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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制
  • ○同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員

用法・用量

  • <がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制>

    • 通常、成人にはがん化学療法剤投与終了後の翌日以降、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与する。
  • <同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員>

    • 通常、成人にはペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、7.2mgを1回皮下投与する。

禁忌 

【警告】

  • <同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員>

    • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療及び造血幹細胞移植に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される末梢血幹細胞提供ドナー(ドナー)についてのみ投与すること。また、本剤の投与に先立ち、ドナー及びその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。[5.3、8.12参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • <効能共通>

    • 2.1 本剤の成分又は他の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤に過敏症の患者
  • <がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制>

    • 2.2 骨髄中の芽球が十分減少していない骨髄性白血病の患者及び末梢血液中に骨髄芽球の認められる骨髄性白血病の患者[8.4、11.1.4参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者[8.1、11.1.1参照]
9.1.2 アレルギー素因のある患者[8.1、11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 過敏症等の反応を予測するために、使用に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。[9.1.1、9.1.2、11.1.1参照]
8.2 本剤投与により骨痛、背部痛等が発現することがあるので、このような場合には非麻薬性鎮痛剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。
8.3 本剤投与により脾腫、脾破裂が発現することがあるので、血液学的検査値の推移に留意するとともに、腹部超音波検査等により観察を十分に行うこと。[11.1.5参照]
<がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制>
8.4 急性骨髄性白血病患者では本剤投与により芽球の増加を促進させることがあるので、定期的に血液検査及び骨髄検査を行うこと。[2.2、11.1.4参照]
8.5 海外観察研究において、がん化学療法(単独又は放射線療法との併用)とともにペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)又はフィルグラスチム(遺伝子組換え)が使用された乳癌又は肺癌患者では骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病のリスクが増加したとの報告がある。本剤と骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病の因果関係は明らかではないが、本剤の投与後は患者の状態を十分に観察すること。
<同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員>
8.6 ドナーからの末梢血幹細胞の動員・採取に際しては関連するガイドライン等を参考に適切に行うこと。
8.7 本剤の投与はドナーの全身状態を考慮し、観察を十分に行い、慎重に投与するとともに、本剤投与終了後においても安全性の確認を十分に行うこと。
8.8 末梢血幹細胞採取に伴い、心停止等の重篤な事象や、全身倦怠感、四肢のしびれ、血管迷走神経反応等が認められることがあるので、血圧等の全身状態の変化に注意し、異常が認められた場合は直ちに適切な処置を行うこと。
8.9 末梢血幹細胞採取に伴う一過性の血小板減少等が現れることがあるのでアスピリン等の血小板凝集抑制作用を有する薬剤の使用には十分に注意すること。
8.10 本剤投与後及び末梢血幹細胞採取終了後に血小板減少が現れることがあるので、定期的に血液検査を行い、ドナーの状態に十分注意すること。また、高度な血小板減少が認められた際には、末梢血幹細胞採取時に得られる自己血による血小板輸血等の適切な処置を行うこと。
8.11 末梢血幹細胞採取終了後に白血球(好中球)減少が現れることがあるので、定期的に血液検査を行い、ドナーの状態に十分注意すること。
8.12 本剤投与によるドナーの長期の安全性は確立していない。[1.参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
プランジャーロッドの無理な操作はしないこと。またバックストップは、投与終了後まで外さないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制>
7.1 がん化学療法剤の投与開始10日前から投与終了後24時間以内に本剤を投与した場合の安全性は確立していない。
<同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員>
7.2 本剤投与日を1日目として、末梢血幹細胞採取は4~6日目に施行する。

