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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善

用法・用量

  • 通常、成人にはルストロンボパグとして3mgを1日1回、7日間経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[9.3.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血栓症、血栓塞栓症を有する患者又はそれらの既往歴を有する患者
血栓症又は血栓塞栓症の発現リスクが高くなるおそれがある。臨床試験では除外されている。
9.1.2 門脈血流が遠肝性の患者
血栓症又は血栓塞栓症の発現リスクが高くなるおそれがある。臨床試験では除外されている。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
投与しないこと。血中濃度が上がるおそれがある。臨床試験では除外されている。[2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラットに、80mg/kg/日(AUC比較で臨床曝露量の約143倍)を投与した場合に、胎児の発育抑制、40mg/kg/日(約131倍)を投与した場合に、胎児の頸部短小過剰肋骨(変異)の発現増加、母動物の妊娠期間の延長、出生児の生存性低下及び発育抑制、次世代の受胎能、黄体数及び着床数の低下傾向、並びに着床前死亡率の増加傾向、4mg/kg/日(約13倍)以上を投与した場合に、胎児の胸腰部短小過剰肋骨(変異)の発現増加が報告されている。また、ラットで胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤を投与しても、観血的手技の実施に際し十分な血小板数の増加が得られない場合があるため、必要に応じて血小板輸血の準備をするなど、適切な措置を講じること。[17.1.1参照]
8.2 血小板数が正常範囲以下であっても血栓症が報告されているため、観察を十分に行い、血小板数にかかわらず血栓症の発現に注意すること。[11.1.1参照]
8.3 観血的手技後に血栓症を発現した症例が報告されているため、本剤投与開始後は観察を十分に行うこと。[11.1.1参照]
8.4 本剤の投与終了又は中止後に血小板数が本剤投与開始前の値に復帰するため、易出血性となる可能性を考慮して観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。[17.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法・用量に関連する注意

7.1 本剤投与中は血小板数に留意し、少なくとも、本剤の投与開始から5日後を目安に1回は血小板数を測定し、それ以降も測定した血小板数を考慮し、必要に応じて血小板数を測定すること。血小板数が5万/μL以上となり、かつ本剤投与開始前から2万/μL以上増加した場合は、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7.2 本剤の投与は、観血的手技の施行予定日の8~13日前を目安に開始すること。
7.3 本剤を再投与した場合の有効性及び安全性は検討されていない。特に、血小板数が本剤投与開始前の値に復帰していない患者では他の治療法を選択すること。

