製品名 ベンテイビス吸入液10μg

一般名
薬効分類
昇圧・心不全・冠動脈・末梢血管疾患薬
 >プロスタサイクリン誘導体製剤
価格
10μg1mL1管:2358.8円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 肺動脈性肺高血圧症

用法・用量

  • 通常,成人にはイロプロストとして初回は1回2.5μgをネブライザを用いて吸入し,忍容性を確認した上で2回目以降は1回5.0μgに増量して1日6~9回吸入する.1回5.0μgに忍容性がない場合には,1回2.5μgに減量する.
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 出血している又は出血リスクが高い患者(活動性消化管潰瘍,外傷,頭蓋内出血等)[本剤の血小板凝集抑制作用により,出血を助長するおそれがある.]
  • 肺静脈閉塞性疾患を有する肺高血圧症の患者[本剤の血管拡張作用により,肺水腫を誘発するおそれがある.]
  • 重度の冠動脈疾患又は不安定狭心症の患者,6ヵ月以内に心筋梗塞を発症した患者,医師の管理下にない非代償性心不全のある患者,重度の不整脈のある患者,3ヵ月以内に脳血管障害(一過性脳虚血発作,脳卒中等)を発症した患者,肺高血圧症に関連しない心機能障害を伴う先天性又は後天性心臓弁疾患のある患者[これらの患者における安全性は確立していない.]
副作用
出血(頻度不明)
脳出血(頻度不明),頭蓋内出血(頻度不明)等の出血があらわれ,致死的な場合もあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.また,抗凝固剤を併用している患者では,鼻出血(1.9%)及び喀血(1.3%)等があらわれやすいので,注意すること.
気管支痙攣(頻度不明)
気管支痙攣があらわれ,致死的な場合もあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.
過度の血圧低下(頻度不明)
過度の血圧低下があらわれ,致死的な場合もあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.
失神(3.1%)
失神があらわれることがあるので,観察を十分に行い,低血圧等が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.
血小板減少症(頻度不明)
血小板減少症があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.
頻脈(1.3%)
頻脈があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.
注意

