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シンバスタチン錠5mg「オーハラ」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高脂血症、家族性高コレステロール血症

用法・用量

  • 通常、成人にはシンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合は1日20mgまで増量できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
  • 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[9.5、9.6参照]
  • 2.4 イトラコナゾール、ミコナゾール、ポサコナゾール、アタザナビル、サキナビルメシル酸塩、コビシスタットを含有する製剤を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 アルコール中毒患者
本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。
9.1.2 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある以下の患者
・甲状腺機能低下症の患者
・遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者
・薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
・アルコール中毒患者
[11.1.1参照]
9.1.3 重症筋無力症又はその既往歴のある患者
重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある。[11.1.8参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害又はその既往歴のある患者
横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。
9.2.2 腎機能検査値異常のある患者
本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用することとし、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。[10.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。本剤は主に肝臓において代謝され作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。[2.2参照]
9.3.2 肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットでシンバスタチンの活性代謝物(オープンアシド体)及び他のHMG-CoA還元酵素阻害剤の大量投与で胎児の骨格奇形が報告されている。[2.3参照]
9.6 授乳婦
投与しないこと。ラットで乳汁中への移行が観察されている。[2.3参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。[11.1.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 あらかじめ高脂血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
8.2 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
8.3 肝炎、黄疸等の肝機能障害があらわれることがある。また、まれに肝不全に至ることがあるので、定期的に肝機能検査等の観察を十分に行うこと。[11.1.3参照]
8.4 血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと。[11.1.5参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

服用時間
コレステロールの生合成は夜間に亢進することが報告されており、本剤の臨床試験においても、朝食後に比べ、夕食後投与がより効果的であることが確認されている。したがって、本剤の適用にあたっては、1日1回夕食後投与とすることが望ましい。

