製品名 ライゾデグ配合注フレックスタッチ

一般名
Insulin Degludec(Genetical Recombination)
Insulin Aspart(Genetical Recombination)
薬効分類
糖尿病治療薬
 >インスリン
価格
300単位1キット:2206円/キット

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • インスリン療法が適応となる糖尿病

用法・用量

  • 本剤は、超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と持効型インスリン(インスリン デグルデク)を3:7のモル比で含有する溶解インスリン製剤である。通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射する。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、毎日一定とする。1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 低血糖症状を呈している患者
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
低血糖
低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。
なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を経口摂取し、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を経口摂取すること。
経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に投与するか、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与すること。
低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがあるので、経過観察を継続して行うことが必要である。本剤の作用は持続的であるため、他の基礎インスリンの補充に用いる製剤と同様に、低血糖症状の回復が遅延するおそれがある。
アナフィラキシーショック(頻度不明)
アナフィラキシーショック(呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注意

次の患者には慎重に投与すること

インスリン需要の変動が激しい患者
手術、外傷、感染症等の患者
妊婦(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)
次に掲げる低血糖を起こしやすい患者又は状態
重篤な肝又は腎機能障害
下垂体機能不全又は副腎機能不全
下痢、嘔吐等の胃腸障害
飢餓状態、不規則な食事摂取
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
血糖降下作用を増強する薬剤との併用(「3.相互作用」の項参照)
低血糖を起こすと事故につながるおそれがある患者(高所作業、自動車の運転等の作業に従事している患者等)
インスリン製剤の使用上最も重要なことは、適応の決定と患者教育である。日常の糖尿病治療のためにインスリンを使用する場合、その注射法及び低血糖に対して患者自らも対処できるように十分指導すること。本剤の皮下からの吸収及び作用の発現時間は、投与部位、血流、体温、運動量等により異なるため、適切な注射法についても患者教育を十分行うこと。さらに、本剤の使用にあたっては、必ず添付の使用説明書を読むよう指導すること。また、すべての器具の安全な廃棄方法についても十分指導すること。
2型糖尿病においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
低血糖を起こすことがあるので、注意すること。特に、食事を摂取しなかったり、予定外の激しい運動を行った場合、低血糖を引き起こしやすい。低血糖が無処置の状態で続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させること(「4.副作用」の項参照)。
インスリンの用量が不足した場合、高血糖を起こすことがあるので、注意すること。
高血糖が無処置の状態で続くと悪心、嘔吐、眠気、潮紅、口渇、頻尿、脱水、食欲減退、呼気のアセトン臭、ケトアシドーシス、昏睡等を起こし、重篤な転帰をとるおそれがあるので、適切な処置を行うこと。
食物の吸収の遅延が予測される疾患のある患者や薬物療法中の患者への適用に際しては、本剤の作用発現が速いことを考慮すること。
肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
本剤は無色澄明な液剤であるため、本剤と異なる作用動態を持つ無色澄明なインスリン製剤と間違えないよう患者に十分な指導を行うこと。
投与時
本剤は他の薬剤との混合により、成分が分解するおそれがあるため、本剤と他の薬剤を混合しないこと。
保存時
使用中は冷蔵庫に入れず、室温に保管し、4週間以内に使用すること。残った場合は廃棄すること。
投与経路
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
投与部位
皮下注射は、腹部、上腕、大腿に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射場所を毎回変えること。前回の注射場所より2~3cm離して注射すること。
その他
本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。[本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。]
本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
インスリンカートリッジにインスリン製剤を補充してはならない。
注射後、注射針は廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。
液に濁りが生じたり、変色している場合は、使用しないこと。
インスリンカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
1本のフレックスタッチを複数の患者に使用しないこと。
本剤は、作用発現が速いため、食事の直前に投与すること(【薬物動態】の項参照)。
適用にあたっては、本剤の作用時間や患者の病状に留意すること。他のインスリン製剤と同様に、患者の病状が本剤の製剤的特徴に適する場合に投与すること。
1日1回投与の場合には、朝食、昼食又は夕食のうち主たる食事の直前に投与する。いずれの食事の直前に投与するかは毎日一定とすること。
インスリン依存状態にある患者(1型糖尿病患者等)には、他のインスリン製剤と併用して本剤は1日1回投与とすること(【臨床成績】の項参照)。
糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。
1日1回又は1日2回投与の中間型又は持効型インスリン製剤あるいは混合製剤によるインスリン治療から本剤に変更する場合、患者の状態に応じて用量を決定するなど慎重に本剤の投与を開始すること。目安として1日投与量は前治療におけるインスリン製剤の1日投与量と同単位で投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性を考慮の上行うこと(【薬物動態】及び【臨床成績】の項参照)。
インスリン以外の他の糖尿病用薬から本剤に切り替える場合又はインスリン以外の他の糖尿病用薬と併用する場合は、低用量から開始するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行うこと(【薬物動態】及び【臨床成績】の項参照)。
本剤の投与開始時及びその後の数週間は血糖コントロールのモニタリングを十分に行うこと。
併用する他の糖尿病用薬の投与量や投与スケジュールの調整が必要となることがある。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすいので、用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。

