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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○嫌気性菌感染症

    • <適応菌種>

      • 本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属
    • <適応症>

      • ・敗血症
      • ・深在性皮膚感染症
      • ・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
      • ・骨髄炎
      • ・肺炎、肺膿瘍、膿胸
      • ・骨盤内炎症性疾患
      • ・腹膜炎、腹腔内膿瘍
      • ・胆嚢炎、肝膿瘍
      • ・化膿性髄膜炎
      • ・脳膿瘍
  • ○感染性腸炎

    • <適応菌種>

      • 本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル
    • <適応症>

      • 感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
  • ○アメーバ赤痢

用法・用量

  • 通常、成人にはメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回500mgを1日4回投与できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 脳、脊髄に器質的疾患のある患者(化膿性髄膜炎及び脳膿瘍の患者を除く)[中枢神経系症状があらわれることがある。]
  • 2.3 妊娠3ヵ月以内の女性(有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合は除く)[9.5.1、16.3.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血液疾患のある患者
白血球減少、好中球減少があらわれることがある。[8.2、11.1.6参照]
9.1.2 化膿性髄膜炎及び脳膿瘍のある患者
中枢神経症状があらわれることがある。[7.1、11.1.1参照]
9.1.3 コケイン症候群の患者
重度の肝毒性又は急性肝不全が発現し死亡に至ることがある。[8.4、11.1.7参照]
9.1.4 心臓、循環器系機能障害のある患者
本剤には、塩化ナトリウムが含まれるため、循環血液量を増やすことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤には、塩化ナトリウムが含まれるため、水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊娠3ヵ月以内の女性
有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合を除き、投与しないこと。胎盤関門を通過して胎児へ移行することが報告されている。[2.3、16.3.1参照]
9.5.2 妊娠3ヵ月を過ぎた女性
有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[16.3.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。[16.3.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に、生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。[9.1.1、11.1.6参照]
8.3 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
8.3.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
8.3.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.3.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。[9.1.3、11.1.7参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤は調製不要の使い切り製剤であるため、残液は使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
配合変化を起こす可能性があるので他の薬剤との混注を避けること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 中枢神経障害、末梢神経障害等の副作用があらわれることがあるので、特に10日を超えて本剤を投与する場合は、副作用の発現に十分注意すること。[9.1.2、11.1.1、11.1.2参照]
7.2 本剤は嫌気性菌に対して抗菌活性を有する。したがって、好気性菌等を含む混合感染と診断された場合、又は混合感染が疑われる場合は、適切な薬剤を併用して治療を行うこと。
7.3 クロストリジウム・ディフィシルによる感染性腸炎においては、他の抗菌薬の併用により、治癒の遷延につながる場合があることから、併用の必要性について十分検討すること。
7.4 本剤は血液透析により除去されるため、血液透析を受けている患者に投与する場合は、透析後に投与すること。[16.6.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)>
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人6例にメトロニダゾール500mgを20分かけて単回点滴静注したときのメトロニダゾール及び活性代謝物であるヒドロキシメトロニダゾール[1-(2-hydroxyethyl)-2-hydroxymethyl-5-nitroimidazole]の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。
