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ピタバスタチンCa錠1mg「DK」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

用法・用量

  • ピタバスタチンCa錠1mg「DK」

    • <高コレステロール血症>

      • 通常、成人にはピタバスタチンカルシウムとして1~2mgを1日1回経口投与する。
        なお、年齢、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日4mgまでとする。
    • <家族性高コレステロール血症>

      • 成人

        • 通常、成人にはピタバスタチンカルシウムとして1~2mgを1日1回経口投与する。
          なお、年齢、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日4mgまでとする。
      • 小児

        • 通常、10歳以上の小児にはピタバスタチンカルシウムとして1mgを1日1回経口投与する。
          なお、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日2mgまでとする。
    • (参考)

      • 成人

        錠1mg錠2mg錠4mg
        高コレステロール血症
        家族性高コレステロール血症
      • 小児

        錠1mg錠2mg錠4mg
        高コレステロール血症
        家族性高コレステロール血症
      • ○:承認用法・用量あり -:承認なし
  • ピタバスタチンCa錠2mg「DK」

    • <高コレステロール血症>

      • 通常、成人にはピタバスタチンカルシウムとして1~2mgを1日1回経口投与する。
        なお、年齢、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日4mgまでとする。
    • <家族性高コレステロール血症>

      • 成人

        • 通常、成人にはピタバスタチンカルシウムとして1~2mgを1日1回経口投与する。
          なお、年齢、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日4mgまでとする。
      • 小児

        • 通常、10歳以上の小児にはピタバスタチンカルシウムとして1mgを1日1回経口投与する。
          なお、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日2mgまでとする。
    • (参考)

      • 成人

        錠1mg錠2mg錠4mg
        高コレステロール血症
        家族性高コレステロール血症
      • 小児

        錠1mg錠2mg錠4mg
        高コレステロール血症
        家族性高コレステロール血症
      • ○:承認用法・用量あり -:承認なし
  • ピタバスタチンCa錠4mg「DK」

    • <高コレステロール血症>

      • 通常、成人にはピタバスタチンカルシウムとして1~2mgを1日1回経口投与する。
        なお、年齢、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日4mgまでとする。
    • <家族性高コレステロール血症>

      • 成人

        • 通常、成人にはピタバスタチンカルシウムとして1~2mgを1日1回経口投与する。
          なお、年齢、症状により適宜増減し、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には増量できるが、最大投与量は1日4mgまでとする。
    • (参考)

      • 成人

        錠1mg錠2mg錠4mg
        高コレステロール血症
        家族性高コレステロール血症
      • 小児

        錠1mg錠2mg錠4mg
        高コレステロール血症
        家族性高コレステロール血症
      • ○:承認用法・用量あり -:承認なし

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重篤な肝障害又は胆道閉塞のある患者[9.3.1、16.6.2参照]
  • 2.3 シクロスポリンを投与中の患者[10.1、16.7.1参照]
  • 2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[9.5、9.6参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある以下の患者
・甲状腺機能低下症のある患者
・遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者
・薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
・アルコール中毒のある患者
[11.1.1参照]
9.1.2 重症筋無力症又はその既往歴のある患者
重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある。[11.1.7参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。[10.2、11.1.1参照]
9.2.2 腎障害又はその既往歴のある患者
横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。[10.2、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害又は胆道閉塞のある患者
投与しないこと。これらの患者では本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、肝障害を悪化させるおそれがある。[2.2、16.6.2参照]
9.3.2 肝障害又はその既往歴のある患者
肝障害を悪化させるおそれがある。本剤は主に肝臓に多く分布して作用する。[7.1、8.2、11.1.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)での周産期及び授乳期投与試験(1mg/kg以上)において分娩前又は分娩後の一時期に母動物の死亡が認められている。また、ウサギでの器官形成期投与試験(0.3mg/kg以上)において母動物の死亡が認められている。ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更にヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。[2.4参照]
9.6 授乳婦
投与しないこと。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。[2.4参照]
9.7 小児等
9.7.1 運動の頻度や強度、CK上昇に注意すること。小児では運動の頻度や強度が成人に比べて大きくなる場合があり、筋障害があらわれやすいおそれがある。[5.3、5.4参照]
9.7.2 国内において10歳未満、海外において6歳未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[5.3参照]
9.8 高齢者
副作用が発現した場合には減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。[11.1.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減も十分考慮すること。
8.2 肝機能検査を投与開始時より12週までの間に1回以上、それ以降は定期的(半年に1回等)に行うこと。[9.3.2、11.1.4参照]
8.3 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 肝障害のある成人に投与する場合には、開始投与量を1日1mgとし、最大投与量は1日2mgまでとする。また、肝障害のある小児に投与する場合には、1日1mgを投与する。[9.3.2、16.6.2参照]
7.2 本剤は投与量(全身曝露量)の増加に伴い、横紋筋融解症関連有害事象が発現するので、4mgに増量する場合には、CK上昇、ミオグロビン尿、筋肉痛及び脱力感等の横紋筋融解症前駆症状に注意すること。成人海外臨床試験において8mg以上の投与は横紋筋融解症及び関連有害事象の発現により中止されている。[11.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

