製品名 アデムパス錠0.5mg
アデムパス錠1.0mg
アデムパス錠2.5mg

一般名
Riociguat
riociguat
薬効分類
昇圧・心不全・冠動脈・末梢血管疾患薬
 >グアニル酸シクラーゼ刺激薬
価格
0.5mg1錠:673.4円/錠
1mg1錠:1346.8円/錠
2.5mg1錠:3366.9円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症
  • 肺動脈性肺高血圧症

用法・用量

  • 用量調節期

    • 通常,成人にはリオシグアトとして1回1.0mg1日3回経口投与から開始する.2週間継続して収縮期血圧が95mmHg以上で低血圧症状を示さない場合には,2週間間隔で1回用量を0.5mgずつ増量するが,最高用量は1回2.5mg1日3回までとする.収縮期血圧が95mmHg未満でも低血圧症状を示さない場合は,現行の用量を維持するが,低血圧症状を示す場合には,1回用量を0.5mgずつ減量する.
  • 用量維持期

    • 用量調節期に決定した用量を維持する.用量維持期においても,最高用量は1回2.5mg1日3回までとし,低血圧症状を示すなど,忍容性がない場合には,1回用量を0.5mgずつ減量する.
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
  • 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[使用経験がなく,本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある.]
  • 重度の腎機能障害(クレアチニン・クリアランス15mL/min未満)のある又は透析中の患者[使用経験がなく,本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある.]
  • 硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン,亜硝酸アミル,硝酸イソソルビド,ニコランジル等)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
  • ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害剤を投与中の患者[症候性低血圧を起こすことがある.(「相互作用」の項参照)]
  • アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール,ボリコナゾール),HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル,ロピナビル・リトナビル,インジナビル,アタザナビル,サキナビル),オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビルを投与中の患者[本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある.(「相互作用」の項参照)]
副作用
喀血(0.2%),肺出血(頻度不明)
重度の喀血又は肺出血があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.[「重要な基本的注意」の項参照]
注意

次の患者には慎重に投与すること

抗凝固療法中の患者[気道出血が起こる可能性が高くなる.(「重要な基本的注意」の項参照)]
軽度又は中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類A又はB)のある患者[血中濃度が上昇するので,用量調節期においては患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.(「薬物動態」の項参照)]
腎機能障害(クレアチニン・クリアランス15~80mL/min未満)のある患者[血中濃度が上昇するので,用量調節期においては患者の状態を観察しながら慎重に投与するとともに,1回1.0mg1日3回より低用量からの開始も考慮すること.(「薬物動態」の項参照)]
投与前の収縮期血圧が95mmHg未満の患者[使用経験がなく,過度の血圧低下が起こるおそれがある.本剤の投与に際しては,患者における治療上のリスク・ベネフィットを考慮して慎重に判断すること.本剤を投与する場合は,用量調節期において患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
肺静脈閉塞性疾患の患者では,心血管系の状態を著しく悪化させるおそれがあるため,本剤を投与しないことが望ましい.また,本剤の投与により肺水腫の徴候がみられた場合には,肺静脈閉塞性疾患との関連性を疑い,投与を中止すること.
抗凝固療法中の患者では喀血が起こりやすく,本剤の投与により重篤で致死的な喀血の危険性が高まる可能性がある.患者毎に本剤投与のリスク・ベネフィットを定期的に評価すること.[「重大な副作用」の項参照]
本剤の投与に際しては,妊娠する可能性のある女性患者に以下について説明及び指導し,必要に応じて妊娠検査を行い,妊娠していないことを確認すること.
妊娠中に本剤を服用した場合に胎児に影響を及ぼす危険性があること.
本剤の服用開始後は確実な避妊法を用いること.
妊娠した場合もしくはその疑いがある場合には,直ちに医師に連絡すること.
本剤は血管を拡張して血圧を低下させる作用を有している.本剤の投与に際しては,血管拡張作用により患者が有害な影響を受ける状態(降圧剤投与中,安静時低血圧,血液量減少,重度の左室流出路閉塞,自律神経機能障害等)にあるかどうかを十分検討すること.
臨床試験において,めまい等が認められているので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること.
喫煙者では非喫煙者に比べて本剤の血漿中濃度が低下するので,禁煙させることが望ましい.[「薬物動態」の項参照]
特発性間質性肺炎に伴う症候性肺高血圧症を対象とした国際共同試験において,本剤投与群ではプラセボ投与群と比較して重篤な有害事象及び死亡が多く認められた.間質性肺病変を伴う肺動脈性肺高血圧症の患者に本剤を投与する場合は,間質性肺疾患の治療に精通した専門医に相談するなど,本剤投与によるリスクとベネフィットを考慮した上で,投与の可否を慎重に検討すること.[「その他の注意」の項参照]
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]
患者の状態に応じて1回1.0mg1日3回より低用量からの開始も考慮すること.[「慎重投与」,「相互作用」の項参照]
投与間隔は約6~8時間間隔とすることが望ましい.ただし,1回の服用を忘れた場合には,次回の服用時刻に1回用量を服用させる.
3日間以上投与が中断した場合,再開時には,開始時の用量を考慮し,「用法・用量」に従い用量調節を行う.
本剤の使用にあたっては,最新の慢性血栓塞栓性肺高血圧症又は肺動脈性肺高血圧症に対する治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること.
肺動脈性肺高血圧症のWHO機能分類クラスIVにおける有効性及び安全性は確立していない.
血中濃度の上昇が認められているので,用量調節期においては,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.[「薬物動態」の項参照]

