製品名 アジスロマイシン細粒10%小児用「KN」
個人契約のトライアルまたはお申込みで全コンテンツが閲覧可能
- 一般名
- Azithromycin Hydrate
- 薬効分類
-
抗菌薬>抗菌薬(マクロライド系)
- 価格
-
100mg1g:93.2円/g
- 製薬会社
-
- 販売:ニプロESファーマ株式会社
製造販売元:小林化工株式会社
- 販売:ニプロESファーマ株式会社
-
効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
<適応菌種>
- アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、マイコプラズマ属
<適応症>
- 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、中耳炎
用法・用量
- 小児には、体重1kgあたり10mg(力価)を1日1回、3日間経口投与する。
ただし、1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする。
- 禁忌
-
【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 副作用
-
- (頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー
- ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意すること。
- 薬剤性過敏症症候群
- 初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
- 肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全
- 肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎障害
- 急性腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 偽膜性大腸炎、出血性大腸炎
- 偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等があらわれた場合にはただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎、好酸球性肺炎
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)
- QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。
- 白血球減少、顆粒球減少、血小板減少
- 白血球減少、顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 注意
-
慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 高度な肝機能障害のある患者[肝機能を悪化させるおそれがあるので、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。]
- 心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)をおこすことがある。]
重要な基本的注意
- アナフィラキシー・ショックがあらわれるおそれがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。
- ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので注意すること。また、本剤は組織内半減期が長いことから、上記副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。
- 本剤の使用にあたっては、事前に患者に対して、次の点を指導すること。
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え、粘膜(口唇、眼、外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状]があらわれた場合には、服用を中止し、ただちに医師に連絡すること。
- 服用終了後においても上記症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡すること。
- 本剤は組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意すること。
適用上の注意
- 本剤は小児が確実に服用できるように主薬の苦味を防ぐためのコーティングが施してあるので、水又は牛乳等の中性飲料で速やかに服用すること。
なお、酸性飲料(オレンジジュース、乳酸菌飲料及びスポーツ飲料等)で服用したり、噛んで服用した場合、また、調剤時につぶした場合には、苦味が発現することがあるので、避けることが望ましい。
用法用量に関連する使用上の注意
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認すること。
- 分包製品の場合
- 体重換算による服用量の概算は、次表のとおりである。
体重 15~25kg 26~35kg 36~45kg 46kg~ 1日あたりの服用量(包数) 200mg(力価)
(2包)300mg(力価)
(3包)400mg(力価)
(4包)500mg(力価)
(5包)
- 外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤500mg(力価)を1日1回3日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約7日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与期間は3日間とする。
- 4日目以降においても臨床症状が不変もしくは悪化の場合には、医師の判断で適切な他の薬剤に変更すること(「相互作用」(3)の項参照)。
効能効果に関連する使用上の注意
- 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、中耳炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
高齢者への投与
- アジスロマイシン製剤の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがあるので、患者の一般状態に注意して投与すること。なお、高度な肝機能障害を有する場合は、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること(「慎重投与」(2)の項参照)。
投与後に異常が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦
- 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 授乳婦
- ヒト母乳中に移行することが報告されているので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 他社が実施した臨床試験において、小児で白血球数減少が認められたのは442例中33例で、このうち9例において好中球数が1000/mm3以下に減少した。白血球数減少が認められた症例の多くは、投与開始7日後あるいは8日後の検査日において回復がみられた。したがって、顆粒球数(好中球数)減少もあわせて十分観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、必要があれば、他の抗菌薬に切り替えた上、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。
- 他社が実施した臨床試験において、小児における下痢の発現頻度は、2歳未満(124例中8例)では2歳以上(602例中6例)と比べて高いので注意し、これらの症状が認められた場合には症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。
- 小児における興奮の報告が成人に比べて多い傾向が認められているので注意すること。
薬物動態
- <生物学的同等性試験>
- アジスロマイシン細粒10%小児用「KN」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ5g(アジスロマイシンとして500mg(力価))健康成人男性に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された(図、表)。
- 図 アジスロマイシンの血清中濃度推移
- 表 薬物動態パラメータ
判定パラメータ 参考パラメータ AUC0→72h
(μg・h/mL)Cmax
(μg/mL)tmax
(h)t1/2
(h)アジスロマイシン細粒10%小児用「KN」 4.630±1.549 0.363±0.133 2.8±0.8 19.3±2.7 標準製剤
(細粒剤、10%)4.713±0.855 0.348±0.088 2.7±0.7 19.6±3.2 (Mean±S.D.、n=20) - 血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
- アジスロマイシン細粒10%小児用「KN」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ5g(アジスロマイシンとして500mg(力価))健康成人男性に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された(図、表)。