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レグパラ錠12.5mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症
  • ○下記疾患における高カルシウム血症

    • ・副甲状腺癌
    • ・副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症

用法・用量

  • <維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症>

    • 開始用量としては、成人には1日1回シナカルセトとして25mgを経口投与する。以後は、患者の副甲状腺ホルモン(PTH)及び血清カルシウム濃度の十分な観察のもと、1日1回25~75mgの間で適宜用量を調整し、経口投与する。ただし、PTHの改善が認められない場合には、1回100mgを上限として経口投与する。増量を行う場合は増量幅を25mgとし、3週間以上の間隔をあけて行うこと。
  • <副甲状腺癌における高カルシウム血症、副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症>

    • 開始用量としては、成人にはシナカルセトとして1回25mgを1日2回経口投与する。以後は、患者の血清カルシウム濃度の十分な観察のもと、1回25~75mgの間で適宜用量を調整し、1日2回経口投与する。増量を行う場合は1回の増量幅を25mgとし、2週間以上の間隔をあけて行うこと。なお、血清カルシウム濃度の改善が認められない場合は、1回75mgを1日3回又は4回まで経口投与できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低カルシウム血症の患者
低カルシウム血症を悪化させるおそれがある。[7.2、7.4、8.1、11.1.1参照]
9.1.2 痙攣発作のある患者又はその既往歴のある患者
海外臨床試験において、痙攣発作の既往歴を有する患者等で、痙攣発作が発現したとの報告がある。
9.1.3 消化管出血や消化管潰瘍又はその既往歴のある患者
症状を悪化又は再発させるおそれがある。[11.1.3参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤は肝臓で代謝されるので、曝露量が増加する。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット及びウサギ)で母動物の低カルシウム血症、体重増加抑制及び摂餌量減少、胎児重量の減少が観察されている。また、動物実験(ラット及びウサギ)で胎盤を通過することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。また、動物実験(ラット)で授乳期に本剤を母動物に投与した場合、授乳期新生児に一過性の体重増加抑制が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用が発現した場合には減量するなど注意すること。65歳以上の患者における副作用(特にQT延長)の発現頻度は65歳未満の患者に比較して高い傾向が認められている。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与中は定期的に血清カルシウム濃度を測定し、低カルシウム血症が発現しないよう十分注意すること。低カルシウム血症の発現あるいは発現のおそれがある場合には、本剤の減量等も考慮するとともにカルシウム剤やビタミンD製剤の投与を考慮すること。また、本剤投与中にカルシウム剤やビタミンD製剤の投与を中止した際には、低カルシウム血症の発現に注意すること。[7.2、7.4、9.1.1、11.1.1参照]
8.2 本剤の開始時及び用量調整時は頻回に患者の症状を観察し、副作用の発現などに注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症>
7.1 本剤は血中カルシウムの低下作用を有するので、血清カルシウム濃度が低値でないこと(目安として9.0mg/dL以上)を確認して投与を開始すること。
7.2 血清カルシウム濃度は、本剤の開始時及び用量調整時は週1回測定し、維持期には2週に1回以上測定すること。血清カルシウム濃度が8.4mg/dL以下に低下した場合は、下表のように対応すること。血清カルシウム濃度やPTHのコントロールが困難な場合には減量幅を12.5mgとすることを考慮すること。[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
血清カルシウム濃度対応
処置検査増量・再開
本剤の投与
8.4mg/dL以下原則として本剤の増量は行わない。(必要に応じて本剤の減量を行う。)カルシウム剤やビタミンD製剤の投与を考慮する。血清カルシウム濃度を週1回以上測定する。
心電図検査を実施することが望ましい。
増量する場合には、8.4mg/dL以上に回復したことを確認後、増量すること。
7.5mg/dL以下直ちに休薬する。再開する場合には、8.4mg/dL以上に回復したことを確認後、休薬前の用量か、それ以下の用量から再開すること。
血清カルシウム濃度の検査は、本剤の薬効及び安全性を適正に判断するために、服薬前に実施することが望ましい。また、低アルブミン血症(血清アルブミン濃度が4.0g/dL未満)の場合には、補正値注)を指標に用いることが望ましい。
7.3 PTHが管理目標値に維持されるように、定期的にPTHを測定すること。PTHの測定は本剤の開始時及び用量調整時(目安として投与開始から3ヵ月程度)は月2回とし、PTHがほぼ安定したことを確認した後は月1回とすることが望ましい。なお、PTHの測定は本剤の薬効及び安全性を適正に判断するために服薬前に実施することが望ましい。
<副甲状腺癌における高カルシウム血症、副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症>
7.4 血清カルシウム濃度は、本剤の開始時及び用量調整時は週1回を目安に測定し、維持期には定期的に測定することが望ましい。血清カルシウム濃度が8.4mg/dL以下に低下した場合は、必要に応じて減量又は休薬し、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与を考慮する。ただし、血清カルシウム濃度が7.5mg/dL以下に低下した場合は、直ちに休薬すること。また、低アルブミン血症(血清アルブミン濃度が4.0g/dL未満)の場合には、補正値注)を指標に用いることが望ましい。血清カルシウム濃度やPTHのコントロールが困難な場合には減量幅を12.5mgとすることを考慮すること。[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
注)補正カルシウム濃度算出方法
補正カルシウム濃度(mg/dL)=血清カルシウム濃度(mg/dL)-血清アルブミン濃度(g/dL)+4.0