次の患者には慎重に投与すること

気道疾患(急性気管支炎,急性肺感染症,慢性閉塞性肺疾患又は重度の気管支喘息等)を合併している患者[気管支痙攣が誘発されるおそれがある.]
低血圧の患者[本剤の血管拡張作用により,低血圧をさらに悪化させるおそれがある.]
肝障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
透析を受けている腎不全患者又は腎障害のある患者(クレアチニン・クリアランス30mL/min以下)[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
本剤の吸入により気管支痙攣が誘発される可能性があるので,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.
肺水腫の兆候がみられた場合には,肺静脈閉塞性疾患との関連性を疑い,投与を中止すること.
本剤の吸入により失神が発現することがあるので観察を十分に行うこと.失神の頻度が増加した際には,本剤の効果不足又は疾患の悪化も疑い,治療法を再検討すること.特に失神の既往歴のある患者では,大きい負荷となる労作等を避けること.
めまい等があらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること.特に投与初期には注意すること.
投与方法
ネブライザは機種により性能,噴霧特性が異なるため,本剤の吸入にはI-neb AADネブライザを使用すること.使用にあたっては,ネブライザの取扱説明書を用いて,使用方法を患者に十分に指導すること.
吸入時
吸入時には,下記の点に注意すること.
吸入ごとに新しいアンプル全量を使用直前にネブライザに移し,4~10分かけて吸入し,吸入後ネブライザ内に残った液は捨てること.
本剤の希釈又は他剤との混合は避けること.
本剤が皮膚に付着したり,眼に入らないように気をつけること.また,本剤を吸入する際には,十分に換気すること.
本剤を吸入以外の経路で投与しないこと.
吸入間隔は少なくとも2時間以上あけること.
本剤の吸入にはI-neb AADネブライザを使用すること.[「適用上の注意」の項参照]
肝障害のある患者では,血中濃度が上昇するおそれがあるので,1回2.5μgを通常よりも長い吸入間隔(最大1日6回)で投与し始め,患者の状態を観察しながら吸入間隔を調節すること.1回5.0μgに増量する際にも通常よりも長い吸入間隔(最大1日6回)で投与し,患者の状態を観察しながら吸入間隔を調節すること.[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
透析を受けている腎不全患者又は腎障害のある患者(クレアチニン・クリアランス30mL/min以下)では,排泄が遅延するおそれがあるので,1回2.5μgを通常よりも長い吸入間隔(最大1日6回)で投与し始め,患者の状態を観察しながら吸入間隔を調節すること.1回5.0μgに増量する際にも通常よりも長い吸入間隔(最大1日6回)で投与し,患者の状態を観察しながら吸入間隔を調節すること.[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
WHO機能分類クラスIにおける有効性及び安全性は確立していない.
本剤の使用にあたっては,最新の肺動脈性肺高血圧症に対する治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること.
高齢者では生理機能が低下しているので,用量及び投与間隔を調節するなどした上で,患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.[使用経験が少ない.また,動物実験(ラット)で,反復持続静脈内投与時に胎児及び新生児に前肢異常(短指)が報告されている.一方,交配14日前から分娩後最長21日目まで反復経口投与したラットにおける曝露量は,ヒトの1日最大曝露量(最高臨床用量5.0μg1日9回投与時)の273倍(Cmax)及び237倍(AUC)であったが,胎児又は出生児の前肢異常は認められなかった.]
授乳中の女性に投与する場合には授乳を中止させること.[動物実験(ラット)で単回静脈内投与時に乳汁中に少量(投与量の1%未満)移行することが報告されている.]
小児等に対する安全性は確立していない.[使用経験が少ない.]
血漿中濃度
日本人肺動脈性肺高血圧症患者に本剤2.5及び5.0μgを1日6~9回で12週間吸入投与したとき,本剤は速やかに吸収され,血漿中イロプロスト濃度は,ほとんどの患者において吸入投与終了時にピークに達し,Cmax及びAUCは用量に比例して増加した.消失半減期は約8~9分であった.
日本人肺動脈性肺高血圧症患者に本剤2.5及び5.0μgを1日6~9回で12週間吸入投与した際の血漿中イロプロスト濃度推移(幾何平均値/幾何標準偏差)
日本人肺動脈性肺高血圧症患者に本剤2.5及び5.0μgを1日6~9回で12週間吸入投与した際のイロプロストの薬物動態学的パラメータ(幾何平均値/幾何CV%)
投与量(例数)Cmax(pg/mL)tmax(min)AUC(pg・h/mL)t1/2(min)
2.5μg(n=4)56.7/74.85.5(3-14)25.0/49.1注1)9.12/9.58注1)
5.0μg(n=19)101/68.59.0(6-13)45.9/30.5注2)8.16/37.3注2)
※:吸入開始後の時間,中央値(範囲)注1)n=2注2)n=9
吸収・分布・排泄(外国人での成績)
健康被験者に1及び3ng/kg/minで45分間単回静脈内投与したときの定常状態における分布容積は0.7~0.8L/kgであった.また,血漿中イロプロストの消失は2相性であり,α相及びβ相の消失半減期はそれぞれ約3~4分及び約20~26分であった.クリアランスは約20mL/min/kgであった.
健康被験者に3H-標識体を2ng/kg/minで4時間静脈内投与したとき,投与後7日間に回収された総放射能は投与量の81%であり,その内訳として68%が尿中に,12%が糞中に排泄された.
代謝
外国人健康被験者に静脈内投与したとき,イロプロストはそのカルボン酸側鎖が主にβ酸化を受け,未変化体としては排泄されなかった.主要代謝物は,薬理活性のないテトラノル体及びそのグルクロン酸抱合体であった.
In vitroでの試験結果から,イロプロストの代謝においてCYP酵素の役割が非常に小さいことが示された.
蛋白結合率
イロプロストは0.03~30ng/mLの範囲でヒト血漿蛋白に対して約60%の結合率を示し,蛋白結合率に濃度依存性はみられなかった.結合蛋白の約75%はアルブミンであった.
肝機能障害(外国人での成績)
肝機能障害患者に1ng/kg/minで60分間単回静脈内投与したとき,全身クリアランスは健康成人と比較して約1/2の10mL/min/kgに減少した.
腎機能障害(外国人での成績)
中等度の腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス30mL/min以上60mL/min未満),重度の腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス30mL/min未満)及び透析患者に1ng/kg/minで60分間単回静脈内投与したときの全身クリアランスはそれぞれ20,16及び5mL/min/kgで,中等度の腎機能障害患者は健康被験者(約20mL/min/kg)と類似していたが,重度の腎機能障害患者ではやや低下し,透析患者では顕著に低下した.
薬物相互作用試験(外国人での成績)
アセチルサリチル酸
健康被験者においてアセチルサリチル酸10~300mgの反復経口投与は,イロプロスト0.5~2ng/kg/minで1時間静脈内投与後の薬物動態に影響を及ぼさなかった.
ジゴキシン
末梢動脈閉塞性疾患患者においてイロプロスト0.5~2ng/kg/minで1日6時間の反復静脈内投与は,ジゴキシン0.25mgを反復経口投与したときの薬物動態に影響を及ぼさなかった.
ニフェジピン
健康被験者においてニフェジピン20mgの併用投与は,イロプロスト1~2ng/kg/minで2時間静脈内投与したときの血行力学(血圧,心拍数,起立反応及び末梢血流)に影響を及ぼさなかった.また,肺高血圧症患者においてニフェジピン20~240mgの併用投与は,イロプロスト0.5~10ng/kg/minの最大耐量で15分間静脈内投与したときの薬力学に影響を及ぼさなかった.
硫酸メピンドロール
健康被験者において硫酸メピンドロール5mgの併用投与は,イロプロスト1~2ng/kg/minで2時間静脈内投与したときの血行力学(血圧,心拍数,起立反応及び末梢血流)に影響を及ぼさなかった.
ペントキシフィリン
健康被験者においてペントキシフィリン400mgの併用投与は,イロプロスト1~2ng/kg/minで2時間静脈内投与したときの血行力学(血圧,心拍数,起立反応及び末梢血流)に影響を及ぼさなかった.
カプトプリル
健康被験者においてカプトプリル12.5mgの併用投与は,イロプロスト0.5~2ng/kg/minで2.5時間静脈内投与したときの血行力学(心拍数,血圧及び末梢血流)に影響を及ぼさなかった.
ジルチアゼム
肺高血圧症患者においてジルチアゼム60~720mgの併用投与は,イロプロスト0.5~10ng/kg/minの最大耐量で15分間静脈内投与したときの薬力学に影響を及ぼさなかった.