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プロポフォール静注1%20mL「FK」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 全身麻酔の導入及び維持
  • 集中治療における人工呼吸中の鎮静

用法・用量

  • 全身麻酔の導入及び維持

    • 導入

      • 通常、成人には本剤を0.05mL/kg/10秒(プロポフォールとして0.5mg/kg/10秒)の速度で、患者の全身状態を観察しながら、就眠が得られるまで静脈内に投与する。なお、ASAIII及びIVの患者には、より緩徐に投与する。
        通常、成人には本剤0.20~0.25mL/kg(プロポフォールとして2.0~2.5mg/kg)で就眠が得られる。高齢者においては、より少量で就眠が得られる場合がある。就眠後は必要に応じて適宜追加投与する。
    • 維持

      • 通常、酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスと併用し、本剤を静脈内に投与する。適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節する。通常、成人には、本剤0.4~1.0mL/kg/時(プロポフォールとして4~10mg/kg/時)の投与速度で適切な麻酔深度が得られる。
        また、鎮痛剤(麻薬性鎮痛剤、局所麻酔剤等)を併用すること。
        なお、局所麻酔剤併用時には通常より低用量で適切な麻酔深度が得られる。
  • 集中治療における人工呼吸中の鎮静

    • 成人(高齢者を含む)には本剤を0.03mL/kg/時(プロポフォールとして0.3mg/kg/時)の投与速度で、持続注入にて静脈内に投与を開始し、適切な鎮静深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節する。
      通常、成人には本剤0.03~0.30mL/kg/時(プロポフォールとして0.3~3.0mg/kg/時)の投与速度で適切な鎮静深度が得られる。
      なお、疾患の種類、症状の程度を考慮し、必要とする鎮静深度に応じて投与速度を増減すること。また、必要に応じて鎮痛剤を併用すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤又は本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 小児(集中治療における人工呼吸中の鎮静)(「小児等への投与」の項参照)

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

ASAIII、IVの患者及び衰弱患者〔無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制が起こるおそれがあるので例えば、導入時の投与速度を約1/2、すなわち本剤約0.025mL/kg/10秒に減速する。〕
循環器障害、呼吸器障害、腎障害、肝障害及び循環血液量減少のある患者〔無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制や覚醒遅延が起こるおそれがあるので患者の全身状態を慎重に観察しながら、投与量や投与速度に注意する。〕
てんかん発作の既往歴のある患者〔痙攣があらわれることがある。〕
薬物依存の既往歴のある患者
薬物過敏症の既往歴のある患者
脂質代謝障害の患者又は脂肪乳剤投与中の患者〔本剤1.0mLあたり約0.1gの脂質を含有する。血中脂質濃度が上昇する可能性があるので、血中脂質が過剰になるおそれのある患者については、血中脂質をモニターし本剤又は併用中の脂肪乳剤の投与量を調節すること。〕
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

[共通]
本剤投与にあたっては、原則としてあらかじめ絶食させておくこと。
本剤投与にあたっては、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備しておくこと。
本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔剤と同様、麻酔開始より患者が完全に覚醒するまで、麻酔技術に熟練した医師が、専任で患者の全身状態を注意深く監視すること。集中治療の鎮静に利用する場合においても、集中治療に熟練した医師が本剤を取り扱うこと。
本剤投与中は気道を確保し、血圧の変動に注意して呼吸・循環に対する観察・対応を怠らないこと。
本剤投与中は、適切な麻酔又は鎮静深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節すること。
汚染防止
本剤は防腐剤を使用しておらず、また脂肪乳剤のため汚染されると細菌が増殖し、重篤な感染症が起こるおそれがあるので以下の点に注意すること。
開封後、無菌的に取り扱い、直ちに使用を開始すること。
本剤の投与に使用するチューブ類等も無菌的に取り扱うこと。
1アンプル又は1バイアルを複数の患者に使用しないこと。
1人の患者に対し、1回のみの使用とし、残液は廃棄すること。
本剤の投与に使用した注射器、チューブ類及び本剤の残液は手術終了時又は、投与開始12時間後のいずれか早い時点で廃棄すること。また、12時間を超えて投与する場合は、新たな注射器、チューブ類及び本剤を使用すること。
本剤の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転、危険を伴う機械の操作等に従事しないよう、患者に注意すること。
[全身麻酔の導入及び維持の場合]
麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
[集中治療における人工呼吸中の鎮静の場合]
本剤投与中は、鎮静レベル及び中枢神経系機能の評価を必要に応じて行い、鎮静に必要な最低投与速度を定めること。
本剤投与中は、気管挿管による気道確保を行うこと。
人工呼吸からの離脱の過程では、患者の観察を継続し、必要に応じて人工呼吸を行うこと。

