン12.5~100mgを空腹時単回経口投与した場合、シタグリプチンは速やかに吸収され、投与後2~5時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達し、半減期(T1/2)は9.6~12.3時間であった(図1及び表1)。シタグリプチンの血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)は用量にほぼ比例して増加した。
図1 健康成人における空腹時単回経口投与後の平均血漿中濃度の推移(平均+標準偏差、n=6)
表1 健康成人における空腹時単回経口投与後の薬物動態パラメータ
AUC0-∞(μM・hr)Cmax(nM)Tmax(hr)T1/2(hr)
12.5mg0.96±0.1560±74.0(4.0,6.0)12.3±0.8
25mg1.99±0.35145±335.0(2.0,6.0)11.6±1.8
50mg3.73±0.63319±832.0(1.0,6.0)11.4±2.4
100mg8.43±1.64944±3072.0(0.5,6.0)9.6±0.9
n=6、平均±標準偏差、Tmax:中央値(最小値、最大値)
反復投与
健康成人に、シタグリプチン25~400mgを1日1回10日間反復経口投与した場合、血漿中濃度は2日目で定常状態に達し、反復投与による蓄積はほとんど認められなかった。累積係数は1.03~1.19倍であった。
(注)本剤の承認された用量は、通常、シタグリプチンとして50mg1日1回であり、最大投与量は100mg1日1回である。
食事の影響
健康成人に、シタグリプチン50mgを食後に単回経口投与した場合、空腹時に比べてCmaxは37%増加したが、AUC0-∞及びTmaxに差はなかった(表2)。
表2 健康成人における空腹時及び食後投与時の薬物動態パラメータ
AUC0-∞(μM・hr)Cmax(nM)Tmax(hr)T1/2(hr)
空腹時4.08±0.52366±932.5(1.5,6.0)12.2±1.7
食後3.99±0.64500±1542.0(0.5,6.0)12.3±1.8
n=12、平均±標準偏差、Tmax:中央値(最小値、最大値)
吸収(外国人データ)
健康成人に、シタグリプチン100mgを投与した時の経口バイオアベイラビリティは約87%であった。
分布
血漿タンパク結合
シタグリプチンのin vitro血漿タンパク結合率は38%であった。
代謝
シタグリプチンは、代謝を受けにくく、主に未変化体として尿中に排泄される。健康成人(外国人)に14C-シタグリプチンの経口投与後、放射能の約16%がシタグリプチンの代謝物として排泄された。6種類の代謝物が検出されたが、微量であり、シタグリプチンの血漿中ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害活性に影響しないと考えられる。
シタグリプチンの消失において代謝の関与は少ない。In vitro試験では、シタグリプチンの代謝にCYP3A4が主に関与し、また、CYP2C8も関与することが示された。また、シタグリプチンはCYP3A4、2C8、2C9、2D6、1A2、2C19及び2B6を阻害せず、CYP3A4を誘導しなかった。
排泄
健康成人にシタグリプチン25~100mgを単回経口投与した場合、シタグリプチンの79~88%(推測値)は尿中に未変化体として排泄され、腎クリアランスは397~464mL/分であった。
健康成人(外国人)に14C-シタグリプチンを経口投与後、1週間以内に投与放射能の約13%が糞中に、87%が尿中に排泄された。
シタグリプチンの消失は主に腎排泄によるもので、能動的な尿細管分泌が関与する。
シタグリプチンはP-糖タンパク質及び有機アニオントランスポーター(hOAT3)の基質である。In vitro試験で、P-糖タンパク質を介するシタグリプチンの輸送はシクロスポリンにより阻害され、hOAT3を介するシタグリプチンの取込みは、プロベネシド、イブプロフェン、フロセミド、フェノフィブリック酸、キナプリル、インダパミド及びシメチジンで阻害された。また、シタグリプチンは500μMまでの濃度では、P-糖タンパク質を介するジゴキシンの輸送を阻害しなかったが、hOAT3を介するシメチジンの取込みには弱い阻害作用を示した(IC50:160μM)。
腎機能障害患者(外国人データ)
