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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <レンビマカプセル4mg>

    • 根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な肝細胞癌、切除不能な胸腺癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
  • <レンビマカプセル10mg>

    • 根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

用法・用量

  • レンビマカプセル4mg

    効能又は効果用法及び用量
    レンビマカプセル4mg根治切除不能な甲状腺癌
    切除不能な胸腺癌
    通常、成人にはレンバチニブとして1日1回24mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
    がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌
    根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
    ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはレンバチニブとして1日1回20mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
    切除不能な肝細胞癌通常、成人には体重にあわせてレンバチニブとして体重60kg以上の場合は12mg、体重60kg未満の場合は8mgを1日1回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • レンビマカプセル10mg

    効能又は効果用法及び用量
    レンビマカプセル10mg根治切除不能な甲状腺癌
    切除不能な胸腺癌
    通常、成人にはレンバチニブとして1日1回24mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
    がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌
    根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
    ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはレンバチニブとして1日1回20mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高血圧症の患者
高血圧が悪化するおそれがある。[7.2、7.5、7.6、8.1、11.1.1参照]
9.1.2 脳転移のある患者
転移部位からの出血があらわれるおそれがある。[11.1.2参照]
9.1.3 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者
血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。[11.1.3、11.1.4参照]
9.1.4 外科的処置後、創傷が治癒していない患者
創傷治癒遅延があらわれることがある。[8.6、11.1.15参照]
9.1.5 頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤のある患者
腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。なお、甲状腺未分化癌患者では、頸動脈・静脈への腫瘍浸潤例が多いので、特に注意すること。[8.10、11.1.2参照]
9.1.6 肺転移を有する患者
気胸が発現するおそれがある。[11.1.8参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。なお、重度の肝機能障害を有する肝細胞癌患者に対する臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝機能障害のある肝細胞癌患者
減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。なお、中等度(Child-Pughスコア9)の肝機能障害を有する肝細胞癌患者に対する臨床試験は実施していない。[7.4参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5、15.2.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。外国臨床試験において、本剤の投与終了後に妊娠が判明し、自然流産となったことが報告されている。ラット及びウサギにおいて胚毒性・催奇形性が報告されている。なお、ラットでは臨床曝露量以下で認められた。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットにおいて乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。幼若ラットを用いた反復投与毒性試験において、切歯の異形成及び骨の短小など成長を阻害する影響が認められ、成熟ラットに比較し、致死量での死亡がより早期にみられた。[15.2.2参照]
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 血圧の上昇が認められることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧測定を行うこと。[7.2、7.5、7.6、9.1.1、11.1.1参照]
8.2 蛋白尿があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察すること。[7.5、11.1.7参照]
8.3 骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[7.5、11.1.13参照]
8.4 肝障害があらわれることがあるので、本剤の投与期間中は定期的に肝機能検査、血中アンモニア値の測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5参照]
8.5 心機能不全があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に心エコー、十二誘導心電図検査等の心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.10参照]
8.6 創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断すること。外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること。[9.1.4、11.1.15参照]
8.7 疲労、無力症、めまい、筋痙縮等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.8 定期的に血清カルシウム濃度を測定すること。[11.1.14参照]
8.9 甲状腺機能低下があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.17参照]
<根治切除不能な甲状腺癌>
8.10 本剤投与前には頸動脈・静脈等への腫瘍浸潤を十分確認するとともに、本剤の投与期間中は患者の状態の観察や瘻孔形成の有無の確認を十分に行うこと。[9.1.5、11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は湿気に不安定なため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