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)健康成人
健康成人に本剤25、50及び100mgを空腹時に単回経口投与した時の血漿中シナカルセト濃度は投与量に依存して高くなっており、二相性の消失を示した。薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
健康成人にシナカルセト塩酸塩を単回経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
健康成人にシナカルセト塩酸塩を単回投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg)薬物動態パラメータ
25Cmax(ng/mL)2.63±1.23
tmax(h)3.9±1.4
AUC(ng・h/mL)18.5±10.5
t1/2(h)7.70±3.54
50Cmax(ng/mL)17.73±10.89
tmax(h)4.0±0.0
AUC(ng・h/mL)117.7±65.7
t1/2(h)24.81±9.41
100Cmax(ng/mL)41.88±12.19
tmax(h)4.0±1.3
AUC(ng・h/mL)409.8±160.3
t1/2(h)32.22±5.63
平均値±標準偏差,n=6
(2)血液透析患者
血液透析患者に本剤25、50及び100mgを空腹時に単回経口投与したときの非透析日及び透析日における血漿中シナカルセト濃度は投与量に依存して高くなっており、二相性の消失を示した。薬物動態パラメータは下表のとおりであり、透析の影響は認められなかった。
血液透析患者にシナカルセト塩酸塩を単回投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
非透析日
透析日
血液透析患者にシナカルセト塩酸塩を単回投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg)薬物動態パラメータ非透析日透析日
25Cmax(ng/mL)5.16±2.349.92±6.64
tmax(h)5.6±1.14.8±1.4
AUC(ng・h/mL)57.6±25.185.4±26.0
t1/2(h)28.45±14.2432.94±14.52
50Cmax(ng/mL)17.89±10.0020.71±13.71
tmax(h)6.0±1.14.6±1.6
AUC(ng・h/mL)207.1±91.8218.6±99.6
t1/2(h)38.58±20.1933.96±10.23
100Cmax(ng/mL)26.92±15.8036.70±26.09
tmax(h)4.8±1.84.4±1.8
AUC(ng・h/mL)383.3±126.5408.4±125.8
t1/2(h)38.47±8.6240.12±7.50
平均値±標準偏差,Cmax、tmaxはn=8、それ以外はn=7
16.1.2 反復投与
健康成人に本剤50mgを7日間反復経口投与したときの血漿中シナカルセトのトラフ濃度推移より、7日間の投与期間中にほぼ定常状態に達していることが確認された。
血液透析患者を対象に、反復投与時の血漿中シナカルセトのトラフ濃度推移について最長53週間検討しているが、経時的な上昇又は低下傾向は認められず、反復投与により血漿中シナカルセト濃度は定常状態に到達していることが確認された。
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
本剤(25~100mg)を経口投与したときのバイオアベイラビリティ(平均値)は、5.1~28.4%(国内)及び7.9~24.4%(海外)であった。
16.2.2 食事の影響
健康成人を対象に本剤50mgを単回経口投与した時の本剤の薬物動態に対する食事の影響を検討した結果、空腹時及び食後投与時における本剤の薬物動態パラメータはほぼ同様な値を示しており、本剤の薬物動態に及ぼす食事の影響は小さいと考えられた。
16.3 分布
健康成人の血漿を使用したin vitro試験でのシナカルセト(25~100ng/mL)の血漿蛋白結合率は男性で96.67~97.67%、女性で94.33~97.67%と高く、男女間に差は認められなかった。また、本剤を単回経口投与したときのシナカルセトの血漿蛋白結合率は、外国人肝機能正常者及び肝機能障害者を対象とした試験において94.7~97.1%、外国人腎機能正常者及び腎機能障害者を対象とした試験で92.7~95.1%とほぼ同じ値を示した。結合蛋白種としてアルブミンが考えられ、サイトIIに対する親和性が高いことが示唆された。[10.2参照]
16.4 代謝
外国人健康成人を対象として14C標識体75mgを単回経口投与した結果、シナカルセトはN-脱アルキル化又はナフタレン環の酸化により速やかに代謝されることが確認された。
16.5 排泄