適用上の注意

投与前
使用前にアンプル又はバイアルを振盪すること。
本品の20mL製品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット時は異物混入を避けるため、エタノール綿等で清拭し、カットすること。
バイアルは使用前にゴム栓部をエタノール綿等で清拭して使用すること。
エマルジョンに分離を認めた場合には使用しないこと。
投与前に本剤を他の薬剤(5%ブドウ糖注射液を除く)と混合しないこと。本剤を5%ブドウ糖注射液(ガラス製容器)で希釈する時の希釈率は5倍を超えないこと(プロポフォール濃度2mg/mL以上)。希釈は投与直前に無菌的に行い、6時間以内に使用すること。なお、本剤の希釈液の投与速度の設定には注意すること。
ポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、可塑剤であるDEHP[di-2-ethylhexylphthalate;フタル酸ジ-2-エチルヘキシル]が製剤中に溶出することが報告されているので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
投与経路
本剤は静脈内のみに投与すること。注射時にみられる血管痛は、前腕、前肘窩の比較的太い静脈へ注射することにより、最小限に抑えることができる。
投与時
注射部位の近位で三方活栓を介して、乳酸リンゲル液、5%ブドウ糖注射液、生理食塩液、ブドウ糖加乳酸リンゲル液とともに本剤を投与してもよい。
なお、本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性がある。その場合、必要な投与量が確保されず麻酔覚醒等が生じる可能性があるので注意すること。
本剤を持続投与する場合には、投与速度を調節するため、シリンジポンプ等を使用すること。
微生物ろ過フィルターを用いて本剤を投与しないこと〔エマルジョンが破壊されることがある〕。

用法用量に関連する使用上の注意

[全身麻酔の導入及び維持の場合]
維持における使用例
導入後の時間0~10分10~20分20~30分30分~
投与速度1.0mL/kg/時(プロポフォールとして10mg/kg/時)0.8mL/kg/時(プロポフォールとして8mg/kg/時)0.6mL/kg/時(プロポフォールとして6mg/kg/時)全身状態をみながら調節する。
[集中治療における人工呼吸中の鎮静の場合]
本剤は、持続注入により投与すること。急速投与を行わないこと。
本剤は、通常、7日を超えて投与しないこと。ただし、鎮静効果が認められ、7日を超えて本剤投与による鎮静が必要な場合には、患者の全身状態を引き続き慎重に観察すること。
使用例
時間0~5分5分~
投与速度0.03mL/kg/時0.03~0.30mL/kg/時
(全身状態を観察しながら適宜増減)

高齢者への投与

本剤は主に肝臓で代謝され、尿中に排泄される。一般に高齢者では、肝、腎機能及び圧受容体反射機能が低下していることが多く、循環器系等への副作用があらわれやすいので、投与速度を減速する(例えば、導入時の投与速度を約1/2すなわち本剤約0.025mL/kg/10秒に減速する)など患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔本剤は胎児へ移行するため、新生児の呼吸抑制等があらわれることがある。〕
ヒト母乳中へ移行することが報告されているので、授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
集中治療における人工呼吸中の鎮静においては、小児等には投与しないこと。〔因果関係は不明であるが、外国において集中治療中の鎮静に使用し、小児等で死亡例が報告されている。〕

