製品名 ノピコールカプセル2.5μg

一般名
Nalfurafine Hydrochloride
薬効分類
中枢神経薬(その他)
 >瘙痒症治療薬
価格
2.5μg1カプセル:1342.5円/カプセル

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 次の患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)

    • 透析患者、慢性肝疾患患者

用法・用量

  • 通常、成人には、ナルフラフィン塩酸塩として1日1回2.5μgを夕食後又は就寝前に経口投与する。なお、症状に応じて増量することができるが、1日1回5μgを限度とする。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
肝機能障害(頻度不明注1))、黄疸(頻度不明注1)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注1)自発報告によるものについては頻度不明。
注意

次の患者には慎重に投与すること

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者[投与経験がない。また、肝機能の低下に伴い血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
<透析患者におけるそう痒症の改善の場合>
中等度(Child-Pugh分類グレードB)の肝障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
<慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合>
腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者に対する本剤の投与にあたっては、リスク・ベネフィットを勘案し、投与中は患者の状態を十分に観察すること。[「慎重投与」の項参照]
眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
本剤の投与により、プロラクチン値上昇等の内分泌機能異常があらわれることがあるので、適宜検査を実施することが望ましい。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
保存時
未使用の場合はアルミピロー包装のまま保存し、開封後は遮光保存すること。また、服用時にPTPシートから取り出すこと。
血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合
本剤の投与から血液透析開始までは十分な間隔をあけること。[本剤は血液透析により除去されることから、本剤服用から血液透析までの時間が短い場合、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。(「薬物動態」の項参照)]
腹膜透析患者におけるそう痒症の改善の場合
本剤の投与から透析液交換までは十分な間隔をあけること。[本剤服用から透析液交換までの時間が短い場合、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。(「薬物動態」の項参照)]
慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合
本剤の投与は1日1回2.5μgから開始し、効果不十分な場合に1日1回5μgへの増量を検討すること。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット)において、胎盤通過、生存胎児数の減少、出産率の低下及び出生児体重の減少が報告されている。]
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において、乳汁中へ移行することが報告されている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児への投与に関する安全性は確立されていない。[使用経験がない。]
血漿中濃度
(血液透析患者(単回投与))
血液透析患者(16例)に本剤2.5又は5μgを経口単回投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。
薬物動態パラメータ
投与群(μg)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.53.15±0.824.25±1.5866.26±15.5414.21±4.93
56.51±2.763.00±0.93120.59±71.9014.03±7.44
(平均値±標準偏差)
(血液透析患者(反復投与))
血液透析患者(14~16例)に本剤2.5又は5μgを経口反復投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。
薬物動態パラメータ
投与群(μg)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.55.70±3.854.14±1.35210.25±144.2825.33±10.52
510.25±1.743.86±1.21358.86±179.2428.34±8.55
(平均値±標準偏差)
また、透析時では非透析時と比較しt1/2が短縮しており、透析時及び非透析時のt1/2はそれぞれ、7.60±2.02(hr)、32.06±15.50(hr)であった。
(腹膜透析患者(単回投与))
腹膜透析患者(16例)に本剤2.5又は5μgを経口単回投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。腹膜透析の方法(連続携行式腹膜透析(CAPD)、持続的周期的腹膜透析(CCPD))、自動腹膜灌流装置(APD)の有無及び透析液の種類により、未変化体の薬物動態パラメータに明らかな差異は認められなかった。なお、本剤5μg投与群において、本剤投与から初回の透析液交換までの時間が3時間と規定された5例のうち1例で、未変化体のCmax及びAUC0-∞がそれぞれ5.37pg/mL及び156.54pg・hr/mLと低下する傾向が認められた。
薬物動態パラメータ
投与群(μg)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.53.81±0.881.40±0.5592.67±23.4720.99±4.22
