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カルシトリオール静注液0.5μg「F」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症

用法・用量

  • 通常、成人には投与初期は、カルシトリオールとして、1回1μgを週2~3回、透析終了時にできるだけ緩徐に静脈内投与する。以後は、患者の副甲状腺ホルモン及び血清カルシウムの十分な管理のもと、1回0.5μgから1.5μgの範囲内で適宜増減し、週1~3回、透析終了時にできるだけ緩徐に投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 ビタミンD中毒症状を伴う患者[血清カルシウム値を更に上昇させる。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高リン血症の患者
リン吸着剤(リン酸結合剤)を併用し、血清リン値を下げること。[8.2、8.3参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析中の患者
マグネシウム含有製剤との併用には注意すること。腎よりのマグネシウムの排泄が低下している。[8.2、10.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットで、早期胚死亡率の増加、生存胎児体重の軽度減少(0.15μg/kg/日)が、ウサギで、生存胎児体重の減少(0.09μg/kg/日)が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。また、授乳中及び離乳後の摂食抑制、眼瞼開裂及び精巣下降の遅延(0.45μg/kg/日)が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
補正カルシウム値に注意すること。高齢者において認められた副作用の頻度及び種類は、非高齢者との間に差は認められていないが、一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、他のビタミンD及びその誘導体の製剤が使用されていないことを確認すること。また、本剤投与中は、他のビタミンD及びその誘導体の製剤を使用しないよう注意すること。
8.2 連用中は、血清リン値、血清マグネシウム値、Al-Pを定期的に測定することが望ましい。[8.3、9.1.1、9.2.1、10.2参照]
8.3 血清カルシウム値・血清リン値の積(Ca×P)が大きくなるほど異所性石灰化を起こす危険性が高くなるので、Ca×Pが高値にならないように注意すること。[7.1.1、8.2、9.1.1、10.2、11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
他剤との混注を行わないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
静注は約30秒間かけて緩徐に行うこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 過量投与を防ぐため、以下に注意して投与すること。
7.1.1 血清カルシウム値は、定期的(少なくとも2週に1回)に測定する。ただし、血清カルシウム値が医療機関の血清カルシウム値の基準値上限を0.5mg/dL超えた場合には、さらに測定頻度を高くし(週に1回以上)、減量等も考慮して慎重に投与すること。また、血清カルシウム値が医療機関の血清カルシウム値の基準値上限を1mg/dL超えた場合には、直ちに休薬すること。休薬により血清カルシウム値が、医療機関の血清カルシウム値の基準値まで低下したことを確認した上で、休薬前の投与量を参考に、減量等も考慮して投与を再開すること。
低アルブミン血症(血清アルブミン量が4.0g/dL未満)の場合には、補正値を指標に用いることが望ましい。[8.3、10.2、11.1.1参照]
補正カルシウム値算出方法
補正カルシウム値(mg/dL)=血清カルシウム値(mg/dL)-血清アルブミン値(g/dL)+4.0
7.1.2 過度に副甲状腺ホルモン(PTH)が低下した場合には、高カルシウム血症が発現しやすくなるおそれがあるので、PTHは少なくとも4週に1回測定し、intact-PTH値が150pg/mL以下に低下した場合には、減量又は休薬すること。[10.2、11.1.1参照]
7.1.3 投与回数は、週3回を限度とする。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の投与は、投与開始前の血清カルシウム値が、医療機関の血清カルシウム値の基準値上限以下の患者とすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回静脈内投与
健康成人男性各6例にカルシトリオールとして0.5、1、2及び3μg注1)を単回静脈内投与したときの血中未変化体の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、AUC(補正値)には用量比例性が認められた。
また、投与5分後の血中濃度(C5min)も投与量にほぼ比例して増加した。
単回静脈内投与したときの血中未変化体の薬物動態パラメータ
パラメータ投与量(μg)
0.5123
C5min(pg/mL)78.7±29.5172±24311±64518±174
AUC0-48
(ng・h/mL)
実測値2.11±0.472.64±0.303.63±0.833.81±0.61
補正値a)0.51±0.590.76±0.571.90±0.752.33±0.48
半減期(h)16.4±3.510.7±3.912.2±3.4
平均値±標準偏差,n=6a)投与前値(生理的濃度)を差し引いて算出
16.1.2 反復静脈内投与
健康成人男性6例にカルシトリオールとして2μg注1)を1日おきに4回静脈内投与したとき、投与1回目と4回目の血中未変化体の薬物動態パラメータは同様であり、蓄積は認められなかった。
隔日静脈内投与したときの血中未変化体の薬物動態パラメータ
パラメータ投与回数
14
C5min(pg/mL)347±69348±99
AUC0-48(ng・h/mL)4.05±0.903.35±0.47
半減期(h)10.4±3.410.9±4.4
CL(L/h)0.52±0.120.61±0.08
平均値±標準偏差,n=6
注1)本剤の承認用量は、投与初期は1回1μgを週2~3回、以後は、1回0.5~1.5μgを週1~3回である。
16.3 分布
16.3.1 組織内分布
ラットに3H-カルシトリオール0.4μg/kgを単回静脈内投与したとき、放射能は速やかに広く各組織に分布し、特に血液、肝臓、副腎、腎臓及び肺に高い濃度が認められた。ほとんどの組織で放射能は速やかに消失した。また、全身オートラジオグラフィーでは副甲状腺にも比較的高い放射能が認められた。
16.3.2 蛋白結合率
健康成人及び腎不全患者各6例の血清を使用したin vitro試験でのカルシトリオール(50及び200pg/mL)の血清蛋白結合率は95.1~98.0%であり、健康成人と腎不全患者で差は認められなかった。
16.4 代謝
16.4.1 外国人成人
外国人健康成人1例に3H-カルシトリオールとして12.1ngを単回静脈内投与したとき、尿中放射能の大部分はカルシトリオールよりも極性の高い化合物であり、未変化体はほとんど存在しなかった。また、胆嚢切除手術後の外国人患者男女10例に3H-カルシトリオールとして8.6~29.2ngを単回静脈内投与したとき、24時間後の胆汁中には、投与量の28.8%の放射能が認められ、その多くがグルクロン酸抱合体と推定された。
16.4.2 ラット
ラットに3H-カルシトリオールを単回静脈内投与したとき、血液中では23位、24位あるいは26位が水酸化されたトリハイドロキシ体及び1α,25(OH)2D3-26,23-ラクトンが主要な代謝物であった。
また、組織中ではカルシトロイン酸が主要な代謝物であった。胆汁中にはカルシトロイン酸の抱合体が多く認められた。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人
健康成人男性5例にカルシトリオールとして3μg注2)を単回静脈内投与したとき、投与後4時間までの尿中に未変化体は検出されなかった。
16.5.2 外国人健康成人
外国人健康成人男女7例に3H-カルシトリオールとして0.01~0.97μgを単回静脈内投与したとき、投与後6日間での尿中及び糞中排泄率は投与量のそれぞれ15.8%及び49.4%であった。また、外国人健康成人男性5例に3H-カルシトリオールとして約10ngを単回静脈内投与したとき、投与後6時間までの胆汁排泄率は15.6%であった。
16.5.3 ラット
ラットに3H-カルシトリオールを単回静脈内投与したとき、投与後168時間までの尿中及び糞中排泄率はそれぞれ6~14%及び72~80%であった。このうちの大部分は投与後48時間以内に排泄された。
また、ラットに3H-カルシトリオールを単回静脈内投与したとき、投与後48時間までの胆汁排泄率は投与量の64~69%であり、腸肝循環が認められた。
注2)本剤の承認用量は、投与初期は1回1μgを週2~3回、以後は、1回0.5~1.5μgを週1~3回である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
透析期腎不全患者にカルシトリオールとして1μgを週3回12週間各透析終了時に静脈内投与したとき、トラフ値(最大透析間隔後の血中未変化体濃度)は高齢者(65歳以上)と非高齢者で同様であった。
血中未変化体濃度(トラフ値,pg/mL)
投与開始直前高齢者非高齢者
5.08±1.00(n=12)6.71±4.91(n=14)
投与期1週時7.08±3.48(n=12)8.57±4.64(n=14)
4週時7.58±3.37(n=12)8.50±2.88(n=14)
8週時7.92±3.50(n=12)10.8±6.0(n=12)
12週時8.45±3.88(n=11)7.67±2.50(n=9)
休薬1週間後4.89±0.60(n=9)6.44±2.13(n=9)
平均値±標準偏差

