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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の進行抑制
  • ○トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)

用法・用量

  • <トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー>

    • 通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回20mgを1日1回経口投与する。
  • <トランスサイレチン型心アミロイドーシス>

    • 通常、成人にはタファミジスメグルミンとして1回80mgを1日1回経口投与する。忍容性がない場合は減量できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
重度の肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
本剤の消失半減期を考慮し、本剤の投与期間中及び最終投与後1ヵ月間は、妊娠する可能性のある患者には適切な避妊法を用いるように指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ウサギを用いた実験において、最大臨床曝露量の0.9倍の曝露により胎児の骨格奇形及び変異の発生頻度の軽度増加が認められ、胎児の生存率及び体重の減少も報告されている。また、妊娠及び授乳期ラットに最大臨床投与量の3倍以上に相当する用量の投与により、出生児の生存率及び体重の減少、性成熟の遅延、学習・記憶障害が認められた。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
<効能共通>
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は噛まずに服用させること。
<トランスサイレチン型心アミロイドーシス>
14.1.3 タファミジス遊離酸注1)61mgを含有する製剤から本剤に切り替える場合は、飲み間違えのないよう用法・用量について患者に十分説明すること。
注1)一般名はタファミジスであるが、本剤(タファミジスメグルミン)と区別するため、タファミジス遊離酸と記載した。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤の使用にあたっては、本剤とタファミジス遊離酸注1)61mgを含有する製剤との取り違えに注意すること。[16.1.3参照]
<トランスサイレチン型心アミロイドーシス>
7.2 タファミジス遊離酸注1)61mgを含有する製剤1カプセル投与時の血漿中タファミジス濃度は本剤4カプセル(タファミジスメグルミン80mg)投与時に相当する。[16.1.3参照]
7.3 タファミジス遊離酸注1)61mgを含有する製剤に忍容性が認められず減量が必要な場合には、本剤を用いること。[16.1.3参照]
7.4 本剤からタファミジス遊離酸注1)61mgを含有する製剤に切り替える場合、タファミジスメグルミン80mgを投与している患者又はタファミジスメグルミン80mgの投与が必要な患者に限りタファミジス遊離酸注1)61mgを含有する製剤1カプセルに切り替えることができる。
注1)一般名はタファミジスであるが、本剤(タファミジスメグルミン)と区別するため、タファミジス遊離酸と記載した。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 本剤の適用にあたっては、最新のガイドラインを参照し、トランスサイレチンアミロイドーシスの診断が確定していることを確認すること。
5.2 肝移植後の患者における有効性及び安全性は確立していない。臨床試験での使用経験がない。
<トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー>
5.3 重症度の高い患者(歩行に介助が必要な患者等)における有効性及び安全性は確立していない。臨床試験での使用経験が少ない。
5.4 トランスサイレチンのV30M変異型以外の変異を有する患者における有効性及び安全性は確立していない。臨床試験での使用経験が少ない。
<トランスサイレチン型心アミロイドーシス>
