製品名 ソバルディ錠400mg
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- 一般名
- Sofosbuvir
- 薬効分類
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抗ウイルス薬>抗肝炎ウイルス薬
- 価格
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400mg1錠:43014.6円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:ギリアド・サイエンシズ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
次のいずれかのC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
- セログループ2(ジェノタイプ2)の患者
- セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しない患者
用法・用量
セログループ2(ジェノタイプ2)の場合
- リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして400mgを1日1回、12週間経口投与する。
セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しない場合
- リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして400mgを1日1回、24週間経口投与する。
- 禁忌
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【警告】
- 本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。
【禁忌】次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重度の腎機能障害(eGFR<30mL/分/1.73m2)又は透析を必要とする腎不全の患者(【薬物動態】の項参照)
次の薬剤を投与中の患者
カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(「相互作用」の項参照)
- 副作用
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- 貧血(11.4%)
- 貧血があらわれることがあるので、ヘモグロビン量を定期的に測定するなど観察を十分に行い、ヘモグロビン量の減少を認めた場合は、リバビリンの添付文書に従いリバビリンの用量を調節するなど、適切な処置を行うこと。なお、リバビリンの投与を中止する場合は、本剤の投与も中止すること。
- 高血圧(1.4%)
- 高血圧があらわれることがあり、収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上に至った例も報告されているので、投与中は血圧の推移等に十分注意すること。異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 脳血管障害(頻度不明)
- 脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 注)発現頻度は、国内臨床試験成績に基づき算出した。自発報告又は海外の臨床試験において報告された副作用は頻度不明とした。
- 注意
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次の患者には慎重に投与すること
- B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者〔再活性化するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 本剤はリバビリンと併用投与するため、リバビリンの添付文書に記載されている警告、禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の【使用上の注意】を必ず確認すること。
- B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
- 本剤と併用するリバビリンの投与量は、リバビリンの添付文書に定められた用法・用量に従うこと。併用にあたっては、投与開始前にヘモグロビン量が12g/dL以上であることを確認すること。また、投与中にリバビリンの用量調節や投与中止を必要とする副作用が発現した場合には、リバビリンの添付文書を参照すること。なお、リバビリンの投与を中止する場合は、本剤の投与も中止すること。
- 本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。また、肝予備能、臨床症状等により非代償性肝硬変でないことを確認すること。
- セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しない患者の場合、【臨床成績】及び【薬効薬理】の項の内容を理解した上で、投与すること。
- 国内第3相臨床試験では、本剤とリバビリンを併用したときに貧血、一過性の高ビリルビン血症等の発現率が非高齢者に比べ高い傾向であった。一般に高齢者では生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
- 本剤はリバビリンと併用するため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。また、妊娠していないことを確認するため、治療開始に先立ち、リバビリンの添付文書を参照し、妊娠検査を実施すること。[ソホスブビルの動物実験(ラット及びウサギ)において胚・胎児発生に対する影響は見られていないが、本剤と併用投与するリバビリンの動物実験で催奇形性及び胚・胎児致死作用が認められている。]