5.効能・効果に関連する注意

5.1 血小板数等の臨床検査値及び臨床症状、観血的手技の種類からみて出血リスクが高いと考えられる場合に使用すること。なお、臨床試験では血小板数5万/μL未満の患者を対象とした。[17.1.1参照]
5.2 開腹、開胸、開心、開頭又は臓器切除を伴う観血的手技の場合は、本剤の投与を避けること。有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性各6例に、1、2、4mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-1に示す。
Cmax、AUCはいずれも投与量に比例して増大し、終末相消失半減期(T1/2,z)、みかけの全身クリアランス(CL/F)は投与量に依存しなかった。
表16-1 単回経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人)
投与量(mg)例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-inf※1(ng・hr/mL)T1/2,z※1(hr)CL/F※1(L/hr)
1644.9(29.1)4.0(3.5-4.0)1340(21.5)23.2(17.8)0.748(21.4)
2689.7(15.8)3.8(3.5-4.0)2210(16.0)20.4(7.9)0.905(15.9)
46213(5.7)3.8(3.5-4.0)5290(8.1)20.5(9.0)0.757(8.1)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値-最大値)
16.1.2 反復投与
(1)健康成人
健康成人男性各6例に、0.25、0.5、2mgを1日1回朝食後14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-2に、初回投与直前~初回投与後168時間(8日目投与直前)までの血漿中濃度推移を図16-1に示す。
トラフ時の血漿中濃度は本剤の投与開始5日目以降に定常状態に達した。定常状態でのCmax及びAUC0-τは初回投与時の約2倍であった。
表16-2 反復経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人)
投与量(mg)例数投与日Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-τ※1(ng・hr/mL)T1/2,z※1(hr)
0.25618.48(6.8)8.0(5.0-10.0)135(8.1)
719.7(5.3)8.0(4.0-10.0)333(11.9)
1418.0(11.7)6.5(4.0-10.0)317(13.0)27.8(6.5)
0.55119.2(9.6)8.0(5.0-10.0)327(7.1)
734.9(13.6)8.0(5.0-10.0)657(12.8)
1438.9(13.7)6.0(4.0-6.0)703(10.4)32.0(10.2)
26※3178.3(16.7)4.0(4.0-10.0)1280(12.3)
7159(16.6)4.0(4.0-10.0)2670(12.6)
14156(5.7)4.0(4.0-4.0)2630(8.1)30.1(11.7)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値-最大値)※3:14日目のみ5例
図16-1 反復投与時の血漿中濃度推移(健康成人)
(2)慢性肝疾患による血小板減少患者
消失半減期
慢性肝疾患による血小板減少患者16例に3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの、投与5日目以降のT1/2,zの幾何平均値(%変動係数)は、38.3時間(18.7%)であった。
その他の薬物動態パラメータ
慢性肝疾患による血小板減少患者7例に3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの投与5日目の薬物動態パラメータを表16-3に、投与5日目の投与直前と投与後2、4、6、8、24時間の血漿中濃度推移を図16-2に示す。
表16-3 反復経口投与5日目の薬物動態パラメータ(慢性肝疾患による血小板減少患者)
投与量(mg)例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-τ※1(ng・hr/mL)
37250(32.0)6.0(2.0-8.0)4799(32.9)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値-最大値)
図16-2 反復投与5日目の血漿中濃度推移(慢性肝疾患による血小板減少患者)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人健康成人男性15例に4mgを空腹時又は食後(高脂肪食)に単回経口投与したとき、Cmax及びAUCに食事の影響はみられなかった。
16.3 分布
ヒト血漿蛋白結合率は99.9%以上であった(in vitro試験)。
16.4 代謝
16.4.1 代謝物
健康成人7例に14C-標識ルストロンボパグ2mgを単回経口投与したときの血漿中代謝物を検索した結果、血漿中放射能の大部分は未変化体であり、代謝物として、β酸化カルボン酸、β酸化カルボン酸タウリン抱合体、脱ヘキシル体及びグルクロン酸抱合体が微量検出された。一方、糞中において、未変化体の割合は低く、β酸化関連代謝物が投与された放射能の約35%検出された(外国人データ)。これらの結果から、ルストロンボパグの主要な代謝経路はO-ヘキシル側鎖におけるω酸化及びそれに続くβ酸化であると推定された。
16.4.2 代謝酵素
ルストロンボパグのω酸化(β酸化の初発反応)に関与する主な代謝酵素はCYP4A11を含むCYP4系酵素であることが示され、CYP3A4も一部関与する可能性が示唆された(in vitro試験)。
16.5 排泄
健康成人7例に14C-標識ルストロンボパグ2mgを単回経口投与したとき、投与された放射能のうち約84%が投与後336時間までに回収され、約83%が糞中に、約1%が尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害者
健康成人、軽度(Child-Pugh分類A)及び中等度(Child-Pugh分類B)肝機能障害者各8例に0.75mgを単回経口投与したとき、軽度肝機能障害者のCmax及びAUC、中等度肝機能障害者のCmaxは健康成人と同程度であり、中等度肝機能障害者のAUCは健康成人より約20%高かった(外国人データ)。
表16-4 肝機能障害者と健康成人との薬物動態の比較
投与群例数Cmax※1(ng/mL)AUC0-inf※1(ng・hr/mL)健康成人に対する比※2
Cmax(ng/mL)AUC0-inf(ng・hr/mL)
健康成人814.9(30.9)328.4(20.6)
肝機能障害者軽度815.4(29.8)344.1(25.6)1.03(0.80,1.33)1.05(0.85,1.30)
中等度814.9(29.8)395.6(28.7)1.00(0.77,1.29)1.20(0.97,1.49)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)
16.6.2 高齢者
母集団薬物動態解析で高齢患者(65~84歳)60例と非高齢患者(49~64歳)41例を比較した結果、年齢は本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ルストロンボパグはP-糖蛋白及びBCRP(breast cancer resistance protein)の基質であることが示された(in vitro試験)。
16.7.2 健康成人15例に1日目ミダゾラム5mgを単独投与、2日目ルストロンボパグ1.5mgを単独投与し、3~8日目にルストロンボパグ0.75mgを投与、8日目にミダゾラム5mg単回投与を併用したとき、ルストロンボパグの反復投与はミダゾラムの薬物動態に影響を与えず、CYP3A活性に対する阻害及び誘導作用を示さなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法・用量は、ルストロンボパグとして3mgの1日1回7日間経口投与である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓症(1.3%)
門脈血栓症、腸間膜静脈血栓症等があらわれることがある。[8.2、8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2~5%未満2%未満頻度不明
皮膚発疹
血液白血球数減少血中フィブリノゲン減少、フィブリンDダイマー増加、FDP増加
肝臓AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇
消化器悪心
精神神経系頭痛
その他発熱倦怠感、疼痛回転性めまい、血圧上昇、血中カリウム増加、関節痛
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