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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○ジヒドロビオプテリン合成酵素欠損、ジヒドロプテリジン還元酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(異型高フェニルアラニン血症)における血清フェニルアラニン値の低下
  • ○テトラヒドロビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症)における血清フェニルアラニン値の低下

用法・用量

  • <異型高フェニルアラニン血症>

    • 通常、サプロプテリン塩酸塩として1日2~5mg/kgを1~3回に分割経口投与するが、血清フェニルアラニン値が正常域に維持される用量をもって、有効維持量とする。
  • <テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症>

    • 通常、サプロプテリン塩酸塩として1日10mg/kg(1~3回に分割経口投与)から投与を開始し、臨床症状等の観察を行いながら、年齢に相応した血清フェニルアラニン値の目標値に維持される用量をもって、有効維持量とする。

禁忌 

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な脳器質障害、てんかん、痙攣発作等のある患者
失神発作、痙攣の発現、痙攣発作回数の増加が認められている。
9.1.2 薬物アレルギーのある患者
9.1.3 食事摂取不良等により栄養状態が不良の患者
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
AST、ALT等の上昇が認められている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児へ投与する場合は低用量より開始するなど、慎重に投与すること。幼若ラットに本剤を投与した場合、血漿中及び脳内総ビオプテリン濃度が成熟ラットに比し高くなることが報告されている。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤は長期にわたり投与されるため、血清フェニルアラニン値を定期的に測定し、治療効果を確認するとともに、副作用の観察を行うこと。
<テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症>
8.2 本剤投与によっても治療目標とする血清フェニルアラニン値に到達しない場合は、フェニルアラニン制限食による食事療法を併用するか、あるいは食事療法による単独療法に変更すること。食事療法を併用する場合には、フェニルアラニン摂取制限によるフェニルアラニン欠乏症状が発現する可能性が否定できないので、血清フェニルアラニン値が適正に維持されているか注意すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症>
7.1 原則として1日20mg/kgを超える投与は行わないこと。1日20mg/kgを超える使用経験は少ない。
7.2 公表されている治療指針の年齢に相応した血清フェニルアラニン値の維持範囲を治療の目標値とすること。

5.効能又は効果に関連する注意

<異型高フェニルアラニン血症>
5.1 本剤は、確定診断によりジヒドロビオプテリン合成酵素欠損症、ジヒドロプテリジン還元酵素欠損症に特定されたものに投与すること。
<テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症>
5.2 本剤は、テトラヒドロビオプテリン負荷試験等による鑑別診断にて、テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症と特定されたものに投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
本剤を健康成人男性に100mg又は200mgを単回経口投与したとき、血漿中の総ビオプテリン濃度及び還元型ビオプテリン濃度は投与後2~3時間で最高値に達したのち、徐々に減少し、投与後12時間でほぼ内因性レベルに戻った。総ビオプテリンに対する還元型ビオプテリンの割合は約60~70%の範囲で推移した。
単回経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量100mg200mg
総ビオプテリン還元型ビオプテリン総ビオプテリン還元型ビオプテリン
Tmax(hr)3.1±0.22.8±0.22.6±0.52.5±0.5
Cmax(ng/mL)6.8±1.04.9±0.712.5±3.49.2±2.7
t1/2(hr)3.6±0.42.9±0.33.5±0.43.3±0.4
AUC(ng・hr/mL)59.8±8.438.9±6.592.0±19.064.5±15.0
平均値±標準誤差、n=6
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人計72例を対象とした食事の影響試験(錠剤を用いた10mg/kg/日の単回投与クロスオーバー2試験)において、食後投与のCmaxは空腹投与の138~183%、食後投与のAUCinfは空腹投与の125~159%であり、本剤の吸収は食事の影響を受けた(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 ラットにおける組織分布
サプロプテリン塩酸塩をラットに経口投与したとき、副腎、肝臓、腎臓に主に分布し、幼若動物では成熟動物に比し、血漿中及び脳内濃度が高かった。また、サプロプテリン塩酸塩をラットに静脈内投与したとき、胎児、乳汁への移行が認められたが、経口投与では、胎児、乳汁中にはほとんど分布しなかった。
16.3.2 血漿蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は、総ビオプテリン、還元型ビオプテリンいずれにおいても、血漿中濃度が10ng/mL以下では23~34%、50ng/mLを超えると10%以下であった(in vitro)。
16.4 代謝
ジヒドロプテリジン還元酵素欠損症患者に本剤及びL-セピアプテリンを投与後、尿中主代謝産物としてジヒドロビオプテリン、ジヒドロキサントプテリンが認められた(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人男性に本剤100mg又は200mgを単回経口投与したとき、いずれの投与量においても24時間以内に総ビオプテリンとして投与量の約1%が尿中に排泄された。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
レボドパ興奮性、易刺激性が生じることがあるので、このような場合には減量するなど慎重に投与すること。併用することにより相加的にカテコールアミンの産生が増加するためと推測される。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上注)1~5%未満注)頻度不明
過敏症アレルギー反応、発疹
精神神経系どもり、多幸気分、不機嫌興奮、運動過多、睡眠障害
中枢神経系痙攣ジスキネジー、ミオクローヌス、意識レベル低下、筋緊張亢進、会話障害頭痛、反射亢進、浮動性めまい、振戦
消化器下痢(12.8%)嘔吐、流涎過多腹痛、悪心、鼓腸、排便回数増加、消化不良、胃炎、食道炎、食道痛、口腔咽頭痛
呼吸器咽喉頭疼痛、咽頭炎
血液白血球数増加、血小板数増加、ヘモグロビン減少、白血球分画の異常(リンパ球数増加、好塩基球数増加等)
斜視、眼運動障害
肝臓肝機能異常(AST増加、ALT増加、γ-GTP増加)
腎臓尿蛋白陽性頻尿、多尿、遺尿
その他疲労、食欲減退

注)希少疾病用医薬品で臨床試験データが限定的であり、製造販売後調査結果を含む発現頻度である。

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