- 授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で、主要代謝物であるGS-331007の乳汁中への移行が認められている。]
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
- In vitro試験において、ヌクレオチドプロドラッグであるソホスブビルは肝細胞内で活性代謝物に代謝されることが示されており、ヒトの血中からは活性代謝物は検出されていない。本剤を経口投与したとき、ソホスブビルは速やかに代謝を受け、その大部分(90%超)は主要代謝物GS-331007として血中に存在し、未変化体の占める割合は約4%であった。本剤の薬物動態解析では、ソホスブビル及びGS-331007を主に用いて評価した。
- 血中濃度
- 健康成人における薬物動態
- 日本人健康成人被験者8例に、本剤400mgを空腹時に単回経口投与したときのソホスブビル及びGS-331007の薬物動態パラメータを表1に示す。
- 表1 健康成人に本剤400mgを空腹時単回投与したときの薬物動態パラメータ
ソホスブビルc GS-331007c Cmax(ng/mL)a 639(28.6) 1440(32.2) tmax(h)b 0.5(0.5,1.0) 2.1(1.5,3.0) AUC0-inf(ng・h/mL)a 649(46.5) 11,000(21.9) t1/2(h)b 0.4(0.3,0.6) 25.0(21.8,34.3) a:平均値(変動係数)、b:中央値(範囲)、c:8例
- C型慢性肝炎患者における母集団薬物動態解析
- ジェノタイプ2のC型慢性肝炎患者140例を対象に本剤とリバビリンを併用した国内第3相臨床試験で母集団薬物動態解析を実施した結果、定常状態におけるAUCtau及びCmaxの平均値(変動係数)は、ソホスブビル(35例)でそれぞれ953(27.8)ng・h/mL、529(34.2)ng/mL、GS-331007(140例)でそれぞれ10,491(26.9)ng・h/mL、824(26.5)ng/mLであった。ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態に対する年齢、性別、BMI、代償性肝硬変の有無、前治療又は治療効果の影響は認められなかった。
- 食事の影響(外国人のデータ)
- 外国人健康成人被験者39例に、本剤400mgを空腹時及び食後に単回経口投与したときの、ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態パラメータを表2に示す。
- 表2 健康成人に本剤400mgを空腹時及び食後に単回投与したときの薬物動態パラメータ
ソホスブビル GS-331007 空腹時(39例) 食後(38例) 空腹時(39例) 食後(38例) Cmax(ng/mL)a 675(46.9) 764(95.2) 1230(32.1) 909(23.5) tmax(h)b 0.5(0.3,2.0) 1.5(0.5,6.0) 3.0(1.5,4.0) 4.0(2.0,9.0) AUC0-inf(ng・h/mL)a 646(40.2)c 1230(49.1)d 13,500(28.4) 13,800(23.6) t1/2(h)b 0.4(0.3,0.7)c 0.8(0.4,4.5)d 24.1(10.2,46.9) 26.9(11.4,45.8) a:平均値(変動係数)、b:中央値(範囲)、c:38例、d:34例
- 腎機能障害患者における薬物動態(外国人のデータ)
- HCV感染を伴わない外国人腎機能障害のある被験者に本剤400mgを投与したとき、腎機能正常被験者(eGFR>80mL/分/1.73m2)に比して、軽度(eGFR≧50かつ≦80mL/分/1.73m2)、中等度(eGFR≧30かつ<50mL/分/1.73m2)又は重度(eGFR<30mL/分/1.73m2)の腎機能障害の被験者では、ソホスブビルのAUC0-infはそれぞれ61%、107%、171%高く、GS-331007のAUC0-infはそれぞれ55%、88%、451%高かった。また、血液透析を要する末期腎不全の被験者におけるソホスブビルのAUC0-infは、腎機能正常被験者に比して、透析前投与で28%、透析後投与で60%高かったのに対し、GS-331007のAUC0-infは、透析前投与で1280%、透析後投与で2070%高い値を示した。末期腎不全の被験者ではGS-331007の除去には血液透析が必要であり、4時間の血液透析で投与量の約18%のGS-331007が除去された。
- 肝機能障害患者における薬物動態(外国人のデータ)
- 中等度又は重度(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害を有するHCV感染症患者に対し、本剤400mgを7日間投与したとき、肝機能正常患者に比し、ソホスブビルのAUCtauはそれぞれ126%、143%高く、GS-331007のAUCtauはそれぞれ18%、9%高かった。
- 分布、代謝、排泄(外国人のデータ)
- 14C標識ソホスブビル400mgを健康成人男性被験者に単回経口投与したとき、本剤は速やかに吸収され、GS-331007(ヌクレオシド誘導体)として主に尿中に排泄された。ソホスブビルのヒト血漿蛋白結合率は約61~65%、GS-331007のヒト血漿蛋白結合率は3.1~7.2%であり、0.1μg/mLから20μg/mLの範囲で血漿中濃度の影響は受けなかった。総放射能の全血/血漿中濃度比は約0.7であり、ソホスブビル及びその代謝物は、血球成分より主として血漿中に分布することが示唆された。血漿中総放射能の大部分は主要代謝物であるGS-331007が占めていた。平均総回収率は92%を上回り、尿、糞便、呼気中にそれぞれ80%、14%、2.5%が排泄された。
- 薬物相互作用
- In vitro試験成績