妊婦・産婦・授乳婦等への投与

本剤の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。
小児における有効性及び安全性は確立していない。
薬物動態プロファイル
本剤は、2つの画分(インスリン デグルデクとインスリン アスパルト)の作用プロファイルを併せ持つ製剤である(【薬効薬理】の項参照)。
日本人1型糖尿病患者における本剤単回投与後のインスリン アスパルトのプロファイル
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。
インスリン アスパルトの速やかに血中に吸収される特性は本剤においても認められた。インスリン アスパルトは投与後10分に血中に認められ、投与後72分に最高血中濃度に達した。
日本人1型糖尿病患者におけるインスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクのプロファイル
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。
インスリン デグルデクの血中濃度は投与後2~3日で定常状態に達した。定常状態のインスリン デグルデクの半減期は約18時間であった。
薬力学的プロファイル
日本人1型糖尿病患者における本剤単回投与後の薬力学的プロファイル
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、本剤の薬力学的プロファイル[24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイル]を検討した。本剤の血糖降下作用は、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)とインスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の作用プロファイルを反映した2つの画分に区別された(図参照)。本剤は、投与後速やかに作用を発現し、約2時間後にGIRが最大に達した。本剤の単回投与後の作用持続時間は24時間を超えていた。
26時間グルコースクランプ実施時のデータ
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当
日本人1型糖尿病患者におけるインスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクの薬力学的プロファイル
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬力学的プロファイルを検討した。
定常状態におけるインスリン デグルデクの24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイルから、インスリン デグルデクの血糖降下作用は一定であり、平坦で安定していることが示された。
1回の投与間隔(24時間)でのインスリン デグルデクの血糖降下作用は、投与開始後~12時間及び投与後12時間以降で同様であった。インスリン デグルデクの作用持続時間は長く、検討したすべての患者において26時間を超えていた。
高齢者における薬物動態プロファイル(参考:海外臨床試験)
本剤単回投与後のインスリン アスパルトの薬物動態プロファイル
若年(19~33歳:平均年齢25.4歳)及び高齢(65~79歳:平均年齢68.2歳)の1型糖尿病患者に本剤0.5単位/kgを単回投与し、本剤投与後の薬物動態を検討した。インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の速やかに血中に吸収される特性は、高齢者においても認められ、若年者及び高齢者の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった。
本剤 0.5単位/kg
AUC0-12h,SD比(高齢者/若年者)[95%信頼区間]
1.27[0.97;1.65]
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当若年者n=13、高齢者n=14
インスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクの薬物動態プロファイル
若年(19~34歳:平均年齢27.1歳)及び高齢(65~78歳:平均年齢67.8歳)の1型糖尿病患者にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の定常状態における薬物動態を検討した。
インスリン デグルデクの平坦で安定した薬物動態プロファイルは高齢者においても認められ、若年者及び高齢者の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった。
インスリン デグルデク 0.4単位/kg
AUCτ,ss比(高齢者/若年者)[95%信頼区間]
1.04[0.73;1.47]
若年者n=13、高齢者n=13
小児における本剤単回投与後のインスリン アスパルト及びインスリン デグルデクの薬物動態プロファイル(参考:海外臨床試験)
小児(8~11歳:平均年齢10.3歳)、青年期(12~17歳:平均年齢14.7歳)及び成人(18~57歳:平均年齢25.1歳)の1型糖尿病患者に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、本剤投与後の薬物動態を検討した。成人患者において認められたインスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の速やかに血中に吸収される特性は、小児及び青年期患者においても認められた。インスリン アスパルトの曝露量及び最高血中濃度は成人患者より小児患者において大きく、成人患者と青年期患者で同様であった。また、成人患者で認められたインスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の長い薬物動態プロファイルは小児及び青年期患者においても認められた。単回投与後のインスリン デグルデクの総曝露量は成人患者より小児及び青年期患者において大きかった。
インスリン アスパルト画分AUC0-12h,SD比[95%信頼区間]Cmax,SD比[95%信頼区間]
小児/成人1.69[1.02;2.80]1.66[1.10;2.51]
青年/成人1.14[0.76;1.69]1.16[0.84;1.61]
インスリン デグルデク画分AUC0-∞,SD比[95%信頼区間]Cmax,SD比[95%信頼区間]
小児/成人1.42[0.94;2.16]1.38[1.09;1.76]
青年/成人1.23[0.96;1.58]1.16[0.95;1.42]
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当小児n=12、青年n=13、成人n=13
腎機能障害患者におけるインスリン デグルデク単回投与後のインスリン デグルデクの薬物動態(参考:海外臨床試験)
腎機能障害の程度の異なる患者[クレアチニンクリアランス(mL/min)に基づく分類。軽度(50以上80以下)、中等度(30以上50未満)、重度(30未満)、末期(血液透析を必要とする患者)]にインスリン デグルデク0.4単位/kgを単回投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態を比較した。腎機能障害患者と健康成人の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった。
AUC0-120h,SD比[90%信頼区間]
軽度/正常1.12[0.77;1.63]
中等度/正常1.12[0.78;1.60]
重度/正常1.20[0.83;1.74]
末期/正常注)1.02[0.74;1.40]
注)末期腎疾患を有する患者については、投与後68時間までの測定に基づき算出したAUC0-∞,SD正常n=6、軽度n=6、中等度n=6、重度n=6、末期n=6
肝機能障害患者におけるインスリン デグルデク単回投与後のインスリン デグルデクの薬物動態(参考:海外臨床試験)
肝機能障害の程度の異なる患者[Child-Pugh scoresに基づく分類。軽度:Grade A(5~6ポイント)、中等度:Grade B(7~9ポイント)、重度:Grade C(10~15ポイント)]にインスリン デグルデク0.4単位/kgを単回投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態を比較した。肝機能障害患者と健康成人のインスリン デグルデクの薬物動態プロファイルに違いは認められなかった。
AUC0-120h,SD比[90%信頼区間]
軽度/正常0.95[0.77;1.16]
中等度/正常1.00[0.82;1.22]
重度/正常0.92[0.74;1.14]
正常n=6、軽度n=6、中等度n=6、重度n=6