健康成人を対象とした試験における本剤の未変化体の尿中排泄率は非常に低く、反復投与による尿中排泄に対する影響は認められなかった。外国人健康成人を対象として14C標識体75mgを単回経口投与した結果より、本剤は主に代謝物として尿中に排泄されることが確認された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝機能正常者と肝機能障害患者を対象に、本剤50mgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態を検討した結果、Child-Pugh分類で中等度及び高度な肝機能障害を有する患者において、肝機能正常者と比べAUCがそれぞれ2.4倍及び4.2倍上昇した。なお、Child-Pugh分類で軽度の肝機能障害を有する患者のAUCは肝機能正常者と同様であった。[9.3参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 その他の薬剤
胃内pHを変動させる薬剤(炭酸カルシウム)あるいはリン吸着剤(セベラマー塩酸塩)との併用試験において、本剤の薬物動態に変化は認められなかった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール 等
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
クラリスロマイシン 等
アミオダロン塩酸塩
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、左記のようなCYP3A4阻害剤等との併用で、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。本剤とケトコナゾールを併用したとき、本剤のAUCが約2倍増加した。
三環系抗うつ薬
アミトリプチリン塩酸塩
イミプラミン塩酸塩 等
ブチロフェノン系抗精神病薬
ハロペリドール 等
フレカイニド酢酸塩
ビンブラスチン硫酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤のCYP2D6阻害作用により左記のようなCYP2D6基質薬物の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。本剤とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を併用したとき、デキストロメトルファンのAUCが約11倍増加した。
カルシトニン
ビスホスホン酸塩系骨吸収抑制剤
パミドロン酸二ナトリウム水和物
アレンドロン酸ナトリウム水和物
インカドロン酸二ナトリウム水和物 等
副腎皮質ホルモン
コルチゾン
プレドニゾロン
デキサメタゾン 等
血清カルシウム濃度が低下するおそれがある。本剤の血中カルシウム低下作用が増強される可能性がある。
ジギトキシン
ジアゼパム 等
[16.3参照]
本剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。血漿蛋白結合率が高いことによる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低カルシウム血症・血清カルシウム減少(13.7%)
低カルシウム血症に基づくと考えられる症状(QT延長、しびれ、筋痙攣、気分不良、不整脈、血圧低下及び痙攣等)があらわれた場合には、血清カルシウム濃度を確認し、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与を考慮すること。[7.2、7.4、8.1、9.1.1、11.1.2、13.2参照]
11.1.2 QT延長(5.3%)[11.1.1参照]
11.1.3 消化管出血、消化管潰瘍(頻度不明)[9.1.3参照]
11.1.4 意識レベルの低下(0.2%)、一過性意識消失(0.2%)
11.1.5 突然死(0.3%)
本剤投与例に原因不明の突然死が報告されている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
消化器悪心・嘔吐(25.1%)、胃不快感(17.1%)、食欲不振、腹部膨満上腹部痛、下痢、便秘、胃・十二指腸炎、消化不良、腹部不快感、胃腸障害、逆流性食道炎、腹痛胃潰瘍、口内炎、心窩部不快感、便潜血、胃腸炎、痔核、裂孔ヘルニア
循環器血圧上昇、不整脈血圧低下、心筋梗塞、心室性期外収縮、心房細動、動悸、心筋虚血、上室性期外収縮、頻脈
精神・神経頭痛、しびれ、めまい、錯感覚、不眠症
筋骨格筋痙攣、四肢痛、関節痛筋痛、こわばり
代謝CK上昇、LDH上昇、血糖上昇、脱水、高脂血症、総コレステロール上昇
感覚器味覚異常
肝臓Al-P上昇AST・ALT上昇ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
結膜出血、眼乾燥
皮膚そう痒発疹、脱毛、皮下出血
内分泌甲状腺腫
血液貧血血小板減少
その他倦怠感、浮腫気分不良、脱力、胸部不快感、口渇、体重減少、シャント閉塞、胸痛、発熱、勃起不全
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