薬物動態

生物学的同等性試験
血漿中濃度(外国人での成績)
健康成人(28例)に、プロポフォール静注1%「FK」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれプロポフォールとして2mg/kgを単回静脈内(ボーラス)投与し、血漿中濃度推移および薬物動態パラメータについて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
対象:健康成人28例、投与量:各薬剤2mg/kg
投与方法:単回静脈内(ボーラス)投与[クロスオーバー法]
被験薬:プロポフォール静注1%「FK」、標準製剤
薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0‐24h(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)LnT1/2(hr)
プロポフォール静注1%「FK」1162.98±201.604952.68±2860.730.04±0.012.13±0.48
標準製剤1160.73±213.334729.26±2483.410.04±0.012.29±0.39
(28例の平均値±標準偏差)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ベンゾジアゼピン系薬物
(ジアゼパム、ミダゾラム等)
バルビツール酸系薬物
全身麻酔剤
(亜酸化窒素等)
局所麻酔剤
中枢神経系抑制剤
(麻薬性鎮痛剤等)
アルコール
降圧剤
抗不整脈剤(β1遮断剤)
(塩酸エスモロール、塩酸ランジオロール等)
麻酔・鎮静作用が増強されたり、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧、心拍出量及び心拍数が低下することがあるので、併用する場合には、投与速度を減速するなど慎重に投与すること。相互に作用(麻酔・鎮静作用、血圧低下作用、徐脈化)を増強させる。

重大な副作用 

(頻度不明)
低血圧
低血圧があらわれることがある。このような場合には患者の頭部を下げ、重篤な場合には血漿増量剤、昇圧剤の使用等適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー
血管浮腫、気管支痙攣、紅斑、低血圧を伴うアナフィラキシーがあらわれることがある。
気管支痙攣
気管支痙攣を起こすことがあるので、本剤の使用にあたっては、緊急時に対応できる準備をし、本剤投与中は観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
舌根沈下、一過性無呼吸
舌根沈下、一過性無呼吸があらわれることがある。このような場合には気道を確保し、人工呼吸等適切な処置を行うこと。
てんかん様体動
痙攣・反弓緊張等のてんかん様体動があらわれることがある。
重篤な徐脈、不全収縮
重篤な徐脈、不全収縮があらわれることがある。(本剤には迷走神経抑制作用がないので、迷走神経が亢進した状態あるいは徐脈等を生じる可能性のある薬剤を併用する場合には、麻酔導入前又は維持中、抗コリン剤(例えばアトロピン)の静脈内投与を行うなど適切な処置を行うこと。)
心室頻拍、心室性期外収縮、左脚ブロック
心室頻拍、心室性期外収縮、左脚ブロックがあらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
肺水腫
肺水腫があらわれることがある。
覚醒遅延
覚醒遅延があらわれることがあるので、使用に際しては十分な患者管理のできる状態で使用すること。
横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
悪性高熱類似症状
原因不明の頻脈、不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋硬直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、ソーダライムの異常加熱・急激な変色、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿等を伴う重篤な悪性高熱類似の臨床症状を呈することがあるので十分な観察をし、使用中、これら類似症状を認めた場合は、直ちに適切な処置等を行うこと。

その他の副作用 

頻度不明
循環器徐脈、ST低下
中枢神経系頭痛、振戦
呼吸器吃逆、咳嗽
消化器悪心、口腔内分泌物増加、嘔吐、膵炎
皮膚発赤、紅斑
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇
泌尿器腎機能障害、変色尿(白濁、緑尿等)
精神神経系多幸症、性欲抑制不能、譫妄
血液白血球増加、低蛋白血症、低アルブミン血症
注射部位注射時疼痛(血管痛)、静脈炎・血栓症、しびれ感
その他術後発熱、戦慄
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