レンビマカプセル4mg
<根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌>
7.1 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて以下の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止すること。減量して投与を継続する場合には、1日1回20mg、14mg、10mg、8mg又は4mgに減量すること。
減量、休薬及び中止基準
副作用程度処置
高血圧
[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
降圧治療にも係らず、収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上のとき収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行う。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合本剤の投与を中止する。
上記以外の副作用忍容性がないGrade 2又はGrade 3の副作用が発現した場合本剤の投与開始前の状態又はGrade 1以下に回復するまで休薬する(悪心・嘔吐・下痢に対しては休薬の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬すること)。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合
(生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade 3の副作用と同じ処置とする)
本剤の投与を中止する。
:GradeはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)version 4.0に準じる。
<切除不能な肝細胞癌>
7.3 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.4 臨床試験において、中等度(Child-Pughスコア7~8)の肝機能障害を有する肝細胞癌患者に対する最大耐用量は1日1回8mgであることが確認されている。[9.3.2参照]
7.5 副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて以下の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止すること。
減量段階基準
開始用量1段階減量2段階減量3段階減量
12mgを1日1回投与8mgを1日1回投与4mgを1日1回投与4mgを隔日投与
8mgを1日1回投与4mgを1日1回投与4mgを隔日投与投与を中止する
減量、休薬及び中止基準
副作用程度処置
高血圧
[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
降圧治療にも係らず、収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上のとき収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行う。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合本剤の投与を中止する。
血液毒性及び蛋白尿
[8.2、8.3、11.1.7、11.1.13参照]
Grade 3の副作用が発現した場合
(臨床的に意義がない臨床検査値異常の場合を除く)
本剤の投与開始前の状態又はGrade 2以下に回復するまで休薬する。
本剤の投与を再開する場合、初回の副作用発現時は減量せず、2回目以降の副作用発現時は1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合本剤の投与開始前の状態又はGrade 2以下に回復するまで休薬する。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
上記以外の副作用忍容性がないGrade 2の副作用が発現した場合本剤の投与開始前の状態若しくはGrade 1以下に回復するまで休薬する、又は本剤の投与量を1段階減量して投与を継続する(悪心・嘔吐・下痢・甲状腺機能低下に対しては休薬又は減量の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬又は減量すること)。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 3の副作用が発現した場合
(臨床的に意義がない臨床検査値異常の場合を除く)
本剤の投与開始前の状態又はGrade 1以下に回復するまで休薬する(悪心・嘔吐・下痢・甲状腺機能低下に対しては休薬の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬すること)。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合
(生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade 3の副作用と同じ処置とする)
本剤の投与を中止する。
:GradeはCTCAE version 4.0に準じる。
<がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌>
7.6 副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて以下の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止すること。減量して投与を継続する場合には、1日1回14mg、10mg、8mg又は4mgに減量すること。
減量、休薬及び中止基準
副作用程度処置
高血圧
[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
降圧治療にも係らず、収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上のとき収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行う。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合本剤の投与を中止する。
上記以外の副作用忍容性がないGrade 2又はGrade 3の副作用が発現した場合本剤の投与開始前の状態又は忍容性のあるGrade 2以下に回復するまで休薬する(悪心・嘔吐・下痢・甲状腺機能低下に対しては休薬又は減量の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬又は減量すること)。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合
(生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade 3の副作用と同じ処置とする)
本剤の投与を中止する。
:GradeはCTCAE version 4.0に準じる。

7.用法及び用量に関連する注意

レンビマカプセル10mg
<根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な胸腺癌>
7.1 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて以下の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止すること。減量して投与を継続する場合には、1日1回20mg、14mg、10mg、8mg又は4mgに減量すること。
減量、休薬及び中止基準
副作用程度処置
高血圧
[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
降圧治療にも係らず、収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上のとき収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行う。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合本剤の投与を中止する。
上記以外の副作用忍容性がないGrade 2又はGrade 3の副作用が発現した場合本剤の投与開始前の状態又はGrade 1以下に回復するまで休薬する(悪心・嘔吐・下痢に対しては休薬の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬すること)。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合
(生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade 3の副作用と同じ処置とする)
本剤の投与を中止する。
:GradeはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)version 4.0に準じる。
<がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌>
7.6 副作用があらわれた場合は、症状、重症度等に応じて以下の基準を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止すること。減量して投与を継続する場合には、1日1回14mg、10mg、8mg又は4mgに減量すること。
減量、休薬及び中止基準
副作用程度処置
高血圧
[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上のとき本剤の投与を継続し、降圧剤の投与を行う。
降圧治療にも係らず、収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上のとき収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下になるまで本剤を休薬し、降圧剤による治療を行う。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合本剤の投与を中止する。
上記以外の副作用忍容性がないGrade 2又はGrade 3の副作用が発現した場合本剤の投与開始前の状態又は忍容性のあるGrade 2以下に回復するまで休薬する(悪心・嘔吐・下痢・甲状腺機能低下に対しては休薬又は減量の前に適切な処置を行い、コントロールできない場合に本剤を休薬又は減量すること)。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4の副作用が発現した場合
(生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade 3の副作用と同じ処置とする)
本剤の投与を中止する。
:GradeはCTCAE version 4.0に準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

