製品名 コンサータ錠18mg
コンサータ錠27mg
コンサータ錠36mg
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- 一般名
- Methylphenidate Hydrochloride
- 薬効分類
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中枢神経薬(その他)>覚醒剤
- 価格
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18mg1錠:344.1円/錠
27mg1錠:381.2円/錠
36mg1錠:410.1円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:ヤンセンファーマ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
用法・用量
18歳未満の患者
- 通常、18歳未満の患者にはメチルフェニデート塩酸塩として18mgを初回用量、18~45mgを維持用量として、1日1回朝経口投与する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は54mgを超えないこと。
18歳以上の患者
- 通常、18歳以上の患者にはメチルフェニデート塩酸塩として18mgを初回用量として、1日1回朝経口投与する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は72mgを超えないこと。
- 禁忌
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【警告】
- 本剤の投与は、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断、治療に精通し、かつ薬物依存を含む本剤のリスク等について十分に管理できる、管理システムに登録された医師のいる医療機関及び薬剤師のいる薬局において、登録患者に対してのみ行うこと。また、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関・患者が管理システムに登録されていることを確認した上で調剤を行うこと。
- 本剤の投与にあたっては、患者(小児の場合には患者又は代諾者)に対して、本剤の有効性、安全性、及び目的以外への使用や他人へ譲渡しないことを文書によって説明し、文書で同意を取得すること。
【禁忌】次の患者には投与しないこと
- 過度の不安、緊張、興奮性のある患者[中枢神経刺激作用により症状を悪化させることがある。]
- 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 甲状腺機能亢進のある患者[循環器系に影響を及ぼすことがある。]
- 不整頻拍、狭心症のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 運動性チックのある患者、Tourette症候群又はその既往歴・家族歴のある患者[症状を悪化又は誘発させることがある。]
- 重症うつ病の患者[抑うつ症状が悪化するおそれがある。]
- 褐色細胞腫のある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
- モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤を投与中又は投与中止後14日以内の患者[「相互作用」の項参照]
- 副作用
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- 剥脱性皮膚炎(0.1%)
- 広範囲の皮膚の潮紅、浸潤、強いそう痒等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 狭心症(頻度不明)
- 症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
- 発熱、高度の筋硬直、CK(CPK)上昇等があらわれることがあるので、このような場合には体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
- 脳血管障害(血管炎、脳梗塞、脳出血、脳卒中)(頻度不明)
- 症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肝不全、肝機能障害(頻度不明)
- 肝不全(急性肝不全等)、肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- てんかん又はその既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させ、発作を誘発させるおそれがある。]
- 高血圧、心不全、心筋梗塞を起こしたことのある患者[血圧又は心拍数を上昇させるおそれがある。]
- 脳血管障害(脳動脈瘤、血管炎、脳卒中等)のある患者又はその既往歴のある患者[これらの症状を悪化又は再発させることがある。]
- 下記の精神系疾患のある患者[行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。]
- 統合失調症、精神病性障害、双極性障害
- 薬物依存又はアルコール中毒等の既往歴のある患者[慢性的乱用により過度の耐性及び様々な程度の異常行動を伴う精神的依存を生じる可能性がある。]
- 心臓に構造的異常又は他の重篤な問題のある患者[因果関係は確立していないが、中枢神経刺激作用を有する薬剤の投与による突然死の報告がある。]
- 高度な消化管狭窄のある患者[本剤は消化管内でほとんど変形しない錠剤であり、本剤の服用により、まれに閉塞症状が報告されている。(「適用上の注意」の項参照)]
- 開放隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
重要な基本的注意
- 本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対して、本剤の治療上の位置づけ、依存性等を含む本剤のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用法について指導すること。
- 小児に中枢神経刺激剤を長期投与した場合に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。本剤の投与が長期にわたる場合には患児の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくない時は投与を中断すること。[「小児等への投与」の項参照]
また、成人においても体重減少が報告されているので、観察を十分に行い、体重減少が著しい場合には投与を中断するなど、適切な処置を行うこと。
- 本剤を長期間投与する場合には、個々の患者に対して定期的に休薬期間を設定して有用性の再評価を実施すること。また、定期的に血液学的検査を行うことが望ましい。
- 患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、若しくはその可能性が示唆される患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。
- 心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与期間中は、定期的に心拍数(脈拍数)及び血圧を測定すること。
- まれに視覚障害の症状(調節障害、霧視)が報告されている。視覚障害が認められた場合には、眼の検査を実施し、必要に応じて投与を中断又は中止すること。
- めまい、眠気、視覚障害等が発現するおそれがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
