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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 尋常性乾癬

用法・用量

  • 通常、1日1回、適量を患部に塗布する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染症及び動物性皮膚疾患症状を悪化させることがある。]
  • 2.3 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高カルシウム血症及びそのおそれのある患者
本剤の使用によりさらに血中カルシウム値を上昇させるおそれがある。[8.2、8.3、11.1.1、11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
血中カルシウム値を上昇させるおそれがある。[8.2、8.3、11.1.1、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないことが望ましい。大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。マキサカルシトールは動物実験(ラット)で胎盤を通じて胎児へ移行することが認められている。また、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルでは動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。[8.5参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。マキサカルシトールは周産期及び授乳期の静脈内投与試験(ラット)において、1.1μg/kg/日投与で出生児に体重増加抑制が認められている。また、分娩後哺乳中のラットに静脈内投与したとき、乳汁中への移行を示唆する報告がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
使用が過度にならないように注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤はマキサカルシトールとベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの配合剤であり、マキサカルシトールとベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル双方の副作用が発現するおそれがあるため、本剤の適切な使用を検討すること。
8.2 本剤は活性型ビタミンD3誘導体を含有しており、血中カルシウム値が上昇する可能性がある。また、マキサカルシトール外用製剤において高カルシウム血症に伴い、急性腎障害の報告があるため、本剤の使用に際しては、血中カルシウム値及び腎機能(血中クレアチニン、BUN等)の検査を定期的(開始2~4週後に1回、その後は適宜)に行うこと。なお、正常域を超えた場合には減量又は使用を中止すること。[9.1.1、9.2、11.1.1、11.1.2参照]
8.3 皮疹が広範囲にある場合や、皮疹重症度が高く、皮膚のバリア機能が低下して本剤の経皮吸収が増加する可能性のある患者では、高カルシウム血症が発現しやすく、急性腎障害に至る可能性もあるため、本剤を少量から使用開始し、観察を十分に行い、血中カルシウム値及び腎機能の検査を定期的に行うこと。[9.1.1、9.2、11.1.1、11.1.2参照]
8.4 皮膚萎縮、ステロイド潮紅等の局所的副作用が発現しやすいので、特に顔面、頸、陰部、間擦部位の皮疹への使用には、症状の程度を十分考慮すること。
8.5 本剤は副腎皮質ホルモンを含有しており、大量又は長期にわたる広範囲の使用(特に密封療法(ODT))により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれることがある。[9.5参照]
8.6 本剤はマキサカルシトールを含有しており、密封療法(ODT)における安全性は確立していない。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
誤用(内服等)防止のため、薬剤の保管に十分注意させること。特に、小児の手のとどかない所に保管させること。万一、誤って内服した場合には、高カルシウム血症等の全身性の副作用があらわれることがあるので、医療機関を受診するなど、適切な処置を受けるよう指導すること。[13.1参照]
14.2 薬剤使用時の注意
14.2.1 使用部位
(1)本剤は患部にのみ使用し、正常皮膚部位には使用しないこと。
(2)皮膚以外の部位(眼、粘膜)には使用しないこと。
14.2.2 使用時
本剤に触れた手で傷口等に触れないように注意すること。
14.2.3 使用後
本剤塗布後は手をよく洗うこと。