シタグリプチン50mg単回経口投与時の薬物動態パラメータは表3のとおりであった。中等度、重度腎機能障害患者、血液透析が必要な末期腎不全患者のAUC0-∞は、正常腎機能を有する健康成人のそれぞれ約2.3倍、約3.8倍、約4.5倍であり、腎機能障害の程度に応じて上昇した。血液透析が必要な末期腎不全患者では、投与後4時間から3~4時間の血液透析により、透析液中に投与量の13.5%が除去された。なお、腎機能障害患者を対象とした反復投与による薬物動態試験は実施されていない。
表3 腎機能障害別のシタグリプチン50mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
正常
(n=82)
軽度の腎機能障害
(n=6)
中等度の腎機能障害
(n=6)
重度の腎機能障害
(n=6)
血液透析が必要な末期腎不全患者
(n=6)
AUC0-∞(μM・hr)
平均の比§
4.40±0.832††7.09±0.9889.96±1.9516.6±4.8219.8±6.06
1.612.263.774.50
Cmax(nM)
平均の比§
391±123527±79.1560±137684±183556±113
1.351.431.751.42
T1/2(hr)13.1±2.2316.1±0.48719.1±2.0822.5±2.7128.4±8.18
腎クリアランス(mL/分)
平均の比§
339±87.3242±34.0126±28.160.2±19.2該当なし
0.710.370.18該当なし
平均±標準偏差腎機能の程度〔クレアチニンクリアランス(mL/分/1.73m2)〕:正常(>80)、軽度(50~80)、中等度(30~50)、重度(<30)、血液透析が必要な末期腎不全患者§:平均の比=正常群の平均に対する腎機能障害別の平均との比††:本剤1.5~600mg単回経口投与した正常腎機能の健康成人は50mgに用量補正した
肝機能障害患者(外国人データ)
シタグリプチン100mgを単回経口投与した場合、中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)では、シタグリプチンの平均AUC0-∞及び平均Cmaxは、健康成人に比べてそれぞれ約21%及び13%増加した。重度肝機能障害患者(Child-Pughスコア9超)での臨床経験はない。
高齢者(外国人データ)
健康な高齢者(65~80歳)及び若年者(18~45歳)にシタグリプチン50mgを単回経口投与した場合、高齢者は若年者に比べてシタグリプチンのAUC0-∞、Cmaxがそれぞれ31%、23%高かった。腎クリアランスが高齢者では若年者に比べて31%低下していた。
薬物相互作用
ボグリボースとの併用
健康成人にシタグリプチン50mg1日1回(朝食直前)及びボグリボース0.3mg1日3回(毎食直前)を3日間併用反復経口投与した場合、ボグリボースはシタグリプチンの薬物動態に影響を及ぼさなかった。一方、2型糖尿病患者にシタグリプチン100mg1日1回(朝食直前)及びボグリボース0.2mg1日3回(毎食直前)を3日間併用反復経口投与した場合、シタグリプチンのAUC0-24hr及びCmaxはシタグリプチン単独投与と比べて低下した(それぞれ17%及び34%)が、シタグリプチンの用量調節は必要ないと考えられた。
ジゴキシンとの併用(外国人データ)
健康成人にシタグリプチン100mgとジゴキシン0.25mgを10日間併用投与した場合、ジゴキシンのAUC0-24hr及びCmaxはわずかに上昇した(それぞれ11%及び18%)。
シクロスポリンとの併用(外国人データ)
健康成人にシタグリプチン100mgとシクロスポリン600mgを併用投与した場合、シタグリプチンのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ29%及び68%上昇した。
メトホルミンとの併用(外国人データ)
2型糖尿病患者にシタグリプチン50mg1日2回とメトホルミン1,000mg1日2回を併用投与した場合、シタグリプチン及びメトホルミンは互いの薬物動態に影響を及ぼさなかった。このデータから、シタグリプチンは有機カチオントランスポーター(OCT)を阻害しないと考えられた。
その他の薬剤との併用(外国人データ)
ロシグリタゾン、グリベンクラミド、シンバスタチン、ワルファリン及び経口避妊薬(ノルエチステロン/エチニルエストラジオール)との薬物相互作用試験データから、シタグリプチン200mg1日1回はCYP3A4、2C8及び2C9を阻害しないと考えられた。