5.5 本剤は、トランスサイレチン型心アミロイドーシスによる心不全を有する患者に使用すること。また、「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験の選択基準等を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.3参照]
5.6 NYHA心機能分類III度の患者では、NYHA心機能分類I・II度の患者より相対的に本剤の有効性が低い可能性があるので、本剤の作用機序、及び臨床試験で示唆されたNYHA心機能分類と有効性の関係を十分に理解し、患者の状態を考慮した上で、本剤投与の要否を判断すること。[17.1.3参照]
5.7 NYHA心機能分類IV度の患者における有効性及び安全性は確立していない。臨床試験での使用経験がない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人及び外国人健康成人に、タファミジスメグルミン20及び40mg注)を空腹時に単回投与した後の薬物動態パラメータを表1に、血漿中濃度推移を図1に示す。
タファミジスは速やかに吸収され、最高血漿中濃度到達時間(tmax)は投与量によらず、投与後0.5~4時間であった。最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)の平均値は40mgまでの投与量でほぼ用量に比例して増加した。
注)本剤のトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー及びトランスサイレチン型心アミロイドーシスに対する承認用法用量はそれぞれ1回20mgを1日1回経口投与及び1回80mgを1日1回経口投与である。
表1 タファミジスメグルミンを単回投与後の薬物動態パラメータ
投与量(mg)Cmax(μg/mL)AUC0-∞(μg・h/mL)tmax(h)t1/2(h)
日本人(n=6)
201.23(0.19)60.5(9.8)2.5(2~4)40.7(8.7)
402.59(0.61)115.3(30.7)3.0(0.5~4)40.0(10.2)
外国人(n=3)
201.06(0.08)53.7(7.4)3.0(0.5~4)40.6(12.0)
402.19(0.39)95.2(18.5)3.0(1~4)51.0(13.8)
平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(範囲)
図1 タファミジスメグルミンを単回投与後の血漿中濃度推移
(平均値±標準偏差、右図は投与後12時間までの拡大図)
16.1.2 反復投与
日本人トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの患者に、タファミジスメグルミン20mgを1日1回52週間反復経口投与すると、2週目までに定常状態に達した。主に日本人被験者で実施した母集団薬物動態解析の結果から、定常状態時のCmax及びAUC0-24の幾何平均値は、それぞれ2.61μg/mL及び53.3μg・h/mLであった。また、外国健康成人に、タファミジスメグルミン80mgを1日1回7日間反復投与後のCmax及びAUC0-24の幾何平均値はそれぞれ9.09μg/mL及び166μg・h/mLであった。
16.1.3 タファミジスメグルミン(20mgを4カプセル)とタファミジス遊離酸注1)61mgの相対的バイオアベイラビリティ試験
健康成人にタファミジスメグルミン20mgを4カプセルとタファミジス遊離酸61mgの定常状態時のPKパラメータを比較したところ、両製剤は生物学的同等性の基準を満たした(外国人データ)。[7.1-7.3参照]
表2 タファミジスメグルミン(20mgを4カプセル)とタファミジス遊離酸61mgを7日間反復投与後の薬物動態パラメータ
AUC0-24(μg・h/mL)Cmax(μg/mL)tmax(h)Cmin(μg/mL)
タファミジス遊離酸61mg170.0(23)8.55(23)4.00(2.00-8.00)5.34(27)
タファミジスメグルミン(20mg 4カプセル)166.2(20)9.09(18)2.00(0.500-6.02)4.90(26)
[tmaxを除き幾何平均値(幾何%変動係数)、tmaxは中央値(範囲)、n=30]
図2 タファミジスメグルミン(20mgを4カプセル)とタファミジス遊離酸61mgを7日間反復投与後の血漿中濃度推移