レンビマカプセル4mg
<根治切除不能な甲状腺癌>
5.1 放射性ヨウ素による治療歴のない分化型甲状腺癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1、17.1.2参照]
<切除不能な肝細胞癌>
5.3 局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.4 臨床試験に組み入れられた患者の肝機能障害の程度等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.3参照]
<切除不能な胸腺癌>
5.5 本剤の術前補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.6 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4参照]
<がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌>
5.7 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
5.8 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.9 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.5参照]
<根治切除不能又は転移性の腎細胞癌>
5.10 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

レンビマカプセル10mg
<根治切除不能な甲状腺癌>
5.1 放射性ヨウ素による治療歴のない分化型甲状腺癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1、17.1.2参照]
<切除不能な胸腺癌>
5.5 本剤の術前補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.6 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4参照]
<がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌>
5.7 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
5.8 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.9 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.5参照]
<根治切除不能又は転移性の腎細胞癌>
5.10 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
(1)固形がん患者
日本人固形がん患者9例に本剤20mg注)又は24mg注)を1日1回経口投与したときの、初回投与時の血漿中レンバチニブ濃度推移を以下の図に示した。初回投与時及び1日1回反復投与した15日目の薬物動態パラメータを表に示した。レンバチニブのCmax及びAUC(0-24h)には用量比例性が認められた。反復投与15日後の薬物動態は、初回投与の結果から推測可能であり、Cmax及びAUC(0-24h)の累積係数の平均値は、20mg投与群で1.27及び1.44、24mg投与群で1.42及び1.32であった。
日本人固形がん患者に本剤を経口投与したときの血漿中レンバチニブ濃度(1日目)
(平均値±標準偏差)
日本人固形がん患者に本剤を反復経口投与したときの血漿中レンバチニブの薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC(0-24h)(ng・h/mL)tmaxc(h)
20mg/日注)1日目(n=3)309±60.12500±6472(2-2)
15日目(n=3)415±2673690±17902(2-2)
24mg/日注)1日目(n=6)418±1673150±352a2(2-4)
15日目(n=6)518±2094140±1350b2(2-4)
平均値±標準偏差a:n=4、b:n=5、c:中央値(最小値-最大値)
注)本剤の承認された用法及び用量は、「根治切除不能な甲状腺癌」、「切除不能な胸腺癌」は24mg/日、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」はペムブロリズマブ(遺伝子組換え)との併用において20mg/日、「切除不能な肝細胞癌」は体重60kg以上の場合は12mg/日、体重60kg未満の場合は8mg/日である。
(2)肝細胞癌患者
国際共同第III相試験において、日本人及び外国人肝細胞癌患者に開始用量として本剤8mg(体重60kg未満)又は12mg(体重60kg以上)を1日1回反復経口投与したときのレンバチニブの血漿中トラフ濃度を開始用量ごとに表に示した。開始用量8mgとした場合と12mgとした場合との間でレンバチニブの血漿中トラフ濃度に明確な差異は認められなかった。
国際共同第III相試験におけるレンバチニブの血漿中トラフ濃度
測定時点開始用量
8mg12mg
NCtrough(ng/mL)NCtrough(ng/mL)
第1サイクル第15日目13637.70±25.5829940.83±34.97