ピタバスタチンCa錠1mg「DK」
5.1 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
5.2 家族性高コレステロール血症のうちホモ接合体については使用経験がないので、治療上やむを得ないと判断される場合のみ、LDL-アフェレーシス等の非薬物療法の補助として本剤の適用を考慮すること。
5.3 小児に投与する場合は、小児の家族性高コレステロール血症の治療に十分な知識及び経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ適用を考慮すること。[9.7.1、9.7.2参照]
5.4 女性では冠動脈疾患の発症は男性と比べて遅いと報告されていることも踏まえ、女児に対する本剤投与の要否については、リスク・ベネフィットを考慮し特に慎重に判断すること。なお、国内臨床試験において女児に対する使用経験はない。[9.7.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

ピタバスタチンCa錠2mg「DK」
5.1 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
5.2 家族性高コレステロール血症のうちホモ接合体については使用経験がないので、治療上やむを得ないと判断される場合のみ、LDL-アフェレーシス等の非薬物療法の補助として本剤の適用を考慮すること。
5.3 小児に投与する場合は、小児の家族性高コレステロール血症の治療に十分な知識及び経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ適用を考慮すること。[9.7.1、9.7.2参照]
5.4 女性では冠動脈疾患の発症は男性と比べて遅いと報告されていることも踏まえ、女児に対する本剤投与の要否については、リスク・ベネフィットを考慮し特に慎重に判断すること。なお、国内臨床試験において女児に対する使用経験はない。[9.7.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