注1)一般名はタファミジスであるが、本剤(タファミジスメグルミン)と区別するため、タファミジス遊離酸と記載した。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人にタファミジスメグルミン20mgを空腹時又は食後に単回投与したところ、食事によりCmaxは約23%低下したが、AUC0-lastには影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.3 分布
In vitro試験の結果、タファミジスの血漿蛋白結合率は約99.5%であった。
16.4 代謝
In vitro試験において、タファミジスメグルミンはチトクロームP450代謝酵素であるCYP1A2、CYP3A4、CYP3A5、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19及びCYP2D6を顕著に阻害しなかった。
In vitro試験において、タファミジスメグルミンのCYP1A2活性に対する誘導作用はわずかであったが、CYP3A4及びCYP2B6活性に対しては誘導作用が示唆された。健康成人にタファミジスメグルミンとCYP3A4の基質薬(ミダゾラム)を併用投与したとき、CYP3A4の誘導作用は認められなかった。[16.7.1参照]
また、臨床用量で想定される血漿中濃度に基づくと、CYP2B6についてもin vivoでの誘導の可能性は低いと考えられた。
16.5 排泄
外国人健康成人に14C-タファミジスメグルミン20mgを単回経口投与した時、血中には主に未変化体が存在した。また、血漿、尿及び糞中には未変化体とタファミジスのグルクロン酸抱合体が存在した。14C-タファミジスメグルミンを投与後、最大23日目までの試料を用いた結果、タファミジスは主に糞を介して排泄され、平均総回収率は総投与量の58.5%であった。一方、尿の平均総回収率は22.4%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
母集団薬物動態解析の結果によると、65歳未満の被験者と比較して、65歳以上の被験者のクリアランスは14.5%低かった(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
健康被験者又は軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者にタファミジスメグルミン20mgを単回投与した後の薬物動態パラメータを表3に示す。
軽度(Child-Pughスコア5~6)の肝機能障害を有する被験者と健康被験者でPKを比較した結果、Cmax及びAUC0-∞は健康被験者に比べてそれぞれ平均6%及び17%低値を示した。
中等度(Child-Pughスコア7~9)の肝機能障害を有する被験者と健康被験者でPKを比較した結果、Cmaxは平均3%の変化で類似していたがAUC0-∞は健康被験者に比べて平均41%低値を示した(外国人データ)。[9.3.1参照]
表3 健康被験者又は軽度及び中等度の肝機能障害を有する被験者にタファミジスメグルミンを単回投与後の薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)AUC0-last(μg・h/mL)tmax(h)t1/2(h)
健康被験者又は軽度の肝機能障害を有する被験者を対象(n=9)a)
健康被験者1.21(0.32)66.6(20.8)2.0(0.5~8.0)53.9(20.6)
軽度の肝機能障害を有する被験者1.11(0.20)54.5(12.7)3.0(0.5~4.0)56.4(18.0)
健康被験者又は中等度の肝機能障害を有する被験者を対象(n=9)
健康被験者1.28(0.32)65.5(14.5)2.0(0.5~8.0)54.0(12.0)
中等度の肝機能障害を有する被験者1.38(0.56)42.8(12.9)1.0(0.5~4.0)45.1(11.9)
平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(範囲)a)健康被験者には、中等度で実施した健康被験者の2例の結果を含む
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ミダゾラム
健康成人にタファミジスメグルミン20mgを1日1回14日間反復経口投与時の前日及び最終日にミダゾラム7.5mgを投与し、ミダゾラムとその活性代謝物の濃度を測定したとき、タファミジスメグルミンの併用により、ミダゾラムのCmaxは約11%減少したが、AUC0-∞及びクリアランスは変化しなかった(外国人データ)。[16.4参照]