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス
[7.1.1、8.3、11.1.1参照]
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用が増強される。
カルシウム製剤
乳酸カルシウム水和物
炭酸カルシウム 等
[7.1.1、8.3、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
マグネシウム含有製剤
酸化マグネシウム
炭酸マグネシウム 等
[8.2、9.2.1参照]
高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。本剤は腸管でのマグネシウムの吸収を促進させる。
フェニトイン
フェノバルビタール
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。代謝酵素活性を誘導し、本剤の代謝を増加させるおそれがある。
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド
ヒドロクロロチアジド 等
[7.1.1、8.3、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。カルシウムの尿中排泄を減少させる。
PTH製剤
テリパラチド
[7.1.1、7.1.2、8.3、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。相加作用

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高カルシウム血症(24.2%)
本剤には血清カルシウム上昇作用が認められるので、高カルシウム血症に基づくと考えられる症状(そう痒感、いらいら感等)があらわれることがある。[7.1.1、7.1.2、8.3、10.2参照]
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、呼吸困難、紅潮等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5%以上0.1~0.5%未満0.1%未満頻度不明
消化器嘔気、嘔吐、食欲不振、便秘、膵炎の悪化
精神神経系いらいら感、不眠、手しびれ感、めまい、頭痛感情鈍麻(ぼんやり)、気分不良、うつ状態悪化
循環器高血圧、動悸、心房細動QT延長、房室ブロック
肝臓γ-GTP上昇、AST上昇
皮膚そう痒感ざ瘡発疹
結膜充血
筋・骨格関節痛、筋力低下背部痛
代謝高リン血症LDH上昇
血液好酸球増多リンパ球減少、血小板減少好中球増多、単球増多
その他不快感(四肢、腰部、肛門)顔面潮紅、胸部圧迫感

注1)本剤投与中にあらわれる上記のような副作用には、高カルシウム血症に基づくと思われる症状が多いので、定期的に血清カルシウム値を測定すること。
注2)発現頻度は使用成績調査を含む。

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