- 攻撃性はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動の発現又は悪化について観察すること。
- 通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往がない患者において、幻覚等の精神病性又は躁病の症状が報告されている。このような症状の発現を認めたら、本剤との関連の可能性を考慮すること。投与中止が適切な場合もある。
適用上の注意
- 薬剤交付時
- PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
- 本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたり、溶解したりせず、必ず飲み物と一緒にそのまま服用するよう指導すること。
- 本剤の外皮は内部の不溶性の成分と一緒に糞便中に排泄されるが、正常なことであり心配する必要はないことを説明すること。
- 薬剤服用時
- 本剤が消化管内に滞留した可能性がある場合には、腹部デジタルX線において可視化できるので、必要に応じて滞留の有無を確認すること。
用法用量に関連する使用上の注意
- 本剤は中枢神経刺激作用を有し、その作用は服用後12時間持続するため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。
- 初回用量
- 本剤投与前に他のメチルフェニデート塩酸塩製剤を服用している場合には、その用法・用量を考慮し、本剤の初回用量を18歳未満の患者では18~45mg、18歳以上の患者では18~72mgの範囲で決定する。ただし、本剤若しくは他のメチルフェニデート塩酸塩製剤の服用を1ヵ月以上休薬した後に本剤を服用する場合は、18mgを初回用量とすること。
- 本剤は徐放性製剤であるため分割して投与することは適切でなく、本剤は18mg錠、27mg錠及び36mg錠の3種類のみで18mgが最小単位であるため、9mg単位の増減量が必要な場合には錠剤の種類を変更して投与すること。
効能効果に関連する使用上の注意
- 6歳未満の幼児における有効性及び安全性は確立していない。[「臨床成績」の項参照]
- AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM*)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
- *Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
高齢者への投与
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与する場合には注意すること。[高齢者を対象とした試験は実施されていない。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ウサギ)において、最大推奨用量の約100倍に相当する200mg/kg/日の投与により催奇形性が報告されている。]
- 授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトでメチルフェニデートが、乳汁中に移行するとの報告がある。]
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児に対する安全性は確立していない。[6歳未満の患者を対象とした試験は、実施されていない。]
- 長期投与時に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。[「重要な基本的注意」の項参照]
薬物動態
- 血漿中濃度
- 健康成人男性に本剤18、36及び54mg(18mg錠×1、2及び3錠)を単回経口投与したときの血漿中メチルフェニデート濃度は、投与後まず薬物コーティング部分の溶解による速やかな上昇を示した後、内部充填された薬物が浸透圧変化で徐々に放出されることにより緩やかな上昇を示した。血漿中メチルフェニデートのほとんどはd-異性体であり、l-異性体はほとんどが定量下限未満であった。d-異性体は投与5~8時間後にCmaxを示し、約4時間のt1/2で消失し、本剤18~54mg/日の用量範囲内で用量比例性を示した。
- 健康成人男性に本剤18、36及び54mgを単回経口投与したときのメチルフェニデートの血漿中濃度推移
- [平均値+S.D.、(n=6)]
- また、健康成人男性(n=7)に本剤36、54及び72mg(36mg錠×1錠、18mg錠×3錠及び36mg錠×2錠)を単回経口投与したときの血漿中メチルフェニデート濃度も同様の推移を示し、投与剤型による大きな差異はなく、本剤36~72mg/日の用量範囲内で用量比例性を示した。
- 健康成人男性に本剤18mg/日を1日1回、4日間反復経口投与したときの血漿中メチルフェニデート濃度は1日目と4日目で類似しており、本剤の反復投与による蓄積性は認められなかった。また、メチルフェニデートから主代謝物α-フェニル-2-ピペリジン酢酸(PPA)への代謝において反復投与による影響は認められなかった。
- 健康成人男性に本剤18mg/日を反復経口投与したときのメチルフェニデート及びPPAの薬物動態パラメータ
[平均値±S.D.、(n=6)]対象 試験日 Cmax(ng/mL) tmax(hr) AUC(ng・hr/mL) t1/2(hr) AUC比 蓄積率 メチルフェニデート 1日目 3.12±0.58 8.7±2.1 42.6±7.0 4.3±0.2 - - 4日目 3.97±1.21 8.0±2.5 46.5±9.6注) 4.1±0.4 - 1.09±0.09 PPA 1日目 92.9±9.81 9.0±1.7 1797.1±354.2 8.8±1.5 0.025±0.007 - 4日目 106.1±16.5 9.0±2.8 1772.3±319.4注) 9.0±0.7 0.027±0.009 0.99±0.07 AUC比:メチルフェニデートのAUC/PPAのAUC蓄積率:4日目のAUC/1日目のAUC注)AUC(0→24)
- AD/HD患児を対象に本剤18、27、36、45又は54mg/日を反復経口投与したときのメチルフェニデート及びPPAの各血漿中濃度は健康成人よりも高値を示すが、用量に比例した増加を示した。
- 食事による影響(外国人)
- 外国人AD/HD患児及び健康被験者を対象に、本剤を空腹時、普通食後又は高脂肪食後にそれぞれ単回経口投与したときの薬物動態に差は認められず、食事による影響は認められなかった。
- 健康成人男性に本剤18、36及び54mg(18mg錠×1、2及び3錠)を単回経口投与したときの血漿中メチルフェニデート濃度は、投与後まず薬物コーティング部分の溶解による速やかな上昇を示した後、内部充填された薬物が浸透圧変化で徐々に放出されることにより緩やかな上昇を示した。血漿中メチルフェニデートのほとんどはd-異性体であり、l-異性体はほとんどが定量下限未満であった。d-異性体は投与5~8時間後にCmaxを示し、約4時間のt1/2で消失し、本剤18~54mg/日の用量範囲内で用量比例性を示した。
- 分布
- ヒト血漿蛋白結合率
- メチルフェニデート約15~16%(in vitro、平衡透析法)
- 代謝
- ヒトにおいて、メチルフェニデートはエステラーゼにより脱エステル化され、薬理学的活性をほとんど有さないPPAに代謝される。健康成人並びにAD/HD患児に本剤を経口投与したとき、血漿中に認められるメチルフェニデートはd-異性体であり、l-異性体はほとんどが定量下限未満であることから、代謝における立体選択性が示唆される。
- 排泄
- 健康成人男性に本剤を単回(18、36及び54mg/日)及び反復(18mg/日、4日間)経口投与したときのメチルフェニデート及びPPAの累積尿中排泄率(単回:投与後48時間、反復:初回投与後120時間)はそれぞれ投与量の約1%及び約73~78%であり、増量や反復経口投与による影響は認められなかった。