ピタバスタチンCa錠4mg「DK」
5.1 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
5.2 家族性高コレステロール血症のうちホモ接合体については使用経験がないので、治療上やむを得ないと判断される場合のみ、LDL-アフェレーシス等の非薬物療法の補助として本剤の適用を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性6例にピタバスタチンカルシウムとして2mgを空腹時及び食後に単回経口投与したときの未変化体の薬物動態パラメータは次表のとおりであった。[16.2.1参照]
表 ピタバスタチンカルシウム2mg(先発品)単回経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人男性)
Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)
空腹時0.8±0.126.11±2.8258.8±6.3
食後1.8±0.316.79±2.2954.3±4.6
平均値±標準誤差(n=6)
16.1.2 反復投与
健康成人男性6例に1日1回朝食後ピタバスタチンカルシウムとして4mgを7日間反復経口投与したとき、薬物動態パラメータは次表のとおり、反復投与による変動は小さく、T1/2は約11時間であった。
表 ピタバスタチンカルシウム4mg(先発品)反復経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人男性)
Tmax(hr)Cmax(ng/mL)Cmin(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)T1/2(hr)
投与1日目1.7±0.555.6±8.81.4±0.1174±2510.5±1.1
投与7日目1.1±0.259.5±9.12.2±0.4221±3211.6±0.6
平均値±標準誤差(n=6)
16.1.3 生物学的同等性試験
<ピタバスタチンCa錠1mg「DK」>
ピタバスタチンCa錠1mg「DK」とリバロ錠1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピタバスタチンカルシウムとして1mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中ピタバスタチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表 ピタバスタチンカルシウム1mgを単回投与したときの薬物動態パラメータ
n判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
ピタバスタチンCa錠1mg「DK」1539.81±11.8520.68±6.110.7±0.210.4±4.8
リバロ錠1mg1538.81±10.4820.51±6.050.8±0.28.9±3.4
平均値±標準偏差(n=15)
図 ピタバスタチンカルシウム1mg錠を単回投与したときの血漿中ピタバスタチン濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<ピタバスタチンCa錠2mg「DK」>
ピタバスタチンCa錠2mg「DK」とリバロ錠2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピタバスタチンカルシウムとして2mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中ピタバスタチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表 ピタバスタチンカルシウム2mgを単回投与したときの薬物動態パラメータ
n判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
ピタバスタチンCa錠2mg「DK」1584.40±42.1240.06±15.780.8±0.310.0±2.0
リバロ錠2mg1586.42±37.4943.56±18.550.7±0.29.3±1.8
平均値±標準偏差(n=15)
図 ピタバスタチンカルシウム2mg錠を単回投与したときの血漿中ピタバスタチン濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
未変化体の薬物動態に対する食事の影響は、食後単回投与では空腹時単回投与に比べTmaxの遅延とCmaxの低下がみられたが、食後投与と空腹時投与でAUCに大きな差は認められなかった。[16.1.1参照]
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ピタバスタチンの血漿蛋白結合率は高く、ヒト血漿及び4%ヒト血清アルブミンで99.5~99.6%、0.06%ヒトα1酸性糖蛋白で94.3~94.9%であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 代謝経路
ピタバスタチンは、体内でラクトン体への環化、側鎖のβ酸化、キノリン環の水酸化及びグルクロン酸あるいはタウリン抱合化等により代謝された(ラット、ウサギ、イヌ)。
16.4.2 血中及び尿中代謝物
健康成人男性にピタバスタチンを投与したとき、血液中では未変化体及び主代謝物であるラクトン体が認められ、その他の代謝物としてはプロパン酸誘導体、8位水酸化体がわずかに認められた。尿中では未変化体、ラクトン体、デヒドロラクトン体、8位水酸化体及びこれらの抱合体がいずれもわずかに認められた。
16.4.3 代謝酵素
ピタバスタチンは、ヒト肝ミクロゾームを用いた代謝試験においてわずかに代謝され、主にCYP2C9により8位水酸化体を生じた(in vitro)。
16.5 排泄
16.5.1 排泄経路
ピタバスタチンの主たる排泄経路は糞中排泄であった(ラット、イヌ)。
16.5.2 排泄率
健康成人男性各6例にピタバスタチンカルシウムとして2mg、4mgを単回経口投与したとき、尿中排泄率は低く、未変化体で0.6%未満、ラクトン体で1.3%未満、合計でも2%未満であった。
また、健康成人男性6例にピタバスタチンカルシウムとして4mgを1日1回7日間反復経口投与した場合、未変化体及びラクトン体の尿中排泄量は初回から7回目の投与まで増加を示さず、投与終了とともに速やかに減少した。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害(血清クレアチニン基準値上限の1.5倍以上3倍以下)を有する高コレステロール血症患者6例と腎機能が正常な高コレステロール血症患者6例にピタバスタチンカルシウムとして2mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、腎機能障害患者の投与7日目の血漿中濃度は腎機能正常者に比しCmaxで1.7倍、AUCで1.9倍を示した。
16.6.2 肝機能障害患者
(1)肝硬変患者
外国人肝硬変患者12例と外国人健康成人6例にピタバスタチンカルシウムとして2mgを単回経口投与したとき、血漿中濃度は健康成人に比しChild-Pugh grade Aの患者ではCmaxで1.3倍、AUCで1.6倍、Child-Pugh grade Bの患者ではCmaxで2.7倍、AUCで3.9倍を示した。[2.2、7.1、9.3.1参照]
(2)肝機能障害患者(脂肪肝)
肝機能障害患者(脂肪肝)6例と肝機能正常者6例に1日1回ピタバスタチンカルシウムとして2mgを7日間反復経口投与したとき、薬物動態への影響は少なかった。[7.1参照]
16.6.3 小児
小児家族性高コレステロール血症患者(男児)各7例にピタバスタチンカルシウムとして1mg又は2mgを1日1回朝食前に52週間反復経口投与した。8週時又は12週時における投与1時間後の血漿中未変化体の濃度は次表のとおりであった。