図 日本人健康成人にメトロニダゾール500mgを単回点滴静注したときの血漿中濃度推移(6例、平均値±標準偏差)
表 日本人健康成人にメトロニダゾール500mgを単回点滴静注したときの薬物動態パラメータ[6例、幾何平均値(変動係数%)]
メトロニダゾールヒドロキシメトロニダゾール
Cmax(μg/mL)13.1(23)0.678(67)
Tmax(h)0.32(0.32-1.00)12.0(12.0-12.0)
AUCinf(μg・h/mL)161(19)27.4(52)
t1/2(h)12.4(22)18.8(29)
CL(L/h)3.10(19)N/A
Tmaxは中央値(範囲)、t1/2は算術平均値(変動係数%)N/A:算出していない
16.1.2 反復投与
日本人健康成人6例にメトロニダゾール500mgを20分かけて1日4回5日間反復点滴静注したとき、血漿中メトロニダゾール濃度は投与開始後約3日で定常状態に達し、反復投与開始3~5日目のトラフ濃度は28.0~30.4μg/mLであった。メトロニダゾールに対するヒドロキシメトロニダゾールの比はCmaxが0.13、AUC0-6が0.15であった。
表 日本人健康成人にメトロニダゾール500mgを反復点滴静注したときの薬物動態パラメータ[6例、幾何平均値(変動係数%)]
メトロニダゾールヒドロキシメトロニダゾール
Cmax(μg/mL)44.5(13)5.24(32)
Tmax(h)0.41(0.32-1.00)1.50(0.00-6.00)
AUC0-6(μg・h/mL)206(15)28.3(35)
t1/2(h)13.4(17)21.9(18)
CL(L/h)2.44(16)N/A
Tmaxは中央値(範囲)、t1/2は算術平均値(変動係数%)N/A:算出していない
16.3 分布
16.3.1 組織・体液中濃度
メトロニダゾール投与後、唾液、歯肉溝滲出液、腹腔液中及び母乳中に血中と同程度のメトロニダゾール濃度が認められている。またメトロニダゾールは脳膿瘍中、脳脊髄液中及び精漿中に移行するほか、胎盤を通過し、臍帯動脈血から胎児に移行する(外国人データ)。[2.3、9.5.1、9.5.2、9.6参照]
表 組織中又は体液中メトロニダゾール濃度
組織/体液投与量採取時間(投与後時間)組織内濃度又は体液中濃度(μg/g又はμg/mL)血液中濃度(μg/mL)
唾液500mg PO BID/TID2時間15.1514.33
歯肉溝滲出液500mg PO BID/TID2時間12.8614.33
腹腔液500mg IV SD58分7.210.7
腹壁1000mg IV SD38分2.625.1
腹膜脂肪1000mg IV SD38分2.725.1
結腸壁1000mg IV SD156分8.919.1
胎盤500mg IV SD40分3.5b)13.5
胎児a)500mg IV SD40分9.0b)13.5d)
臍帯動脈血500mg IV SD20分11.74c)13.92
母乳400mg PO TID2時間15.5217.46
8時間9.079.87
新生児a)400mg PO TID4-8時間1.629.87d)
精漿250mg PO BID2-3時間7.08.7
脳脊髄液500mg PO BID2-8時間11.0-13.98.3-15.4
脳膿瘍400mg PO TID不明34.4-35.011.5-35.1
600mg IV TID不明45.012.5
a:母体に投与したときの値、b:μg/mg、c:帝王切開時の濃度、d:母体の血液中濃度PO:経口投与、IV:静脈内投与、SD:単回投与、BID:1日2回投与、TID:1日3回投与
16.3.2 蛋白結合
メトロニダゾールの血漿蛋白結合率は15%以下である(外国人データ)。
16.4 代謝
主として肝臓で酸化及びグルクロン酸抱合を受け代謝され、代謝物としてヒドロキシメトロニダゾール、酸代謝物(1-acetic acid-2-methyl-5-nitroimidazole)、未変化体とヒドロキシメトロニダゾールのグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体が認められている。主代謝物であるヒドロキシメトロニダゾールへの代謝にはCYP2A6が関与している(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人に14C-メトロニダゾールを単回静脈内投与したとき、投与量の約60%が尿中に、6%が糞中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)腎機能障害患者(血液透析患者を除く)
腎機能障害患者を対象にメトロニダゾールを点滴静注したとき、メトロニダゾールの血漿中濃度推移は健康成人と大きく異ならず、メトロニダゾールのAUCに対する腎機能低下の明らかな影響は認められなかった。血中の酸代謝物は健康成人では認められなかったが、腎機能障害患者では認められた。ヒドロキシメトロニダゾール及び酸代謝物のAUCは腎機能低下に従って増加する傾向が認められた(外国人データ)。[9.2参照]
(2)血液透析患者
血液透析を受けている腎機能障害患者4例を対象に、メトロニダゾール500mgを30分かけて単回点滴静注したとき、投与量の約45%が透析によって除去された(外国人データ)。[7.4参照]
16.6.2 肝機能障害患者
健康成人7例及び肝機能障害患者35例を対象に、メトロニダゾール500mgを20分かけて単回点滴静注したとき、肝機能障害の重症度に従い、メトロニダゾールのCLは減少し、t1/2は延長した。また肝機能障害患者のAUC0-24は健康成人と比較して有意に増加した(外国人データ)。[9.3参照]
表 肝機能障害患者にメトロニダゾール500mgを単回点滴静注したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
健康成人Child-Pugh AChild-Pugh BChild-Pugh C
例数714912
t1/2(h)7.4±2.210.7±2.313.5±5.121.5±12.7
CL(mL/min/kg)1.53±0.370.85±0.260.79±0.360.56±0.28
AUC0-24(μg・h/mL)81.4±27.0124.9±42.3124.4±25.8174.1±52.0

