製品名 ベナゼプリル塩酸塩錠2.5mg「TCK」
ベナゼプリル塩酸塩錠5mg「TCK」
ベナゼプリル塩酸塩錠10mg「TCK」
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- 一般名
- Benazepril Hydrochloride
- 薬効分類
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降圧薬>ACE阻害薬
- 価格
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2.5mg1錠:10.4円/錠
5mg1錠:18.8円/錠
10mg1錠:33.3円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:辰巳化学株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 高血圧症
用法・用量
- 通常、成人にはベナゼプリル塩酸塩として5~10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。](「副作用」の項参照)
- デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[アフェレーシスの施行中にショックを起こすことがある。](「相互作用」の項参照)
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[透析中にアナフィラキシーを発現することがある。](「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。](「重要な基本的注意」の項参照)
- 副作用
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- (頻度不明)
- 血管浮腫
- 呼吸困難を伴う顔面、口唇、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫、また、腹痛を伴う小腸血管浮腫があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全
- 急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 高カリウム血症
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
- 肝炎、肝機能障害、黄疸
- 肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 無顆粒球症、好中球減少
- 無顆粒球症、好中球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、アンジオテンシン変換酵素阻害剤で、腎障害のある患者、自己免疫疾患を有する患者(特に全身性エリテマトーデス)又は免疫抑制剤の投与を受けている患者であらわれやすいとの報告がある。
- 膵炎
- 膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- (頻度不明)
- 他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で以下の副作用が報告されている。このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- ネフローゼ症候群
- 天疱瘡様症状
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」(1)の項参照)
- 高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」(2)の項参照)
- 重篤な腎機能障害のある患者([用法及び用量に関連する使用上の注意]の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。
- 高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
- アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。(「相互作用」の項参照)
- 本剤の投与により、まれに急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、特に次の患者に投与する場合は、少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
- 重症の高血圧症患者
- 血液透析中の患者
- 利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)
- 厳重な減塩療法中の患者
- 手術前24時間は投与しないことが望ましい。
- 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
適用上の注意
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
- クレアチニンクリアランスが30mL/分以下、又は血清クレアチニン値が3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では、投与量を減らすなど慎重に投与すること。[本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能の悪化を起こすおそれがある。](「慎重投与」の項参照)
高齢者への投与
- 高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので、低用量(例えば2.5mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。]
- 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。[母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児及び小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
薬物動態
- 生物学的同等性試験
- ベナゼプリル塩酸塩錠5mg「TCK」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ベナゼプリル塩酸塩5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中活性代謝物(ベナゼプリラート)濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、ベナゼプリル塩酸塩錠2.5mg「TCK」及びベナゼプリル塩酸塩錠10mg「TCK」は、それぞれ「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成12年2月14日医薬審64号)」に基づき、ベナゼプリル塩酸塩錠5mg「TCK」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。判定パラメータ 参考パラメータ AUC0→24hr(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) ベナゼプリル塩酸塩錠5mg「TCK」 434.31±164.96 91.26±24.93 1.65±0.40 5.15±1.51 標準製剤(錠剤、5mg) 452.04±178.42 100.06±35.36 1.63±0.39 5.10±1.42 (Mean±S.D.,n=20)
- 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
- 溶出挙動
- ベナゼプリル塩酸塩錠2.5mg「TCK」、ベナゼプリル塩酸塩錠5mg「TCK」及びベナゼプリル塩酸塩錠10mg「TCK」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められた溶出規格に適合していることが確認されている。