第2サイクル第1日目12836.80±33.0127537.30±28.19
第3サイクル第1日目6232.46±33.8313940.95±40.39
第4サイクル第1日目6529.74±28.0113638.25±36.82
第5サイクル第1日目6536.07±40.5912934.02±27.09
第6サイクル第1日目5938.73±50.4912832.94±25.89
平均値±標準偏差
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
外国人健康成人16例に本剤10mg注)をクロスオーバー法により、空腹時又は食後(高脂肪食)に単回経口投与した。空腹時と比較して、食後投与のCmax及びAUC(0-inf)の臨床的に意味のある変化は認められなかった。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「根治切除不能な甲状腺癌」、「切除不能な胸腺癌」は24mg/日、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」はペムブロリズマブ(遺伝子組換え)との併用において20mg/日、「切除不能な肝細胞癌」は体重60kg以上の場合は12mg/日、体重60kg未満の場合は8mg/日である。
16.3 分布
レンバチニブの蛋白結合率は97.9~98.6%(in vitro試験)、96.6~98.2%(日本人固形がん患者)であった。主な結合蛋白はアルブミンであった。
16.4 代謝
本剤は主にアルデヒドオキシダーゼ、CYP3Aにより代謝され、グルタチオンが非酵素的に結合する(in vitro試験)。
外国人固形がん患者6例に14C標識-レンバチニブ24mgを単回経口投与した結果、血漿中の放射能の大部分は未変化体であった。[10.参照]
16.5 排泄
外国人固形がん患者6例に14C標識-レンバチニブ24mgを単回経口投与したとき、投与10日後までに投与した総放射能の25%が尿中に、64%が糞中に回収された。また、尿及び糞中に排泄された未変化体は投与量のそれぞれ0.38%及び2.5%であった。未変化体の血漿中消失半減期は、約35.4時間であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
レンバチニブ24mgを外国人の腎機能が正常な被験者(クレアチニンクリアランス[CLcr]:≧90mL/min、n=8)、軽度(CLcr:60~89mL/min)、中等度(CLcr:30~59mL/min)及び重度(CLcr:15~29mL/min)の腎機能障害を有する被験者(各6例)に単回投与した。
軽度、中等度及び重度の腎機能障害を有する被験者におけるCmaxは健康被験者のそれぞれ1.0、0.61及び0.87倍であり、AUC(0-inf)は、健康被験者のそれぞれ1.0、0.90及び1.2倍であった。
16.6.2 肝機能障害患者
本剤10mgを外国人の肝機能が正常な被験者(n=8)、軽度(Child-Pugh分類A)及び中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する被験者(各6例)に単回投与した。また、本剤5mgを外国人の重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害を有する被験者(6例)に単回投与した。
軽度、中等度及び重度の肝機能障害を有する被験者における投与量補正したCmaxは健康被験者のそれぞれ0.97、0.79及び1.1倍であり、投与量補正したAUC(0-inf)は健康被験者のそれぞれ1.2、1.1及び1.8倍であった。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール
外国人健康成人16例に、レンバチニブをケトコナゾールと併用投与した際のCmax及びAUC(0-inf)は、レンバチニブをプラセボと併用した場合と比べてそれぞれ19%及び15%上昇した。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
外国人健康成人15例に、レンバチニブをリファンピシンと単回同時併用投与した際のCmax及びAUC(0-inf)は、レンバチニブを単独投与した場合と比べてそれぞれ33%及び31%上昇した。リファンピシンの反復投与後に、レンバチニブをリファンピシンと同時併用投与した際のCmax及びAUC(0-inf)は、レンバチニブをリファンピシンと単回同時併用投与した場合と比べてそれぞれ24%及び37%減少した。[10.2参照]
16.7.3 その他
レンバチニブは、乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質となること、及びUGT1A1を阻害すること(IC50値:10.6μmol/L)が示されている(in vitro)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
P-gp阻害剤
ケトコナゾール
イトラコナゾール
リファンピシン
アミオダロン
クラリスロマイシン
シクロスポリン
キニジン
ベラパミル等
[16.7.1参照]
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これらの薬剤が消化管のP-gp活性を阻害することによる。
CYP3A/P-gp誘導剤