16.7.2 ロスバスタチン
健康成人にタファミジス遊離酸61mgを7日間反復投与後にBCRPの基質であるロスバスタチン10mgを単回併用投与し、ロスバスタチンの血漿中濃度を測定したとき、タファミジス遊離酸の併用により、ロスバスタチンのAUC及びCmaxは約2倍に増加した(外国人データ)。[10.、10.2参照]
16.7.3 In vitro試験
タファミジスは乳癌耐性タンパク(BCRP)に対して阻害作用を示し、IC50値は1.16μmol/Lであった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
BCRPの基質となる薬剤
メトトレキサート
ロスバスタチン
イマチニブ等
[16.7.2参照]
本剤と併用投与した場合、これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤のBCRP阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3%以上1~3%未満1%未満頻度不明a)
感覚器回転性めまい眼痛、高眼圧症、上強膜炎、聴力低下、網脈絡膜症、眼乾燥鼓膜障害、耳そう痒症、耳痛、耳不快感、眼出血、視力障害、難聴、白内障、霧視
肝臓γ-GTP増加、肝機能検査値上昇肝酵素上昇、肝腫大、血中ビリルビン増加、肝臓うっ血肝機能異常、AST増加、胆汁うっ滞、胆汁うっ滞性黄疸、尿中ウロビリノーゲン増加、門脈血栓症
筋・骨格系背部痛、四肢痛筋攣縮、筋痙縮、頚部痛、腱痛、関節炎、関節痛、筋肉痛、筋肉疲労、筋力低下、骨折足底筋膜炎
血液貧血赤血球増加症、国際標準比(INR)増加、血小板減少症プロトロンビン時間延長、リンパ節症、大赤血球症、白血球減少
呼吸器上咽頭炎、咳嗽しゃっくり、咽頭炎、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、扁桃炎、口腔咽頭痛、睡眠時無呼吸症候群、呼吸困難慢性気管支炎、チェーン・ストークス呼吸、胸水、上気道感染、慢性閉塞性肺疾患、喀血、喘息
循環器起立性低血圧、低血圧、房室ブロック高血圧、上室性期外収縮、心室性頻脈、心電図異常、頻脈、不整脈、左脚ブロック、心不全、僧帽弁閉鎖不全症心停止、洞結節機能不全、狭心症、三尖弁閉鎖不全症、徐脈、心拍数減少、大動脈弁閉鎖不全症、動悸
消化器下痢、悪心消化不良、上腹部痛、腹痛、便秘、嘔吐、鼓腸、食欲減退、腹部膨満、腹部不快感胃炎、胃食道逆流性疾患、胃腸炎、歯感染、歯肉腫脹、消化管運動障害、食道炎、肛門出血、早期満腹、口内乾燥、排便回数増加、痔核軟便、胃腸障害、便習慣変化、おくび、レッチング、感染性腸炎、憩室、口腔障害、十二指腸潰瘍、心窩部不快感、直腸ポリープ、裂孔ヘルニア、嚥下障害、膵炎、膵腫瘤
精神・神経系頭痛失神、不眠症、浮動性めまい、神経痛異常感覚、一過性脳虚血発作、下肢静止不能症候群、感覚消失、気分変化、傾眠、平衡障害、味覚消失、うつ病、感覚鈍麻、緊張性頭痛、錯感覚、味覚異常、記憶障害錯乱状態、失語症、筋緊張低下、健忘、灼熱感、精神的機能障害、末梢性ニューロパチー
泌尿器・生殖器尿路感染血尿、勃起不全外陰部腟カンジダ症、尿閉、腟感染、膀胱炎尿路痛
皮膚発疹(湿疹、皮疹、斑状丘疹状皮疹)、そう痒症感染性皮膚潰瘍、四肢膿瘍、色素沈着障害、じん麻疹、脱毛症、皮膚病変、多汗症光線角化症、斑状出血、皮膚乾燥
腎臓血中クレアチニン増加、血中尿素増加腎機能障害、急性腎障害、血中クレアチン増加、糸球体濾過率減少、腎感染、腎腫瘤、尿中蛋白陽性
その他末梢性浮腫、甲状腺機能低下症インフルエンザ様疾患、リンパ腫、血中コレステロール増加、血中テストステロン減少、倦怠感、髄膜炎、体重減少、インフルエンザ、発熱、無力症、疲労、体液貯留、基底細胞癌、血中尿酸増加、女性化乳房、蜂巣炎異常感、水分過負荷、アミロイドーシス、真菌感染、肺炎、悪寒、過敏症、胸部不快感、甲状腺機能亢進症、高尿酸血症、蒼白、痛風、低カリウム血症、低ナトリウム血症、鉄欠乏、転倒、乳房腫脹、乳房腫瘤、末梢腫脹、扁平上皮癌

a)タファミジス遊離酸注1)のトランスサイレチン型心アミロイドーシスを対象とした臨床試験にて認められた副作用を「頻度不明」として記載した。
注1)一般名はタファミジスであるが、本剤(タファミジスメグルミン)と区別するため、タファミジス遊離酸と記載した。

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