58.28±3.001.91±0.94193.74±57.5224.77±3.23
(平均値±標準偏差)
(軽度(Child-Pugh分類グレードA)の肝障害患者)
Child-Pugh分類グレードAの代償性肝硬変患者(12例)に本剤2.5又は5μgを経口単回投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。健康成人男子と比較してCmaxやAUCが上昇する傾向は認められなかった。
薬物動態パラメータ
投与群(μg)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.53.63±1.262.33±1.0334.58±13.555.37±2.11
56.76±2.031.50±0.5558.06±26.286.61±2.46
※n=4(平均値±標準偏差)
(中等度(Child-Pugh分類グレードB)の肝障害患者)
Child-Pugh分類グレードBの慢性肝疾患患者(延べ30例)に本剤2.5又は5μgを経口単回投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。軽度(Child-Pugh分類グレードA)の肝障害患者と比較してCmaxとAUCは上昇する傾向が認められた。
薬物動態パラメータ
投与群(μg)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.56.36±2.621.81±1.52117.4±51.417.52±10.69
511.71±4.451.50±1.02197.7±97.014.59±5.27
(平均値±標準偏差)
(重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害患者)
Child-Pugh分類グレードCの肝障害患者における薬物動態は検討されていない。
食事の影響
健康成人男子(12例)を対象に、本剤10μgを食後に経口単回投与した時のAUC0-48hr及びCmaxは空腹時投与の場合とほぼ同等であり、食事の影響は認められなかった。
(注1)通常、本剤の1回投与量は2.5μgである。
(注2)開発段階の製剤での試験成績であるが、当該製剤はノピコールカプセルと溶出挙動の類似性から同等であると考えられている。
薬物動態パラメータに対する食事の影響
投与方法Cmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-48hr(pg・hr/mL)t1/2(hr)
空腹時投与12.67±3.953.08±1.08114.46±34.265.99±1.35
食後投与13.68±3.653.17±1.34126.03±38.105.90±1.10
(平均値±標準偏差)
分布
in vitroタンパク結合率)
ヒト血漿タンパク結合率は、73.3~76.3%であり、性差は認められなかった。
(動物試験)
ラットに経口単回投与した後の全身オートラジオグラム及び組織中放射能濃度測定結果から、投与後15分に食道、肝臓、消化管及びその内容物に高い放射能の分布が認められた。また、投与後168時間では肝臓、腎臓、甲状腺及び腸内容物に放射能が認められた。
代謝及び排泄
(外国人のデータ)
健康成人男子(6例)を対象に、トリチウムで標識した本剤を静脈内単回投与した時の薬物動態を検討したところ、投与後14日間での糞中排泄率は56.0%、尿中の排泄率は36.2%で、累積排泄率は92.2%となった。尿中では主に未変化体として、糞中では主に脱シクロプロピルメチル体として排泄された。主代謝物は脱シクロプロピルメチル体であり、その他にグルクロン酸抱合体が認められた。
in vitro試験、代謝)
in vitro代謝評価系による検討から、主代謝酵素はCYP3A4であった。
(透析膜による除去)
4種の透析膜を用いて透析による除去について検討したところ、未変化体の透析膜面積1.5m2換算クリアランスは44.6~61.8mL/minと算出され、健康成人男子における未変化体の腎クリアランス170~210mL/minと比較すると小さいものの、未変化体は膜種に関係なく透析により除去されるものと考えられた。また、代謝物(脱シクロプロピルメチル体及びグルクロン酸抱合体)についても膜種に関係なく除去されるものと考えられた。
薬物相互作用
(外国人のデータ)
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用
健康成人男子(22例)を対象に、本剤10μgを単独で経口単回投与した時とケトコナゾールを反復投与で併用した時、本剤のAUC0-∞はケトコナゾールを併用することにより160.5%となり、ケトコナゾールは本剤の薬物動態に影響した。
(注)通常、本剤の1回投与量は2.5μgである。
in vitro試験、代謝)
本剤のAUCに及ぼす影響についてin vitro代謝評価系を用いて検討したところ、そのAUCはケトコナゾール併用時に最大5.5倍、ミデカマイシン併用時に最大2.5倍、シクロスポリン併用時に最大2.3倍となる可能性が示された。
in vitro試験、P糖タンパク)
ヒトP糖タンパク(MDR1)発現LLC-PK1細胞を用いたin vitro試験で、ナルフラフィン塩酸塩はP糖タンパクの基質であるが、P糖タンパクを介したジゴキシンの輸送に影響を及ぼさないことが示された。一方、ナルフラフィン塩酸塩のP糖タンパクを介した輸送はケトコナゾール、ベラパミル塩酸塩、シクロスポリン、タクロリムス、セチリジン塩酸塩により阻害されることが示された。
in vitro試験、非吸収性薬剤)
非吸収性薬剤とのin vitro吸着試験の結果、本薬の高リン血症治療剤であるセベラマー塩酸塩(陰イオン交換樹脂系薬剤)に対する吸着率は11.9~14.7%、高カリウム血症治療剤であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム(陽イオン交換樹脂系薬剤)に対する吸着率は62.4~72.7%、ポリスチレンスルホン酸カルシウム(陽イオン交換樹脂系薬剤)に対する吸着率は98.8~98.9%であった。
血液透析の影響
本剤投与時の血漿中濃度に対する透析回数(週1,2,3回)、透析時間(2,4,6時間)、透析の実施時期(午前、午後、夜間)、投与から透析までの間隔(4,8,12時間)の影響をシミュレーションにより検討した結果、投与から透析までの間隔が4時間以内の血液透析では血漿中濃度が低下する可能性があるが、8時間以上の血液透析では影響はないと考えられた。その他の項目については血漿中濃度に影響はないと考えられた。