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チアプリド錠25mg「日医工」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮、徘徊、せん妄の改善
  • ○特発性ジスキネジア及びパーキンソニズムに伴うジスキネジア

用法・用量

  • チアプリドとして、通常成人1日75~150mgを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
    パーキンソニズムに伴うジスキネジアの患者では、1日1回、25mgから投与を開始することが望ましい。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌が促進し、病態を悪化させるおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な循環器障害のある患者
血圧低下があらわれやすい。
9.1.2 QT延長のある患者
QT延長が悪化するおそれがある。
9.1.3 著明な徐脈又は低カリウム血症のある患者
QT延長を起こしやすい。[11.1.4参照]
9.1.4 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの疑いのある患者
類似化合物であるスルピリドの投与により急激な昇圧発作があらわれたとの報告がある。
9.1.5 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
高い血中濃度が持続するおそれがある。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。[16.3.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用(錐体外路症状等)の発現に注意すること。高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.1、16.6.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 眠気、めまい・ふらつき等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.2 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、低用量(例えば1回25mg、1日1~2回)から投与を開始するなど慎重に投与すること。[9.8、16.6.2参照]
<脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮、徘徊、せん妄の改善>
7.2 本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与6週で効果が認められない場合には投与を中止すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人6例にチアプリド錠100mgを1回経口投与した場合注)、速やかにかつほぼ完全に吸収され、血清中濃度は投与2時間後にピーク(720ng/mL)に達した後、消失半減期3.91時間で減少した。
16.1.2 生物学的同等性試験
(1)チアプリド錠25mg「日医工」
チアプリド錠25mg「日医工」とグラマリール錠25mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(チアプリドとして50mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血清中チアプリド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(Cmax、AUC)について分散分析にて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
製剤名判定パラメータ参考パラメータ
Cmax
(ng/mL)
AUC
(ng・hr/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
チアプリド錠25mg「日医工」413.0±100.81959.4±353.71.3±0.72.8±0.6
グラマリール錠25mg420.4±121.01889.2±374.71.6±0.82.7±0.9
(2錠投与,Mean±S.D.,n=14)
平均血清中濃度時間的推移(50mg投与)
血清中濃度並びにCmax、AUC等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)チアプリド錠50mg「日医工」
チアプリド錠50mg「日医工」とグラマリール錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(チアプリドとして50mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血清中チアプリド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(Cmax、AUC)について分散分析にて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
製剤名判定パラメータ参考パラメータ
Cmax
(ng/mL)
AUC
(ng・hr/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
チアプリド錠50mg「日医工」310.7±110.91591.3±438.81.3±0.54.9±1.4
グラマリール錠50mg291.2±69.31674.5±443.31.4±0.64.2±0.9
(1錠投与,Mean±S.D.,n=14)
平均血清中濃度時間的推移(50mg投与)
血清中濃度並びにCmax、AUC等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 乳汁中移行
授乳中のラットに14C標識チアプリドを経口投与すると、乳汁中放射能濃度は2時間後に最高値を示し、その濃度は全血中濃度の1.2倍であった。その後、全血中濃度の減少に伴って乳汁中濃度も減少した。[9.6参照]
16.4 代謝
健康成人にチアプリド錠100mgを1回経口投与した場合注)、ほとんど代謝されなかった。
16.5 排泄
健康成人にチアプリド錠100mgを1回経口投与した場合注)、投与24時間後までに投与量の71.7%が未変化体、9.3%がN-脱エチル体として尿中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者にチアプリド錠100mgを経口投与した場合注)、Ccrの低下に伴って消失半減期は遅延し、中等度以上の腎機能障害患者(Ccr 60mL/min以下)では健康成人に比べて半減期は2倍以上になった。[9.2参照]
腎機能障害患者にチアプリド錠100mg経口投与時の半減期
腎機能障害の程度t1/2(h)
高度(Ccr 0~10、平均Ccr 2.9、n=5)21.6
やや高度(Ccr 11~30、Ccr 16.0、n=1)8.63
中等度(Ccr 31~60、平均Ccr 55.3、n=3)7.54
軽度(Ccr 61~90、平均Ccr 69.6、n=4)4.24
16.6.2 老年患者
老年患者(60~79歳、平均67歳)にチアプリド錠100mgを経口投与した場合注)、健康成人に比べ消失半減期が約1.5倍遅延したが、経口投与後の吸収は健康成人と同様に速やかであり、かつ良好であった。また、1日3回ずつの連続経口投与でも血清中濃度は投与1週間以内に定常状態に達し、蓄積傾向は認められなかった。[7.1、9.8参照]
老年患者における薬物速度論的パラメータ
Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC(μg/mL・h)
1.8±0.20.876±0.1275.75±0.595.89±0.85
(n=6、平均±S.E.)
注)本剤の承認された用法及び用量は「チアプリドとして、通常成人1日75~150mgを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。パーキンソニズムに伴うジスキネジアの患者では、1日1回、25mgから投与を開始することが望ましい。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
QT延長を起こすことが知られている薬剤
ハロペリドール等
QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
ベンザミド系薬剤
メトクロプラミド
スルピリド等
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン等
ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール等
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
ドパミン作動薬
レボドパ等
相互に作用を減弱させることがある。本剤は抗ドパミン作用を有するため、作用が拮抗する。
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体
麻酔剤等
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
アルコール
飲酒
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。ともに中枢神経抑制作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。[9.1.5参照]
11.1.2 昏睡(0.1~5%未満)
11.1.3 痙攣(0.1~5%未満)
11.1.4 QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(各0.1%未満)[9.1.3参照]
発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満
循環器不整脈、頻脈、胸内苦悶、血圧上昇、血圧低下
錐体外路症状注)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、運動減少、流涎、姿勢・歩行障害等)、ジスキネジア、言語障害、咬痙、アカシジアジストニア、嚥下障害
内分泌乳汁分泌、女性化乳房、月経異常
精神神経系眠気、不眠、不安・焦燥、抑うつ、ぼんやり、性欲亢進
自律神経系めまい・ふらつき、口渇、頭痛・頭重、脱力・倦怠感、しびれ、排尿障害、尿失禁、耳鳴
消化器悪心・嘔吐、腹痛・胃部不快感、食欲不振、便秘、口内炎、下痢食欲亢進、腹部膨満感
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇黄疸
過敏症発疹、そう痒感
その他発熱、眼調節障害、ほてり、貧血

注)このような症状があらわれた場合には、減量又は抗パーキンソン剤の併用等適切な処置をとること。
発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。

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