- ソホスブビルはP-gp及びBCRPの基質であるが、GS-331007はこれらの基質ではない。腸管内のP-gpを誘導する薬剤との併用により、ソホスブビルの血漿中濃度が減少するおそれがある。本剤をP-gp又はBCRPの阻害剤と併用したとき、GS-331007の血漿中濃度の上昇は認められないが、ソホスブビルの濃度が上昇するおそれがある。本剤はP-gp又はBCRPの阻害剤と併用される可能性があるが、ソホスブビル及びGS-331007はP-gp及びBCRPの阻害剤ではないことが示されている。
- 臨床成績(外国人のデータ)
- 表3 ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態に及ぼす併用薬の影響a
併用薬 併用薬の投与量(mg) 本剤の投与量(mg) 例数 ソホスブビル及びGS-331007の薬物動態パラメータ比
併用時/単独投与時(90%信頼区間)Cmax AUC シクロスポリン 600
単回400
単回19 SOF 2.54(1.87~3.45) 4.53(3.26~6.30) GS 0.60(0.53~0.69) 1.04(0.90~1.20) タクロリムス 5
単回400
単回16 SOF 0.97(0.65~1.43) 1.13(0.81~1.57) GS 0.97(0.83~1.14) 1.00(0.87~1.13) ダルナビル(ブースター:リトナビル) 800/100
1日1回400
単回18 SOF 1.45(1.10~1.92) 1.34(1.12~1.59) GS 0.97(0.90~1.05) 1.24(1.18~1.30) エファビレンツb 600
1日1回400
単回16 SOF 0.81(0.60~1.10) 0.94(0.76~1.16) エムトリシタビンb 200
1日1回テノホビルジソプロキシルフマル酸塩b 300
1日1回GS 0.77(0.70~0.84) 0.84(0.76~0.92) ラルテグラビル 400
1日2回400
単回19 SOF 0.87(0.71~1.08) 0.95(0.82~1.09) GS 1.09(0.99~1.20) 1.03(0.97~1.08) リルピビリン 25
1日1回400
単回17 SOF 1.21(0.90~1.62) 1.09(0.94~1.27) GS 1.06(0.99~1.14) 1.01(0.97~1.04) メサドン 維持療法
30~130
1日量400
1日1回14 SOF 0.95c(0.68~1.33) 1.30c(1.00~1.69) GS 0.73c(0.65~0.83) 1.04c(0.89~1.22) リファンピシン 600
1日1回400
単回17 SOF 0.23(0.19~0.29) 0.28(0.24~0.32) GS 1.23(1.14~1.34) 0.95(0.88~1.03) SOF:ソホスブビル、GS:GS-331007a:薬物相互作用試験は健康被験者で実施、b:配合剤(国内未承認)として投与、c:ヒストリカルコントロールでの比較
- 表4 併用薬の薬物動態に及ぼすソホスブビルの影響a
併用薬 併用薬の投与量(mg) 本剤の投与量(mg) 例数 併用薬の薬物動態パラメータ比
併用時/単独投与時(90%信頼区間)Cmax AUC Cmin シクロスポリン 600
単回400
単回19 1.06(0.94~1.18) 0.98(0.85~1.14) NA タクロリムス 5
単回400
単回16 0.73(0.59~0.90) 1.09(0.84~1.40) NA ダルナビル(ブースター:リトナビル) 800/100
1日1回400
単回18 0.97(0.94~1.01) 0.97(0.94~1.00) 0.86(0.78~0.96) エファビレンツb 600
1日1回400
単回16 0.95(0.85~1.06) 0.96(0.91~1.03) 0.96(0.93~0.98) エムトリシタビンb 200
1日1回0.97(0.88~1.07) 0.99(0.94~1.05) 1.04(0.98~1.11) テノホビルジソプロキシルフマル酸塩b 300
1日1回1.25(1.08~1.45) 0.98(0.91~1.05) 0.99(0.91~1.07) ラルテグラビル 400
1日2回400
単回19 0.57(0.44~0.75) 0.73(0.59~0.91) 0.95(0.81~1.12) リルピビリン 25
1日1回400
単回17 1.05(0.97~1.15) 1.06(1.02~1.09) 0.99(0.94~1.04) R-メサドン 維持療法
30~130
1日量400
1日1回14 0.99(0.85~1.16) 1.01(0.85~1.21) 0.94(0.77~1.14) S-メサドン 0.95(0.79~1.13) 0.95(0.77~1.17) 0.95(0.74~1.22) ノルエルゲストロミン ノルゲスチメート0.180/0.215/0.250/
エチニルエストラジオール0.025
1日1回400
1日1回15 1.07(0.94~1.22) 1.06(0.92~1.21) 1.07(0.89~1.28) ノルゲストレル 1.18(0.99~1.41) 1.19(0.98~1.45) 1.23(1.00~1.51) エチニルエストラジオール 1.15(0.97~1.36) 1.09(0.94~1.26) 0.99(0.80~1.23) NA:該当なしa:薬物相互作用試験は健康被験者で実施、b:配合剤(国内未承認)として投与
- 心電図に対する影響
- 外国人健康成人被験者59例を対象に本剤400mg及び1200mg単回投与により心電図に対する影響を評価したとき、本剤はQTc間隔の延長を示さなかった。
- (注)本剤の承認された用法・用量は1日1回400mg投与である。
- 外国人健康成人被験者59例を対象に本剤400mg及び1200mg単回投与により心電図に対する影響を評価したとき、本剤はQTc間隔の延長を示さなかった。