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
[16.7.2参照]
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。これらの薬剤がCYP3A及びP-gp等を誘導することによる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高血圧
高血圧(56.8%)、高血圧クリーゼ(0.2%)等があらわれることがある。必要に応じて降圧剤の投与を行うなど適切な処置を行うこと。重症、持続性あるいは通常の降圧治療でコントロールできない高血圧があらわれた場合には、減量、休薬又は投与を中止すること。また、高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[7.2、7.5、7.6、8.1、9.1.1参照]
11.1.2 出血(14.9%)
鼻出血、血尿、消化管出血、喀血、脳出血、肺出血、腫瘍出血等の出血があらわれることがある。また、甲状腺癌患者において、腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがある。頸動脈露出部位や皮膚瘻形成部位より大量出血した例が認められており、気管瘻や食道瘻を形成している場合には、喀血や吐血のおそれがある。重篤な出血があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.10、9.1.2、9.1.5参照]
11.1.3 動脈血栓塞栓症(1.8%)
心筋梗塞、脳血管発作、脾臓梗塞等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.3参照]
11.1.4 静脈血栓塞栓症(2.4%)
肺塞栓症、深部静脈血栓症、門脈血栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.3参照]
11.1.5 肝障害
AST、ALT等の上昇を伴う肝障害(20.1%)、アルブミン低下(3.8%)、肝性脳症(1.1%)、肝不全(0.4%)等があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.6 急性胆嚢炎(0.6%)
無石胆嚢炎を含む急性胆嚢炎があらわれることがあり、胆嚢穿孔に至った例も報告されている。
11.1.7 腎障害
蛋白尿(29.7%)、腎機能障害(1.8%)、腎不全(0.7%)、ネフローゼ症候群(0.2%)等があらわれることがある。[7.5、8.2参照]
11.1.8 消化管穿孔、瘻孔形成、気胸
腸管穿孔(0.4%)、気胸(0.2%)、痔瘻(0.1%)、腸膀胱瘻(0.1%)等があらわれることがある。[9.1.6参照]
11.1.9 可逆性後白質脳症症候群(0.3%)
痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害、皮質盲等が認められた場合には投与を中止し、血圧のコントロールを含め、適切な処置を行うこと。
11.1.10 心障害
心電図QT延長(4.1%)、駆出率減少(0.9%)、心不全(0.6%)、心房細動・粗動(0.4%)等があらわれることがある。[8.5参照]
11.1.11 手足症候群(29.1%)
11.1.12 感染症
気道感染(1.4%)、肺炎(1.3%)、敗血症(0.4%)等があらわれることがある。
11.1.13 骨髄抑制
血小板減少(17.2%)、好中球減少(8.2%)、白血球減少(7.8%)、貧血(7.2%)、リンパ球減少(4.2%)等があらわれることがある。感染症、出血傾向等の発現に留意すること。[7.5、8.3参照]
11.1.14 低カルシウム血症(2.5%)
副甲状腺機能低下症の既往歴がある患者で高発現したことが報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、血清カルシウム濃度を確認し、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.8参照]
11.1.15 創傷治癒遅延
治癒不良(0.3%)、創離開(0.2%)等があらわれることがある。創傷治癒遅延があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止すること。[8.6、9.1.4参照]
11.1.16 間質性肺疾患(1.8%)
11.1.17 甲状腺機能低下(37.5%)[8.9参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

30%以上10~30%未満5~10%未満5%未満頻度不明
消化器下痢(45.1%)悪心、口内炎、嘔吐、腹痛口腔内乾燥、便秘、血中リパーゼの上昇、口腔咽頭痛、消化不良、血中アミラーゼの上昇嚥下障害、舌痛、膵炎
全身症状疲労(30.6%)無力症浮腫、発熱疼痛、創傷
精神神経系発声障害、頭痛、味覚異常めまい睡眠障害
代謝食欲減退(36.9%)血中コレステロールの上昇、血中トリグリセリドの上昇血中カリウムの低下、脱水
筋骨格系関節痛、筋肉痛四肢痛、筋痙縮、背部痛
呼吸器咳嗽、呼吸困難
皮膚発疹そう痒症、皮膚乾燥、皮膚病変脱毛症、皮膚炎
その他体重減少CRPの上昇甲状腺炎
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