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.また妊娠可能な女性に対しては,適切な避妊を行うよう指導すること.[動物実験において,ラットで心室中隔欠損,骨化遅延(胸骨分節)及び全胚吸収がヒトの8.1倍の全身曝露量で発現することが報告されている.また,ウサギで流産及び全胚吸収がそれぞれヒトの3.8倍及び12.6倍の全身曝露量で発現することが報告されている.]
授乳中の女性への投与は避けること.やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること.[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている.]
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児等に対する安全性は確立していない.[使用経験がない.]
血漿中濃度
単回投与
日本人健康成人男性27例に本剤0.5,1.0及び2.5mgを空腹時単回経口投与したとき,本剤は速やかに吸収され,血漿中リオシグアト濃度は投与1~1.5時間後にピークに達し,Cmax及びAUCは用量に応じて増加した.
日本人健康成人に本剤0.5,1.0及び2.5mgを空腹時単回投与した際の血漿中リオシグアト濃度推移(幾何平均値/幾何標準偏差)
日本人健康成人に本剤0.5,1.0及び2.5mgを空腹時単回投与した際のリオシグアトの薬物動態学的パラメータ(幾何平均値/幾何CV%)
投与量Cmax(μg/L)tmax(h)AUC(μg・h/L)t1/2(h)
0.5mg22.9/31.51.0(0.5-1.5)106/56.44.15/46.1
1.0mg49.7/23.61.0(0.5-1.5)272/1016.33/86.4
2.5mg126/17.11.5(0.75-4.0)824/70.97.59/47.2
※:中央値(範囲)
反復投与
日本人健康成人男性15例に本剤1.0及び1.5mgを1日3回7日間反復投与したとき,血漿中リオシグアト濃度は,投与開始7日後までに定常状態に達した.定常状態におけるCmaxは初回投与に比べて1.18~1.25倍増加したが,AUCはほとんど変動しなかった.
日本人健康成人に本剤1.0及び1.5mgを1日3回7日間反復投与した際の定常状態における血漿中リオシグアト濃度推移(幾何平均値/幾何標準偏差)
日本人健康成人に本剤1.0及び1.5mgを1日3回7日間反復投与した際の定常状態におけるリオシグアトの薬物動態学的パラメータ(幾何平均値/幾何CV%)
投与量Cmax(μg/L)tmax(h)AUC(0-7)(μg・h/L)t1/2(h)
1.0mg
1日3回
59.9/35.81.50(0.5-4.0)325/40.39.69/28.7
1.5mg
1日3回
101/27.61.50(0.5-4.0)516/29.39.17/25.7
※:中央値(範囲)
吸収・分布・排泄(外国人での成績)
本剤の絶対的バイオアベイラビリティは94%であった.本剤の定常状態での分布容積は30Lである.
本剤の血漿蛋白結合率は約95%であり,主に血清アルブミン及びα1-酸性糖蛋白と結合した.
代謝
本剤は,主にCYP1A1,CYP2C8,CYP2J2及びCYP3Aによって脱メチル化され,主代謝物M-1が生成される(in vitro).その後,薬理活性のないN-グルクロン酸抱合体に代謝される.肝臓及び肺において主代謝物の生成に関わるCYP1A1は,タバコの煙等に含まれる多環芳香族炭化水素によって誘導されることが報告されている.
食事の影響(外国人での成績)
健康成人23例に本剤2.5mgを高脂肪食・高カロリー食摂取後に単回経口投与したとき,空腹時と比較して,本剤のCmaxはおよそ35%低下したが,AUCは低下しなかった.
慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者及び肺動脈性肺高血圧症患者
