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レトロゾール錠2.5mg「日医工」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○閉経後乳癌
  • ○生殖補助医療における調節卵巣刺激
  • ○多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発
  • ○原因不明不妊における排卵誘発

用法・用量

  • <閉経後乳癌>

    • 通常、成人にはレトロゾールとして1日1回2.5mgを経口投与する。
  • <生殖補助医療における調節卵巣刺激、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、原因不明不妊における排卵誘発>

    • 通常、レトロゾールとして1日1回2.5mgを月経周期3日目から5日間経口投与する。十分な効果が得られない場合は、次周期以降の1回投与量を5mgに増量できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • <効能共通>

    • 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.4、9.5参照]
    • 2.2 授乳婦[9.6参照]
    • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • <生殖補助医療における調節卵巣刺激、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、原因不明不妊における排卵誘発>

    • 2.4 活動性の血栓塞栓性疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。][9.1.1、11.1.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本人及び家族の既往歴等の一般に血栓塞栓症発現リスクが高いと認められる患者
本剤を用いた不妊治療を行う場合、本剤の投与の可否については、本剤が血栓塞栓症の発現リスクを増加させることを考慮して判断すること。なお、妊娠自体によっても血栓塞栓症のリスクは高くなることに留意すること。[2.4、8.6、8.7、11.1.5参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎障害患者
重度の腎障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
<生殖補助医療における調節卵巣刺激、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、原因不明不妊における排卵誘発>
妊娠初期の投与を避けるため、以下の対応を行うこと。[2.1、9.5参照]
・本剤投与開始前及び次周期の投与前に妊娠していないことを確認すること。
・多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発及び原因不明不妊における排卵誘発においては、患者に、本剤投与前少なくとも1ヵ月間及び治療期間中は基礎体温を必ず記録させ、排卵の有無を観察すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。海外において、適応外として妊娠前及び妊娠中に本剤を投与された患者で奇形を有する児を出産したとの報告がある。動物実験(ラット)においては、胎児死亡及び催奇形性(ドーム状頭部及び椎体癒合)並びに分娩障害が観察されている。また、動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている。[2.1、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳中の女性へは投与しないこと。やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。また、動物実験(ラット)で授乳期に本剤を母動物に投与した場合、雄の出生児の生殖能の低下が観察されている。[2.2参照]
9.8 高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下しており、副作用があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 疲労、めまい、まれに傾眠が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
<閉経後乳癌>
8.2 本剤の投与によって、骨粗鬆症、骨折が起こりやすくなるので、骨密度等の骨状態を定期的に観察することが望ましい。
8.3 本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
8.4 本剤はアロマターゼを阻害することにより治療効果を発揮するものであり、活発な卵巣機能を有する閉経前乳癌の患者ではアロマターゼを阻害する効果は不十分であると予想されること、並びに閉経前乳癌の患者では使用経験がないことを考慮して、閉経前乳癌の患者に対し使用しないこと。
<生殖補助医療における調節卵巣刺激、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、原因不明不妊における排卵誘発>
8.5 本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。本剤投与により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。
8.6 本剤を用いた不妊治療により、卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、本剤の5日間の投与終了後も含め少なくとも当該不妊治療期間中は、以下のモニタリングを実施し、卵巣過剰刺激症候群の兆候が認められた場合には適切な処置を行うこと。[8.7、9.1.1、11.1.5参照]
・患者の自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)
・急激な体重増加
・超音波検査等による卵巣腫大
8.7 患者に対しては、あらかじめ以下の点を説明すること。[8.6、9.1.1、11.1.5参照]
・卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)や急激な体重増加が認められた場合には直ちに医師等に相談すること。
・多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発及び原因不明不妊における排卵誘発に本剤を用いた場合、卵巣過剰刺激の結果として多胎妊娠の可能性があること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、原因不明不妊における排卵誘発>
7.1 本剤を用いた周期を繰り返し行っても十分な効果が得られない場合には、患者の年齢等も考慮し、漫然と本剤を用いた周期を繰り返すのではなく、生殖補助医療を含め他の適切な治療を考慮すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<生殖補助医療における調節卵巣刺激、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発、原因不明不妊における排卵誘発>
5.1 本剤の投与の適否は、患者及びパートナーの検査を十分に行った上で判断すること。原発性卵巣不全が認められる場合や妊娠不能な性器奇形又は妊娠に不適切な子宮筋腫の合併等の妊娠に不適当な場合には本剤を投与しないこと。また、甲状腺機能低下、副腎機能低下、高プロラクチン血症及び下垂体又は視床下部腫瘍等が認められた場合、当該疾患の治療を優先すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
閉経後健康女性(12例)にレトロゾール2.5mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
