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オクトレオチド皮下注50μg「あすか」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記疾患に伴う諸症状の改善

    • 消化管ホルモン産生腫瘍(VIP産生腫瘍、カルチノイド症候群の特徴を示すカルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍)
  • ○下記疾患における成長ホルモン、ソマトメジン-C分泌過剰状態及び諸症状の改善

    • 先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)
  • ○進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状の改善
  • ○先天性高インスリン血症に伴う低血糖(他剤による治療で効果が不十分な場合)

用法・用量

  • <消化管ホルモン産生腫瘍、先端巨大症・下垂体性巨人症>

    • 通常、成人にはオクトレオチドとして1日量100又は150μgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は1日量300μgまで漸増し、2~3回に分けて皮下投与する。なお、症状により適宜増減する。
  • <進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状>

    • 通常、成人にはオクトレオチドとして1日量300μgを24時間持続皮下投与する。なお、症状により適宜増減する。
  • <先天性高インスリン血症に伴う低血糖>

    • 通常、オクトレオチドとして1日量5μg/kgを、3~4回に分けて皮下投与又は24時間持続皮下投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日量25μg/kgまでとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
<消化管ホルモン産生腫瘍、先端巨大症・下垂体性巨人症、進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状>
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<先天性高インスリン血症に伴う低血糖>
9.7.2 新生児及び乳児において、壊死性腸炎が報告されている。
9.7.3 小児に投与する場合は定期的に身長、体重を測定すること。成長遅延が報告されている。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与中はインスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスの変化による一過性の低又は高血糖を伴うことがあるので、投与開始時及び低又は高血糖のために投与量を変更する場合は患者を十分に観察すること。[11.2参照]
8.2 胆石の形成又は胆石症の悪化(急性胆嚢炎、胆管炎、膵炎)が報告されているので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に(6~12ヵ月毎に)超音波・X線による胆嚢及び胆管検査を受けることが望ましい。[11.2参照]
8.3 自己投与に際しては、以下の点に注意すること。
・自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者及び介護者が理解し、自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者及び介護者に指導を行うこと。
・使用済みの注射器を再使用しないように患者及び介護者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
<先端巨大症・下垂体性巨人症>
8.4 成長ホルモン産生下垂体腺腫は進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分観察すること。腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切り替え等適切な処置を行うこと。
8.5 成長ホルモン及びソマトメジン-Cを定期的に測定することが望ましい。
<進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状>
8.6 増量投与を行う場合は、低体重、悪液質等の患者の状態に注意し、慎重な監視のもとで投与すること。[7.1参照]
<先天性高インスリン血症に伴う低血糖>
8.7 本剤を長期的に投与する場合は、血糖、尿糖及び尿ケトン値を定期的に検査すること。
8.8 本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:オクトレオチド酢酸塩(先天性高インスリン血症に伴う低血糖)」等)を熟読すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 皮下注射にあたっては、組織、神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
・神経走行部位を避けるように注意すること。
・繰返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど同一部位を避けて行うこと。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・注射部位に疼痛をみることがある。
14.1.2 持続皮下投与時の各種シリンジポンプ等医薬品注入器の具体的な使用方法については、注入機器の使用説明書注3)及びあすか製薬株式会社作成使用手引き注4)の内容を熟知して使用すること。
注3)当該注入機器の製造販売業者作成の添付文書及び取扱い説明書
注4)本剤の注入速度の設定方法、注入液量の調整方法についての解説
14.2 配合変化
本剤と高カロリー輸液との配合により、オクトレオチドの残存率が低下するとの報告がある。

7.用法及び用量に関連する注意

<進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状>
7.1 本剤の投与量の増量と効果の増強の関係は、確立されていない。[8.6、17.1.3参照]
7.2 本剤を継続投与する際には、患者の病態の観察を十分に行い、7日間毎を目安として投与継続の可否について慎重に検討すること。
<先天性高インスリン血症に伴う低血糖>
7.3 本剤の用量は、患者の低血糖状態の重症度、血糖値及び臨床症状に基づき、最も少ない用量で効果が認められるよう、個別に調整すること。増量の際には観察を十分に行いながら慎重に増量すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<下垂体性巨人症>
5.1 脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
<先天性高インスリン血症に伴う低血糖>
5.2 ジアゾキシドによる治療で効果が不十分な場合に本剤の投与を検討すること。
5.3 重症低血糖によって引き起こされる中枢神経症状に対する有効性は認められていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 消化管閉塞を伴う進行・再発癌患者
国内の消化管閉塞を伴う進行・再発癌患者に300μg/日の注入速度で6日間持続皮下投与し投与開始から2~6日目までの血漿中濃度を測定した場合、平均薬物濃度は2.84ng/mLで、1日あたりのAUCは71.8ng・h/mLであった。
16.1.2 生物学的同等性試験
(1)オクトレオチド皮下注50μg「あすか」
オクトレオチド皮下注50μg「あすか」とサンドスタチン皮下注用50μgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1管(オクトレオチド50μg)健康成人男性に絶食単回皮下投与して血漿中オクトレオチド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
AUC0-8(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
オクトレオチド皮下注50μg「あすか」6.10±0.652.47±0.480.5±0.21.7±0.2
サンドスタチン皮下注用50μg6.15±0.752.43±0.350.5±0.21.8±0.2
(mean±S.D.、n=16)
(2)オクトレオチド皮下注100μg「あすか」
オクトレオチド皮下注100μg「あすか」とサンドスタチン皮下注用100μgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1管(オクトレオチド100μg)健康成人男性に絶食単回皮下投与して血漿中オクトレオチド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
AUC0-8(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
オクトレオチド皮下注100μg「あすか」13.30±1.645.49±0.870.5±0.11.7±0.2
サンドスタチン皮下注用100μg13.04±1.485.63±0.900.4±0.11.7±0.2
(mean±S.D.、n=16)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シクロスポリンシクロスポリンの血中濃度が低下することがある。本剤がシクロスポリンの吸収を阻害するため。
インスリン製剤血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
ブロモクリプチンブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、呼吸困難、気管支痙攣等のアナフィラキシーがあらわれることがある。皮疹、そう痒、蕁麻疹、発疹を伴う末梢性の浮腫等があらわれた場合には直ちに投与を中止すること。また、その後の投与は行わないこと。
11.1.2 徐脈(0.1%)
投与直後に重篤な徐脈を起こすことがある。β-遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者において、徐脈が認められた場合、これらの用量を調節すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
内分泌障害甲状腺機能低下症、甲状腺機能障害(甲状腺刺激ホルモン(TSH)減少、総サイロキシン(T4)減少及び遊離T4減少等)
代謝及び栄養障害耐糖能異常注1)、低血糖注1)、高血糖注1)脱水
神経系障害頭痛、めまい
呼吸器障害呼吸困難
胃腸障害嘔気胃部不快感、下痢、嘔吐便秘、腹痛、食欲不振、白色便、腹部膨満膵炎、鼓腸放屁
肝胆道系障害肝機能異常、AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、胆石注2)LDH上昇、ビリルビン上昇胆嚢炎
皮膚及び皮下組織障害発赤、皮膚そう痒感、脱毛
全身障害疲労、けん怠感
注射部位疼痛発赤、硬結刺激感、刺痛、腫脹、灼熱感

注1)[8.1参照]
注2)[8.2参照]

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