母集団薬物動態の結果,国際共同第III相試験に組み入れられた慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者及び肺動脈性肺高血圧症患者における定常状態のAUCは,健康成人の約3倍と推定された.
高齢者(外国人での成績)
高齢者(65歳以上)では,全身及び腎クリアランスの低下により,若年者よりもAUCが約40%高かった.
肝機能障害(外国人での成績)
軽度の肝機能障害(Child-Pugh分類A)及び中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある非喫煙者では,本剤のAUCは健康成人と比べてそれぞれ72%及び62%増加した.
腎機能障害(外国人での成績)
軽度の腎機能障害(クレアチニン・クリアランス50~80mL/min未満),中等度の腎機能障害(クレアチニン・クリアランス30~50mL/min未満),重度の腎機能障害(クレアチニン・クリアランス30mL/min未満)のある非喫煙者では,本剤のAUCは健康成人と比べてそれぞれ98%,128%,72%増加した.
喫煙者(外国人での成績)
喫煙者では本剤の血漿中濃度が50~60%低下する.喫煙によって,本剤の代謝酵素であるCYP1A1が誘導されるためと考えられる.
薬物相互作用試験(外国人での成績)
ニトログリセリン
健康成人6例を対象としたプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験により本剤2.5mg又はプラセボ投与8及び24時間後の各時点でニトログリセリン0.4mgを舌下投与したときの薬力学的相互作用を検討した.相加的な血管拡張作用がみられ,本剤投与8時間後のニトログリセリン舌下投与時でも,プラセボ投与よりも有意な収縮期血圧の低下が認められた.
シルデナフィルクエン酸塩
シルデナフィルクエン酸塩20mg1日3回投与により安定している肺動脈性肺高血圧症患者7例を対象として,本剤0.5mgをシルデナフィルクエン酸塩20mg投与3時間後,さらに1.0mgを2時間後に単回投与したときの肺及び全身血行動態に及ぼす影響を検討した.本剤をシルデナフィルクエン酸塩に上乗せ投与したところ,血行動態に相加的な影響が認められた.
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)
健康成人16例を対象としたクロスオーバー試験により本剤0.5mgを単独又はケトコナゾール400mgを1日1回4日間投与後に併用して食後単回投与した.ケトコナゾール併用により本剤のCmaxが46%上昇し,AUCが約150%増加した.なお,代謝物M-1のCmaxは49%低下し,AUCは24%減少した.
制酸剤
健康成人12例を対象としたクロスオーバー試験により本剤2.5mgを単独又は水酸化アルミニウムゲル/水酸化マグネシウム合剤10mLと併用して,それぞれ空腹時単回投与した.制酸剤との併用により本剤のCmaxが56%低下し,AUCは34%減少した.なお,消失半減期が5.9時間から8.6時間に延長した.
ボセンタン
肺動脈性肺高血圧症患者における母集団薬物動態解析の結果では,ボセンタンを非併用の患者に比べ併用した患者では,本剤の定常状態におけるAUCが27%低かった.
オメプラゾール
健康成人12例を対象としたクロスオーバー試験により本剤2.5mgを単独で又はオメプラゾール40mgを1日1回4日間投与後に空腹時単回投与した.オメプラゾール併用による本剤のCmax及びAUCの低下はそれぞれ35%及び26%であった.
クラリスロマイシン
健康成人14例を対象としたクロスオーバー試験により本剤1.0mgを単独又はクラリスロマイシン500mgを1日2回4日間投与後に併用して食後単回投与した.クラリスロマイシン併用により本剤のCmaxが4%上昇し,AUCが41%増加した.
その他の薬剤
アセチルサリチル酸,ミダゾラム又はワルファリンとの併用において,臨床的に意味のある相互作用はみられなかった.