5.効能又は効果に関連する注意

<がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制>
5.1 臨床試験に組み入れられた患者における発熱性好中球減少症発現のリスク等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1、17.1.2参照]
5.2 本剤を使用する際には、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。
<同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員>
5.3 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤の使用についても慎重に検討すること。[1.、17.1.3参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)健康成人
健康成人に本剤3.6及び7.2mg注)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
健康成人に単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値+標準偏差)
健康成人に単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
投与量3.6mg7.2mg
被験者数66
tmax(h)18.0(12.0,24.0)24.0(12.0,36.0)
Cmax(ng/mL)92.8±56.7213±78
AUC0-∞(ng・h/mL)4140±18909220±3130a)
t1/2(h)56.8±20.451.9±20.1a)
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値,最大値))a)n=5
(2)肺癌患者
がん化学療法施行後の肺癌患者に本剤30、60及び100μg/kg注)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した。
肺癌患者に単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値+標準偏差)
肺癌患者に単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
投与量30μg/kg60μg/kg100μg/kg
被験者数666
tmax(h)36.0(8.0,48.1)47.6(8.0,263.1)46.8(24.0,141.3)
Cmax(ng/mL)18.5±14.074.2±63.5157.0±127.3
AUC0-∞(ng・h/mL)1285±5205497±4704a)13364±9187
t1/2(h)57.4±38.744.8±21.1a)38.4±10.5
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値,最大値))a)n=5
(3)悪性リンパ腫患者
がん化学療法施行後の悪性リンパ腫患者に本剤1.8、3.6及び6.0mg注)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した。
悪性リンパ腫患者に単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値+標準偏差)
悪性リンパ腫患者に単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
投与量1.8mg3.6mg6.0mg
被験者数1099
tmax(h)110.9(60.2,134.8)109.8(61.5,113.8)64.3(13.0,110.6)
Cmax(ng/mL)47.7±40.596.8±64.8249.2±163.6
AUC0-∞(ng・h/mL)6177±581813393±934932501±24807
t1/2(h)16.9±4.429.3±13.527.5±7.4
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値,最大値))
16.1.2 反復投与
悪性リンパ腫患者に、本剤1.8、3.6及び6.0mg注)を化学療法1サイクルごとに単回皮下投与したときの血清中トラフ濃度は、化学療法2~4サイクルにおいていずれの投与量でも定量下限値(0.2ng/mL)未満であった。
注)本剤の承認用量は1回3.6mg(がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制)又は7.2mg(同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員)である。
16.3 分布
16.3.1 組織移行性
雄性ラットに125I-ペグフィルグラスチム100μg/kgを単回皮下投与したとき、甲状腺に高い放射能が認められた。甲状腺を除き、全体として放射能の組織への移行性は低かった。
16.8 その他
本剤の消失には、好中球及び好中球前駆細胞に発現している顆粒球コロニー形成刺激因子受容体を介して本剤が細胞内へ取りこまれ、細胞内分解を受ける経路が寄与していると推察される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)[8.1、9.1.1、9.1.2参照]
11.1.2 間質性肺疾患(0.5%)
肺臓炎、肺障害等の間質性肺疾患が発現又は増悪することがある。発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.3 急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には、呼吸管理等の実施を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.4 芽球の増加(頻度不明)
急性骨髄性白血病において、芽球の増加を促進させることがある。[2.2、8.4参照]
11.1.5 脾腫(0.3%)・脾破裂(頻度不明)
脾臓の急激な腫大が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。[8.3参照]
11.1.6 毛細血管漏出症候群(頻度不明)
低血圧、低アルブミン血症、浮腫、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.7 Sweet症候群(頻度不明)
11.1.8 皮膚血管炎(頻度不明)
11.1.9 大型血管炎(大動脈、総頸動脈、鎖骨下動脈等の炎症)(頻度不明)
発熱、CRP上昇、大動脈壁の肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
注)同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員の臨床試験では、上記の重大な副作用は報告されていない。発現頻度は、がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制の臨床試験成績に基づく。

その他の副作用 

<がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制>

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
皮膚発疹じん麻疹、紅斑、そう痒症多形紅斑、皮膚剥脱
筋・骨格背部痛、関節痛、筋肉痛骨痛、四肢痛筋骨格痛
消化器下痢、便秘、腹痛、腹部不快感、悪心、嘔吐、口内炎
肝臓ALT上昇、AST上昇肝機能異常、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加
血液白血球増加、好中球増加、リンパ球減少貧血、血小板減少、白血球減少単球増加
代謝及び栄養電解質(カリウム、カルシウム、リン、クロール、ナトリウム)異常、高血糖、食欲減退
精神神経系頭痛味覚異常、めまい、異常感覚感覚鈍麻、不眠症
呼吸器口腔咽頭痛、咳嗽、呼吸困難
腎臓糸球体腎炎
その他LDH上昇、発熱、倦怠感、Al-P上昇潮紅、浮腫、CRP上昇、疼痛、胸痛血中アルブミン減少、尿酸増加、注射部位反応(注射部位疼痛を含む)

<同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員>

80%以上50~80%未満10~50%未満
筋・骨格背部痛関節痛
消化器悪心
肝臓AST上昇、ALT上昇
血液血小板減少
精神神経系頭痛
その他Al-P上昇(100%)、LDH上昇(100%)尿酸増加
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