AUC0-inf
(ng・h/mL)
t1/2
(h)
1.5±0.643.2±16.12,066±1,14768.6±36.7
平均値±標準偏差
16.1.2 反復投与
閉経後健康女性(10例)に、レトロゾール2.5mgを1日1回、反復投与したときの血漿中薬物濃度は、投与回数が増えるにしたがって徐々に上昇し、投与4週間でほぼ一定値に近づいた。初回投与に対する4週後投与のAUC0-24比(累積係数)は7.2であった。
また、閉経後乳癌女性患者(31例)にレトロゾール2.5mgを1日1回反復経口投与したときの血漿中トラフ濃度は、投与4週目以降ほぼ一定値で推移し、定常状態であると考えられた。
16.1.3 生物学的同等性試験
レトロゾール錠2.5mg「日医工」及びフェマーラ錠2.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(レトロゾールとして2.5mg)閉経後健康女性に絶食単回経口投与して血漿中レトロゾール濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→240
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
レトロゾール錠2.5mg「日医工」2344.6±986.146.903±11.6701.8±1.166.9±29.5
フェマーラ錠2.5mg2291.1±981.046.977±8.3861.3±0.869.0±35.3
(1錠投与,Mean±S.D.,n=24)
血漿中薬物濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
閉経後健康女性(12例)にレトロゾール2.5mgを単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティーは約100%であった(外国人のデータ)。
16.3 分布
ヒトにおけるレトロゾールの血清蛋白結合率は約60%であり(in vitro)、主な結合蛋白はアルブミンである。
16.4 代謝
レトロゾールは薬理学的に不活性のカルビノール体に代謝された後に、グルクロン酸抱合体として主に腎臓から排泄される。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、レトロゾールは薬物代謝酵素CYP3A4、CYP2A6によって代謝されることが示唆されている。また、各CYP分子種に対するレトロゾールの阻害効果を検討した結果、CYP2A6及びCYP2C19に対するKi値はそれぞれ0.12μmol/L及び8.5μmol/Lであった。
16.5 排泄
閉経後健康女性(6例)に[14C]レトロゾール2.5mgを単回経口投与したとき、投与後336時間までに投与量の88.2%が尿中に、3.8%が糞中に排泄された。また、尿中から回収された放射能のうち、投与量の約5%が未変化体、約63%がカルビノール体のβ-0-グルクロン酸抱合体であった(外国人のデータ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害
軽度及び中等度の肝機能障害者(閉経後女性(7例)、Child-Pugh分類でグレードA及びB)にレトロゾール2.5mgを単回経口投与したときのAUCは、健康者(4例)と比較していずれも有意な増加はみられなかった。一方、重度の肝機能障害者(同(8例)グレードC)でのAUCは、健康者(8例)に比較して約2倍であった(外国人のデータ)。[9.3.1参照]
16.6.2 CYP2A6遺伝多型
閉経後乳癌患者にレトロゾール2.5mgを1日1回反復経口投与したとき、薬物代謝酵素CYP2A6の欠損あるいは活性低下を引き起こす遺伝子型(CYP2A64CYP2A67CYP2A69CYP2A610)同士の組み合わせを有する群(SM群)、野生型遺伝子であるCYP2A61AあるいはCYP2A61Bを有する群(EM群)ともに、血漿中トラフ濃度は投与開始4~8週で定常状態に達したものの、平均血漿中トラフ濃度はEM群に比較してSM群で約2倍高かった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP2A6を阻害する薬剤
メトキサレン等
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。メトキサレン等の薬剤はCYP2A6活性を阻害することより、本剤の代謝を阻害する。
CYP3A4を阻害する薬剤
アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール等)等
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。アゾール系抗真菌剤等の薬剤はCYP3A4活性を阻害することより、本剤の代謝を阻害する。
CYP3A4を誘導する薬剤
タモキシフェン
リファンピシン等
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
本剤とタモキシフェンの反復併用投与により、本剤のAUCが約40%低下したとの報告がある。
ただし、相互作用に起因する効果の減弱及び副作用の報告はない。
これらの薬剤はCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓症、塞栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、脳梗塞、動脈血栓症、血栓性静脈炎、心筋梗塞があらわれることがある。
11.1.2 心不全、狭心症(いずれも頻度不明)
11.1.3 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4 中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
11.1.5 卵巣過剰刺激症候群(頻度不明)
本剤を用いた不妊治療により、卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水、胸水、呼吸困難を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあり、卵巣破裂、卵巣茎捻転、脳梗塞、肺塞栓を含む血栓塞栓症、肺水腫、腎不全等が認められることもある。本剤投与後に卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、重症度に応じて適切な処置を行うこと。重度の卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、入院させて適切な処置を行うこと。[2.4、8.6、8.7、9.1.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
血液系障害白血球数減少、リンパ球数減少、好塩基球数増加、単球数減少血小板増加、白血球分画異常
代謝及び栄養障害血中コレステロール増加食欲不振、体重増加高カルシウム血症、アルブミン・グロブリン比減少、血中コレステロール減少、血中カリウム減少、低蛋白血症、血中クロール増加、食欲亢進、体重減少
精神障害易興奮性、うつ病、不安、不眠症
神経系障害頭痛浮動性めまい、味覚障害注意力障害、傾眠、しびれ感、回転性めまい、記憶障害、異常感覚
眼障害白内障、眼刺激、霧視
耳及び迷路障害耳鳴
心臓障害動悸頻脈
血管障害ほてり高血圧低血圧、潮紅
呼吸器系障害喉頭痛、呼吸困難
胃腸障害悪心、嘔吐、消化不良、歯痛、口内炎上腹部痛、軟便、便秘、腹痛、腹部膨満、下痢
肝・胆道系障害AST増加、ALT増加、ALP増加γ-GTP増加、LDH増加血中ビリルビン増加
皮膚障害そう痒症、発疹、多汗、湿疹、脱毛症冷汗、局所性表皮剥脱、皮膚乾燥、蕁麻疹
筋骨格系障害関節痛筋痛、関節硬直、背部痛、関節炎骨痛、骨折、骨粗鬆症
腎及び尿路障害尿蛋白陽性頻尿、尿路感染、BUN増加
生殖系及び乳房障害乳房痛、腟出血、腟分泌物腟乾燥
全身障害疲労、けん怠感、口渇、胸痛、上肢浮腫、全身浮腫熱感、脱力、発熱、粘膜乾燥、腫瘍疼痛
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