5.効能又は効果に関連する注意

適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
本剤は高コレステロール血症が主な異常である高脂血症によく反応する。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、HMG-CoA還元酵素阻害活性より求めた血漿中薬物濃度は投与量に依存して増加し、投与後1.4~3.7時間で最高値に達した。
16.1.2 連続投与時の蓄積性
健康成人に20mg 1日1回又は10mg 1日2回注)を7日間連続経口投与したとき、投与7日目の薬物動態パラメータは投与1日目と比較して有意な変動はみられず、蓄積性は認められなかった。
16.1.3 生物学的同等性試験
<シンバスタチン錠5mg「オーハラ」>
シンバスタチン錠5mg「オーハラ」とリポバス錠5を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シンバスタチンとして5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
nAUC(0-12)(ng・h/mL)Cmax(ng/mL)tmax(h)t1/2(h)
シンバスタチン錠5mg「オーハラ」202.04±0.880.51±0.242.2±2.53.4±2.6
リポバス錠5201.89±0.950.55±0.331.6±0.72.8±1.5
(平均値±S.D.)
血漿中シンバスタチン濃度の推移
<シンバスタチン錠10mg「オーハラ」>
シンバスタチン錠10mg「オーハラ」とリポバス錠10を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シンバスタチンとして10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
nAUC(0-24)(ng・h/mL)Cmax(ng/mL)tmax(h)t1/2(h)
シンバスタチン錠10mg「オーハラ」207.50±5.782.70±2.761.3±0.62.1±1.2
リポバス錠10208.07±6.622.48±1.821.5±0.83.1±2.4
(平均値±S.D.)
血漿中シンバスタチン濃度の推移
<シンバスタチン錠20mg「オーハラ」>
シンバスタチン錠20mg「オーハラ」とリポバス錠20を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シンバスタチンとして5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
nAUC(0-24)(ng・h/mL)Cmax(ng/mL)tmax(h)t1/2(h)
シンバスタチン錠20mg「オーハラ」2315.61±7.964.31±2.981.1±0.64.0±2.1
リポバス錠202316.11±9.003.97±1.742.0±1.53.7±2.4
(平均値±S.D.)
血漿中シンバスタチン濃度の推移
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、速やかに吸収された。
16.4 代謝
健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、血漿中にはシンバスタチンとともに、活性代謝物としてオープンアシド体が確認された。
16.5 排泄
シンバスタチンの主排泄経路は胆汁排泄であると考えられ、健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、投与後24時間までの総阻害物質の尿中排泄率は投与量の0.34~0.42%であった。
注)本剤の承認された用法及び用量は、シンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与である。なお、年齢、症状により適宜増減するが、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合は1日20mgまで増量できる。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
イトラコナゾール:
イトリゾール
ミコナゾール:
フロリード
ポサコナゾール:
ノクサフィル
[2.4参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制される。
アタザナビル:
レイアタッツ
サキナビルメシル酸塩:
インビラーゼ
コビシスタットを含有する製剤:
ゲンボイヤ
プレジコビックス
シムツーザ
[2.4参照]
横紋筋融解症を含むミオパチー等の重篤な副作用が起きるおそれがある。これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝固剤:
ワルファリンカリウム
抗凝血作用がわずかに増強する。
クマリン系抗凝固剤を併用する場合はプロトロンビン時間をモニターし抗凝固剤の量を調節すること。
機序不明
フィブラート系薬剤:
ベザフィブラート等
[9.2.2参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。これらの薬剤も横紋筋融解症が知られている。
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
ダナゾール急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。腎障害のある患者には特に注意すること。
シクロスポリン急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。シクロスポリンはCYP3A4を阻害し、併用により本剤の代謝が抑制されるおそれがある。シクロスポリンのOATP1B1阻害作用により、本剤のオープンアシド体の肝取り込みが抑制され、血漿中濃度が上昇するおそれがある。腎障害のある患者には特に注意すること。
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
HIVプロテアーゼ阻害剤:
リトナビル等
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、併用により本剤の代謝が抑制されるおそれがある。腎障害のある患者には特に注意すること。
ニコチン酸急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。腎障害のある患者には特に注意すること。
エファビレンツ併用により本剤の血漿中濃度が低下したとの報告がある。エファビレンツのCYP3A4誘導作用により本剤の代謝が促進されるおそれがある。
アミオダロン
アムロジピン
ベラパミル
併用により本剤のAUCが上昇し、横紋筋融解症又はミオパチーが起きるおそれがある。機序不明
ジルチアゼム併用により本剤のAUCが上昇し、横紋筋融解症又はミオパチーが起きるおそれがある。ジルチアゼムによりCYP3A4を介する本剤の代謝が抑制されるおそれがある。
グレープフルーツジュース併用により本剤のAUCが上昇したとの報告がある。本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。グレープフルーツジュースはCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制されるおそれがある。
グラゾプレビル併用により本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。グラゾプレビルが腸管のCYP3A及びBCRPを阻害する。
バダデュスタット併用により本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。バダデュスタットがBCRPを阻害する。
ダプトマイシン併用した場合CKが上昇する可能性があることから、ダプトマイシン投与中は本剤の休薬を考慮すること。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 横紋筋融解症、ミオパチー(いずれも頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCK上昇などに注意すること。[9.1.2、9.8参照]
11.1.2 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明)
近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある。
11.1.3 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
まれに肝不全に至ることがある。[8.3参照]
11.1.4 末梢神経障害(頻度不明)
四肢の感覚鈍麻、しびれ感・冷感等の感覚障害、あるいは筋力低下等の末梢神経障害があらわれることがある。
11.1.5 血小板減少(0.2%)[8.4参照]
11.1.6 過敏症候群(頻度不明)
ループス様症候群、血管炎等を含む過敏症候群が報告されている。
11.1.7 間質性肺炎(0.07%)
長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8 重症筋無力症(頻度不明)
重症筋無力症(眼筋型、全身型)が発症又は悪化することがある。[9.1.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
消化器腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、消化不良、食欲不振、便秘、腹部膨満感、口内炎膵炎、鼓腸放屁、舌炎
肝臓AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇Al-P上昇、総ビリルビン値上昇
皮膚そう痒、発疹、蕁麻疹、脱毛、紅斑光線過敏、扁平苔癬
筋肉CK上昇、ミオグロビン上昇筋肉痛、筋痙攣
血液白血球減少貧血
精神神経系頭痛、めまい、しびれ不眠、認知機能障害(記憶障害、混乱等)、抑うつ
その他倦怠感、BUN上昇、浮腫、関節痛、ほてり、胸痛、味覚異常、勃起不全、HbA1c上昇、血糖値上昇、テストステロン低下心悸亢進、頻尿、口渇、耳鳴、発熱
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