7.用法・用量に関連する注意

7.1 1日の使用量は、10g(マキサカルシトールとして250μg)までとする。
7.2 4週間を超えて本剤を使用した際の有効性及び安全性は確立していない。本剤による治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と使用を継続しないこと。[17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
尋常性乾癬患者166例に本剤1回適量(10gまで)を1日1回4週間塗布したところ、1例に血漿中ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(54.30pg/mL、塗布4週後)を検出したが、他は定量下限(50pg/mL)未満であった。また、血漿中マキサカルシトールは塗布2週後に25例、塗布4週後には15例に検出され(最大値43.43pg/mL、塗布2週後)、他は定量下限(10pg/mL)未満であった。
16.2 吸収
ラット(雄)に本剤、マキサカルシトール軟膏(本剤基剤)及びベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏(本剤基剤)を単回経皮投与した際のマキサカルシトール、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル及びBM-17・B(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル代謝物)の皮膚中濃度推移は、マキサカルシトール軟膏及びベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏(市販薬)を投与した際のマキサカルシトール、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル及びBM-17・Bの皮膚中濃度推移と類似していた。
16.3 分布
16.3.1 マキサカルシトール
ラット(雄)に[26-3H]マキサカルシトール軟膏1μg/kgを単回経皮投与したときの皮膚のミクロオートラジオグラムでは、放射能は角質層に最も高濃度に分布し、次に顆粒層、有棘層、基底層に高く分布していた。さらに顆粒層、有棘層、基底層では細胞核内に放射能分布が認められ、これらの組織の細胞核に分布して薬効を発揮するものと推察された。また、ラット(雄)に[2β-3H]マキサカルシトール3μg/kgを単回経皮投与したとき、投与部位皮膚以外の組織においては回腸下部ならびに肝臓に比較的高濃度に分布していた。
16.3.2 ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
ラット(雄)に3H-ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.25mg/kgを経皮投与したときの皮膚ミクロオートラジオグラムでは、投与後1時間の銀粒子は表皮部(特に角質層)及び毛包に多数認められ、ついで皮脂腺に認められた。投与後6時間では1時間と同様の分布傾向を示したが、毛包及び皮脂腺を除く真皮部にもわずかに銀粒子が認められた。投与後24時間の銀粒子は表皮部(特に角質層)に多数認められたが、真皮部の銀粒子はバックグラウンドレベルであった。また、ラット(雄)に3H-ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.25mg/kgを経皮投与したとき、組織内放射能濃度は投与後8時間あるいは24時間に最高濃度を示し、特に塗布部皮膚では血漿中濃度の約3000~3500倍の極めて高い濃度であった。塗布部皮膚以外では、肝臓、腎臓、副腎、膀胱及び貯精嚢に高い分布が認められた。
16.4 代謝
16.4.1 マキサカルシトール
ラット腎ミトコンドリアを用いた代謝試験において、マキサカルシトールは活性型ビタミンD3の代謝酵素であるCYP24により代謝されると考えられた(in vitro)。ヒトP450発現系を用いた代謝試験において、マキサカルシトールはCYP3A4によって代謝された(in vitro)。
16.4.2 ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
ヒト肝ミクロソームにおけるベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの代謝に関与する分子種の推定試験の結果、ヒトチトクロームP450(CYP)の13分子種の関与は認められず、カルボキシエステラーゼの2分子種の関与もほとんど認められなかった(in vitro)。
16.5 排泄
16.5.1 マキサカルシトール
尋常性乾癬患者4例に[3H]マキサカルシトールを用いた試験では、塗擦6時間後に拭き取った軟膏中に42.6%の放射能が検出され、また、塗擦168時間までに排泄された放射能は、尿中に投与量の15.2%、糞中に11.4%であった。血清中には未変化体及びO-脱アルキル体が認められたが、尿及び糞中には未変化体は認められなかった(外国人データ)。
16.5.2 ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
ラットに3H-ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルを1mg/kgを皮下投与した試験において、投与後168時間までに排泄された放射能は、雄性ラットでは尿中に13.0%、糞中に88.0%であった。雌性ラットでは尿中に26.1%、糞中に66.5%であった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ビタミンD及びその誘導体
アルファカルシドール
カルシトリオール
カルシポトリオール 等
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。相加作用
PTH製剤
テリパラチド
アバロパラチド酢酸塩
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。相加作用
カルシウム製剤
乳酸カルシウム水和物
炭酸カルシウム 等
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高カルシウム血症(頻度不明)
高カルシウム血症及び高カルシウム血症によると考えられる臨床症状(口渇、倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔吐、腹痛、筋力低下等)があらわれることがある。異常が認められた場合には使用を中止し、血中カルシウム値、尿中カルシウム値等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。[8.2、8.3、9.1.1、9.2参照]
11.1.2 急性腎障害(頻度不明)
血中カルシウム増加を伴った急性腎障害があらわれることがあるので、血中カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。[8.2、8.3、9.1.1、9.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
過敏症皮膚の刺激感、発疹
皮膚
皮膚の感染症注1)
毛包炎ウイルス感染症、真菌症(カンジダ症、白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、せつ等)
皮膚
その他の皮膚症状
そう痒、紅斑注2)、湿疹(発赤、苔癬化、腫脹、びらん等)、接触皮膚炎、色素沈着注2)、魚鱗癬様皮膚変化注2)、ざ瘡(ざ瘡様発疹、ステロイドざ瘡等)注2)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイド潮紅等)注2)、水疱、腫脹、疼痛、皮膚剥脱、ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)注2)、紫斑注2)、多毛注2)、色素脱失注2)、皮膚乾燥、びらん、浮腫、熱感
腎臓血中クレアチニン増加尿路結石、尿中蛋白陽性、BUN増加、増殖性糸球体腎炎
代謝血中カルシウム増加血中リン減少、血中リン増加、Al-P増加、CK増加、尿中ブドウ糖陽性、血中アルブミン減少、血中カリウム減少
消化器口渇、食欲不振、びらん性胃炎
肝臓肝機能異常γ-GTP増加、AST増加、ALT増加、血中ビリルビン増加、尿中ウロビリン陽性
血液白血球数減少白血球数増加、血小板数減少
下垂体・副腎皮質系血中コルチゾール減少下垂体・副腎皮質系機能の抑制注3)
筋・骨格系背部痛

注1)このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には本剤の使用を中止すること。(密封療法(ODT)の場合に起こりやすい。)
注2)このような症状があらわれた場合には、徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること。特に長期連用に際しては注意すること。
注3)ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル外用製剤において、大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封療法(ODT)により、発現することがあるので注意すること。

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