表 小児家族性高コレステロール血症患者(男児)におけるピタバスタチンカルシウム1mg又は2mg投与1時間後の血漿中未変化体濃度
投与量投与1時間後の血漿中未変化体濃度注)(ng/mL)
1mg22.79±11.34
2mg32.17±17.65
平均値±標準偏差(n=7)注)投与8週時又は12週時に測定
16.6.4 高齢者
高齢者6例と非高齢者5例に1日1回ピタバスタチンカルシウムとして2mgを5日間反復経口投与したとき、両群の薬物動態パラメータに差は認められなかった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 臨床試験
(1)シクロスポリン
健康成人男性6例に1日1回ピタバスタチンカルシウムとして2mgを6日間反復経口投与し、6日目の投与1時間前にシクロスポリン2mg/kgを単回経口投与したとき、ピタバスタチンの血漿中濃度はCmaxで6.6倍、AUCで4.6倍に上昇した。[2.3、10.1参照]
(2)エリスロマイシン
外国人健康成人18例に1日4回エリスロマイシン500mgを6日間反復経口投与し、4日目の朝にピタバスタチンとして4mgを併用投与したとき、単独投与と比しピタバスタチンの血漿中濃度はCmaxで3.6倍、AUCで2.8倍に上昇した。[10.2参照]
(3)リファンピシン
外国人健康成人18例に1日1回リファンピシン600mgを15日間反復経口投与し、11~15日目に1日1回ピタバスタチンとして4mgを併用投与したとき、単独投与と比しピタバスタチンの血漿中濃度はCmaxで2.0倍、AUCで1.3倍に上昇した。[10.2参照]
(4)フィブラート系薬剤
外国人健康成人24例に1日1回ピタバスタチンカルシウムとして4mgを6日間反復経口投与し、8日目からフェノフィブラート又はゲムフィブロジルを7日間併用投与したとき、ピタバスタチンの血漿中濃度(AUC)はフェノフィブラートで1.2倍、ゲムフィブロジルで1.4倍に上昇した。[10.2参照]
16.7.2 In vitro試験
ピタバスタチンはCYP分子種のモデル基質に対する阻害試験では、CYP2C9の基質のトルブタミド、CYP3A4の基質のテストステロンの代謝に影響しなかった。また、ピタバスタチンの肝臓への取り込みに有機アニオントランスポーターOATP1B1(OATP-C/OATP2)が関与しており、シクロスポリン、エリスロマイシン及びリファンピシンによって取り込みが阻害された。[10.2参照]
16.8 その他
ピタバスタチンCa錠4mg「DK」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、ピタバスタチンCa錠2mg「DK」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シクロスポリン
(サンディミュン)
(ネオーラル)
[2.3、11.1.1、16.7.1参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症等の重篤な有害事象が発現しやすい。また、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。シクロスポリンにより本剤の血漿中濃度が上昇(Cmax6.6倍、AUC4.6倍)する。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フィブラート系薬剤
ベザフィブラート等
[9.2.1、11.1.1、16.7.1参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。両剤とも横紋筋融解症が報告されている。
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
ニコチン酸
[9.2.2、11.1.1参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。危険因子:腎障害がある場合
コレスチラミン本剤の血中濃度が低下する可能性があるので、コレスチラミンの投与後十分な間隔をあけて本剤を投与することが望ましい。同時投与により本剤の吸収が低下する可能性がある。
エリスロマイシン
[11.1.1、16.7.1、16.7.2参照]
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。左記薬剤により本剤の肝臓への取り込みが阻害されるためと考えられる。
リファンピシン
[16.7.1、16.7.2参照]
併用により本剤のCmaxが2.0倍、AUCが1.3倍に上昇したとの報告がある。左記薬剤により本剤の肝臓への取り込みが阻害されるためと考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。[7.2、9.1.1、9.2.1、9.2.2、9.8、10.1、10.2参照]
11.1.2 ミオパチー(頻度不明)
広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCKの上昇があらわれた場合には投与を中止すること。
11.1.3 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明)
近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれることがある。また、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある。
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも0.1%未満)
AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査等の観察を十分に行うこと。[8.2、9.3.2参照]
11.1.5 血小板減少(頻度不明)
血液検査等の観察を十分に行うこと。
11.1.6 間質性肺炎(頻度不明)
長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7 重症筋無力症(頻度不明)
重症筋無力症(眼筋型、全身型)が発症又は悪化することがある。[9.1.2参照]
注1)発現頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査に基づく。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~2.0%0.1%未満頻度不明
過敏症発疹、そう痒じん麻疹紅斑、血管性浮腫
消化器嘔気・悪心、胃不快感口渇、消化不良、腹痛、腹部膨満感、便秘、口内炎、嘔吐、食欲不振、舌炎、下痢
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇ビリルビン上昇、コリンエステラーゼ上昇、AL-P上昇
腎臓頻尿、BUN上昇、血清クレアチニン上昇
筋肉注2)CK上昇、筋肉痛、脱力感筋痙攣、ミオグロビン上昇
精神神経系頭痛・頭重感、しびれ、めまいこわばり感、眠気、不眠
血液貧血血小板減少、顆粒球減少、白血球減少、好酸球増多、白血球増多、グロブリン上昇、クームス試験の陽性化
内分泌テストステロン低下アルドステロン低下、アルドステロン上昇、ACTH上昇、コルチゾール上昇
その他倦怠感、抗核抗体の陽性化動悸、疲労感、皮膚疼痛、ほてり、関節痛、浮腫、霧視、眼のちらつき、耳閉感、尿潜血、尿酸値上昇、血清K上昇、血清P上昇、味覚異常、着色尿脱毛

注1)発現頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査に基づく。
注2)横紋筋融解症の前駆症状の可能性があるので、観察を十分に行い、必要に応じ投与を中止すること。

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