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール腹部の疝痛、嘔気、嘔吐、頭痛、潮紅があらわれることがある。機序不明
リトナビル含有製剤(内用液)ジスルフィラム様反応を起こすおそれがある。リトナビル含有製剤(内用液)はエタノールを含有するので本剤によりジスルフィラム様反応を起こすおそれがある。
ジスルフィラム精神症状(錯乱等)があらわれることがある。機序不明
ワルファリンワルファリンの抗凝血作用を増強し、出血等があらわれることがある。本剤はワルファリンの代謝を阻害し、その血中濃度を上昇させる。
ブスルファンブスルファンの作用が増強されることがある。本剤はブスルファンの血中濃度を上昇させることがある。
リチウムリチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒があらわれることがある。機序不明
5-フルオロウラシル5-フルオロウラシルの作用が増強される可能性がある。本剤は5-フルオロウラシルの血中濃度を上昇させることがある。
シクロスポリンシクロスポリンの作用が増強される可能性がある。本剤はシクロスポリンの血中濃度を上昇させることがある。
フェノバルビタール本剤の作用が減弱する可能性がある。フェノバルビタールは本剤の代謝酵素を誘導し、その血中濃度を低下させることがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 中枢神経障害(頻度不明)
脳症、痙攣、錯乱、幻覚、小脳失調等があらわれることがある。ふらつき、歩行障害、意識障害、構語障害、四肢のしびれ等の初期症状があらわれ、本剤による脳症が疑われた場合には、本剤の投与を中止すること。[7.1、9.1.2参照]
11.1.2 末梢神経障害(頻度不明)
四肢のしびれ、異常感等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[7.1参照]
11.1.3 無菌性髄膜炎(頻度不明)
頸部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎があらわれることがある。
11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.5 急性膵炎(頻度不明)
腹痛、背部痛、悪心・嘔吐、血清アミラーゼ値の上昇等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 白血球減少(頻度不明)、好中球減少(頻度不明)[8.2、9.1.1参照]
11.1.7 肝機能障害(頻度不明)[8.4、9.1.3参照]
11.1.8 QT延長(頻度不明)、心室頻拍(Torsade de pointes を含む)(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満頻度不明
胃腸障害下痢悪心、腹痛、嘔吐舌苔、胃不快感、口内炎、舌炎、口内乾燥、胃腸の炎症
一般・全身障害及び投与部位の状態無力症、発熱
感染症及び寄生虫症カンジダ属の出現、膿疱
肝胆道系障害AST増加、ALT増加、γ-GTP増加総ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇、黄疸
眼障害複視、近視
筋骨格系及び結合組織障害筋肉痛
血液及びリンパ系障害血小板減少症、血液障害
呼吸器、胸郭及び縦隔障害咳嗽
心臓障害心房細動、洞性頻脈
神経系障害味覚異常頭痛、傾眠、浮動性めまい、運動失調、痙攣
腎及び尿路障害着色尿
精神障害幻覚
代謝及び栄養障害食欲減退
皮膚及び皮下組織障害湿疹、皮膚乾燥発疹、蕁麻疹、血管浮腫、水疱性皮膚炎、固定薬疹
免疫系障害ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応
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